アウトソーシング
もともとは情報システムの構築や運用、保守の業務を一括して外部の企業に委託することを指していた。@業務の外注による人材など経営資源の有効活用、Aシステム運用コストの削減、B専門業者の高度なノウハウの活用、などが主な目的。2000/01現在は施設の管理、福利厚生から給与計算、教育研修、旅行代理など管理間接部門の幅広い業務が対象になっている。ベンチャー企業の参入が増加する一方で、小さな本社を志向する大手企業が業務委託の受け皿となる子会社を設立する動きが相次いでいる。大手企業の子会社は独立採算のため、同業他社から業務を受託するケースも増加している。
青色レーザー
波長が405ナノメートル前後で、青から青紫色の光を出す半導体レーザー。2002年現在のDVDで使用している赤色レーザーに比べて波長が短く、より多くの情報の読み書きができるようになる。
赤字国債
国の財政で、税収などの歳入だけでは歳出に見合わないために発行する国債のうち、公共事業や国の出資金・買付金の財源となる建設国債を発行しても資金が不足する場合、政府は赤字国債を発行する。安易な発行を防ぐため、発行の際には特別立法を必要とする。戦後初めての赤字国債の発行は、第一次石油危機後の75年。以後、国債の発行残高は増加し、79年度に建設国債と赤字国債の発行額が歳入に占める割合(国債依存度)は34.7%にまで高まった。バブル期に税収が増えた結果、91から93年度の発行額はゼロになったが、94年度には景気対策のため特別減税を実施、赤字国債の発行を再開した。赤字国債の発行額は97年度当初予算ベースで約7.5兆円。97年度末の国債発行残高は約254兆円と過去最高を更新する。
アキュムレーションとアモチゼーション
公社債を額面価額より低い価額または高い価額で取得した場合は、その差額に相当する金額を、償還期に至るまで毎期一定の方法で、逐次、貸借対照表価額に加算し、または控除することができる。額面より安く取得した公社債の評価額を決算期ごとに増額していく会計処理をアキュムレーション、額面価額より高く取得したものを減額していく場合をアモチゼーションという。この会計処理方法を採用するか否かは、企業の任意であるが、差額が金利の性格を有し、金利は時の経過に伴って発生することを考えれば、発生原則の観点からはこの方式を採用するのが望ましいとされる。この方式を採用するとき、毎決算期の増減額が、利払日に受け取る利息と合わせて、有価証券利息として損益計算書に計上される。この方式を採用しなければ、額面価額と発行価額の差額が、公社債の償還時に社債償還損益として、一時に損益計算書に計上されることになる。
アクチュアリー
年金、生命保険、損害保険などの保険数理人の専門家のこと。日本には、日本年金数理人会(89/04発足)の他に、日本アクチュアリー会がある。
悪の枢軸発言
2002/01/29にアメリカのブッシュ大統領が一般教書演説で「テロリストと結託して世界の平和を脅かすために武装している朝鮮民主主義人民共和国、イラク、イラン」の三カ国を指して使った「Axes of Evil」という言葉。大統領は「大量破壊兵器を追い求め、これらの政府は重大な脅威になっている。兵器をテロリストに提供し、彼らの憎しみを実行に移す手段を与えている」と批判した。
アジア通貨不安
97/07からタイバーツが変動相場制に移ったのに伴い、連鎖的に起こった東南アジア主要通貨の下落。97/06末比の対ドル下落幅はタイバーツで約30%、インドネシアルピア、フィリピンペソで20%に達する。タイの中央銀行は従来、為替平衡基金を設けて自国通貨の変動幅を一定範囲に抑える政策を取っていた。多額の対外債務を抱えながら、事実上の固定相場制で通貨の切り下げが遅れた。実勢より割高な通貨に市場が低い評価を下した格好だ。その後、他国通貨も変動相場制に移る過程で影響が飛び火した。アジア通貨は対円でも大きく下落し、日本の対アジアの輸出競争力にも陰りが出てきた。初めはアジア通貨の避難先として円高・ドル安が進むと言われたが、むしろ円安材料になっている。
アセットアロケーション
株式や債券などの各投資対象資産に運用資産を適切に配分すること分散投資により一定のリスクの下でリターンの最大化、あるいは一定のリターンの下でリスクの最小化を目指す。アセットアロケーションの方法は、@経済環境や市場動向などの分析を踏まえ、長期的な視点から資産配分を決定し、配分の変更をあまり行わない方法、A売買タイミングを重要視して、短期的な観点から機動的に配分を変更する方法、B所有資産の価格変動に応じて資産配分の比率調整を行う方法の3つに分類できる世界の国地域による経済状況や企業成長力の違いに目を付け海外の資産にも広く資金を分散することを国際分散投資といいこれもアセットアロケーションの一種である
アナリストリポート
証券会社のアナリストが個別の銘柄や産業動向について分析したリポート。企業の収益予想をもとに先行きの株価の動向を予測する。通常、買い、中立、売りなど3〜5段階に分かれた株価判断のほか、半年後の株価を予想した目標株価を付けることが多い。アナリストは業種ごとに担当が分かれており、継続的に同じ銘柄を分析する。2000年現在、アナリスト数と分析銘柄数は野村證券が約50人、685銘柄、大和総研が55人、約700銘柄である。アナリストリポートの提供先は機関投資家が中心で、個人投資家が利用できるリポートは限定している証券会社が多い。アナリストリポートが実際の株価に影響を与える場合もあり、個人にも同じ情報を求める声も増加している。
洗い替え低価法
上場株式など企業保有する有価証券の評価方法の1つ。評価方法には時価と簿価のいずれか低い方を計上する低価法と簿価で計上する原価法があり、低価法は期末時価で時価が簿価を下回った場合に簿価を切り下げる切り離し低価法と、簿価を取得原価に固定する洗い替え低価法に分かれる。
98年度決算から切り離しは廃止され、洗い替え低価法のみとなった。この方法では、期末の株価が簿価を下回った場合は評価損が発生し償却を迫られるが、株価がその後上がると課税対象の利益が膨らむ。洗い替え低価法では期末の株価が決算に与える影響が大きい。これまで低価法を採用してきた大手生命保険7社のうち、住友生命保険など3社が99/03決算から原価法への変更を決め、対応が分かれている。
アンチダンピング関税
国内向け価格より低い価格で輸出し、輸出先の産業に損害を与えた場合、価格差に応じて課される割増関税のこと。国内法上の根拠は関税定率法の第9条で、国際法上は関税及び貿易に関する一般協定(GATT)の第6条。この関税は法律の改正によらずに政府が政令によって課すことが出来る。又、ダンピング輸出によって損害を被っている産業の関係者が、政府に割増関税をかけるよう求め、提訴することが出来る。具体的には、蔵相あてに申請書を提出した後、大蔵通産両者の担当者が当事者双方から集めた証拠を下に、政令を発動するかどうかを決める。
暗証番号
金融機関を利用する時に必要とされる本人確認のための番号。通常は数字だが、アルファベットを使うこともある。原則として番号は顧客ごとに異なり、金融サービスの依頼者が本人であることを銀行が判断する材料として使用する。代表的なものとしては現金自動預け払い機(ATM)や現金支払機(CD)などでキャッシュカードで現金を引き出したり、振り込んだりする際に使用する4桁の数字がある。テレホンバンキングやインターネットバンキングなどでは別の暗証番号が必要な場合もある。
