Kanonさんの作品


『宝石』

駆け足で 時をすごせ
沼地に気を付けて
すぐに足をすくわれる

君は空の果てを見たことがあるか
時の終わりを見たことがあるか
束の間の死を見たことがあるか

足をやすめるな!
走れ! 走れ! はしれ!

ひとりの君のまわりには
大きな風が流れるだろう

何を見ても行き過ぎろ
他のことには目をやるな
今は君のためにしか存在しない

ほんの刹那ごとに
君が足の裏に感ずるであろう その
草花の色を忘れずに

流れる色彩を忘れずに

汗を忘れずに 血を忘れずに 瞬間を忘れずに

大声をあげてもかまわない
泣き出してもかまわない
宝石を狙え

駆け足で!!





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