光の残像


ねえ 死んじゃえば?



破壊の刹那と
至福の時間(とき)



心が血を流していた
私はそれを知りながら
ただ 自分が傷つく様を
遠くから眺めていた
何をしようともせず
何かとしようとも思わずに



どれだけでもいいよ
勝手に傷つけなよ
だけどもう 痛みは飽和しているから
あなたの望むように
涙を流すことは できないよ



長い長い一日
確かに昨日は終わって今日の朝が来たのに
まるで午睡でもとったあとのように
昨日の続きが始まる
きっと今日の夜眠っても
明日は 今日の続きなんだろう



I love you なんて意味
本当は 知らなかったのかも
しれないね



いろんなことを知らなければいけない
傷つくことも
傷つけることも
好きになることも
好きになってもらうことも

僕等は 方舟の中に
ずっといるわけにはいかないのだから



本当はね
今でも考えること一緒だって
知りたくなんかなかったの
だけど もう知ってしまったから
後戻りは 出来ないよね

結局 あなたと私は
同じ種類の人間なんだね



あの人のことで 凄く悩んだって

空が綺麗なのに気づいたり
少しずつ雪が消えてくのに気づいたり
日差しが暖かくなってくのに気づいたり
ゆっくりとだけど確実に春が来ること
ちゃんと全部 気づいてるから

だから 大丈夫だよ まだ
すぐに答え出す必要ないんだ
全部わからないくらい悩んだら
そしたら その時 答えを出そうよ



それで 君は僕に
一体 何をして欲しいの
何をさせたいの

でも僕は 僕でいたいから
君の思うとおりには出来ないよ
君の望むとおりには出来ないよ



近づいているはずなのに
凄く 遠くて
手が届かない
手が届かない
何処まで行けばいいの?
答えなんて 誰も知らない
誰もくれない くれない
手を引いて 何処かへ
連れ出してくれる人も
今はいない
ずっといない

ああ あなたが
私のものなら 良かったのにね



ヒカリの残像が見える
網膜に焼き付いて離れない
いつかこのヒカリは僕を壊す
僕を 殺してしまうだろう

それでも僕はヒカリを見つめる
終わりが来る その日まで



全てが消えて失くなればいい
何も出来ないでいる自分も
どうすることもできない想いも
全て 全て消えれば

きっと 日々は普通に進んで
いつかは誰かが 幸せになるだろう
僕が いなくても





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