債券決済ネットワーク

社債や利付金融債など、一般債の決済リスクを軽減する為に設立された中継機間。一般債の決済は、債券の保有関係を確定する登録済み証など紙の受渡しがベースになっていたが、これからは同社が運営するネットワークを通じて電子的に処理される。一般債の決済は、証券会社の自主ルールで、毎月10日・20日・月末の3日にまとめて決済している。ネットワーク稼動を前に、97/11/26約定分からは、約定日から7日後が決済日となるローリング決済に移行する。ネットワーク移行への経過措置として、97/11/11日分の受渡し分から登録済み証が廃止された。ネットワーク稼動まで債券の保有関係が不確かになるのではないかとの懸念から、一般債の取引は低調な状態が続いている。

債券先物の限月交代

債券先物市場で、取引最終日までの期間が長い限月(期先物)の売買高が、ある時点で期間の短い限月(期近物)の売買高を上回ることをいう。売買高が最大になった限月を特に、中心限月と呼ぶ。投資家は、金利を見通す期間に応じて、自ら限月を選択して売買する。買建、売建共に可能だが、決済期限までに反対売買をして最終的に差金決済するか、あらかじめ定められた国債での現引、現渡により受渡決済をする必要がある。期近物では、限月交代が近づくと、投資家による反対売買によって、相場が一時的に変動しやすくなる。

債券先物の中心限月

債券先物市場では、3ヶ月ごとに決済期限(限月)を設けて取引しており、そのうち取引が最も活発なものを中心限月という。通常は最終取引日に近い期近物が中心限月となる。投資家は先物市場で限月を選択して売買する。売り建て、買い建てともに可能だが最終取引までに反対売買をして差金決済するか、予め定められた国債で受け渡し決済する必要がある。10年国債先物なら残存期間7年以上11年未満の国債が受け渡し適格銘柄。先物の中心限月は期先物の売買高が期近物を上回った段階で交代したものとみなす。98/12/03の売買高は98/12物が4兆8,484億円、99/03物が4兆754億円で、98/12/04にも中心限月は12月物から3月物に交代する見通しだ。

再建と清算

経営に行き詰まった会社の倒産処理手続き。株主や債権者の利害を調整しながら会社を立て直す再建型では、大企業の会社更生、中小企業の会社整理、破産より有利な弁済方法を選択できる和議がある。それぞれ会社更正法、商法、和議法で手順が決められている。一方、債務者の財産を処分して債権者に配分する清算型には、破産と特別清算がある。破産法で定める破産は債務者の全財産を債権者へ平等に配分する。裁判所の監督による特別清算は債権者の多数決で分配額を決める。日本では支払不能・債務超過が倒産の条件だが、米国では財政的に問題の無い会社でも自己申告で倒産手続きに入ることができる。

債券の業者間市場

証券会社などが日本相互証券など専門の仲介業者を通じ、債券を互いに売買する市場。2000年現在、株式が主に東証などの取引所を経由して取引されるのと対象的に、国債や社債など現物債の大半が業者間市場で取引されている。現物債は業者間市場、債券先物は東証と住み分けしている格好だ。債券の業者間市場は国債の大量発行時代と共に発達してきた。だが債券取引が国債指標銘柄を頻繁に売り買いする従来方式から、利回り曲線の変化などに着目した裁定取引に移行するにつれ、業者間市場の取引量は減少傾向にある。専門仲介会社の競争は厳しく、現物債の取引量が日本の3倍近い米国でも、仲介会社は減少している。

債券のDVP決済

債券と決済代金の引き渡しを同時に実施する決済制度。DVPはDelivery Versus Paymentの頭文字。同時に実施することで債券の引き渡しが出来なかったり、代金の受け取りができないという決済リスクが削減できる。日銀ネット内では国債と資金、社債など一般債と資金のDVPシステムがある。債券と資金をやり取りする取引には債券貸借(レポ)取引がある。99/07現在で、レポ市場は30兆円台と急速に拡大した。今後も銀行などの資金調達手段の1つとして市場規模の拡大が見込まれている。国際決済銀行(BIS)の支払い決済システム委員会は提言を発表、信用リスクが低いとしながらも、手続きの複雑さに伴うリスクを指摘した。拡大する債券貸借取引での決済リスク軽減のためにDVP決済の利用促進を訴えている。

債権放棄

金融機関が多額の負債を抱えて経営不振に陥った取引企業に対する融資の一部の返済を免除すること。経営支援の一貫として実施されることが多い。企業側が再建計画を立案することを前提とし、銀行は債権放棄を実施することで、残る融資の回収の確実性を高めるのが狙い。 2000年現在、ゼネコンや大手流通会社などの再建策として活用される事例が相次いでいる。ただ、企業側が安易に取引銀行に放棄を求めるケースもあり、産業界には経営陣のモラルハザードが助長されると懸念する声もある。

在庫管理

部品や製品の在庫を適正な水準に維持すること。2001年現在は、インターネットや販売時点情報管理(POS)システムなど情報技術を活用し、小売店の売れ筋情報やユーザーの需要を迅速に把握できるようになってきた。日用品や情報、電機メーカーで先行して取り組み始め、自動車や鉄鋼メーカーなどにも広がっている。

在庫調整

製品などの需要動向を見極めながら、在庫の水準を調整すること。実際には「在庫削減」と同じ意味で使われるケースが多い。個人消費や輸出が鈍って製品が売れなくなると、企業は生産量を落として在庫を減らそうとする。減産による在庫調整は雇用や賃金の抑制などに波及するため、景気悪化の引き金になりやすい。 2001年現在では、情報技術を活用した在庫管理手法が発達しており、企業が製品の販売状況を素早く把握、直ちに在庫水準を調節できるようになっている。パソコンでは販売時点情報管理(POS)システムで週単位の需要調査を実施、店頭での販売が伸び悩むと即座に生産を抑制するなどしている。企業にとって効率的な生産ができるが、こうした素早い在庫調整が景気の振幅を大きくするとの指摘もある。

再生医療-1

体を構成する様々な臓器や組織を思い通りに作り出し患者に移植、病気やけがを治療する次世代の医療技術。カギを握るのは、どんな細胞にも育ち得る潜在力を秘めた「幹細胞」である。これを体外でうまくコントロールして育てれば自由に臓器などを作れる。幹部を切除する手術や薬の投与では限界がある難病の治療につながるとの期待が大きい。

再生医療-2

人工的に培養した細胞や組織などを使い、傷ついた臓器や組織を再生して患部の機能を修復する手法。米国で1970年代に皮膚の研究が始まり、1980年代後半に患者自身の培養皮膚が治療に使われるようになった。

再生医療-3

人工的に培養した細胞や組織を使って、傷付いた人間の臓器や器官を再生して患部の機能を修復する医療手法。2002年現在、やけどを負った患者の皮膚を人工的に培養して、患部に移植するなどの事例がある。

財政金融分離

大蔵省の財政部門と金融部門を分離する考え方。財政の理論が優先され金融政策をゆがめやすいとの指摘や大蔵省の権限が大きすぎるとの批判が背景にある。住専問題を契機に、政府与党は98/06に、総理府に金融監督庁を設置し大蔵省の検査監督部門を移したが、金融システム不安への迅速な財政出動が困難になるなどの反対論もあり、完全分離は見送った。金融監督庁は2003年までに金融庁に改組し、金融制度の企画立案機能まで守備範囲を広げる予定。ただ、通常国会で成立した中央省庁改革基本法では破綻処理制度や金融危機管理の企画立案は金融システム改革の進捗状況を考慮して当分の間大蔵省に残すとしており、完全分離の具体的な時期を明示していない。

財政投融資-1

公的年金の積立金、郵貯など国民から集めた有償資金を国が一元的に管理し、社会資本整備をはじめ様々な政策目的のために投融資する仕組み。財投機関と呼ばれる住宅金融公庫や日本道路公団への資金配分が中心だが、財政力の弱い地方自治体に対する直接融資なども大きな役割の1つ。大蔵省の資金運用部がお金の入口と出口のつなぎ役を果たしている。 97/03末の残高は377兆円で、国の景気調節機能などと一体不可分で運営されるため第二の予算ともいわれ、官の肥大化の象徴的存在。自民党が行財政改革の一環として97年秋にまとめた財投改革案では10年後の残高半減などの方向性が示された。

財政投融資-2

一般会計とは区分された第二の予算とも呼ばれる日本独自の国の会計制度。99/07現在は、郵便貯金や年金、政府保証債の発行などで得た資金を貸し付けたり、政府関係の事業に出資している。地方債や国債の引受にも回す。国の財政悪化で手が回らない部分に財投が使われ、安易な肥大化を招いたとの反省から、97年に政府自民党は財投のスリム化を促す提言をまとめた。ただ、その後の景気悪化で再び拡大傾向が目立つ。99年度の財投計画は貸し渋り対策などを盛り込み、前年度当初に比べ5.9%増の52兆8,992億円となっている。

財政投融資-3

税金ではなく、金利を付けて返さなければならないお金を使い、民間では難しい事業などに政策的に資金を融通する仕組み。郵便貯金や厚生年金、国民年金の積立金を旧大蔵省資金運用部に全額委託。財政投融資計画に基づき配分する仕組みだったが、特殊法人の肥大化や業務の非効率化を招いたとの反省から、2001年度に財政投融資改革が実施された。 改革により郵貯、年金の全額預託義務は廃止され、市場での自主運用に切り替わった。特殊法人は財投機関債による資金の自主調達を原則とし、不足分を財政融資資金特別会計から借り入れる。財政融資資金は財投債を発行して必要な資金を市場から調達する。

財政投融資制度改革

郵便貯金や年金資金が自動的に大蔵省資金運用部に預託される方式を改め、運用部からの借入で賄ってきた特殊法人(財投機関)が自ら信用力を背景に債券(財投機関債)の発行で市場から資金を調達するような仕組みを導入するのが柱。大蔵省は2000年国会に財政投融資制度の改革法案を提出、01/04からの実施を目指している。肥大化した特殊法人のスリム化を促す狙いがある。大蔵省は原則、全ての財投機関に対して必要な資金は機関債の発行で調達するよう促し、信用力の劣る機関の債券には政府保証を付ける。それでも資金を調達できない機関は、国が発行する財投債で得た資金を借り入れる余地も残す。各機関は財政資金がどれだけ効率的に活用されたかを示す政策コスト分析の公表も求められる。

