XAHIさんの作品


『えへへへへっ』


「えへへへへっ」
キミは顔をふにゃふにゃにして そう笑うよね。
頭を撫でてあげると そう笑うよね。
そんなキミが とってもかわいいんだ。

だから今度会ったときは
たくさん頭を撫でてあげるね。



『どうしよう』

待ち合わせの場所。
まだ会ったことのない人。
どんな人だろう?

目印は、メガネと緑の鞄。
そして肩まで伸びた髪。

来ないかな来ないかな
早く来ないかな。

あれ?
向こうの柱の側にも
誰か立ってる。

肩まで伸びた髪。
メガネと緑の鞄。

どうしようどうしよう
あの子、かわいい。

どうしようどうしよう
もしかしたらあの子かも。

でも
どう声をかけたらいいの?

もう少しだけ
気づかないふりをしてもいい?
横目で眺めていたいから。



『嘘』

「照れてなんかないよっ」
本当は、照れている癖に。

「なんでもないよっ」
本当は、恥ずかしがっている癖に。

キミは、嘘をつくと声の高さが変わるから。



『救い』


「キミの言いたいこと、
 本当はもう分かっているんだけど
 まだ応えてあげられないの。ごめんね」

僕が、まだけじめを付けていないから。
中途半端は
人を傷つけるだけだから。

それでもキミは
僕の唇を奪った。
そしてこう言った。

「あたしが勝手にキスしただけだから。」

その一言で、僕は救われたんだ。
ありがとう。

そんなキミは、いまでは僕の恋人。



『計算外』

こんなの計算外
貴方と恋に落ちるなんて。
しばらく一人でいようって決めたはずなのに。

恋に落ちるつもりはなかったのに、
そんな計算じゃなかったのに。
そう思ってた。

でもね、違うの。
計算して落ちてたら
それは恋じゃない。

だから、これは計算外。



『言えなかった言葉』

おぼえてる?
ビルの影で 初冬の風にさらされながら 抱きしめあったこと
そして告げられた 一人の名。

おぼえてる?
ベッドに腰掛け 薄暗い明かりの中 見つめ合ったこと
そして告げられた 一つの過去。

僕の知らない人。
僕の知らない過去。
僕はきっと、何も知らない。

でも同情なんかない。哀れみなんかもない。
だって、キミが歩んだ道だから。
キミがその時 最善と思って選んだ道なんだから。

本当は、ちょっぴりくやしいけどね。


あのとき、言えなかった言葉を
口に出すには重すぎた言葉を 伝えます。

「お疲れさま。
 でも、これからは僕が側にいるからね。」



『淑女な少女』


言葉巧みに
恋を探ってるときのキミは
まるで子供みたい。

それだけ、純粋な恋をしているって事だよね。

メガネを外して
誘惑してくるキミは
まるで淑女のよう。

それだけ、愛してくれているって事だよね。

少女のキミも
淑女のキミも
全部、僕のもの。

誰にもあげないから。



『伝言板』


「貴方が大好き。」
「キミは僕のもの。誰にもあげない。」

二人で 伝言板にそう書いたね。

誰か、見てくれたかな?
誰か、微笑んでくれたかな?

また、書こうね。



『眠れない』

眠れない
眠りたくても眠れない

目を閉じて 横になっても
眠れない

脳が 眠ることを拒否する
いつまでたっても眠れない

動かずにじっとしていても
規則的に足を微動してみても
脳が眠ることを許してくれない

がばっと起き上がり
頭を抱える

こんなにも眠りたいのに
眠れない
眠りたくても眠れない

ライトの消された部屋の中
カーテンからこぼれる街灯の明かり

規則的に時を刻み続ける
デジタル時計の液晶

全てが自分を苛立たせる
眠らなきゃいけない
でも眠れない
眠れない
眠りたくても眠れない



『本当の、本当に?』

まだ信じられない。
私が貴方の恋人だなんて。

夢じゃないよね
現実だよね

貴方に奪われた唇の感触
まだ残ってる。

思い出す度に
どきどきしてくる。

貴方は私を
選んでくれたのよね?

ねぇ、私でいいの?
本当の、本当に?



『ないしょだよ』

ないしょだよ
ないしょだよ

君に会う前に
キミの書いたものを読んだとき
「いいなぁ」って思ったことはないしょだよ。

君に会う前に
写真でキミの横顔を初めて見たとき
「かわいいなぁ」って思ったことはないしょだよ。

君に会う前に
「彼女にするんだったら、こんな子がいいなぁ。」
そう思ったことはないしょだよ。

でも、そのないしょ
全部教えてあげる。
貴方だけに。

だから ないしょだよ?



『貴方のいた証拠』

貴方はここにいたよね。
間違いなく、ここにいたよね。
部屋にまだ残る 煙草の匂いがその証拠。

煙草、本当は嫌いなはずなのに。
何故か貴方の煙草は嫌いじゃない。

早く、戻ってきてよ。
貴方の残した煙草の匂いが
この部屋から消える前に。



『僕がキミを大好きだということ』

ねぇ 知ってる?
僕がキミを大好きだっていうこと。


キミがキレイだから?
キミの考え方が好きだから?
キミと気持ちが通じ合ったから?

たぶん 全部正解で全部はずれ。

気がついたら見とれていたんだ、キミのことを。
気がついたら興味があったんだ、キミのことに。
気がついたら好きだったんだ、キミのことが。

だから 僕の前では着飾る必要はないんだよ。

泣きたければ泣いてもいい。
怒りたければ怒ってもいい。
狂いそうだったら狂ってくれてもいい。

ただし 全て僕の胸の中だけで。

僕が撫でてあげるね。
僕が癒してあげるね。
僕が抱きしめてあげるね。

大切な キミだけのために。


ねぇ 知ってる?
僕がキミを大好きだっていうこと。





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