00/06現在は、本人確認の手段として一般的になっているが、第三者に番号が知られた場合には現金が引き出されるなど不正に使用されることが考えられる。このため、新たな本人確認手段の導入が求められている。
安定多数
衆議院の全ての常任委員会の委員長ポストを与党が独占したうえで、法案採決で可否が同数になったとしても、委員長採決によって可決できる議席数のこと。00/06の衆院選で定数が500から480に削減されるのに伴い、安定多数の確保には254議席が必要になる。安定多数を上回る議席数として、絶対安定多数という定義もある。これは全常任委員会の委員長ポストを与党が占め、各委員会の委員数でも与党が野党を上回ることができる状態で、269議席を占める必要がある。
アームズレングス
Arm's Lengthのこと。元々はアメリカ法において取引当事者の独立した関係を指す。夫婦や親子間、又は同族会社等の閉鎖的法人とその事業主である役員や株主の間においては、当事者の間に利益対立がないため取引が操作され、消費貸借や資産の譲渡等の取引が仮装行為であったり、取引が適正な価格でなされないことが多いので、独立当時者間取引でない場合には、事実の認定のため行政庁により精査がなされる。
移管
各受託会社の受託割合の変更(シェア変更)に伴い、受託機関間で年金資産を移すこと。
移換
基金の加入者が短期の加入期間で脱退した場合、年金資産を基金から連合会に移すこと。その資産は将来、年金として支給される。
異業種参入指針と銀行法改正
異業種参入指針は銀行法解釈について定めた判断基準で、金融庁による異業種の銀行業への参入に関する免許審査と、認可後の監督で適用する。00/05に金融再生委員会と当時の金融監督庁が指針案として公表。銀行に原則20%以上出資する株主を審査対象とするなど、参入の5条件を盛り込んだ。指針作成は、決済専門銀行などの認可申請の呼び水となり、イトーヨーカ堂は00/08にも新銀行の認可を申請する。ただ、異業種参入の計画が相次ぐなか、金融庁は現行銀行法では子会社の銀行を検査できても親会社の経営を直接調べることができない点を問題視している。銀行法改正では主要株主にどこまで検査、監督権限が及ぶようにするかが焦点となる。
異業種の銀行業参入
金融以外の一般事業を営む企業が銀行業にあたること。00/05現在、オリックス信託銀行などの前例がある。1999年暮れにイトーヨーカ堂、ソニーが相次ぎ参入を表明、産業界で一気に参入機運が高まった。有力企業が銀行から自立する一方で、インターネットの普及などの技術革新により参入障壁が低くなったことが背景にある。事業会社による銀行保有は、子銀行が親会社の安易な資金調達機関となる機関銀行の危険性が高まる。一方で、預金者向けサービスの開発などが活発になり銀行の革新が進むというメリットも大きい。欧州各国は、一定の規制を設けたうえで参入を容認しているが、米国は1999年春から異業種による銀行参入を禁止している。
異業種の参入問題
銀行業や保険業に他の業種の企業が参入する問題。参入により金融界が活性化され、消費者が従来よりも多くのサービスを受けられる利点がある一方で、親企業が子会社金融機関を財布代わりに使う機関化をどう防ぐのかなどが焦点となる。
2000年現在、金融再生委員会などは銀行法に基づき銀行業への参入と監督のための指針を決めたが、主要株主への監督、検査が十分に及ばないなど問題点が指摘されている。このため、金融庁長官などの諮問機関である金融審議会で同法の改正に向けた検討作業が進んでいる。機関化防止策としては、投融資が特定企業に集中する野を制限する大口信用供与規制を強化し、子金融機関が親企業の関連会社向けに融資する場合も規制の対象に加える方向。金融機関を買収する際に資金の調達先を当局に開示することも義務付ける見通しである。
異業種の証券業務参入
日本版ビッグバンの一環で1998/12に証券業務への参入が免許制から登録制に移行、最低資本金の1億円があれば証券会社を設立できるようになった。従来、横並びだった株式売買委託手数料が1999/10に完全自由化されたこともあり、総合商社などが相次いで証券子会社を設立した経緯がある。2002年現在、未公開株式取引など得意分野に特化した証券会社も誕生している。
諫早湾干拓事業
諫早湾干拓事業は水害や高潮を防ぐ防災干拓に重点を置き1989年に国営事業として着工。1997/04には長さ約7キロの潮受け堤防で諫早湾奥部が閉め切られた。総工費は約2,500億円で、2006年度の完成を目指している。農業用水供給などの目的に使われる堤防内の調整池は、洪水防止のため標高のマイナス1メートルに保たれ、排水は干潮時に堤防の南北2ヵ所に設けられた排水門を開けて実施する。
遺族年金
一家の生計維持者が亡くなった時に遺族に支払われる年金。全国民が対象の遺族基礎年金、会社員の遺族のための遺族厚生年金などがある。遺族基礎年金は子供の養育費の補填が目的で、子供が18歳になると支給が止まる。遺族厚生年金の受給者は亡夫に扶養されていた妻が大半を占め、妻本人が亡くなるまで終身受け取る。
2001年現在、遺族厚生年金の受給額は亡くなった生計維持者の報酬に連動した厚生年金(報酬比例部分)の75%が原則。これに妻の年齢に応じて中高齢寡婦加算が加わる。働いていた妻は自分も厚生年金の受給権があるので、遺族厚生年金と自分の厚生年金をどう組み合わせて老後に受け取るかを自分で選択する。
委託介入
通貨当局が海外の外国為替市場で自国通貨の乱高下を押さえるため、委託介入協定を結んでいる国の中央銀行に介入を頼むこと。日銀の委託介入は東京市場の休日や夜間取引(欧米市場での取引時間帯)の乱高下を防ぐのが狙いだ。日銀はあらかじめ外国の中央銀行に口座を設け、その国の通貨当局が日銀の代わりに日銀の資金を使って介入する。日銀は欧米のほか香港やシンガポールとも協定を結んでいる。海外の当局が委託介入に協力することで、単独介入に比べて相場変動を抑えようとする当局の姿勢の強さを示す効果も期待できる。日銀は96/02にイングランド銀行(BOE)に円売りドル買い介入を委託。99/01/12に日銀が円売りドル買い介入を実施した際にも、BOEによる委託介入の噂が流れた。
委託研究
政府や企業が大学、国公立の研究所、研究開発型企業などと契約を結び、資金を拠出する代わりに研究開発を相手に委ねる制度。通産省所管の新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)による先端技術開発のための企業への委託研究制度や文部省所管の日本学術振興会による大学研究者への研究助成制度などが代表的。政府による民間企業への委託研究の成果は、99年秋まで国に帰属することになっていた。しかし、産業活力再生特別措置法(産業再生法)が施行され、企業は国の委託研究費を使って開発した技術についても特許を取得することが可能となった。
一元化問題
日本の公的年金制度は職域ごとに分立しているが、産業構造の変化から財政が逼迫している制度もある。このような状況を踏まえ、公的年金制度全体を産業構造や就業構造の変化に耐え得るべく安定したものとし、給付と負担の両面にわたる公平を保つため、公的年金制度の一元化が検討され、具体的には97/04にJR、JT、NTTの3共済が厚生年金に統合された。
一時国有化
規模の大きい銀行の破綻処理を円滑に進めるため、98/10施行の金融再生法で導入された措置。経営が破綻、もしくは破綻寸前の銀行の株式を、国が預金保険機構を通じて強制的に買い取る。国有化銀行は政府が選任した経営陣の下で、預金者や健全な借りてを保護しながら不良債権処理と受け皿探しを進める。