在宅医療

患者が自宅で療養する在宅医療には、往診や訪問看護のほか、医師から器具の使い方など指示を受け患者が自分で行う治療がある。患者自身が器具を使う場合、企業は医療機関を通じて治療器具を提供し、保守点検などを受け持つ。医療機関は診療報酬の一部を企業に支払う。 2002年現在、公的医療保険が適用される治療には、呼吸器疾患の患者向け在宅酸素療法、インスリンの自己注射などがある。

在宅介護サービス

介護を必要とする人が自宅で生活できるようにするためのサービスで、介護保険制度の中核を担う。高齢者は症状や家庭環境に応じて12種類のサービスから必要なものを選べる。ヘルパーなど介護の専門化が家庭を訪問する訪問、日帰りで施設に通う通所、施設に短期間入る短期入所に分かれる。柱となる訪問介護(ホームヘルプサービス)は排泄や食事の手助けをする身体介護、掃除や洗濯をする家事援助、両者の中間である複合型があるが、複合型の扱いを巡って混乱する市町村や事業者が出る可能性もある。

裁定取引

複数の市場又は商品間に生じた値段の開きを利用し、割安なものを買って割高なものを売る取引を同時に執行してリスク無しで収益を狙う取引のこと。価格差が修正された時点で反対売買を行い収益を確定させる。厳密にはリスク無しで収益をあげる取引のことを指すが、限定したリスクを取る場合も含めて裁定取引と呼ぶこともある。株価指数と現物株、株式と転換社債、債券先物と現物債を用いた取引などがある。最も広く知られているのは株価指数先物と現物株の価格差を利用した取引。例えば、株価指数先物が現物株に対して割高な時に、先物を売り建てると同時に、対象指数とほぼ連動する現物株のポートフォリオを買う。価格のゆがみが修正された時点で先物を買い戻して現物株を売却すれば収益が確定する。

財投機関債-1

公社・公団や政府系金融機関など財政投融資を受けている特殊法人が発行する債券。政府保証が付かない場合は各財投機関が独自の信用力で市場から資金を調達する。財務内容の悪い機関は資金調達できず、市場原理によって淘汰されるため、財投のスリム化に有効な手段とされる。自民党は2001年度から各機関は原則として財投機関債で資金調達する方針を固めた。それまでに破産・整理法の制定や格付けの取得、ディスクローズの拡充などが必要になる。しかし、財投機関は民間では採算の合わない事業を担当しているため、財務内容が悪いのが通常。このため、財投機関債を発行できる機関は限られ、多くは大蔵省が一括して発行する財投債に資金調達を頼らざるを得ないとの見方もある。

財投機関債-2

財政投融資を手掛ける機関が独自の信用力に基づいて発行する債券。自民党は97年にまとめた財投改革に関する報告で、郵貯と年金の預託がなくなる01/04以降は機関債を主力の資金調達手段とするよう求めた。財投の対象となっている特殊法人や認可法人は99年度末の見込みで38機関。大半は資金運用部からの借入に頼っているが、これまでも旧日本輸出入銀行など一部は政府保証つきの外債を発行してきた。ただ日本国債の格下げ懸念が広がった98年は、有利な条件での起債が難しくなった経緯がある。

サイバー犯罪

インターネットや通信網を使った不正行為の総称。コンピュータに不正アクセスしてデータを盗用、改ざん、破壊するほか、システム障害を起こす電子ウィルスの送付や、一度に数万通のメールなどを送り電子商取引業者のシステムを処理不能にする行為などがこれにあたる。

最貧国の債務削減

世界銀行と国際通貨基金(IMF)が認定する重債務貧困国(最貧国)に対し、先進国が債務を減免すること。99/06の主要国首脳会議(ケルンサミット)では、7カ国(G7)が約1,300億ドルの債務を半分に削減するケルン債務イニシアティブについて合意した。最貧国は1人当たりの国民総生産(GNP)が695ドル以下、債務残高のGNP比率が80%以上などの基準で認定される。99/07/01現在、41カ国あるが、今回削減対象となるのは36カ国程度。政府開発援助(ODA)債権は100%、貿易保険など非ODA債権は90%前後削減する。日本はG7で最大の債権国。全体の40%を占め削減対象額は4,000億円にのぼる。債務削減のため約20年間で3,400億円を無償援助してきたが、今後追加援助が必要になる見込みだ。

再保険-1

個人や企業と保険契約を結ぶ元受保険会社が、保険金を支払う責任を他の保険会社に移転する仕組み。元受け会社は、保険の引受に伴うリスクを軽減することができる。特に地震保険や貨物保険など補償額の大きい契約を扱う損害保険分野で広く利用されている。契約の一部又は全部を再保険に出すことで元受会社は保険金を支払能力の範囲内に収め、経営の安定を図ることができる。再保険を引き受けた保険会社は、移転されたリスクに見合う再保険料を元受会社から受け取る。引受には独特のノウハウが必要で、再保険業務を新たな収益源として活用したり、新分野参入の布石として手掛ける場合もある。日本の再保険市場の拡大を見込んで、海外の有力専門会社が相次いで拠点展開を加速している。

再保険-2

保険会社が引き受けた契約における保険金支払い責任の一部または全部を、他の保険会社に転嫁する仕組み。保険会社が相互に実施しているほか、再保険だけを取り扱っている専門会社もある。 再保険では、移転したリスクに見合う再保険料を再保険会社に支払う。これは保険金支払いを平準化して経営の安定性を高めるためである。2001年現在、世界的な天候不順で再保険料率は上昇傾向であり、対2000年比で約2〜3割値上がりしたものと思われる。再保険料の高騰は損害保険会社にとって減益要因となる。

再保険-3

地震や航空機事故など、一つの保険会社では損失を背負いきれないような巨大な災害、事故に備えて国内外の保険会社が互いにかけ合う保険のこと。再保険を専門に手掛ける保険会社との間でやり取りするほか、一般の損保会社同士も再保険の契約を結んでいる。 企業がビルや工場にかける大口の損害保険も、再保険でリスク分散することを前提に契約が成り立っている。例として、2001/09に発生した米同時多発テロが保険市場に与えた影響は業界推計で300〜700億ドルに達するとみられ、海外の大手再保険会社10社の受けた損害額だけで100億ドル近くに上ったとされる。

財務再保険

生命保険会社が、保有契約の一部を再保険の形で他の保険会社に移転、一時金を得ること。欧米諸国では生保の自己資本調達手段として一般化しており、97/12末に出された大蔵省の通達で、日本の生保にも解禁された。元の保険会社は移転した保険契約から将来の一定期間に発生が見込まれる収益を、出再保険受入手数料の名目で前倒しで受け取る。再保険会社は受け入れた保険契約から得られる保険料収入などで資金を回収する。予想を上回って解約が増加した場合などには損失が発生するため、再保険会社はそのリスクに見合う保険料を元の保険会社から徴収する。決算操作などに使われる恐れがあるため、大蔵省の通達は財務再保険で調達した資金の使途を保険金の支払い原資である責任準備金の積み増しに限定している。

債務の株式化

金融機関からの借入金など債務の一部を株式に切り替えて企業を再建する手法。過剰債務に苦しむ企業の負債を圧縮、同時に株主資本を増やす効果がある。株式を受け取る金融機関も再建が軌道に乗れば値上がり益を期待できる。 2002年現在、債務を時価評価し、その債務を現物出資の形で株式に切り替える方法と、企業が金融機関に第三者割当増資を実施し、払い込まれた資金で借入金を返済する方法が主流である。また、産業再生法と組み合わせると、増資に伴う登録免許税の減免などの優遇を受けられる。

債務保証

信用や十分な担保がない個人や法人が借入をする際、信用ある第三者がその債務について保証をすること。親会社が信用力の不十分な子会社の借入金などに対して保証する例が多い。契約の伴う債務保証のほか、保証類似行為として金融機関からの要請で債務保証に切り替わる保証予約や、親会社が子会社の経営責任をとることを明記した経営指導念書などがある。日本公認会計士協会は、99/03期決算から全ての企業に、保証類似行為を含めた事実上の債務保証額の開示を義務付けた。日本経済新聞社の調査では、開示基準の強化で99/03期決算会社の債務保証額が約33兆円と、1年前に比べて約12兆円も増加した。財務上のリスクの1つとして、会社側に改善を求める声も出てきそうだ。

裁量労働制

企業がタイムカードなどで社員の勤務時間を管理するのではなく、社員が自分で働く時間を決める制度。労使間で労働したとみなす時間を決め、これに基づき固定給が支払われる。実際の労働時間が少なくても固定給は減らず、多くても超過勤務手当は出ない。仕事の成果に応じ賃金を上乗せしたり、ボーナスに反映させる場合が多い。類似した制度にフレックスタイムがある。出退社時間は社員の自由だが、決められた労働時間は働かなければならずそれを超えた場合は超過勤務手当が出る。日本の裁量労働制は1988年から一部職種で導入された。00/05現在、米国やフランスではホワイトカラーの一部に同様の制度が実施され、普及している。

差金決済

将来取引する外国為替や金利を前もって約定し、清算時に実際の相場水準との差額だけを決済する取引。企業や投資家が金利や為替の変動リスクを回避するために利用している。通常の取引とは違って元本の受渡をせず、差額決済だけで済むため、その分をリスクを軽減できるのが特徴。相場見通しに基づく投機的な取引もある。対象となる商品が為替の場合は為替差金取引(NDF)、金利の場合が金利先渡取引(FRA)と呼ばれる。 00/02現在、海外市場ではスワップなどと同様に取引が拡大している。日本では刑法上の賭博罪に抵触する恐れがあるとして、大蔵省が取引を事実上禁止していたため、普及が遅れた。大蔵省が金融の規制緩和の一間として、FRAを解禁したのは94年、NDFは98年。

指値注文

投資家が株式を売買する際に何円で買いたい(売りたい)という形で、値段をして注文を出すこと。希望した値段か、それよりも有利な値段以外では取引を成立させない。逆に、値段を指定しないで出す注文は成行注文という。成行注文は取引所で反対の注文があれば約定するので、売買は成立しやすいが、予想外の高い株価で買うことになったり、低い株価で売ることになる場合がある。指値注文は成行注文に比べれば売買は成立しにくい反面、予想外の値段になるリスクはない。

