旅立ちの前


一年って 思ってたよりも
ずっとずっと 早かったんですね

勿体ないな もっといっぱい
したいことあったのに
やることあったのに



トランクひとつじゃ
小さすぎて
全部は入りきらないよ

あなたの想い出全部は
どうやっても入りきらないよ



忘れたくない
あたしは忘れない

だけど あなたは忘れて
あたしを忘れて

そうしたらもう一度
逢えるかもしれないでしょう?



あなたのいないところへ行って
あなたの知らない人になってこよう
そうしたら驚いてくれるかな
また違う目で 見てくれるかな



車で30分の距離
今まではそれだけで安心してた
あの人がどんなにあたしのことを
気に掛けていなくても
あの人の心の中にあたしがいなくても
同じ地面の上の同じ空の下にいるだけで
それだけで なんとなく安心してた

でも もう大丈夫 きっと
独りで 独りだけで
なんとかするから なんとかしてみせるから

どこにいたって 同じ空の下だし



きっといつまでだって想ってる
肩書き変わっても
感情の名前変わっても
それでもずっと想ってる

あなたは 大事な人だから



たまに 誰かから
噂話を聞いてもいいですか

あたしは聞きたいから
幸せだって噂 流してください



独りは不安
本当はちょっと怖い

だけど それだけじゃ
ずっとそのままじゃ
前になんか 進めないよね



きっと 成長してきてやる
今のあたしとは全然違うように
いっぱい成長してきてやる

びっくりするなよ?



いろんなことあったね
いろんなことしたよね
そんな想い出ないとこに
これから行ってくるね

時間は短いかもしれないけど
負けないくらい いっぱい
想い出作ってくるんだから



大丈夫 どこに行ったって
本当の意味で「独り」ではないから

きっと 独りぼっちじゃないから



あたしがいない間に
幸せになっていてください



とりあえず 行って来ます
ただいまって言うの 待っててね?





詩集 Vol.4の目次へ戻る

詩集コーナーの入口へ戻る or 案内表示板の元へ戻る





★館内の著作権はリレー小説以外全て私光坂歩に属します。リレー小説は光坂と亮に属しています。
 無断転載などは、絶対にやめてください。
★ご不満ご指摘などございましたら、お手数ですが光坂(kosaka@comco.ne.jp)までご一報願います。