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お酒を飲むこと


お酒を飲むということは、サラリーマンにとっては不可避の行動であると思う。
何かにかこつけて飲み会を開くのは、会社の人間が、仕事以外のことでコミュニケーションを取る、唯一に近い機会だからなのだろう。

私はというと、お酒を飲むのは嫌いではない。みんなと一緒に話す雰囲気を楽しむという点では、好きな部類に入ると言ってもいいだろう。

ただし、度を越した場合は、二日酔いによる多大なる苦痛と、酔っている間に起こした事件に付きまとわれることになる。
私の場合、運の悪いことにそれは自分自身の新入社員歓迎会で起こった。

新入社員は、現在は7月ないし8月に部署に配属されることになっているのだが、私の入社当時は入社と同時に配属という形を取っていた。というわけで、新入社員歓迎会は季節的にお花見である。
その日の午後は私を含めた数人の新入社員と、一年上の先輩でお花見の場所取りをしていたのだが、4月の初めということでまだまだ肌寒かった。
そこに「あまりもの」と証したお酒が数種類あったのだが、みんなで身体を温めるためにウォッカをジュースで割って飲んだのが間違いの元だったらしい。

他の社員が仕事を終えて会場に来た頃には、私は既にできあがっていた。
楽しく課長と名刺交換したり、いろいろ喋ったりしていたのだが、そのうちに眠くなり、その場で眠り込んでしまった。
「そろそろお開きにします」との声が聞こえても、眠くて身体が動かない。
そのうちみんなが私の周りに集まり、「どうしたどうした」と大騒ぎになったが、やはり身体が動かない。
そのうち、先輩の一人が私の靴を見て

「コイツ、靴でけーよ!!」

などと言い出した。どうやら聞こえてないものと思ったらしい。
私的には24.0cmはそんな騒がれるほど大きなサイズではない、と思ったのだが、反論する気力もなかった。

その日は結局、近所の先輩に車を出してもらい、同期の友人宅に泊めてもらう羽目になったのだった。
しかも始末の悪いことに、その翌日から二週間新人研修に行くことになり、迷惑をかけた部署の方々に謝ることも、弁解することもできなかったのだった。

そして二週間後、久々に出社した私の顔を見た先輩が一言。

「おぉ、やっと花見から帰ってきたか!!」

周囲は笑いに包まれ、私はこの事件が自分の伝説となってしまったことを知った。

その後、お酒はほどほどに飲むようになったかというとそんなことは決してなく、幾度かの記憶欠落も含む数々の「伝説」を作ってしまった。
自分の限界に対する認識を改め、常に「ほどほど」に飲めるようになる日は来るのだろうか?



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