サミット首脳宣言

主要国首脳会議のメンバー国であるフランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシアが話し合いの結果を踏まえて発表する文書で、世界が直面する重要課題に関する共通認識を盛り込む。政治、経済、環境など扱うテーマは広範で、先進各国が協調して対処していくメッセージを発する意味がある。ただ、内容は各国の「最大公約数」になりがちとの指摘もある。 1993年の東京サミットまでは経済宣言、政治宣言を採択していた。1994年からロシアが政治討議に全面参加するようになり、ロシアを除いた七カ国による宣言と議長声明の二つを採択する形式に変わり、1997年のデンバーサミットからは八カ国の首脳宣言と七カ国の経済声明を発表するようになっている。

サムライ債-1

外国の政府や民間企業、国際機関などの非居住者が日本の国内市場で発行する円建て債券の総称。国内債として位置付けられ、日本の国内法の規制を受ける。サムライ債の発行額は96年の約4兆円がピークで、アジア通貨危機や日本の金融不安から98年は約3,300億円まで急減した。99/01にマレーシア国有石油公社が510億円を起債して以来、発行が途絶えていたが、99/07/16にアンデス開発公社が200億円募集したほか、99/07下旬にGEキャピタルが800億円を起債する見込みで、復活の兆しが出てきた。大蔵省は新宮沢構想の第2ステージに、サムライ債の発行促進を盛り込んでいる。アジア域内の債券市場の整備育成策の一環である。同時にアジアの発行体による円建て資産の保有を増やし、円の国際化につなげる狙いもある。

サムライ債-2

海外の発行体が、日本国内で発行した円貨債のことで、普通、円建外債といった場合には、このサムライ債を指す。ほかの外債と違うのは、国内法の規制を受ける国内債として扱われる点である。このため、売買にあたっては、一般の国内債の売買と変わるところがない。大きな特徴としては、全て無担保で発行され、原則として格付のみで適債性が判断されることである。よって、他の国内債に比べて弾力的に発行でき、その発行条件も実勢を反映したものとなっている。

サムライ債-3

海外の企業や政府機関などの非居住者が日本の国内市場で発行する円建ての債券。国内債として位置付けられ、国内法上の規制が適用される。 1999年度のサムライ債の発行額は8,671億円と、1998年度の1,035億円から大幅に増加した。発行体もGEキャピタルコーポレーションやJPモルガンなど相対的に格付の高い米国企業から、トルコ、クロアチアなどの新興諸国まで広がった。2000年現在、国内普通社債の発行額が低迷するなか、国債資本市場で発行される円建て債と並んでサムライ債を購入対象にする投資家も増えている。ただ海外の発行体の間では、発行手続に手間のかかるサムライ債より、機動的に起債できる欧州市場での起債を選ぶところが少なくなく、制度の改善を望む声も根強い。

サムライ債-4

海外の企業や政府機関などの非居住者が日本の国内市場で発行する円建の債券。国内債として位置付けられ、国内法上の規制が適用される。サムライ債の発行額は1999年度に急回復した。2000年度も10月現在ですでに約1兆6,000億円に達し、前年実績である8,671億円を上回っている。海外企業などが日本の低金利を利用した資金調達に動く一方、国内普通社債より一般に利回りの高いサムライ債は投資家にとっても魅力的な商品になっている。 00/06から米国でデリバティブ取引に時価会計が導入されたことも米企業の起債増加の背景になっている。従来のようにドルを調達して円に転換すると、為替の評価損益を期間収益に反映させる必要が出てくるため、日本での事業展開に必要な資金をサムライ債を通じて円で調達する動きが広がっている。

サムライ債の管理業務

社債などを購入した国内投資家への利払いや償還を始め、金融機関が代行している円建外債に絡む事務手続全般を指す。サムライ債は公募債のため投資家に販売するのは証券会社の役割。販売後は発行体から代表管理会社に指名された銀行が事実上、実務を取り仕切ることになる。 管理会社の銀行は主に社債などの発行登録や事務代行手続などに応じた手数料を得る。個人投資家が保有している券面の把握や利息の振込といった煩雑な業務が多い。店舗網や決済システムを備えた銀行でないと円滑に管理業務を行うのは難しいといわれている。 2001年現在、受託額が大きくなるほど手数料の割引率も拡大する傾向が強く、管理会社から見た収益性は必ずしも高くないとされる。

参議院の過半数

2000年の公職選挙法改正により、2001年現在の総定数は247、過半数は124となっている。政権の安定度を示す議席数の目安としては、@政府提出法案を審議する11常任委員会で委員長ポストを与党が独占したうえで、各委員会の委員数が与野党同数になる安定多数129、A与党が11常任委員長を独占、委員数でも野党を上回る絶対安定多数140がある。ただ実際は議席数に応じて野党にも委員長ポストを配分するのが慣例になっている。

産業活力再生特別措置法

日本の産業競争力を強化するために、企業の過剰設備廃棄や合併、分社化などを支援する措置を盛り込んだ法律。通産省が中心になって法案をまとめ、99年の通常国会で成立した。2003/03末までの時限立法で、企業に集中的なリストラを促す狙いがある。企業の合併、分社化について商法上の手続きを簡素化する措置を定めているほか、過剰設備廃棄への優遇税制、ベンチャー企業支援のための信用保証制度の創設なども盛り込まれている。また、国の委託研究で生まれた新技術について、開発主体となった企業に特許取得を認める制度も導入された。

産業機械

工作機械や射出成型機、半導体製造装置など民間企業の生産活動で利用する機械の総称。需要は景気の牽引役の民間設備投資に連動するため、景気の先行指標として使われる例が多い。2000年は情報技術分野の拡大などを背景に国内の産業機械需要は好調に推移した。 産業機械の代表格である工作機械は、金属を削り取って目的の形状に仕上げる役割を果たす。旋盤やマシニングセンターが主力で、ほかに研磨剤を使いながら金属表面を削る研削盤などがある。日本は2000年まで19年連続で世界最大の生産量を記録中である。

産業再生法

正式名称は産業活力再生特別措置法で、99/10/01に施行された。企業が過剰設備の廃棄や新規分野への進出を進めるため、一定の基準を満たす事業再構築計画を提出した企業に対して、新会社設立時にかかる登録免許税の軽減、資産譲渡益への課税猶予、設備廃棄に伴う欠損金の控除期間延長などの税制上の優遇措置などを認める。 99/11/11に、住友金属工業が製鉄所の分社化などを柱とする事業計画で第1号の認定を受けた。また、99/11/24現在、王子製紙の子会社も適用を受けることが決まっている。三菱自動車工業も増資に伴う登録免許税の減免を受けるために、同法の適用を申請している。

産業廃棄物

工業、農業などの生産活動に伴って排出される廃棄物の内紙など一般廃棄物を除いた19種類の廃棄物のこと建設廃材や汚泥動物の糞尿が約9割を占める96年度の排出量は約4億トンで家庭ごみなど一般廃棄物の倍以上の量になっている。産業廃棄物の内、約8,400万トンが埋め立てなど最終処分されている。厚生省の調査(96/04時点)によると最終処分上の残余容量は2.6年分で、山林などへの不法投機が後を絶たない。各地の処理上予定地では地元住民との調整が難航しており、処分場不足が深刻になっている。

30年債

国内債で最も期間の長い債券。中部電力が98/07/03に国内公社債で初の30年債を募集。国内では国債、普通社債共に、これまで最長は20年債で、話題を呼んだ。中部電力債の発行条件は発行額300億円、表面利率は3%。長期金利が歴史的な低水準で推移しており、発行体は年限の長い債券を発行することで低利の資金を長期にわたって確保できる。一方、投資家も運用難の中、少しでも高い利回りを期待でき、運用の幅が広がると歓迎している。ただ、30年物国債が存在せず、発行条件はどの水準が妥当か判断する基準がないとの指摘もあった。電力債の利率は通常、残存期間が同程度の国債の流通利回りを参考に決められるためだ。米国では債券の年限の多様化が進み、30年債の流通利回りは長期金利の指標となっている。

三条機関

国家行政組織法3条に基づいて設置される国の行政機関のことで、委員会や庁などとして設置される。独立性が高く、強い監督権限などを持つ。同法8条に基づいて設置される国の行政機関(八条機関)は有識者が合議制で審議する組織で、三条機関よりも独立性が弱い。 2000年現在、三条機関には公正取引委員会のほか、国家公安委員会、金融再生委員会、公害等調査委員会などがあり、八条機関は証券取引等監視委員会など審議会を中心に約200ある。与党の特殊法人整理基本法案の原案に盛り込まれた特殊法人整理委員会は三条機関として設置し、事業整理計画の草案の作成などを行う。

三面等価の原則

国民所得においては、生産面の国民所得=分配面の国民所得=支出面の国民所得という、三面等価の原則が成立する。一国の生産活動の水準を示す国民所得(生産面)は、生産に参加した経済主体に対する分配という観点(分配面)からも捉えることができる。国民所得においては、一国で生産されたものは全て分配されると考える。そのため、この両者は同額となる。さらに、分配された生産活動の成果がどのように使われるかという観点(支出面)からも国民所得を捉えることができる。国民所得においては、分配されたものは全て使われると考える。以上の理由で、国民所得は生産面、分配面、支出面のいずれから見ても全て等しくなる。

サーキットブレーカー

株式売買でパニックによる売り注文の殺到や株価の乱高下時に、証券取引所が取引を一時的に制限、中断する緊急措置。原義は電気回路(circuit)遮断機(breaker)のこと。投資家保護が目的で、取引を停止することにより市場参加者が冷静になるのを待ち、市場の価格形成機能が麻痺することを防ぐ。主に先物取引が対象となる。 ニューヨーク証券取引所では1987年のブラックマンデーを教訓として導入された。日本でも日経平均先物などを対象に、1994年から導入している。各国の証券取引所によって措置の中身は異なるが、前日終値からの変動幅や現物株から計算した先物理論価格との乖離率などが措置発動の基準となる。