00/02までに適用されたのは、1998年に破綻した日本長期信用銀行と日本債権信用銀行の2行。最終的な公的負担の拡大が懸念されていたが、長銀の処理では約3兆6,000億円、日債銀では約3兆円超の公的資金が投入される見通しだ。
一般勘定-1
生命保険会社が個人保険や企業年金など複数の資産を1つの勘定にまとめて管理、合同運用する仕組み。企業年金などでの代表的な委託先である信託銀行や投資顧問会社と異なり、委託した資産を元本保障しているうえ、毎年度支払う最低保証利回りも決まっている。一般勘定の年金保険はバブル崩壊後も契約残高を増やしてきた。信託銀行が運用利回りを低下させ、資産に含み損を抱える一方、生保の一般勘定は元本保証で、年5.5%と高めの保証利回りを設定していたためだ。
一般勘定-2
基金が生命保険会社に運用委託した資産のうち、他の保険資産と一緒に合同で運用している勘定のこと。
一般歳出-1
国の一般会計から、国債費と、国税の一定割合を地方に分配する地方交付税交付金を差し引いた歳出のこと。国債費は国の債務の返済費で、過去に発行した国債の元利償還がほとんどを占める。一般歳出は毎年ほぼ自動的に金額が決まる国債費や地方交付税とは違って、正負が歳入や経済状況に応じて規模や内容にメリハリをつけることができ、政策的経費とも呼ぶ。社会保障費、公共事業関係費、防衛費、科学技術振興費などが主な項目。主要経費の具体的な配分が予算編成の焦点となり、関係省庁や政治屋が激しい争奪戦を繰り広げる。
一般歳出-2
年末に決める国の一般会計予算のうち、公共事業や社会保障、文教、外交、防衛などに充てる歳出のこと。毎年ほぼ自動的に歳出額が決まる地方交付税交付金や国債費などと違い、政府が景気状況や経済政策に応じて規模や内容を変えるため、政策的経費とも呼ぶ。景気回復を優先した小渕、森両政権では、公共事業の拡大などで一般歳出が増加し、国際発行が膨らんだ。2001年現在、小泉首相は2002年度の国債新規発行額を30兆円以下に押さえることを公約に掲げ、一般歳出を4年ぶりに減額する方針である。
一般債の決済期間短縮
普通社債や地方債、政府保証債など国債以外の債券(一般債)について、約定から決済までの期間を短縮すること。99/06/08現在は、約定日から5営業日後に決済しているが、99/10/01約定分からは3営業日後に決済することになっている。決済までの期間が長いと、それだけ約定後に取引先の破綻などで受け渡しができなくなるリスクが大きくなり、海外の投資家が日本の債券を購入するのに慎重な一因になっている。97年秋に山一證券など大手金融機関の経営破綻が相次いだことから、一気に関心が高まった。日本証券業協会などはこうした批判に応えるため98/06に7営業日後から5営業日後に短縮した。しかし米国やフランス並みの3営業日後に、さらに短縮し、債券市場の国際化にも役立てようとしている。
移転価格税制
海外子会社との企業取引の価格認定に関する税制。取引価格を意図的に通常より安く設定し、税率の低い国に利益を移転することで納税負担を軽減したり免れるのを防ぐのが目的。通常の価格で取引したと仮定して課税所得を算定する。販売価格100万円、原価50万円の製品の取引で考えると、日本企業が米国子会社に対し30万円で卸すと、親会社は20万円の赤字になり、税率の高い日本での課税対象所得は減少する。一方、子会社には70万円の利益が移転し、税率の低い米国での税負担が少なくて済む。具体例では、山之内製薬がアイルランド子会社との不当な取引で利益を移転したとして242億円を追徴課税されたほか、村田製作所も55億円を追徴された。各国の国税当局は連携を強め、移転価格への対応を厳しくしている。
遺伝子組換食品
遺伝子組換技術を利用して別の植物の遺伝子を組み込み、害虫や除草剤への耐性を高めた改良農産物や、それを材料にした加工食品のこと。日本の厚生省が安全性を認めた遺伝子組換作物には、ジャガイモ、とうもろこし、大豆、采種などがある。欧州連合は安全性を不安視する消費者の声を踏まえ、98/09から遺伝子組換食品であることの表示を義務付けた。00/07現在、日本も農水省が一部食品について表示の方向を打ち出しているが、米国は表示を義務付けていない。
遺伝子組換食品の表示義務化
豆腐、コーンスナック菓子など食品30品目を対象に、遺伝子組換作物を使用していたり混入の可能性について商品への表示を義務付けること。農水省が99/08に、01/04からの実施を決定した。商品への表示義務化は欧州連合(EU)で実施、豪州、韓国でも同様の動きがある。農水省、厚生省は遺伝子組換作物の安全性を確認している。ただ、組換作物の安全性についての議論が国際的に高まってきており、表示が消費者の組換食品離れを招く可能性がある。99/10現在、遺伝子組換技術の生産性向上効果や、環境保全などの有用性にも着目すべきだとの指摘もある。
遺伝子特許
遺伝子は、体内で働く消化酵素やホルモンなど多種多様なたんぱく質の設計図となる。遺伝子を調べて、体を健康に保つたんぱく質にはどんなものがあるのかが分かれば、新薬開発の重要な手掛かりになる。世界の製薬企業や研究機関が遺伝子研究に懸命なのはこのためだ。日米欧の特許庁は、産業的な価値のある遺伝子を特許として認めるにあたり、遺伝子の構造(塩基配列)だけでなく機能を示す必要があることで一致しているが、機能をどこまで具体的に示すかでは意見が分かれている。米国は1998年に米インサイトジェノミクス社が機能を曖昧にしたまま出願した特許を認め、どんなたんぱく質の設計図なのかを明示する必要があるとの立場の日欧から反発を招いている。
イネゲノム
稲の葉や根などを形作る全ての遺伝情報。細胞の中にあるデオキシリボ核酸には、4種類の塩基と呼ぶ文字を使った遺伝情報が暗号のように刻まれている。暗号の文字数は約4億3,000万あり、これを解読するプロジェクトイネゲノム計画が、日本の農水省などを中心に1998年にスタート。米国や中国、英国など11カ国の研究機関が参加しているが、2000年現在、全体の約6%に当たる2,400万の遺伝暗号しか解読できていない。
2001/01/27付の日本経済新聞によれば、スイスの農業関連事業大手のシンジェンタが稲のゲノムを完全に解読したと発表したという。
医療機関運営会社
民間企業の病院経営が認められている米国では、医療機関運営か医者による病院のチェーン化が進んでいる。チェーン展開により、事務管理など間接部門の統合やアウトソーシング(外部委託)で、低コストで医療サービスを提供する。日本では民間企業による医療機関経営は規制されている。ただ、98年にはこれまで医療法人の理事長は医師に限るとされていた規制が条件付きながら緩和されるなど、徐々に規制は緩和され始めた。一方、ヘルパーの派遣など介護分野は民間企業の参入が認められており、2000年春の介護保険制度導入を機に、全国規模でサービスを始める企業も出ている。
医療制度改革-1
医療費の伸び抑制や、質の高い医療を提供するための制度改革のこと。2001/04現在、政府、与党は2002年度に改革を実施する方向で検討している。高齢者が使う医療費が急速に増加していることから、高齢者医療費の抑制策や負担の仕組みの見直しが大きな課題である。薬価制度、医師に支払う診療報酬なども見直し対象となっている。
医療制度改革-2
医療費の伸びを抑え、国民や企業の負担が過重なものにならないようにするための改革。2001年現在、政府、与党は2002年度に改革を実施する方向で検討を進めている。最大の課題は高齢人口の増加に伴って増え続ける高齢者の医療費をどのように抑制するかという点。高齢者の医療費負担について仕組みを見直すことも論点となっている。
