猿でも分かるカオスシード
分かればいいなぁ。
 当コンテンツは『仙窟活龍大戦カオスシード』というサターンのゲームについて今更本格的に触れようという謎企画です。発売されたのがサターンオンリーで98年初頭(しかも発売延期を3回くらいした)、その後のハード的不遇に遭い、プレイヤー人口が(只でさえ増えないものが)伸び悩んだ為攻略ページも少ない。で、今となってはサターン現役なお宅も少ないので訪問販売もままならずという訳で布教も厳しいと。そう言えば今作の前身である『カオスシード〜風水回廊記〜』もSFC末期に発売されてマニアックな注目を集めたらしいですが、狙ってんでしょうか。

−何ゲー?−
 『カオス』は「古代中国をモチーフにした世界で風水っぽいものを活用してダンジョンを作成し無理解な一般人の妨害を排除しつつやせ衰えた大地を蘇らせるべく奮闘するゲーム」です。多分。無理矢理一文でまとめるとこうなります。
 ジャンルは「ダンジョン育成シミュレーション」という他には絶対流用の効かないものになっています。でもまあ『ダイナマイト刑事』が「横スクロールアクション」だったり『七つ風の島物語』が「アドベンチャーRPG」だったりするように、既存のジャンルに当てはめようとして納得出来なくなるよりは良い選択ではないでしょうか。因みにナマ刑事の方は単にアクションにしとけば済んだのではなかろうか。七つ風は・・・まぁやってみて下さい。

 そうは言っても「ダンジョン育成シミュレーション」では何だか伝わらないので、一般的なジャンルで表すと

「アクションRPG」+「シム系

てところでしょうか。シム系ってぇかまんまシムシティをイメージして頂けると幸い。微生物を配置して突然変異を待ちつつ隕石ドカドカ降らせる方や、穴掘りつながりで想起される方を念頭におかれると大分イメージが違ってきます。
シナリオ毎に設定された目的を達成するためにダンジョンを設計・運営していくあたりシムシティ風ですが、プレイヤー操る主人公「洞仙」はセガール市長ほど万能ではありません。シムシティは正に神の視点からゲームを操るのに対し、カオスの場合は言わば現場の辛さが直に伝わるガテン系シムシティ!地上げから強制立ち退き、管理維持まで最前線に立って行っていくのです(そのうち部下が出来ますが)。

 何だか変な方向にイメージが進みかねない流れですが、とりあえず「育成」という単語から連想される姫やらピクシーやらめろんちゃんやらランディ君やらドラゴンやらとは系統が全く異なるという事で誤解無きよう。

・・・ああ龍だけは育てるか。


−背景とか−
 時は「遠い昔」。説明書にそう書いてます。前述した通り昔の中華な雰囲気の世界です。分かりやすい例で言えば『封神演義』みたいな感じで。実は主人公が同じとまでは言わんもののネタになるくらい似た絵面なのでまあ折り紙つきです。
 主な舞台となる場所は「洞天福」(どうてんふく)という国。あちらの言葉で「桃源郷」とほぼ同義で、そこそこ平和な国です。

 この世界の大地の盛衰を司るのは、龍脈と呼ばれる地底深くを流れるエネルギー。別にそこに落ちた人間は精神が焼き切れるとかいう凶悪な代物では無いはずです。。で、そのライ○ストリームもとい龍脈に異常が生じると、土地は痩せ草木は枯れ、人々の生活は困窮する。もっとも一般の民草はこんな事は知りません。理由も分からず今年は不作じゃ年貢が足らんと戦々恐々としているのがオチでしょう。

 そんな大地の危機を救える力を持った只一つの存在、それが洞仙です。といっても別に仙術自体は仙骨があれば修行次第で誰でも使えるので、仙人=洞仙てものではありません。龍脈の流れを読み、大地の異常を収める力を身につけたものだけが晴れて大地を救うべき崇高なる洞仙になれるのです。つっても龍脈異常探知と削岩功、開封呪以外何ら特殊能力無いですが。仙獣召喚も誰でも出来るし。

 さて、大地を救う為には具体的にどうすれば良いのか。何らかのトラブルに見舞われ機能不全に陥っている龍脈を元に戻してあげれば良いのです。大地の一部にメスを入れ、そこが本来持っているエネルギーを最大限に引き出し、それを龍脈にフィードバックさせる事で不足していたエネルギーを龍脈に行き渡らせ、近隣の大地全体を健常化し、場合によってはその上でエネルギーが不足してしまった原因を突き止めて解消する為の施設=仙窟なのです。

 しかしそんな崇高な職業であるところの洞仙の仙窟運営諸々は、他の一般人からすれば奇奇怪怪の極みであり、なかなか理解が得られないどころか危険視すらされてしまいます。神代(いわゆる超古代文明みたいなもん)に洞仙という存在が生まれてから長い年月を経ても、その傾向は収まるどころか悪化の一途を辿り、今や超高額賞金首として親の敵のような扱い。当然率先してそんな人気ワースト職種に就きたがる若者も居ないので洞仙の数はそう多くはありません。中には大地を操る力を悪用する悪徳洞仙も存在するようですが、その他真面目な洞仙からすればとんだ誤解・とばっちり・いい迷惑という訳です。

 そんな状況なので、今更世間様の評価など何処吹く風で、他の一切を気にせず大地を復活させる事だけ考え日々活龍三昧なのが一般的な洞仙のライフスタイルです。それが見事に悪循環を生んでたりもしますが、国債の利子よろしく今更気にしても結果に影響は無かろうというレベルなのでしょう。主人公の洞仙も如何にもそんな洞仙です。少しは気にしろってくらいに。


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