サーキットブレーカー制度

証券取引所が相場安定のため発動する取引停止措置。相場が急激に上下した差異、投資家が狼狽して売り買いを出し、相場の乱高下に歯止めが利かなくなるのを避ける。日本ではTOPIX(東証株価指数)、日経平均先物、日経300先物のそれぞれに停止措置が設けられている。日経平均先物(2万円未満)の場合、変動幅7百円・理論価格との乖離幅2百円をともに超えると取引が15分間中断される。上下1千円でも1日の値幅が制限されている。 NY証券取引所は、97/10/27に初めてダウ平均の下げ幅が基準を超えて取引を中断したが、その間に投資家の不安心理が高まったとの指摘があった。このため発動基準を下げ率に見直して緩和する方針を固めた。

サービサー-1

債務者からの債権回収を代行する専門会社。暴力団などが債権回収に介入することを防ぐため、日本では弁護士にしか認められていないが、欧米では民間会社にも普及している。米国では格付け会社から格付けを取得した大手サービサーが26社有り、90年代初めの貯蓄金融機関(S&L)の不良債権処理に大きく貢献した。自民党は現在、サービサー法案の作成を進めており、秋にも議員立法での成立を目指している。債権回収を民間にも解禁し、金融機関の不良債権処理を促進したい考えだ。現在、邦銀の不良債権を積極的に購入している外資系金融機関の多くは欧米での実績を生かし、サービサー業務への参入に意欲を見せている。日本でも日本債権信用銀行がサービサー子会社の設立を検討している。

サービサー-2

債権の回収を専門に手掛ける会社のこと。金融機関などから不良債権の担保となっている物件を買い取り、売却することで収益を上げる。金融機関にとっては、自前の融資部門で個別案件ごとに回収するよりも効率が高まる利点がある。 債権の回収業務はもともと暴力団の介入を防ぐ目的などから、弁護士法で弁護士にだけ認められていた。ただ、債権回収の遅れが銀行の不良債権の最終処理に対する障害になるとの指摘もあり、1999/02に「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」が施行され、民間企業の参入が認められた。

サービサーのリスク

資産の流動化に関して、債権譲渡人(サービサー)の企業経由で資金を回収するのに伴うリスク。企業は自分の都合で資産を流動化しているので、取引先の債務者に資金の振込先の変更を依頼することなどは困難とされる。大量の売掛債権をまとめて流動化する際、各債務者は債権譲渡人に振り込むのが通常だ。この方式では債権譲渡人の企業が債権譲受人の信託銀行などではなく第三者に資金を振り込むといったリスクがある。企業が資金を抱えたまま倒産すれば、回収に1〜2年を要する恐れもある。格付会社はこうしたサービサーリスクを織り込んで流動化商品の格付をしている。

サービス事業者

介護保険で訪問介護などのサービスを提供する事業者。従来の高齢者福祉制度では非営利の社会福祉法人が中心だったが、介護サービス需要の急増にこたえ、厚生省は効率的で機動的な経営ができる民間企業の参入を促している。厚生省によると00/03下旬までに、65,000事業所が都道府県の指定を受けた。高齢化で市場拡大が確実なため、様々な業種の民間企業が参入している。農協、生協、非営利組織(NPO)も目立つ。一方、社会福祉法人の中には、市町村の補助金打ち切りなどを受けて撤退する動きもある。

市街地再開発事業

低層の木造住宅が密集しているなど有効利用されていない既成市街地を集約し、高層のビルを整備する事業。森ビルが東京都港区六本木六丁目地区で建設している商業、住宅複合施設六六が代表例である。通常は都市再開発法に基づく事業を指し、道路や公園など公共施設も一体で整備する。実施には都道府県知事などによる都市計画決定が必要。国や地方自治体の補助のほか、土地の高度利用により増える床(保留床)を売却するなどで建設費を賄う。国土交通省によると、都市計画決定から事業完了まで6〜7年かかるのが一般的という。2000/03末現在で累計703地区、1,073ヘクタールで実施されている。

自家運用(インハウス運用)

年金資産を外部の運用機関に委託せず、自ら運用すること。共済組合は自家運用の資産配分比率が高い。一方、基金は、90年度の法律改正により、一定の要件を満たして認可を受ければ、他の運用部分と合わせて総資産の1/2まで自家運用を行えるようになった。

時価会計-1

01/03期から企業などが所有する株式、特定金銭信託など金融商品を決算期末に市場価格(時価)で評価する時価会計が始まる。国際会計基準委員会(本部ロンドン)の決定を受け日本の企業会計審議会も99/01に導入を決めた。具体的には売買目的の有価証券と特金は01/03期から時価会計を適用し評価損益を毎期、損益計算書に反映する。一方、持合株は期末株価などと簿価を比べて差額をバランスシートの資本の部に計上。02/03期からの適用が義務付けられた。時価会計はバランスシートから含み損を消すのが狙いといわれる。国際会計基準では金融商品に続いて土地にも時価評価の導入を決めた。00/01現在、国内の事業会社でも既に土地の評価損や売却損を計上するケースが出ている。

時価会計-2

企業が保有する金融商品を決算期末に市場価格(時価)で評価する会計制度。01/03期に導入する。売却や運用が目的の有価証券は時価と取得時の価格である簿価との差額を損益計算書に計上する。企業は損失が生じても先送りできなくなり、保有資産の洗い直しを迫られる。日本公認会計士協会は00/01に金融商品会計に関する実務指針を発表。時価会計制度の詳細が固まった。その中で、市場価格のない金融資産については合理的に算定された価額を時価と定めている。

時価会計-3

企業が保有する株式、債券、デリバティブなどを期末の市場価格で評価し、損益計算書や貸借対照表に反映させる会計。日本は取得時の価格で評価する取得原価主義を採用してきたが、企業が保有する資産の内容を投資家に正確に伝える狙いから、国際的には時価会計が主流になっている。売買目的の有価証券は評価益を損益計算書に計上するが、持合株式などその他有価証券は原則として評価損益を計上せず、株主資本に直接参入する。このため株価が変動しても期間損益は変わらないが、期末の時価で株主資本が増減するリスクがあり、企業は有価証券の保有に慎重になると見られる。

時価会計-4

企業が持っている株式、債券などの金融商品を取得当時の価格ではなく、時価で評価する会計方式。まず98/01期決算から金融機関が短期売買を目的にした有価証券取引について時価会計で処理できるようになった。金融機関以外でも01/03期から、売買目的の有価証券などに時価会計が導入され、損益に反映されることになった。02/03からは持合株式などその他有価証券も貸借対照表上での時価評価が義務付けられる。ただ、ヘッジ目的のデリバティブや満期保有の債券は時価評価の対象外。2001年現在、日本公認会計士協会などは、すべての企業が保有する金融資産と負債について、全面的に時価会計を適用するよう協議を進めており、2〜3年後に全面時価会計が導入される可能性もある。

時価会計-5

企業が保有する株式や債券などの金融商品を取得価格ではなく、市場の実勢価格で評価する会計方式。保有する金融商品の価値を財務諸表に正確に反映することができる。単独から連結決算への移行、退職給付会計導入と並ぶ会計ビッグバンの柱となっている。 従来は売買目的の有価証券など段階的に時価会計を導入してきたが、2002/03期からは持合株式などの「その他有価証券」も対象となる。

時価総額-1

個別の株価に各企業の発行済み株式数をかけて算出する。企業の価値を測る指標となり、上場企業の合計では市場の規模を示す。企業価値の国際比較ができるほか、一定期間中の増減を調べると、経営者が企業価値全体をどれだけ増減させたかが分かる。東京証券取引所の一部上場株式の時価総額は99/03末時点で、329兆1,331億円。98/10には株価の下落で一時、250兆円を割り込んだが、相場の回復で99/03/10に300兆円台を回復した。98/03末は、306兆1,597億円だった。日本企業の時価総額ランキング第1位はNTTで、18兆4,579億円。米国市場ではマイクロソフトが第1位で、4,662億ドル(99/03/29現在、約56兆円)と韓国の名目国内総生産を上回っている。

時価総額-2

市場に上場している銘柄の発行済総株式数に株化を掛け合わせて算出する。売買高や売買代金が取引量を示すのに対し、個々の企業の価値を示す指標。上場企業の時価総額を合計した東京株式市場全体の時価総額は00/02現在、ニューヨーク証券取引所(NYSE)、米店頭株式市場(ナスダック)に次いで3位。東証の時価総額は1989年末にNYSEを抜いて世界最大になったが、バブル崩壊で一時ロンドン証券取引所を下回った。相場回復でNTTドコモなどの情報通信関連銘柄を中心に時価総額の大きい銘柄に人気が集中。商法改正に伴い、株式交換制度が導入されたため、時価総額が大きい企業はM&Aで優位に立つメリットが増している面もある。企業トップは時価総額を意識した経営戦略を推進し始めている。

時価総額-3

株価に発行済株式総数を掛け合わせたもので、個別企業の場合はその企業の価値の大きさを表す。証券市場全体でどれだけの価値が蓄積されているかを計るために使われることも多い。市場全体の時価総額は、上場している各銘柄の時価総額の合計額であるため、上場企業数にも影響される。

直先スプレッド

外国為替取引での直物相場と先物相場の価格差。円相場で言えばドルの直物より先物の方が安い場合をディスカウント、高い場合をプレミアムと呼ぶ。為替予約のコストを示す直先スプレッドは予約を入れる目安になる。年率換算した直先スプレッドは2国間の金利差を反映する。円の3ヶ月物金利が0.5%、ドルの3ヶ月物金利が5.5%のとき、円資金をドルに換え、3ヶ月後に再び円に換える為替スワップ取引をする。3ヶ月間ドルで運用すると、円とドルの金利差5%分を稼げるので、直先スプレッドは金利差分を打ち消すだけドルの先安となる。 3ヶ月物の直先スプレッドは、邦銀の年末越えドル調達が一巡、ドルの先物需要が弱まり、ドルの短期金利が低下したのを受け、98/11中旬から低下傾向にある。

資金循環統計見直し

日銀が国内のお金の流れの全体像をつかむために実施する統計の改定措置。企業、家計、銀行間などの資金移動を調べる資金循環統計を拡充し、ノンバンクや年金基金など預金を扱わない金融機関を新たに調査対象に加える。99/07/01に公表する1〜3月期速報から新方式に移行する。新方式では、資金をやりとりする各部門の分類も細分化する。一括集計していた保険会社を生保や損保に分けるなど、従来より細かく資金動向を把握する。取引形態についても、デリバティブなど新型の金融商品を加えた。大幅改定は58年の同統計導入以来初めて。従来は金融取引の高度化多様化に十分に対応していなかった。調査集計方法を国際通貨基金基準に合わせ、経済統計の国際標準化に沿う狙いもある。

