
「LOVE」三部作に思う
「LOVE」三部作とは、以下の三曲のことである(どうやら私が勝手に名づけたらしい)。
・「LOVE〜Destiny〜」浜崎あゆみ
・「LOVE〜抱き合って〜」つんく with 7HOUSE
・「LOVE〜since1999〜」浜崎あゆみ&つんく
同じメロディを別のアレンジで仕上げたこの三曲は、喩えるならば
「定番」「意欲作」「真骨頂」
だと思う。
「定番」〜Destiny〜はややおとなしめのアレンジながら、サビでしっかり泣かせようとしてくれる。浜崎あゆみの歌詞もぴったりマッチしていると個人的には思う。今度別の機会に書きたいと思うが、彼女の言葉選びには結構凄いものを感じている。
「意欲作」〜抱き合って〜は三曲の中で一番最後に聴いたのだが、つんくはボーカリストとしての自分に新しいものを見つけようとしていると思う、陳腐な言い方だけど。シャ乱Qじゃああいう曲やらないだろうし。でもやっぱり声が演歌かムード歌謡のような気がする(笑)。
最後の〜since1999〜がつんく(シャ乱Q?)的アレンジの「真骨頂」だと思うのだが、どうもしっくりこないような気がする。二度、三度と聴いてみて気付いたのが「二人の声質があまりにも違う」ということだった。
どちらかというとストレートに発声する浜崎あゆみに対し、つんくはあくまでも音程揺らしまくりの演歌的発声である。どちらも別段音程を外しているようには見受けられないのに、ハモりがしっくりいってないのはそのせいだろう。
個人的に思うのは、綺麗にハモるにはやっぱり音程揺らしちゃ駄目なんじゃないかということである。例えば管楽器のチューニングでは音をまっすぐ出して音程を揺らさないことが基本である。10秒音を伸ばしてずっと音程が合っているのと、途中の3秒だけ合っているのでは全然違うし、合奏で綺麗にハモるのは前者であることは言うまでもない。
曲を聴く前につんくのインタビューを読んだが、「彼女(浜崎あゆみ)もいつものように子供っぽい声じゃなくて色っぽく歌ってくれた」なんて言っていた。でもソロで歌うわけじゃないということを考えなければいけなかったのはつんくの方なんじゃないかな、と思ったりする。
いずれにしても、アレンジの違いで曲の雰囲気ってこうも変わるものかということを見せ付けたという意味では、「LOVE」三部作は評価できるのではないだろうか。
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