第12話 『危険なレストラン』


「うおおお、ひどい目に遭ったぜ」
 僕が後ろ手に縛られたロープをほどいてあげると、ビクトールは自分で猿ぐつわをぬぐい取った。彼はハイ・ヨーの食材庫に「保管」されていたのだ。
「おい、ハイ・ヨー。よくもやってくれたな!」
 ビクはハイ・ヨーの胸ぐらを掴んだ。
「すまなかったアルね。でも、私の故国では『私の友達は男らしいが、隣人の友達はおいしそう』という諺アルよね」
「それを言うなら『私の犬は可愛いけれど、隣人の犬はおいしそう』だろ」
 僕が指摘すると、ハイ・ヨーは「そうだったかネー」ととぼけた。ビクを助ける為に一緒に突入したゲンゲンとカボチャは、顔を見合わせて震え上がった。キニスンは「バカなことを言わないでくださいっ」とシロをがしっと抱きしめた。
 そこで僕ははっと気づいた。
「も、もしや僕が昨夜食べたタコヤキは・・・」
「アビズボアはいい人アルね。再生できるから、いくらでも使っていい言ってくれたアルよー」
「げぇぇぇぇ」
 
 ハイ・ヨーのレストランが営業停止をくらったのは言うまでもない。

                            ☆ おしまい ☆  

 


犬を食べることでは、韓国が有名です。


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