資金運用部

郵便貯金や年金などから預託された資金を統括的に管理運用する制度のこと。行政上の組織を指しているわけではなく、経理上の名称であり、実際には大蔵省理財局が管理している。各省庁から毎年出される財政投融資要求の査定も同省が担当している。資金運用部資金の残高は、98年度末で436兆円に達しており、巨大な国営銀公的な存在と言われている。資金の約7割にあたる316兆円が、住宅金融公庫や日本道路公団といった財政投融資機関などに向けられており、残り120兆円は国債などの購入に充てられている。

資金余剰幅

金融機関は預金額などに応じて、積み期間である16日から翌月の15日に、日銀の当座預金口座に準備預金を累積で一定額積まなければならない。その1日当たりの平均残り金額に対して、金融市場に余剰となっている資金量を指す。市場関係者は積み上(うえ)とも呼ぶ。資金余剰幅は、短期金融市場で資金需給の度合いを測るものさしとなっている。日銀は公開市場操作で日々の資金需給を調整しており、市場参加者は資金余剰幅で日銀の資金供給姿勢を見極める。 2000年現在は、金融機関全体で、1日平均4兆円弱の準備預金を積まなければならない。日銀は、銀行などに義務付けられている準備預金制度を利用して、政策金利である無担保コール翌日物の金利を誘導している。

次期CSデジタル放送

BS(放送衛星)と同じ東経110度の軌道位置に2000年秋に打ち上げられた新型CS(通信衛星)を利用する。テレビバンキングや音楽や映像のダウンロードなどの双方向サービスが可能になる。衛星放送は当初1984年にNHKが試験放送を始めたBS放送に限られていたが、1989年の放送法改正でCSの利用を解禁。地上波の延長的な色彩の強いBSと異なり、CSには多数の異業種企業が参入した。次期CS放送は衛星の能力ではBSデジタル放送との差異がなくなったうえ、受信機も共通化される見通しで、両者の垣根はなくなりつつある。

次期CS放送

次期CS(通信衛星)デジタル放送は2001年後半にもサービスが始まる見通し。300近い多チャンネル放送を売り物にした現行のCS放送と異なり、チャンネル数を絞り込む一方、オンライン株取引などの電子商取引や音楽、映像のダウンロードなどの高機能型サービスが特色となる。

資源輸入

日常生活や企業活動に必要なエネルギーや鉱物を海外から輸入すること。国際エネルギー機関によると、2001年現在、日本のエネルギー自給率は22%で、主要先進国で最も低い。なかでもエネルギー全体に占める石油への依存度が51%に達しており、その87%を中東産油国から輸入している。

自己株買い

企業が自社の株を買い入れ、発行済株式数を減らすこと。市場に出回る株式数が減って需給が改善される。1株当たりの利益が増えるため、株式分割や増配と同様に株主に利益還元ができる。株主資本利益率(ROE)などの財務指標を高めるため、企業は余剰資金を充てて自社株買いを実施する。株価純資産倍率(PBR)などの投資尺度の上昇にもつながるため、株式市場ではアナウンスメント効果が大きく、自社株買い発表を受けて株価が上昇することがある。 97年度からは定款を変更しておけば、取締役会の決議だけで機動的に自社株買いができるようになった。ただ、99年に入ってからは、自社株買いのペースは鈍っている。多くの企業がリストラ(事業の再構築)の費用がかさみ、自社株買いにまで資金が回らないためだ。

自己株式消却-1

企業が自社の株を買い入れ、発行済み株式数を減らすこと。市場に出回る株式数が減って需給が改善する。一株当たりの利益が増えるため、増配や株式分割と同様に株主に利益配分ができる。企業は余剰資金を充てて自己株買いを行い、自己資本利益率などの財務指標の向上につなげる。投資尺度としては、株価純資産倍率の上昇につながるなどプラス面だけではないが、アナウンスメント効果が大きく、自己株買い発表前後に株価が上昇することが多い。 97年からは株主総会で定款を変更しておけば、発行済み株式数の10%の枠内では、取締役会の決議だけで機動的に自己株買いができるようになった。また、今回の商法改正により、資本準備金の一部を消却原資に当てることが可能になった。

自己株式消却-2

自己株消却は企業が資産効率を改善するため手持ちの現金を株主に還元する観点から実施する株式の需給を引き締め株価を下支えする効果があるとされる94年秋に解禁されたが買付原資が決算期中の利益に限定されていたため実施した企業は少なかった98/03/31から法定準備金の活用が可能になったため、実施する企業が大幅に増える見通しだ新たに自己株買入枠を設定するには株主総会で定款を変更する必要がある定款変更すれば取締役会で一定の範囲内で消却数や金額を決めることができる 98年の株主総会を前に内外の機関投資家から自己株会を表明している企業に質問状が相次いだ発行条件など株主の利益に反すると判断した企業の議案に対しては反対を打ち出す株主も出てくるとみられる

自己査定-1

金融機関が自らの判断で貸し出し債権の健全性を評価すること。正常な第一分類、回収に注意を要する第二分類(灰色債権)、回収に重大な懸念のある第三分類、回収不能の第四分類に分ける。各金融機関はこの査定結果に基づき、貸し倒れに備えて必要な引当金を積む。従来は監督当局の検査や考査に基づいて貸出債権の償却額が決まってきたが、自己査定では金融期間の自己資本比率が一定の水準以下にまで下がった場合、金融監督庁はその金融機関に対して、業務停止命令を含む早期是正措置を発動する。

自己査定-2

金融機関が自ら貸出債権を査定し、回収の可能性に応じて分類すること。まず貸出先を経営状態によって正常先、要注意先、破綻懸念先、破綻先などに区別する。その上で、それぞれの債権を担保保全の状況などによって第一から第四まで4つに分類する。正常先に対する貸出は全て第一分類だが、要注意先向けは預金や国債の担保、信用保証協会の保証類の分を除く全てが第二分類と定義されている。銀行の多くは、経営不安説が流れているゼネコンやノンバンクの大半を要注意先としているため、このうち回収確実な担保を除く第二分類の引当が不足しているとの指摘がある。

自己破産

債務者が裁判所に申し立てることによって手続きが開始される破産。債務者が債務を支払えなくなった場合、破産法に基づき、債務者が債権者に自己の財産を公平に配分することなどを目的に申請する。個人債務者の場合、裁判所の免責決定により支払えなかった債務が免除される。最高裁によると、98年の自己破産申し立て件数は10万件を突破し、不況のあおりを受け、前年の7万件を大きく上回った。日本弁護士連合会が97年に自己破産原因を調査したところ生活苦低所得が最も多く、全体の3分の1を占めた。住宅ローン破産の割合も急増している。

資産管理業務-1

顧客の投資姿勢に応じて、金融資産のポートフォリオ設計や運用助言をしていく業務。米国では70年代の手数料自由化を機に、同業務を中核とした営業スタイルをメリルリンチなどが採用し、富裕層を対象に広げてきた。営業スタッフは顧客と相談しながら資産形成の目的に最も適したメニューを作り、銘柄の選択など運用助言を伴うサービスを提供する。売買回数ではなく、預かり資産をベースにした手数料体系を組むケースが多い。日本でも99/10の手数料自由化を前に、資産管理型営業として大手証券が相次いで導入。個人投資家を主体として営業スタイルからの転換を図った。営業スタッフには投資信託などの金融商品にとどまらず、保険、税制、不動産など幅広い知識が要求される。

資産管理業務-2

信託銀行が企業や個人の顧客から有価証券、動産、土地、建物、金銭債権などの資産を預って管理すること。2000年現在、企業向け貸出業務が縮小するなかで、信託銀行は将来の収益基盤として力を入れており、顧客獲得を巡る競争は激しくなっている。特に有価証券の管理業務は、年金基金など顧客の指示に基づき、証券の受渡、資金決裁、残高管理など煩雑な業務を正確、迅速にこなさなければならず、多額の情報システム投資が必要とされる。

資産査定

銀行が債務者の経営状況などに応じて貸出債権を査定、区分すること。2001年現在、@経営が健全な「正常先」、A赤字企業など債権回収に注意が必要な「要注意先」、B要注意先のうち元利返済が延滞している「要管理先」、C債務超過に陥っている「破綻懸念先」、D法的整理などを申請した「実質破綻先、破綻先」に分けられている。

資産担保証券-1

企業が特定の資産を全体の資産から切り離し、その資産から生み出されるキャッシュフローを裏付けに発行する社債。ABSとも呼ばれ、欧米市場では一般的な資金調達方法になっている。日本では96/04に発行が解禁された。リース債権やクレジット債権など、安定的な収益を生み出す資産が使われる。証券化して投資家に販売すれば、企業は早期に資金を回収できる上、銀行借入より資金調達コストを低く抑えることが出来る場合が多い。 97年度上期の発行額は1,166億円。投資家は償還までの持ち切りを前提に購入する場合が多いが、97/09にオリエントコーポレーションが発行したABSは発行後にも証券会社が取引に応じるなど、流通市場の整備も進んでいる。

資産担保証券-2

企業が保有する自動車ローン債権やクレジットカード債権など特定の資産を切り離し、その資産から生み出されるキャッシュフローを裏付けにして発行する証券化商品のこと。日本では96/04に解禁され、カード会社などのノンバンクが手持ち資産を担保に資金調達手段として利用している。証券化商品の元利払いを投資家に保証する仕組みを取り入れるケースも多い。投資家に販売することで企業は早期に資金を回収できるうえ、銀行借入に比べ調達コストを低く抑えられる場合も多い。 99/09/01現在のABS市場は公募方式だけでも約2兆円。普通社債より高利回りになっているため、保険会社や地方銀行などがABSへの投資を積極化しつつある。

