『真砂、元気ですか? あたしはやっと社会復帰出来ました。
貴方がいなくなって、もうすぐ一年たちます。でもあたしの季節は、あのときの夏のまま止まっています。
貴方がいなくなって、あたしは毎晩そのときの夢を見ていました。白昼夢も見たし、時には幻影すら見えました。一年間、学校にも行けず、ただ泣いていただけのように思います。
今更ながら、愛してるんだなあ、なんて思ったりもしています。
一年というブランクは、意外ときついものですね。でも、このくらいきついと逆に安心出来るんです。なんか、あたしに罰を与えてくれたようで……なんだか、すごく安心出来るんです。
あたしの周りの季節は、どんどん流れています。今はまた、夏が来ています。だけど、流れる季節の中で貴方だけがいないのが、すごく淋しいです――
夏の、ある暑い日にて 南 紫苑』
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