2001年現在、国民が1年間に使う医療費の3分の1が、70歳以上の高齢者が使う医療費で占められている。この高齢者医療費を賄うための拠出金負担が重くなっていることから、主に大企業の従業員が加入する健康保険組合は、全国約1,800組合のうち約7割が赤字になっている。
医療法人
法人格を持つ民間病院。原則として都道府県知事の認可を受けて設立する。2002年現在、設立には一定以上の資産を保有していることや理事長のほか理事3人、監事1人以上の役員をおくことなどが必要だが、個人経営の医院と異なり、銀行借入など資金調達が容易になるので規模を拡大しやすい。企業のように剰余金を配当することはできない。
理事長の給与を年間3,600万円以下に抑えるなど一定の条件を満たすと特定医療法人として税制上の優遇措置を受けられる。また役員に占める親族の割合を低く抑えるなどの条件を満たした病院は特別医療法人として一部で収益業務を手掛けることも認められる。
医療法の人員配置基準
医療の質を確保するため、厚生労働省が医療法に基づいて必要と定めている医療従事者数。2001年現在、20床以上の全国の病院が対象で、職種や病床により異なる。一般病床の場合、医師は入院患者16人に1人必要だが、療養病床なら48人に1人と決められている。基準はあくまで最低限のラインとされ、さらに手厚く配置している病院も多い。
2001/03の医療法改正で、看護職員は従来の入院患者4人に1人から、3人に1人に基準が引き上げられたが、中小病院などには5年間の経過措置が設けられている。さらに2001年春から都道府県知事が人員配置の不十分な病院に業務停止を命令できるようになったが、「医療の提供に著しい支障が生ずる場合」などと発動の要件は厳しく制限されている。
医療保険-1
病気、けがで入院した時や手術を受けた時などに給付金を受け取れる保障がついた保険商品。医療保障に主眼が置かれて、死亡保険金は少額の場合が多い。99/11現在、被保険者が癌になった場合だけ、保険金や給付金が支払われる癌保険などが契約件数を伸ばしている。医療保険では保障期間を定めた定期タイプのほか、一生涯保障する終身タイプも出ている。生保各社は主力の定期付終身保険の契約が伸び悩んでいることもあり、医療保険や介護保険など生前給付型商品の市場拡大を見込んでいる。医療保険は生保と損保の中間に位置付けられる第3分野商品といわれる。99/11現在、日本の大手生保は特約で販売しているが、医療保険単体については外資などに配慮して販売していない。
医療保険-2
国民が医療機関で治療を受けた場合の費用を賄う仕組み。日本では全国民が公的な医療保険制度に加入しており、かかった医療費のうち7〜9割は保険から支払われる。財源は加入者や企業が支払う保険料や税金。2001年現在、人口の高齢化に伴って医療費は増加し続けるのに対し、保険料収入は伸び悩んでおり、医療保険財政は悪化している。主に大企業の従業員とその家族は企業ごとに設立する健康保険組合に加入する。中小企業従業員と家族は政府が運営している政府管掌健康保険。自営業者やサラリーマンOBは市町村ごとにある国民健康保険に加入することになっている。
医療保険-3
サラリーマンが加入する健康保険組合や政府管掌健康保険のほか、自営業者や定年退職者らのために市町村が運営する国民健康保険がある。2001年現在、いずれも保険運営者が収入に基づき設定した保険料を被保険者から集め、加入者の医療費や70歳以上の高齢者の医療費を賄うための負担金などの支出に充てる。サラリーマンの健康保険組合や政府管掌健康保険では、保険料の約半分を企業が負担している。健康保険組合は大企業が一社で運営する単一健康保険と同業種の企業が集まり設立する業種単位の健康保険組合(総合健康保険)に分かれる。医療保険から加入者への保険給付は法律で一律に定めているが、健康保険組合が独自に追加的な給付をすることや保養所の運営をすることなども認められている。
医療保険財政
医療保険制度には主に大企業のサラリーマンと家族が加入している健康保険組合、中小企業のサラリーマンと家族が加入する政府管掌健康保険、自営業者などがつくる国民健康保険の三種類がある。2001年現在、高齢化の進展による医療費の伸びの影響などで、いずれも財政状況は苦しい。
とりわけ政府管掌健康保険は、2000年度まで8年連続の赤字が続いており、このままでは2002年度中に過去の積立金が底をついて医療費の支払いができなくなるおそれもある。
インキュベーション
個人による事業の立ち上げやベンチャー企業の成長を支援する事業。起業家が持っているアイデアを事業計画の形にまとめ、会社設立に必要な資金を提供したり、提携先となる企業を探すなど、起業家と一緒になってベンチャー企業を立ち上げていく。ベンチャーキャピタルによる投資が呼び込める成長期に到るまで、オフィスを貸したり、会計、法務の代行や技術開発などの支援サービスも提供していく。報酬はベンチャー企業の株式やストックオプションなどの形で受け取る場合が多い。米国では産官学で構成する大規模な非営利団体や第三セクターがインキュベーションの役割を担うことが多い。2000年現在、日本でも新興企業向け新市場の創設などを受け、総合商社などがビジネスとして手掛ける例が出ている。
インキュベーター
起業家やベンチャー企業を会社設立から支援、育成する機関のこと。英語で孵化器の意味。2001年現在、米国では、民間企業に限らずに産官学で構成する非営利団体がその役割を担うことも多い。自らもベンチャー企業に出資するほか、経営のコンサルティングや必要な人材派遣も含めて幅広く経営を支援する。財務や管理など手が回らない起業家も多く、その支援で企業の育成を後押しする。支援した企業が株式公開することで投資を回収するのが一般的。
インターネット決済
現金を使わずにインターネット上のデータ処理だけで買い物などの代金を支払うことができるシステムで、電子決済の一種。00/05現在、パソコンだけでなく携帯電話やテレビなど家電製品もネット端末として利用できるようになりつつあるが、安全で迅速な決済手法の開発が、ネットによる電子商取引の普及の鍵を握る。大手銀行などは個人顧客の確保の有力な手段と見ているが、決済方法がまだ統一されていない。このため大手銀行や流通業者などは、決済方法の事実上の標準規格を作ろうと競っており、今後はこうした企画統一に向けた調整が本格化する見通しである。
インターネット接続サービス
個人や企業がインターネットを利用する際、接続を代行するサービスで、プロバイダーと呼ばれる接続業者が手掛けている。プロバイダーはアクセスポイント(接続点)を設置し、ユーザーとアクセスポイントの間を電話回線や専用線などでつなぐ。インターネットの普及を背景に、99/09現在、プロバイダーの数は3,000社を超えている。一方、プロバイダー間の会員獲得競争は激化しており、各社ともサービス拡充に力を入れている。富士通はInfoWebと系列で最大手のニフティサーブのサービス統合を決めた。NECもBIGLOBEを軸に事業を拡大している。NTTコムはソニー系のSo-netなどとともに、富士通、NECを追い上げている。
インターネット専業証券会社
