『隠し事』
ふと気がつくと時計が一時を指している
今日も電話は来なかった
少しだけ淋しくなるけど
それでも 気にしない
「忙しいって言ってたし」
「縛り付けるのやだし」
本心に言い訳をちりばめて
嘘で隠し通す
「だけど 声が聴きたい」
「だけど 逢いたい」
溢れてくる想いを
伝えることもしないまま
ひたすらに 隠し通す
負けないでいられる時間が欲しい
今はただ それだけ
それでも時計の音は気になる
「今頃なにしてるだろう」
「今頃なにを考えてるだろう」
思えばずっと アイツのことばかり
考えてる自分がいる
だけどまだ「アイシテル」を
全てに勝る勇気に変えるには
ほんの少し 時間が足りない
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『海』
懐かしい海を見た
懐かしい人と見た
昔と変わらないその場所は
寒空の下で変わらない景色で
私たちを 迎えてくれた
「私はこの人が好きだったんだ」
胸が苦しくなるような想いを
だけど『過去形』で思い出せる自分を
なんとなく 嬉しく感じた
今は違うんだ 『この人』じゃないんだ
強く想う自分が なんとなく愛(かな)しかった
懐かしい海を見た
懐かしい人と見た
だけどそれは なにかの始まりではなく
確実にわかる 『過去の終結』だった
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『眠り』
久しぶりに疲れ切った体は
それでも安らかなる眠りを誘いはせず
ただ 彼の人の声だけが
安息の地へと 導いてくれる
もう少しだけ 側にいて
伝えられない言葉
無言の裏側に隠された願い
だけど どこにも届かない
彼の人のために 眠れない夜を過ごした
眠れなかった夜 彼の人が眠らせてくれた
私の眠りを左右することができるのは
ただ 彼の人だけに与えられた特権なのかもしれない
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『考え事』
服のまま眠りについて
悪戯電話で起こされる
そんな日々が続く
体はいくら眠っても
疲れが全然とれない
いつまで惰眠を貪れば
「朝」を迎えることができる?
真夜中に起きて ふと考える
どこまで疲れをため込めば
永遠に 眠ることができる?
真夜中に ふと……考える
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『願い』
縛り付けたくない
でも 淋しい
声が聴きたくて
ただ それだけで
誰かお願い
あの人に逢わせて
何もしなくてもいい
ほんの刹那で構わない
だから お願い
あの人に逢わせて
縛り付けたくない
だけど 淋しくて
声が聴きたい
ただ それだけで
ただ それだけなのに
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『ありがとう』
ありがとう なんて
言えるほど まだ大人にはなれない
だけど ばかやろうなんて
言えるほど 子供でもない
でも それでも
いいことなら 確かにあったよ
想い出に変えるのも
今ならきっと 難しくない
だけど ありがとうなんて
言えるほど 大人じゃないから
今はただ
「これからも よろしくね」
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『カウントダウン』
カウントダウンがはじまる
未来に向けての 新しい始まり
夢が叶いそうな予感
現実に近づいてくる実感
READY?
秒読みの開始
見えてくるのは 近い将来
たったひとつの 可能性
カウントダウンがはじまる
未来に向けての 新たなる始まり
夢が叶う日ならきっと
手が届きそうなほど 近くに
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『大丈夫』
大丈夫 きっとなんとかなる
なんとかするさ
だから 大丈夫
負の感情を正の場所へ
考え方の転換
「自分」でいれば それでいい
大丈夫 きっとなんとかなる
なんとかするさ
だから 大丈夫
まずは そう信じることから
少しずつでいい はじめよう
ゆっくりでもいいから
大丈夫 きっとなんとかなる
なんとかするさ
だから 大丈夫
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『失くしたもの』
眠れないまま 夜が明ける
ただ何もせずに 思いを馳せてみる
いつからか 昔に戻った気がした
全ての記憶を携えたままに
それでも 何かが違うと感じる
何かが違うと わかる
大切な何かを失くしたような
そんな 感覚
きっと失くしたものは
何よりも大切で
壊れやすい 想い
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『なんとなく』
なんとなく 楽しい時間
なんとなく 面白い話
なんとなく 好きな仲間
なんとなく なんとなく
だけど 本当に欲しいものは
そんなものなんかじゃなくて
ぬるま湯の心地よさを脱ぎ捨てた
痛くなるほどの 「真実」
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『道』
今歩いている その道が見えなくて
手探り状態で 前に進んでる
いつか通ったはずのこの道は
だけど 記憶に残ってもいない
どこに行けば逢える?
そんな言葉が胸をよぎる
誰かに逢いたいの
誰かを見つけたいの
誰かを捜してるの
その指し示す意味さえわからずに
ただ 問い続ける
今歩いてる その道が見えなくても
立ち止まることは もっと怖くて
ただひたすらに 前に進み続ける
この道の果てを見るまで
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『我待ち望む』
何を求めているの
問う声 幾重にも重なり
響く 地平の果てまで
泣かないで
君は独りじゃない
そんな言葉で 癒やされた昔
本当に欲するもの
何も知らない 赤子のように
駈ける魂と 引き換えに
夢のまた夢
目に映るすべて
我待ち望む ただそれだけ
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『ごめんなさい』
ごめんなさいと 何度思ったことだろう
彼の人に出逢って それからの月日で
泣いて 声にならぬ声で
そう呟いた夜もあった
どれだけ贖罪を乞うても
叶えられない夜もあった
だけど 今はもう違ってしまった
あの頃のように 彼の人を
盲目的に信じることはできない
必然的に愛することはできない
私に何を望んでも
もう 何も返すことはできない
だから 「ごめんなさい」
私は心を 偽れない
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