資産担保証券-3

Asset Backed Securitiesのことで、証券化と呼ぶ高度な金融テクノロジーの代表的商品。発行に当たり、企業はまず特定目的会社(SPC)を設立、ここに保有資産を譲渡する。SPCは資産が生み出す金銭収入(リース料など)を元利金支払いの原資としてABSを発行する仕組みだ。住宅ローンを裏付け資産とするモーゲージ証券(MBS)と並ぶ証券化の二大商品と位置付けられている。企業が資金を手に入れたい時、通常は金融機関から融資を受けるか、社債や株式を発行する。いずれもバランスシートの負債や資本を膨らませる。これに対し、ABSは資産の一部を切り離して事実上売却し、資金を調達する。バランスシートを圧縮できるのでROAやROEなど財務指標の改善につながる。発行条件を決めるものさしも異なる。株式や債券、融資は企業自身の信用度で資金の調達コストが決まる。企業の格付が投機的とされるBB(ダブルB)以下なら債券の発行は難しい。ランクが上のBBB(トリプルB)でも、高い利回りを保証しないと投資家を見つけにくい。 ABSはクレジット債権の返済確実度などに基づいて証券の資産価値が評価され、格付が決まる。経営不振の自動車会社が発行したものでも同社のローンを使って車を購入した顧客の大部分がきちんと返済するならABSは安全な証券と見なされ、最上級のAAA(トリプルA)を取れる。返済されないと想定される部分はABSの裏付け資産から切り離し安全性を高める仕組みも用いる。

資産担保証券-4

企業などが保有する資産を本体から切り離し、企業の信用力とは関係なしに資産から生じる収益を元利払いの原資にする有価証券。新たに設立する特別目的会社に資産を譲渡し、SPCが証券を発行する手法が一般的。証券は通常、格付の異なる複数の部分に分かれ、資産から生じる収益が真っ先に元利払いに充てられる優先部分と、元利払いの優先順位は低いが利回りが高い劣後部分で構成される。1996/04にリース債権やクレジット債権など金銭債権を担保にしたABSの国内発行が解禁され、オリエントコーポレーションが第一号を発行。その後2〜3年はノンバンクの資金調達手段として市場が拡大してきた。キャッシュフローが定期的に生じれば、基本的にどんな資産でも証券化の対象となるため、2001年現在、欧米では著作権を対象にしたABSも登場している。

資産担保証券の流通市場

00/04現在、資産担保証券にとっては流通市場が整備されていないことが弱点の1つである。幹事証券会社が値付けするのが原則だったが、ほとんど機能していないと言われる。仕組みが複雑で途中での転売が難しい証券も少なくなく、流動性が劣る面があった。市場が整備されれば、機関投資家が資産担保証券へ投資しやすくなる利点がある。米国の高官も日本に資産担保証券の流通市場を創設するよう求めた経緯がある。サマーズ米財務副長官は1998年に不良資産などの流動化を進めるため資産証券化商品の流通市場を創設すべきという趣旨の発言をしている。市場の厚みが増せば銀行や事業会社が資産を証券化する余地が高まるが、情報開示を透明にしたり債券の仕組みを簡素化するなどの課題もある。

資産評価会社

不動産や有価証券をはじめとする資産の価値を調べる企業。日本では主に銀行や不動産鑑定士がこうした資産の価値を調べており、専業の会社は一般的ではない。米国では企業の合併買収(M&A)が盛んなため、銀行や証券会社に加え専業の評価会社もある。 99/10現在、日本でも銀行による担保不動産の売却が活発になってきたほか、ブランドやコンピュータソフトなど知的財産分野でも資産評価へのニーズが高まっている。ただ、これらの資産価値を客観的に査定できる体制は十分に整っていない。

資産流動化商品

リース会社やクレジット会社、不動産会社などが保有する資産を元に資金調達する手段。内外につくる特定目的会社(SPC)に資産を譲渡し、SPCが社債を発行したり、資産を信託銀行に預けて信託受益権を発行する。こうした有価証券を機関投資家などに販売する。流動化の対象となる資産はリース債権、住宅ローン債権、割賦債権、手形債権などや不動産が一般的である。不動産では大型の商業ビル1棟を裏付けに社債を発行する大型案件もある。通常は複数の債権をまとめて流動化するケースが多い。00/01現在では、債権の数が増加する傾向にある。割賦債権や住宅ローン債権などでは債務者が10万〜100万単位となることも少なくないが、債権管理がシステム面などの負担となる。

次々世代携帯電話

光ファイバー並みの通信速度でハイビジョン映像など高画質な動画を円滑に送受信できる携帯電話。NTTドコモが2001/05からサービスを開始する次世代携帯電話の10倍以上の通信速度になる。次世代は通信規格が2方式になったが、2001/03現在、次々世代では完全に規格統一する方向で国際電気通信連合(ITU)で検討が始まっている。 日本では次々世代携帯で、2003年に開始する地上波デジタル放送も受信可能な通信、放送融合端末にする方針である。デジタル放送の特徴であるインターネットと組み合わせた双方向サービスを屋外でも利用できるようにする。政府は日本が優位に立つ携帯電話技術を生かし、情報技術基盤の柱に育成する考えである。

自社株買い-1

企業が過去に発行した自社株を買い戻すこと。企業が自社株を無制限に取得すれば、株価操作につながりかねないため、商法は企業による自社株買いを原則禁止している。ただ、自社株消却や取締役、社員に付与するストックオプション、端株の買取請求などについては例外的に自社株買いを認めている。自社株消却は日本で、1994/10に解禁された。自社株を消却すればROEやEPSといった投資家が重視する指標を改善できるほか、株式需給の改善や将来の配当負担を減少させる効果もある。

自社株買い-2

企業が過去に発行した自社株を流通市場などから買い戻すこと。発行者である企業が自社株を購入することは株価操作につながりかねないため、2001年現在、商法は自社株買いを原則として禁止している。自社株消却や取締役、従業員に付与するストックオプションなどにいついて例外的に自社株買いを認めている。 自社株消却は日本では、1994/10に解禁された。自社株を消却すれば将来の配当負担を軽減できるほか、一株利益や株主資本利益率など投資家が重視する経営指標の改善につながる。 企業が自社株を買い戻し、比較的長期間持ち続ける場合の株式は金庫株と呼ばれる。現行商法は金庫株を禁じている。

自社株買い-3

企業が過去に発行した自己株式を買い戻すこと。発行済株式数が減るため一株当たり利益や株主資本利益率などの投資指標の改善につながる。日本では1994/10から、消却や取締役、社員に付与するストックオプションの端株買取請求などの目的に限定して認められた。 2001/10施行の改正商法で自社株買いの目的規定が基本的になくなり、自由に取得、保有できる「金庫株」が解禁された。取得原資として法定準備金の一部などを組み入れることも可能になった。

自主開発油田

日本企業資本によって海外で開発された油田。67年に総合エネルギー調査会が日本の原油輸入の3割を自主開発油田とするよう提言した。石油会社や商社などが石油公団などの支援を受けて世界各地で権益取得に乗り出した。アラビア石油やアラブ首長国連邦で操業するジャパン石油開発などがその代表例。 99/10現在、世界各地で37社が操業する自主開発油田からの輸入原油は、日本の原油輸入量の約15%に達する。ただ石油公団の不良債権問題なども表面化、21世紀初頭に日量120万バレルを自主開発油田で確保するとする現状目標を見直す議論も浮上している。

市場との対話

金融政策の変更に伴う市場の混乱を避けるため、金融当局が幹部の発言を通じて市場に政策変更を織り込ませること。市場は日銀の発言の裏に隠れた意図を読み取ろうとし、日銀も市場に政策意図を伝え金融政策の効果を高めようと努力しているが、両者のすれ違いは頻繁に起こっている。 00/04に日銀の速水優総裁はデフレ懸念はひところに比べて後退していると発言。ゼロ金利解除の思惑が急速に浮上したが、米株価の急落などで解除に踏み切れなかった。

市場リスク

金利、為替、有価証券などの価格が変動することによって損失を被る可能性のこと。国債は政府の信用力を背景としているため、貸出先が元本と利息を返済できなくなる「信用リスク」は低いが、市場リスクや資金の調達期間と運用期間の差から生じるリスクがある。 市場リスクを回避するために、銀行は過去の価格変動の実績と確率から損失を想定したり、先物やオプションなどのデリバティブを活用している。

地震保険

居住用建物や家財が地震や噴火、津波で壊れたり、地震による火災で焼失した場合に損失額の一部を補償する保険。火災保険に加入すると地震保険にも自動的に入る仕組みだが、利用者の希望で地震保険だけ外すこともできるため、保険料の高さを嫌って加入を見送る人が多い。地震保険だけの契約はできない。支払われる保険金額は火災保険の30〜50%の範囲で設定する。建物で5,000万円、家財で1,000万円が上限。地震の被害が巨額で損害保険会社だけで支払いきれない場合は、政府が支払を分担する。損保各社は損害保険料率算定会が算出した基準料率を自社の料率として使っている。

システム運営会社

システムを開発した上で、管理運営する会社。決済データなどを管理し、金融機関などの事務処理コストを削減するとともに商取引を円滑にする目的がある。システムの構築には巨額の設備投資が不可欠なため、多数の出資社が必要となる。日本でも三菱住友グループや地方銀行が共同出資で確定拠出型年金(日本版401K)のシステム運営会社を設立している。 00/01現在、国境を超えた金融取引が急増する中で、国際的な決済に伴うリスクやコストを削減しようとする動きが活発になっている。世界の主要銀行は既に外国為替取引の決済を専門とする機関を共同出資で設立することで合意しており、証券決済をどう管理するかが課題であった。

システムLSI

MPU(超小型演算処理装置)、メモリー、画像処理や通信の専用回線など複数の半導体を1つのチップに混載した製品。半導体の微細加工技術の進歩によってトランジスタの集積化が加速し、00/01現在では製品化が可能となっている。従来はMPUやメモリーなどが別々だったが、1チップにすることで半導体メーカーにとっては納入機会が減り、業界の優勝劣敗がより鮮明になる。システムLSI市場は今後2〜3年後には3兆〜4兆円規模に拡大すると見られており、半導体業界にとって最大の成長市場とされる。携帯電話やデジタル家電など、あらゆる電子製品の心臓部として組み込まれる。現段階では欧米大手の取り組みが早く、日本勢は出遅れている。