インターネットを軸に電話を補助手段として顧客から株式売買などの注文を受け付ける証券会社のこと。コスト抑制のため、多数の店舗を開設、営業員を配置して対面取引を中心とする従来の証券会社とは根本的に営業形態が異なる。日本で初めてのネット専業証券は99/06に開業したDLJディレクトSFG証券とされる。株式売買委託手数料の完全自由化を機に、日興ビーンズ証券、マネックス証券などが営業を開始、伊藤忠商事系の日本オンライン証券、シュワブ東京海上証券なども設立された。特徴は手数料の低さ。2000/01現在、売買代金百万円まで1,000円と従来比で最高98%安いケースもある。公開株の売買仲介だけでなく新規公開株を引受ネット上で投資家に販売する証券会社もある。
インターネット調達
電子商取引の一種で、インターネットを利用して材料や部品を調達すること。従来方式では、専用の回線、ソフト、端末などのインフラ整備が必要だった。インターネットならば基本的にホームページを閲覧できるパソコンがあれば取引に参加でき、システム構築にかかる費用を大幅に削減することができる。材料や部品の仕様を公開すれば世界規模の最適調達が可能で、電子商取引の主流となりそうだ。ただ、インターネットは専用回線に比べて、不正アクセスを受けやすいことが欠点とされている。00/01現在、暗号を使って関係者だけがアクセスできる技術などが発達しているが、安全性を更に高めることが今後の課題になる。
インターネット電話-1
インターネットの通信方式であるインターネットプロトコルを使って音声をデジタル信号に置き換え、送受信する電話のこと。従来の電話回線網の代わりに、ネットへ入る音声を種分けするため電話局に設置する分岐装置、ルーターを経由して、インターネット網を使う。このうち通信会社が管理するネット網を使う場合は特にIP電話と呼ぶ。通信コストがゼロに近いこうした経路で送受信するため、国際、長距離電話では料金を安く設定できる。ネット電話サービスを提供している通信会社と契約すれば、仮定や事業所にある固定電話をそのまま使える。
インターネット電話-2
音声をデジタル信号に変換し、インターネットを使ったデータ通信として送受信する電話。高価な交換機の代わりにルータと呼ばれる中継器を使い大量のデータと一緒に音声も送受信するので、一通話当たりのコストはゼロに近い。
2001/04から国内で3分20円の全国均一料金でサービスが始まったIP電話はネット電話の一種で、中継回線に事業者自身が管理する専用線を利用している。国際電気通信連合は2004年には国際通話の約4割がネット電話に移行するとみている。
インターネットのプロバイダ
インターネットへの接続サービスを提供する企業のこと。利用者が払う接続料金は、回線の使用量や時間に応じて徴収する課金方式のほか、いくら使っても金額が変わらない固定制がある。ネット利用拡大に伴い日本でもプロバイダが増加しており、2000年現在、3,300社超が存在する。会員数は1,900万人に達している。
インデックスファンド
株価指数に運用成績が連動する仕組みの投資信託。日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)のほか、医薬品食品株型、化学繊維紙パルプ型など業種別のインデックス連動型ファンドもある。個人投資家がインデックスファンドに投資する場合、比較的少額の資金で幅広く分散して株式を購入できるという利点がある。大量の銘柄を保有している法人投資家はインデックスファンドを保有することで事務コストの圧縮につながる。運用成績がインデックスに連動することを目標としており、基準価格が対象インデックスと同じ騰落率を示すものが望ましいファンドとなる。しかし、組入銘柄や構成比率が対象インデックスと異なる場合は、指数から乖離する可能性が強い。
インドネシアの民間債務交渉
インドネシアの民間企業が日米欧などの金融機関から借り入れている債務の返済に関する交渉。同国の通貨ルピアの暴落で、ドル建てが中心だった債務の支払いが事実上、不可能になり、債務を負う民間企業と債権銀行団が返済方法などを決めるため、98/02以降、協議を続けている。債務の総額は600億ドル以上で、邦銀の債権額はこのうちの40%を占めるといわれている。これまでに企業債務については3年間債務の返済を猶予するとともに、最長で8年間返済を繰り延べることが決まった。銀行債務については短期債務を1〜4年間の中期債務に転換する。今後は個別に返済繰り延べ期間や返済方法などの詳細について、債権銀行と協議を重ねる。債務交渉の完全決着までには、なお時間がかかる見通しだ。
インフレーションターゲティング
インフレ率を目標にした金融政策の運営手法。主に給英連邦諸国の中央銀行が採用している。例えば、現実のインフレ率がマイナス0.5%などと低下し始めた場合に、中央銀行が目標とするインフレ率をプラス1.5%、プラス2.0%などと告知し、この設定目標に向けて買いオペレーションなどの資金供給手段を動員する。デフレ局面では公定歩合操作などで名目金利を下げても、期待インフレ率が下がり続ければ実質金利はかえって上昇してしまう。しかし、一定のインフレ率を中期的に公約してインフレ期待を醸成すれば、実質金利が低下する可能性がある。日銀の速水優総裁はこうした金融政策の手法を政策委員会でも議論し、検討したことがあることを明らかにしている。
インボイス
商品の仕入などにかかった消費税を明記した伝票のこと。10%台後半の付加価値税を課している欧州連合諸国が導入している。日本も1989年の消費税創設や、1997年の税率引上の時に導入論が出たが、中小事業者の事務負担増加を理由に見送られてきた。首相の諮問機関である政府税制調査会は消費税率を引き上げた場合に、食料品などの生活必需品は税率を低くすることを検討している。通産省は品目によって税率が異なる複数税率が導入されれば、インボイスが課税実務の面でも必要になるとみている。
イージス艦
2001年現在、海上自衛隊が保有する最新鋭の護衛艦で、4隻が配備されている。高性能の防空レーダーを装備している。ミサイルや攻撃機など空中、海上、地上発射の複数の兵器をコンピュータで自動的に捕捉、追尾、破壊する防御システムを搭載。最大射程100キロメートル以上のミサイルによって、10以上の目標飛行物体を同時に迎撃できる。
AEGISはギリシャ語の盾の意味。船体はレーダーなどに探知されにくいステルス機能を持つ。対空ミサイルは垂直発射方式で、後部甲板に対潜ヘリの発着用甲板を設置されている。
イージスシステム
米海軍と海上自衛隊が保有するイージス艦に搭載される高性能の防空システム。艦橋の四周に設置した高性能レーダー「SPY-1D」が目標を捜索、探知する。レーダーが集めた情報をもとにコンピュータが敵味方を識別し、交戦するかを判断したうえで、ミサイルなどによる攻撃を自動制御する。100発近いミサイルを搭載し、同時に10以上の目標に対処する垂直発射装置を前後甲板に備える。
イージスはギリシャ語で「盾」の意味。イージス艦は日本では1993年から配備が始まり、2001年現在、各護衛隊軍に1隻ずつ、計4隻が配備されている。イージスシステムは輸入だが、船体は三菱重工業と石川島播磨重工業が建造を担当した。
イールドスプレッド
長期金利と株式益回りの差。この差の推移を見れば、金利から株式相場全体の水準が割高か割安か、ある程度判断できる。例えば、株価の上昇率が企業収益の伸び率を上回った場合、株式益回りは低下するため、金利水準が変動しなければ、差は拡大する。これは割高を示している。長期金利を国債流通利回り、株式益回りを日経予想の東証一部全銘柄でみると、97/09/03現在のスプレッドはマイナス0.27%となる。株式相場は割安との見方ができる。株式市場の時価総額に占める割合が大きい都銀に今期業績の下方修正が見込まれるため、今後は株式益回りを通じてスプレッドが変動しやすくなるとの指摘もある。
ウィンブルドン現象
