知って欲しいこと

 淋しくなる瞬間がある。どれだけたくさんの人といても。
 だけど、そんなときふと想うのは、あなたの姿。

 近いんだよね。物理的距離なら、本当は凄く。
 ただ、逢えないだけで。
 もう二度と逢えないだけで。
 ただ、それだけのことで。

 ねえ、知ってますか? 今なら歩いてでもあなたの家に行けること。バス停ふたつ分の場所にあたしがいること。
 そこでふとあなたを想っていること。

 知っててくれるといい。あたしがいること。
 知らないでいてくれるといい。偶然を祈りたいから。

 だけど、たったひとつだけ知っていて欲しいことがある。
 あたしはいつも、あなたから勇気をもらっているということ。

 いつか、何年後でも何十年後でもいいから、伝えられるといいな。

 ありがとうの一言を。




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