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痛いのは嫌。
痛いのは嫌。
痛いのは嫌。
痛いのは――
ずっと連絡取れないでいた。
便りがないのは良い便り。
そんな言葉を信じて、だから平気でいられた。
何も、知らずに。
あとから知った事実(こと)は、想像すらしていなかった。したくなかった、というのが正しいかもしれない。
(痛い)
事実をひとつひとつ知るたびに、胸を刺す痛みは強くなる。
「もおやだ」
痛くて痛くて、涙さえ流せなかった。
あたし、一人じゃなかった。それが悔しい。
一人で悩んで人から離れて、殻に閉じこもって泣くこともできないでいるうちに、大切な人までも離していた。
ほんの少しの短い時間のつもりだったのに、連絡を取れないで――否、取らないでいたうちに、取り返しつかないほど遠くまで来てしまっていた。
(遊ぼうよ、今度)
その距離を取り戻したかった。
(今度遊ぼうよ)
でも違った。そんな言葉で取り戻せるほど近い距離じゃなかった。
一人だと思って、独りだと思って孤独感じて淋しがってるときに、本当は一人じゃなかった。連絡、しなきゃいけなかったんだ。
「痛いよぉ……」
もう届かないのかな。言葉も、気持ちも。
届くんだったら、どんなことでもするのに。
きっとこれ以上痛いことなんかないから、どんなことでもできるのに。
「痛いの、やだよ……」
どこにも行けないでいた。気持ちも言葉も、あたしも。
「痛いの、やだよ」
それでも呟くことは、やめられないでいた。
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