腰の王子さま

女だけが暮らす星があった。みなが腰痛・肩凝りに苦しんでいた。
その星の神聖なる森に、ある日、ゴムバンドをターバンにした男が降臨した。
「私こそ、『腰の王子』なるぞ。みな、私の指示に従いたまへ。・・・ささ、首が凝る者よ、すぐにパンストを脱いで首に。腰痛の者は腰にゴムバンドを」
「王子、ウソのように回復しました!ありがとうございました!」
「そのパンストは、研究材料にするので回収する。あ、そのゴムバンドも。指示通り素肌に装着しただろうな?」
「・・・王子、なんで匂いをかいでおられるのですか?それも研究ですか?」

かくしてこの星の人々は救われ、王子は再び空へ戻って行った。女たちに5%の「こいつ、すけべ?」の疑惑を残したまま。
神聖なる森には今も、ゴムバンドのターバンを巻いた王子の銅像が立っている。

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治療師ギタリスト・JOSE有海さんのBBSに勝手に寄稿した作品。

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