次世代携帯電話-1

静止時に毎秒2メガビットと、従来のデジタル携帯電話の200倍の高速データ伝送が可能な携帯電話。音声や文字だけでなく、動画像などの大容量情報も単時間に送受信できる。高機能携帯情報端末として、パソコンをしのぐ大型市場へ成長すると期待されている。デジタル携帯電話は各国、地域ごとに技術規格が分かれていたが、次世代では同じ端末が世界中で利用できることを条件に、日欧が開発したW-CDMAと米国発のcdma2000の2方式が国際標準規格に決められた。NTTドコモなど日本勢が01/05以降、世界に先駆けて商用サービスを開始、欧州も続く見通しである。

次世代携帯電話-2

通信速度が最大で毎秒2メガビットある新しい携帯電話サービス。動画像の送受信や音楽配信などが可能になる。通信の国際標準化機関である国際電気通信連合(ITU)が承認した代表的な次世代携帯電話の技術規格には、W-CDMAとcdma2000がある。 2001/02現在、W-CDMAは日本のNTTドコモ、J-フォンのほか、欧州各国の通信事業者が採用する予定。一方、cdma2000はKDDIが採用を決めている。世界で携帯電話の技術規格が共通化されるため、これまで規格によって分断されていた世界の携帯電話市場は統合され、1台の携帯電話端末を世界各国、地域で使えるようになる。

次世代携帯電話向けOS

高速通信を実現する次世代携帯電話に搭載される基本ソフト。音声通話主体だった従来の携帯電話から、次世代サービスでは動画像の送受信や音楽配信などデータ通信の付加価値サービスが増加する見込み。次世代サービスは2001/05から世界に先駆けて日本で始まり、2002年には欧州でも本格化する。各種サービスを実現する複雑な機能を支えるため、高速での情報処理、低消費電力など次世代携帯電話専用のOSの開発が不可欠とされている。次世代サービスでは世界で携帯電話の技術規格が共通化されるため、OSの市場も一気に広がる可能性が高い。

次世代超高速インターネット

各家庭に光ファイバーを引き込み、総合デジタル通信網(ISDN)の100倍以上の通信速度でデータを送受信できるインターネット。データ量の大きい高品位テレビ画像も円滑に送れるので高度なインターネット放送を実現でき、ハッカー対策など安全性も向上させることが可能である。 2000年現在のインターネットは利用者に割り当てられる通信アドレスが43億個に限定されている。テレビや冷蔵庫など多様な家電にネットが接続され始めると、アドレス不足に陥ると指摘される。次世代ネットでは複雑なアドレスを設定できるため、割当数が大幅に増え、ネット利用も広がると期待される。

次世代半導体

回路の線幅が0.1マイクロメートル以下と極めて微細な半導体。2001年現在、実用化されている最先端の半導体は線幅が約0.13〜0.18マイクロメートルで、線幅が微細になるほど半導体チップが小型化し、データの処理速度が向上する。2003年以降に、この次世代半導体の本格的な量産が始まるとされている。

次世代DRAM

パソコンなどの記憶素子として使うDRAMは1999年の世界市場が約200億ドルで、2003年には500億ドル程度と倍以上の勢いで拡大する見通し。記憶容量は64メガビットや128メガビットから256メガビットや512メガビットへと進み、画像や音声などをスムーズに処理するデジタル家電などでの利用が期待されている。だが、大容量のDRAMを製造するにはより精細な回路加工を可能にする高度な技術が必要で、開発投資の負担は重い。2000年現在、特に線幅0.1マイクロメートル以下の製造技術の確立が焦点となっており、国内半導体大手11社は2001年春から共通技術を共同開発するプロジェクトを始める計画である。

自然エネルギー発電

自然界に存在する風力や太陽光など、再生可能なエネルギーを使った発電のこと。石油、石炭など化石燃料使用時と比べると地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が少ない。原子力と違って扱いが難しい廃棄物を出すこともなく、環境保護面では利点が多い。ただ自然エネルギー発電はコストが高く、天候に左右されるなど安定性を欠く難点もある。日本の場合、太陽光発電の設備容量は1998年度末現在、約13万キロワットと世界有数の規模だが、風力発電は1998年度末現在で約6万キロワットと米独の1.5〜2.5%程度にとどまっている。

自然災害のリスク評価

台風、地震など自然災害の発生による予想損害額を算出すること。損害保険会社は評価結果に従って保険の引受額を決めたり、他の保険会社にリスクを移転する再保険の計画を策定する。リスクを過大に評価すれば、保険の引受に消極的になって収益機会を逃したり、保険金の支払いに備える資本を余計に積み立てたりして経営効率が悪化する。過去の実績から損害額の大きさだけを予想する手法を確定論的評価と呼び、予想損害額に発生頻度を関係付ける手法を確率論的評価という。 2001年現在、米国では専門のコンサルティング会社が確率論的評価モデルを開発し、保険会社に提供している。

自治体の外郭団体

地方自治体は民法、商法などの法律の規定に基づいて出資し、外郭団体を設立している。総務省によると、1999/01時点で全国に10,135団体が存在する。自治体が50%以上出資する団体は、1999年度末で4,580あり、これらは議会に決算報告を義務付けられている。 法人の種類は設立根拠法によって三つに分けられ、@財団法人、社団法人などの民法法人、A株式会社、有限会社などの商法法人、B住宅供給、道路、土地開発の3公社を指す特別法人がある。

市町村合併

2000/04の地方分権一括法の施行を機に、政府は市町村合併の推進に乗り出した。「権限移譲を進めるため市町村の規模を拡大強化する」狙いがある。財政支援策などを盛り込んだ市町村合併特例法の期限が切れる2005/03までに、2001年現在の約3,200市町村を1,000程度に再編するのが従来方針だった。

実効税率

法人や個人に対して実際にかけられる税金の負担割合を示す。例えば法人に対する税金には法人税、法人事業税、法人住民税などがあるが、これらの税率を単純に加算したものは表面税率であり、実際の税負担を示すとはいえない。法人税法により事業税は損金に計上され、それだけ法人税の課税対象額は減る。したがって、一定の法人所得に対する税金は表面税率で計算した場合よりも低くなる。このように、一定の所得については国税、地方税合わせていくらの税金がかかるかを計算するものが実効税率であり、税金の重さを国際的に比較する場合の指標ともなっている。

実質金利

物価変動の影響を除いた金利水準のこと。一般に、名目金利から予想される物価上昇率を差し引いた金利と定義されている。名目金利が年10%でも、1年後に物価が10%上昇すると予想されていれば、実質金利はゼロになる。物価上昇率を予想することは難しいため、便宜的に消費者物価指数などの騰落率を用いることが多い。預金者にとっての実質金利は銀行の預金金利と消費者物価の上昇率、設備投資をする企業にとっての実質金利は長期金利と国内総生産デフレーターなどから算出する。将来、物価の下落が予想されるときには、名目金利よりも実質金利の方が高くなる。物価の下落が持続的かつ広範に起こるデフレ経済では、名目金利を引き下げても、実質金利の低下は限られることになる。

実質支配力基準

連結決算の対象になる子会社を選ぶ際の基準。従来、出資比率が50%超の会社を連結対象子会社、20〜50%の場合を関連会社としてきた。2000/03期から決算方法が連結主体に移行するのに伴い、出資比率が50%以下でも、役員派遣の実態など経営への支配力や影響力を加味して連結対象に加える。企業グループの正確な実態を決算に反映させる狙いだ。企業会計審議会が98/09/14に示した子会社と関連会社の判断基準案によると、出資比率が40%以上50%いかでも子会社の対象となる。又、出資比率が数%でも、損失が出た場合にその出資企業が負担する可能性が高ければ子会社とするよう求めており、銀行への実質支配力基準適用もこの案がベースだ。

実質実効為替レート-1

日銀が円の強さを示す指標として、物価上昇率や複数の通貨との比較を元に算出する為替相場。日本の主な輸出相手国、24通貨に対する為替相場を輸出額に応じて加重平均し、さらに各国の物価指数で実質化する。情勢判断資料などで公表している。 73/03を100とすると、95/04の超円高局面に150に迫った円の実質実行為替レートは97年末で110前後まで下落している。実際の円相場は1$120円前後だが、円の弱さは円相場が1$160円台で推移していた90年のころとほぼ同じということになる。日銀は同レートを日本の製造業の価格競争力を示す指標としても活用している。表面的な円相場の数字以上に、現在の円安が日本の輸出を伸ばす要因となることを同レートは示唆している。

実質実効為替レート-2

米ドルに対してだけではなく、世界各国の通貨の中で見た相場の強弱を示す指標。数値が大きくなるほど、多くの通貨に対して円の実力が上昇していることを示す。日銀が日本と貿易面でのつながりが深い国地域の24通貨を選び、書く通貨圏の物価指数から実質レートを割り出した上で、各国への輸出額に応じて加重平均して算出している。 98/08上旬の実質実効為替レートは、主要5ヶ国がドル高是正を打ち出したプラザ合意の85/09以来、約13年ぶりの低水準まで下落した。年初まではアジア通貨の急落で円安ドル高と円高アジア通貨安が併存していたが、アジア通貨が下げ止まったため、円の全面安があらわになった。輸出には追い風だが、国際収支の不均衡の拡大も懸念される。

質への逃避-1

Flight to Qualityの日本語訳。企業や個人の資産が運用の安全性を求めて国債などに逃げること。一般的に利付金融債などの民間発行債券やCD・CPは民間の信用リスクを反映して利回りが高くなる。金融システム不安が拡大すると、投資家は債務不履行で資産が返還されないリスクを考えて、運用先を長期国債や短期国債に移す。その結果、債券相場は上昇する。金融市場では97/11に三洋証券がコール市場で初のデフォルトを起こしたことや、大型の破綻が相次いだことで、質への逃避が強まった。TBには買い注文が殺到して、利回りは0.4%台から0.1%以下に急低下。CDとの金利格差は1%以上に開いた。

質への逃避-2

軍事的緊張や戦乱、大規模災害や金融市場の混乱などが発生した場合、投資家が優良銘柄や投資先を選ぶ傾向が強まること。Flight to Qualityという。株式から債券、なかでも信用力の高い短期の国債への資金シフトを指すことが多い。 安全性を重視した投資行動には、海外に投資していた資金の母国回帰や基軸通貨志向などもある。外国為替市場では「有事のドル買い」という言葉が一般的に使用され、戦争や紛争時はドル買いが増すとされる。

