最後に見た景色


別れ話すること わかってたけど
それでも ねえ 楽しかったよ
あてのないドライブだったけど



別に何も特別じゃなかった
街灯も 流れるテイルランプも

ただ そこにあなたがいたから
全てが特別になっただけで



あんなにいっぱい
夢を語ってくれたのは
初めてじゃなかったかな



その後でも ずっと
違う形で続いていくと
そう 思っていた



指輪 返さなきゃ良かった
指輪 返して良かった



別れ話の直前に
私の好きな笑顔見せるの
ちょっと 反則だと思います



車 止まらないといいのに って
本当はずっと 願っていた



煙草の本数が
二人とも いつもより多かったのは
きっと 私の気のせいじゃないよね



恋人ってカタガキで
もう独占出来ないのかって
凄く 悔しかった

だって あなたのあの笑顔
私だけが 見ていたかったから



テレたように ふっと笑うのが
何よりも 好きでした

別れ話の最中でも



いつも ふたりで
何か話したりするとき
決まって行く場所があったね

だからって 別れ話まで
その場所ですることないのに



私が車を降りて
あなたが車を出す前に
必ずしていた またねの合図

最後にもしたのは 何故ですか?



いつも通りに あなたの車
ずっと見送っていたかった

でも 哀しくて淋しくて
ちゃんと 見送れなかった

それが 今でも悔しくて





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