国内市場の主な金融仲介業務が、外資系金融機関で成り立っている状態を指す。英ウィンブルドンの国際テニストーナメントでは海外選手ばかり活躍するため、名付けられた。1986年にビッグバン(金融大改革)に踏み切った英国では、経営体力の弱い国内金融機関が相次いで米独仏からの資本参加を仰いだ。
2000年に入り、マーチャントバンクと呼ばれる英独特の金融機関を米国勢が買収する例が目立つ。00/01に米シティグループが英シュローダーズの投資銀行部門を買収、、00/04には米チェースマンハッタンが100年余の歴史を誇る英ロバートフレミングを傘下におさめた。実力のある金融機関の助けを借りれば、市場の金融仲介機能は高まる。衰えた国内勢を保護するより外国勢に活躍の場を与える方が雇用増も見込める。ウィンブルドン現象は肯定的に使われることも多い。
ウォール街
ニューヨークのマンハッタン島南部にある一キロ足らずの通りとその一帯を指す。2001年現在、ニューヨーク証券取引所やニューヨーク連邦準備銀行があるほか、世界各国の金融機関が本店や拠点を構える世界の金融の中心地である。由来は17世紀に入植したオランダ人が、先住民や英国の攻撃を防ぐために築いた丸太の防壁をウォールと呼んだことにある。金融の中心地としての歴史が本格化したのは1792/05/17に株式仲買人のリーダー24人が集まり、証券取引の統一ルールを決めてからとされている。
受取手形の証券化
受取手形の振出人が将来支払う代金を担保に証券を発行し、投資家に販売すること。受取手形は現金期日払いである通常の売掛債権と異なり、債務者の承諾なく第三者に譲渡できるため証券化しやすい。半面、紙の現物が介在するため管理が難しい。こうしたことから2001年現在、受取手形の証券化は大企業が振り出す大口手形に限られている。大企業の間では、印紙代など経費削減を狙って手形払いを現金払いに切り替える動きが広がりつつある。手形払いは減少傾向にあるが、中小企業を中心に手形払いがゼロになることは無いと考えられる。今後は、中小企業の振り出した手形の比率が高まることが予想される。企業の資産流動化を進めるうえで、中小企業が振り出す小口の手形を避けて通ることはできない。手形の現物をいかに効率的に処理するかが証券化の鍵を握っている。
売掛債権
企業が商品やサービスを販売し、後日代金を受け取る契約を結んだ債権のこと。決算上はこの代金を売上高に計上するが、実際は資金をまだ回収していない。貸借対照表では売掛金受取手形未収入金などの名目で資産の部に計上されている。売掛債権の回収が遅れると、原材料の仕入れなどに必要な運転資金が不足したりするので、借入金が膨らむ原因となる。そこで、有価証券に仕立てた売掛債権を投資家に売却して資金回収を早め、資産効率を高めようとする企業が増えている。金融機関の貸し渋りが広がる中で、新たな資金調達手段になりつつある。
売掛債権流動化
商品販売後に代金を回収していない売掛債権を、第三者を通じ流動化すること。売掛債権を抱えた企業は早期に資金を得ることができ資金効率が上がるうえ、負債が減るため財務内容を改善できる。売掛債権流動化には特別目的会社(SPC)方式と信託方式がある。SPC方式ではSPCが債券やCPを発行して資金化する。信託方式は企業が信託銀行に売掛債権を預け、信託銀行が小口の受益権証書を投資家に販売し、資金を調達する。
00/02現在、資金の効率運用を図るため、売掛債券の流動化に乗り出す企業は増加している。金融機関側も、大和銀行がマンション分譲業者の売掛債券流動化を本格化させるなど、対応を強化している。
運営管理機関
日本版401Kと呼ばれる確定拠出年金で加入者の運用記録の管理や運用商品の提供などを担う。資産運用について加入者の利益を守るために行動する代理人的な性格を持ち、加入者への忠実義務がある。金融機関や構成年金基金のほか一般企業なども設立できる。機能面から、記録関連の運営管理機関と運用関連の運営管理機関の二つに分かれる。2001年現在、記録関連は金融機関が二大勢力に分かれて共同事業化している。一方、運用関連は、各社、各グループがそれぞれ独自に展開している。運用関連の業務は、確定拠出年金の導入コンサルティング、運用承引の選定、商品の提示や情報提供である。確定拠出年金ビジネスを担う金融機関にとっては、顧客向けサービスの分野と位置付けられている。
営業利益
本業のもうけを示す利益。売上高から売上原価と販管費を差し引いて求める。利益の概念としては金融収支などを加減した経常利益や、最終的なもうけを表す純利益などがあるが、機関投資家の多くは営業利益を最も重視しているとされる。財テクや資産売却などで発生した損益に左右されず、企業が基本的な事業活動を通じて生み出す収益力を正しく反映するからである。
液化天然ガス
天然ガスを摂氏マイナス162度まで冷却し、液化したもの。液化により体積が大幅に小さくなるため、海上輸送が可能になる。2000年現在、欧米では天然ガスをそのままパイプラインで輸送するのが一般的だが近隣にガス田が少ない日本は国内需要のほぼ全量を液化天然ガスの形で輸入し、受け入れ基地で再び気化している。
2000年現在、日本のLNG輸入量は年間約5,000万トン。発電や都市ガス用として使われ、エネルギー供給の約1割を占める。輸入先の上位はインドネシア、マレーシア、オーストラリア、ブルネイなどで、石油のように中東地域に過度に依存していない。
液晶表示装置
液体と固体の中間物質である液晶分子を使ったディスプレー。消費電力が少なくブラウン管に比べて薄型軽量化できる。携帯情報端末やノート型パソコンに加え、デスクトップ型パソコンの表示画面として市場が拡大。動画再生に不向きなのが欠点だったが技術改良が進み、00/01現在、テレビ向けの用途も開けてきた。
99年の世界市場規模は前年比約4割増の1兆8,000億円程度。日本メーカーが先行していたが、市場拡大とともに韓国や台湾メーカーが低価格を武器に参入、競争が激しくなっている。
エクスポージャー
リスクにさらされている投資や信用供与のこと。企業の活動が国際化するにしたがって、出資金や貸付金がリスクにさらされるようになる。しかし発展途上国のカントリーリスクが高まったからといって直ちに取引を打ちきれるわけではない。カントリーリスクの分析と同時に、リスクにさらされている投資や貸付金、つまりエクスポージャーの総額、内容を調整、管理する必要が出る。企業は業態によって部門が多岐に分かれ、エクスポージャーの種類も雑多になるため、エクスポージャーをそれぞれの形態ごとに区分し、リスクを分析することが大切になる。
エコファンド
環境対応に先行した企業を運用対象にする株式投資信託の総称。投資信託運用会社とは別に環境分析専門のコンサルタント会社などが環境分析専門のコンサルタント会社などが環境面での銘柄選別を担当する例が一般的。欧米ではグリーンファンドなどと呼ばれている。銘柄選別では@収益力などに基づいた通常の銘柄選別、Aアンケートなどに基づいた環境対応による選別の2つの基準を設ける。環境対策に優れた企業は将来のリスク負担が少ないとして、長期的な運用成績の向上につなげる狙いである。投資家向けに銘柄選別の根拠を公表しているファンドも少なくない。もともと欧米では宗教上の問題で、軍需産業やタバコ産業などの業種をファンドの運用対象から外す例も多い。
エスクローサービス
