日記タイトル


電子メール普及に思うこと


最近、電子メールを使える人が本当に多くなってきた。
会社で電子メールを使うようになったのが三年前、その頃はメールを送る相手は会社の人間か学生ばかり。それ以外の友人にはとんと無縁の世界だった。

それが最近では、ポケットボード買ったとか、携帯から送れるようになったとか、或いはめでたくパソコンを購入したとかいう理由で普通の生活に電子メールは急速に浸透しつつある。

それ自体は全然問題だとは思わない。それまでそんなに縁のなかった人とメールをやり取りすることで仲良くなったり、離れたところに住んでいる友人と、お金をかけずに連絡を取り合うことができるようになったからだ。

しかし、非常に気になるのは、

電子メールでなんでもできると思ってないか?

ということである。いや、正しくは

電子メールでなんでもできると思わされてないか?

ということかもしれない。

例えばVAIOのコマーシャル。動画をあたかもそのままメールとして送っているような雰囲気であるが、実際、あんなクオリティの高い画像をそのまま送ったとしたら添付ファイルがMB単位の凄い大きさになってしまう。送信する方も受信する方も専用線接続でなかったら、送信、受信に大変な時間がかかることになってしまう。もちろん、実際にそのファイルがネットワーク上に乗ることによって、回線は余計に混み合うことになる。

確か私が電子メールを使い始めて間もなくのことだったと思う。
丁度日本海沖でタンカーが沈没した頃で、その惨澹たる様子を見た人がみんなの協力が必要だ、というような要旨のメールを送った。それが転送に転送を繰り返して、学生時代の後輩から私のもとに送られてきた。
私も後輩と同じく「これは多くの人に見てもらうべきだ」と考え、早速上司に転送した。しかし、その返事は

「このメールは現在チェーンメール化して問題になっているから、これ以上転送しないように」

というものだった。同じ内容のメールがあちこちに送られていて、結果的に回線が全国規模で混み合うことになっているのだと。
所謂チェーンメールというものには、悪意のあるデマウィルス情報とか、取るにたらない小話の数々などがあるが、このように純粋な気持ちで書かれたメールが結果的にチェーンメールとなってしまうことに、私は少なからず驚きを感じ、かつ反省したものだった。

ところで、こういうチェーンメールはすべてテキストで書かれたものだった。
ところが最近チェーンメール化しているものには少なからずファイルが添付されているものがある。私のところにも、鈴木その子の画像が結構送られてきたりする。それ自体は面白いのだが、それがネットワークにどれだけ影響を与えているかということを考えると複雑な心境である。いくら軽い画像でも、やはりテキストよりは重くなってしまうからだ。

その要因は、やはり電子メールの一般化にあると私は思う。
ユーザーフレンドリーなインターフェース(見やすい文面、カラフルな画像など)を強調することは、確かに売る側のメーカーにとっては必要なことだったのだと思う。しかしそのために行っていることは、電子メールのHTML化(たまに仕事系のメーリングリストでもHTMLタグ付きのメールが来たりする)であったり、重いファイルの添付であったりするわけで、必然的にネットワークに負荷をかけやすい状況になっていることは確かである。

今書いている電子メールが
・果たしてテキストだけでは表現しきれないものなのか?
・画像はどうしても添付しなければならないもののか?
ということを考えさせる術をメーカーはユーザーに与えていないと思う。
いくらパソコンのスペックが上がっても、モデムの速度が考えられないほど速くなっても、ユーザーがそれを自覚していなければ結局はいたちごっこになってしまうのではないだろうか?



●つれづれに戻る●