第三者寄託金を意味する言葉で、実際には売り手と買い手の権利義務が完全に履行されるまでの間、信用力のある第三者が金銭や書類を保管するサービスを指す。米国ではインターネット上の電子商取引市場で、参加者の信用を補完する義務として知られる。電子商取引は不特定多数の売り手と買い手が商品や代金をやり取りするため、購入した商品が届かなかったり、代金が支払われないなどのトラブルが生じやすい。安全に売買を成立させるためには、一般に信用力のある第三者が介在する必要がある。本格的に業務を展開するには資金の振込機能や、代金を管理する当座預金口座などが必要で、銀行が手掛けやすい。00/05現在、日本では三和銀行に続いて、他の大手銀行が相次ぎ参入する公算が大きい。
エチレン
合成樹脂や化学繊維、合成ゴムなど石油化学製品の基礎原料となる化学品。天然ガスや石油を分解して製造する。日本ではナフサ(粗製ガソリン)を主な原料としている。99/11現在の日本の生産能力は年間で約760万トン。世界合計では9,200万トン強。国内では三菱化学や三井化学、住友化学工業など総合化学と呼ばれる化学メーカーが生産している。不況の影響もあり、99/11現在、エチレンプラントの新設計画はない。一方、比較的高い経済成長が見こまれる中国や東南アジアではプラント建設計画が相次いでいる。
エネルギー自給率
産業活動や日常生活に必要なエネルギーを国内で確保する比率。2000年現在、日本は石油など一次エネルギーの大半を海外から輸入、自給できるのは水力など1割に満たない。エネルギー消費量全体の51%を占める石油は輸入量の84.6%を中東地域に依存している。政府は1970年代の石油危機を機に中東依存の是正に取り組んだ。中東以外からの原油調達や自主開発油田の確保を進めた結果、中東依存度は一時60%台まで低下した。しかし1990年代に入って比率が再び上昇した。
エリサ法
アメリカで1974年に成立した従業員退職所得保障法(Employee Retirement Income
Security Act of 1974)の略称で、企業年金を総括的に規制する連邦法。
エルニーニョ現象
南米ペルー沖の海水温度が2〜7年周期で平年より0.5〜3.0度程度高くなる現象。世界各地に異常気象を招き、日本では夏の気温が低く梅雨時の降水量が増加するとされる。エルニーニョはスペイン語で「男の子」の意味である。
2002年現在、発生する仕組みは詳しく分かっていない。逆に太平洋東部の海水温度が下がる現象は、「女の子」の意味のラニーニャと呼ばれ、こちらも異常気象との関わりが指摘されている。
円金先取引の最小取引単位切り下げ
東京金融先物取引所が99/10に導入する予定の取引活性化策の1つ。99/07現在の取引最小単位は0.01ポイントだが、これを半分の0.005ポイントにする。銀行など市場参加者がきめ細かくリスクヘッジできるようにするのが狙い。短期金融市場では日銀のゼロ金利政策が浸透し、金利変動がほとんどない状態になっている。市場参加者の間では、現状の最小取引単位では取引しにくいとの声が出ている。シンガポール国際金融取引所(SIMEX)やシカゴマーカンタイル取引所(CME)は、すでに最小単位を0.05ポイントに設定している。東京金先取引所も他の取引所と同じ条件にし、低迷する円金先取引量の増加につなげたい考えだ。
縁故地方債
自治体の発行する地方債には、市場公募債と縁故債の2種類がある。市場での調達体制を整える自治体は東京都や大阪府、政府指定都市などに限られ、大半の自治体は債券を地元金融機関に引き受けてもらう縁故方式を採用している。縁故債を引き受けるのは主に、自治体の指定金融機関を務める地銀。地方債によっては流通市場で価格が下がり、引き受けたとたんに含み損を抱えるケースもある。それでも地銀の多くは、指定金融機関として享受するメリットを考慮し、引受に応じている。
99/02現在では、縁故債増発が債券市場の焦点の1つ。99/03〜99/05に98年度の補正予算による発行が相次ぐが、増加額は5,000億円とも8,000億円とも予想されている。国債増発と並び、相場の需給への影響が懸念されている。
エンジェル
起業家に資金を提供したり、経営指導して創業を支援する個人投資家のこと。1998年現在、米国では税制面での優遇措置もあり、成功した元起業家らが豊富な自己資金を後進の育成と投資リターンのために提供するケースが多いとされる。
円建外債-1
国際機関や外国の政府、地方自治体、民間企業など非居住者が日本国内市場で発行する円建て債券。サムライ債ともいう。ユーロ市場で発行される円建て債はユーロ円債と呼ばれている。
97年の円建て外債の発行額は2兆1,452億円だったが、98年は1〜6月期で1,607億円にとどまっている。アジア経済の混乱で、アジアの発行体の起債が難しくなっているのが発行額減少の一因。現在発行しているのは、比較的信用力のある欧米の発行体が殆どだ。韓国電力公社は98/07/31から投資家向けに円建て外債を募集する。アジアの発行体の起債はマレーシア国有石油公社の97/10以来。韓国電力公社は債券の格付けが一定以下に下がった場合、投資家が期限前償還を請求できるなど、投資家が購入しやすい仕組みにしている。
円建外債-2
通常、海外の企業や政府機関などの非居住者が、日本の国内市場で発行する円建の債券(サムライ債)を指す。広義では、国際資本市場で海外の発行体が起債する円建債を含む。為替相場が円安基調で推移した1996年前後には、元本のみを外貨で受け取る個人向け二重通貨債の発行が急増した。海外で起債する場合、規制の緩やかな欧州市場に加え、米国市場でも販売する円建債をグローバル円債という。チュニジア中央銀行が00/07/19に起債した円建外債はグローバルサムライという形態を初採用。日米市場で同時登録し、世界中の投資家への販売を可能にした。
円デポ市場
金融機関同士が大口の預金(デポジット)を直接預け合う市場を略してこう呼ぶ。大蔵省の規制緩和で、1ヶ月未満の定期預金が自由化されたのを受け、98/07末から本格的な取引が始まった。代表的な短期資金取引であるコール取引に比べ、手形の作成や受け渡しの事務、仲介業者に支払う手数料を節約できるなどの利点がある。銀行同士が直接資金を預金し合うため、複数の金融機関がお互いの資金取引の収支尻を決済する市場での決済額が減る効果もある。円デポ市場には現在、大手都市銀行を中心に、都銀や地銀、外国銀行が参加している。ただ、日銀の準備預金の対象になっているため預金を受け入れる銀行にとってはコストがかかる。こうした規制の撤廃が円デポ市場の拡大に弾みが付くきっかけになりそうだ。
円のデノミ構想
1ドル=1円の為替相場を想定して貨幣の呼称単位を変更するデノミネーションを実施する構想。為替相場の表示を通貨1単位当たりの購買力を示す方式に変え、円の地位をドルなどと対等にすることが目的だ。ドルやユーロとならぶ主要通貨として円の国際化を目指す上で、1ドルあたり3桁の表示では、ドルに比べた円の地位が低く見える上、2002年から実際に貨幣の流通が始まるユーロとの競争でも円が不利になるとの声が出ていた。自民党金融問題調査会のデノミに関する小委員会は2002/01から100分の1デノミ実施を求める提言をまとめた。デノミ実施でコンピュータシステムの改修などの需要が創出され、景気刺激策になるとの見方もあるが、混乱を招きかねないという慎重意見も強い。
エージェントとアレンジャー
複数の金融機関が一定の貸出条件で、同一契約書に基づき融資するシンジケートローンで、各金融機関の事務を代行する融資団のうち、1社がエージェント(代理人)。融資団を組成し、契約をまとめるのがアレンジャー。両者は同一の場合が大半で、幹事と呼ぶ。ローンを受けた企業はアレンジャーに手数料を払うほか、契約が複数年に及ぶ場合は毎年の借入時にエージェントに事務代行手数料を支払う。企業から幹事に指名された金融機関は融資の金利のほかに手数料収入が確保できる仕組みだ。欧米では、単独の金融機関で対応できない企業の多額の資金需要に応じるため、シンジケートローンが一般的。国内でもリスクを分散できる手法として定着し始めており、大手行などは手数料収入の拡大を目指し積極的に取り組んでいる。
欧州中央銀行
ECBと略される。欧州中央銀行制度(ESCB)の中核となる機関。2001/04現在、ESCBはECBと欧州連合(EU)15カ国の中央銀行で構成している。ECBは欧州単一通貨ユーロを導入しているユーロ圏の中央銀行としての機能を持ち、ユーロの発券や、ユーロ圏の金融政策を決定する権限がある。本部はドイツのフランクフルトにある。金融政策変更などの意思決定は正副総裁と4人の理事、ユーロ圏各国の中央銀行総裁で構成する理事会で行われる。理事会決定を受けてユーロ参加国の中央銀行が金融政策を実施する。
大口電力の小売自由化-1
電気の使用規模が2,000キロワット以上で20,000ボルト以上の特別高圧電線で受電する需要家に対する電力小売の自由化。国際水準よりも割高との指摘を受けて、政府の経済構造改革計画の一環として本格的な検討がスタートした。99/05に改正電気事業法が参議院本会議で可決されたことで2000/03から導入される。開放した電力小売市場を巡っては、鉄鋼や石油など日本の素材型産業のほか、海外のメジャー(国際石油資本)なども参入機会をにらみ、既に調査に乗り出している。自由化の進捗度合いは約3年後に検証されることになっており、一般家庭用も含めた本格的な自由化も議論される見通し。
大口電力の小売自由化-2
メーカーやサービス業など電力を多く消費するユーザーに、電力会社以外の企業が電力を直接供給することが2000/03に認められる。電気の使用規模が2,000キロワット以上で、20,000ボルト以上の特別高圧電線で受電する大口需要家が対象となる。国債水準よりも日本の電力が割高との指摘を受け、政府はまず96年に電力の卸売りを自由化、さらに大口電力の小売自由化を経済構造改革計画の柱として盛り込んだ。電力各社は自由化後、新サービスなどで顧客を囲い込む方針だが、石油元売りなどとの価格競争が始まる見通しである。
大口電力の小売自由化-3
電気事業法の改正で、2000/03から電力の使用規模が2,000キロワット以上で、20,000ボルト以上の特別高圧電線で受電する顧客に対する電力の小売が自由化される。企業の工場やオフィスビル、百貨店、スーパーなど、販売電力量全体の約3割が自由化の対象になる。政府は電気料金が国際的に割高との指摘を受け、電力事業の規制緩和を段階的に進めている。95年には電力会社以外でも、入札制度を通じて発電分野に参入できるようになった。小売自由化後は官庁も入札などで電力の調達先を決定する方針で、自由化の進捗状況は3年後に見直すことになっている。
オプション付き外貨預金
外貨預金に通貨オプションを組み合わせたもの。外貨預金は、円をいったん外貨に換えて、海外の金利水準で運用するため日本より相対的に高い利回りが期待できる。だが、最終的には外貨から円に換えるため、その時の為替相場次第で、円ベースの利回りが低くなる可能性がある。通貨オプションを利用することで、一定範囲内であれば、為替の変動リスクを回避できるようになる。さくら銀行は個人向けにオプション付き外貨定期預金の取り扱いを始めた。個人向けにこのタイプの定型化した商品を扱うのは都銀ではさくら銀行が始めて。預金開始時の為替相場を元に、円の上限レートを設定。預け入れ後、そのを超えて円高が進まなければ、海外の高利回りがそのまま円ベースでの利回りになる。
オプションのプレミアム
株式や通貨などのオプション取引で、権利の買い手が売り手に払う料金。プレミアムはオプションが持つ本質的価値と時間的価値で決まる。本質的価値とは売買時の市場価格とオプションの権利行使価格との差。1ドル115円の時に120円でドルを売る権利を買う場合、本質価値は5円になる。プレミアムを決めるには、期日までの市場価格の変動を考慮しなければならない。将来の利益の可能性に対する評価が時間的価値だ。オプションの買い手が将来の権利行使によって利益を得る可能性が大きくなるほど、時間的価値が増し、プレミアムは値上がりする。時間的価値を決定する要因には、期日までの期間、現物株のボラティリティなどがある。
オフバランス化
企業の売掛金、買掛金などを貸借対照表(バランスシート)の資産や負債の部から外すこと。帳簿から消えるので簿外化ともいう。企業の隠れた損失などを隠す意味で簿外取引という言葉が使われる例もあるが、財務健全化の観点から正常な手続きを経てバランスシートを圧縮する手法に対する企業のニーズが高まっている。売掛金など企業の営業債権を流動化して換金する手法がオフバランス化の代表的なやり方だ。企業の保有不動産の流動化もその一例。資産をできるだけ早く現金化して資金効率を上げる効果を狙っている。企業の負債に着目したオフバランスの仕組みとしては、社債の前払い償還を狙った商品があるが、投資家への支払い義務は企業に残るため、完全なオフバランス化が可能かどうかについては両論がある。
オペレーショナルリスク
システムの障害や事務処理のミスで銀行業務に支障が生じる危険性を指す。貸出が不良債権化する信用リスク、相場の動きによって財務内容が悪化する市場リスクと並んで金融機関の経営に大きな影響を与えるとされる。米国ではどんな人材がどのような形で銀行業務にかかわっているか、どんなソフトを搭載したシステムを使っているかなど数千項目のデータを入力。更に統計的な分析処理を実施してリスクを計量化する手法が一般的である。
2000年現在、日本でも一部の大手銀行がリスク管理の厳格化に取り組み始めている。
オルタナティブ投資-1
上場株式や債券などを対象とする伝統的な資産運用手法に対して、これに含まれない新しい運用手法の総称。2001年現在の国内での主流は、未公開株式に投資するプライベートエクイティとヘッジファンドである。商品ファンドや不動産証券化商品なども含む。株式、債券など相場全体の動きと相関性が低く、代替投資商品を採用することでポートフォリオ全体のリスクを下げる効果が働く。一定程度の運用利回りを確実に狙う投資とも位置付けられる。代替投資の先進国である米国では、個人、年金基金、財団など投資家の裾野は広い。2001年現在、先進的な大学基金では20%以上を組み込んでいる例もあるという。
オルタナティブ投資-2
上場株式や債券、為替を対象とする伝統的な投資手法に含まれない運用の総称。ロング、ショート両建や、裁定取引などを活用して下げ相場でも収益獲得を目指す例がある。投資対象は未公開株や破綻会社、不動産や商品などを含む。既存の投資商品と相関性が低いため、代替投資を採用するとポートフォリオ全体のリスク当りのリターンを計算上高めることができる。相場の動きと関係なく、一定以上の運用利回りを確実に狙う投資とも位置付けられる。国内投資家では商社や銀行、生保など大手金融機関が海外のヘッジファンドやプライベートエクイティファンドに投資したのが先駆けである。
オープン価格
メーカーが希望小売価格を設定せず、卸、小売業者が独自に決める価格。量販店などの台頭で価格決定権が小売側に移るのに伴い、家電業界が1970年代に先行導入し、2001年現在では全製品の5〜6割りに適用されている。1990年代までに食品や衣料などにも広がった。希望小売価格を採用する場合に比べ、メーカー納入価格は低くなる傾向がある。