指定単-1

正式名称は単独運用指定金銭信託郵便貯金や簡易保険国民年金などの資金の一部を信託銀行に委託して運用する場合に使う手法。簡保などの投資家はファンドに組みいれる株式や債券など投資対象の大枠だけを決めて個別銘柄の選択や売買の時期などは信託銀行の裁量に任せる仕組で金銭信託の大半を占めている投資家が投資対象や売買時期投資期間などを指定して信託銀行には有価証券の管理や資金決済だけを任せる特定金銭信託とは異なる指定単は資金運用の経験が少ない簡保など公的資金の運用を担う側面が強かった政府・自民党は98/03期決算で株式の評価損を深刻化させないため株価維持策を打ち出したがその資金投入の器となるのが指定単だ。

指定単-2

正式名称は単独運用指定金銭信託。信託銀行を通じた資産運用の一方式だが、委託者は特定の会社の株式を買えといった指示はできない。株式で何割、債権で何割といった上限割合を指定し、後は信託銀行の裁量で運用する。簡易保険福祉事業団や年金福祉事業団は政府の特殊法人で、個別銘柄までを指定することには問題があるため。92/08に導入された新指定単は従来の指定単と異なり、株式組入比率の上限をなくしたため、事業団は株式100%という指示を出すこともできる。郵貯の今年度分の1兆円は既に運用にまわされており、累計は7兆5千億円。簡保の今年度分の2兆円も同様で、累計は11兆3,700億円。

私的整理-1

裁判所の公的な介入なしに債権者と債務者が私的に話し合って経営が悪化した企業を処理する会社整理の方法。会社更生法や民事再生法などに基づく法的整理に比べ手続が早く進む半面、公正さの確保と利害の調整が難しい。「内整理」、「任意整理」とも呼ぶ。銀行団による債権放棄なども含む。 法的整理とは異なる様々な手順がある。通常はまず私的整理をする会社が大口債権者の同意と協力を求めたうえ、債権者会議を開く。債権者会議は会社を清算するか、再建を目指すか、配当をどう実施するかなどを決める。

私的整理-2

経営不振に陥った企業を、裁判所などの司法の関与なしに処理すること。経営不振の主因である企業の過剰債務の圧縮に向け、銀行が債権放棄を実施することが前提となる。会社更生法や民事再生法など司法が関与して企業を再建するのと比べ、経済合理性が高く迅速な処理が可能とされる。

私的独占

独占禁止法3条前段に規定されている条項で、経済力を集中して卓越した市場支配力を得た事業者が、その地位を利用して他の事業者の活動を支配し、排除する行為。独禁法ではカルテルなどの不当な取引制限不当廉売や取引妨害などの不公正な取引方法と並んで規制対象の三本柱となっている。私的独占を適用した過去の独禁法違反事件は少なく、2000年現在、公取委は11件の事件で審決を出している。最近では、日本医療食協会と日清医療食品が医療食の製造分野で他の新規参入事業者を排除した事件が99/06/05に審決され、17年ぶりに指摘独占違反として認定されたケースなどがある。

自動車重量税

新車購入時や車検の際に自動車の所有者などに課す国税。自動車の走行によって傷む道路の補修に使う名目で徴収する。2001年現在、四分の三は国の一般財源に回し、残りの四分の一は市町村の道路特定財源となる。国の一般財源分についても創設時の経緯から八割を道路整備に使う慣例がある。一年当りの税額は自動車の重量に応じて決まる。 自動車には重量税のほかに都道府県の自動車取得税、市町村の軽自動車税など、消費税以外に様々な税金がかかるため、自動車業界は消費税との二重課税と反発している。

自動車の海外現地生産

日本メーカーの本格的な海外現地生産は、ホンダが1982年に米国で乗用車「アコード」の生産を開始したのが最初である。。1980年代に北米や欧州で日本車の輸入を制限する動きが活発化、円高も進む中で日産自動車やトヨタ自動車など主要メーカー各社が相次いで海外現地生産に乗り出した。 進出先は北米、欧州、アジア、アフリカ、南米など20カ国以上に及ぶ。各社は単独又は現地メーカーとの合弁の形で進出し、直接投資により工場を建設、現地部品を調達して乗用車やトラックなどの完成車や、エンジン、駆動系などの部品を生産している。1999年の日本メーカーの海外生産台数は自社及び他社ブランドの合計で約650万台に達している。

自動車の海外生産

自動車メーカーの海外生産は、現地で単独一貫生産体制を組む本格的なものから、現地企業との合弁まで多様な方式がある。消費地で現地生産することにより、為替変動の影響を最小限にしたり、貿易摩擦を防ぐメリットがある。

自動車の組立

自動車は1台当たり20,000〜30,000点の部品で構成される。米フォードモーターが20世紀初頭にT型フォードの生産で、流れ作業による世界初の大量生産方式を導入。20世紀前半の生産技術を確立した。コスト削減競争が激化した20世紀後半には、在庫を最小限に抑えて生産を効率化するトヨタ自動車のカンバン方式が世界的な生産モデルとなった。2000年現在では、フォードや独フォルクスワーゲンなどの欧米メーカーの間で、部品メーカーが個別部品を組み合わせたモジュール部品を生産し、完成車メーカーが車体に組み付けるモジュール生産方式が本格化してきている。

自動車用鋼材

自動車に使う鉄鋼製品で、ドアやボンネットなどに加工する鋼板が主力。1999年度の自動車産業からの鋼材受注は835万トンで、単一産業としては最大のユーザー。国内で生産する普通鋼鋼材の約15%を占めている。自動車用鋼板は通常、製鉄所からトイレットペーパー状のコイルで出荷される。コイルは商社が運営する鋼板加工会社で適当な大きさに切り分けられ、自動車メーカーやその系列部品メーカーに納入される。また、鉄鋼メーカーと自動車メーカーとの間に商社が介在するのが取引慣行になっている。

自動車用鋼板

自動車向けの鉄鋼製品でボディなどに加工される。自動車産業は鉄鋼メーカーの最大の需要家であり、2000年度現在、日本では自動車向けが普通鋼材受注全体の17%を占めている。自動車生産のグローバル化に伴い、海外の供給体制の整備が鉄鋼メーカーの課題になっている。

市内電話料金

市内電話は従来、NTTグループがほぼ独占してきた。同社の通話料は、公社時代の1976年に3分7円を10円に改定して以来、2000年現在も変わっていない。ただ、NTTの再々編問題の盛り上がりに加えて、長距離国際新電電だった日本テレコムとKDDIが01/05のマイライン(電話会社事前登録制)導入をにらみ市内電話参入を表明。3分8円台〜9円程度に料金設定するのが確実で、競争激化に向けNTT東西も歴史的な料金の固定と決別し、対抗措置をとることを迫られている。

自賠責保険-1

自動車損害賠償責任保険の略で、全ての自動車保有者が加入しなければならない。対人賠償のみが対象で、補償額が最大3,000万円など、加入者よりも自己の被害を受けた第三者を保護する意味合いが強い。制度ができた55年当時は、民間の損害保険会社の経営体力が弱かったため、損保会社が保険料の60%を国の自賠責再保険特別会計に拠出し、事故が集中した場合のリスクの一部を政府が負担する仕組みが導入された。しかし、損保会社の体力が向上してきたため、一部の損保会社から政府再保険制度の廃止を求める声が出ている。これに対して、特別会計を所管する運輸省は現行制度の維持を主張している。損保業界内で意見がまとまっておらず、金融監督庁も態度が不明確であり、議論の先行きは不透明だ。

自賠責保険-2

自動車損害賠償責任保険のことで、全ての自動車(原付自動車を含む)保有者に加入が義務付けられている。被害者保護が目的で、交通自己で負傷又は死亡した場合に保険金を支払う。ただし、ひき逃げ事故や盗難車による事故は自賠責ではカバーできないため、政府は別途徴収する賦課金を財源として、保険金を支払う政府保障事業を実施している。 00/02現在、保険料は普通自動車で年1万3,800円。民間の損害保険会社が保険料を徴収するが、その6割は政府が再保険制度で運用している。55年の制度創設当時は保険会社の体力が弱く、特定会社に保険金支払が集中した場合に経営を揺るがしかねない事情があったためである。

支配的事業者規制

1996年の通信法改正で米国が本格的に導入した通信事業者の規制手法。まず一般企業には整備が難しい基幹通信網を保有している通信事業者などを「支配的事業者」として一般通信事業者と区別。その基幹通信網を適正な価格で一般通信事業者に開放させることを義務付ける点が最大の特徴。あらかじめ義務を果たした場合には、業務規制を緩和する方針も明らかにし、支配的事業者の協力意欲を高める手法も盛り込まれることが多い。 日本では、旧郵政相の諮問機関である電気通信審議会が2000年末にまとめた答申で、日本電信電話の東西地域会社、NTTドコモの3社を対象にする方針を公表。総務省が2001年通常国会で関連法改正を目指している。

支払保証事業-1

厚生年金基金が解散したときに一定の年金給付を保証する事業。すべての基金が年平均で約200万円の掛け金を支払っている。厚生年金基金が退職者に支払うのは、高的年金である厚生年金の受給額の約2割を国に代わって給付する代行部分と、基金が独自に設計している上乗せ部分。00/02現在の保証範囲は基金独自の上乗せ部分の一部で、代行部分の3割に相当する。連合会が不足額の一部を補填する現在の事業でも受給者、加入従業員とともに解散前に比べると年金額が下がるのが一般的だ。新たに保証範囲を縮小すると、加入従業員が将来受け取る年金額は現在の保証事業で受け取る額に比べて、さらに減る可能性が大きい。

支払保証事業-2

財政が行き詰まって、約束していた年金支給に必要な積立金を持たずに解散した厚生年金基金の加入者に年金の一部を保証する制度。全国の基金の上部団体である厚生年金基金連合会が1989年から基金の共済事業として運営している。2001年現在、事業の原資は全国に約1,800ある基金が支払う掛け金で賄っており、現在約160億円の原資があるとされる。 初めてこの事業の適用を受けたのは、1994年に解散した日本紡績業基金。運用利回りの低迷を背景にこの後、財政破綻で解散する基金は増加し続け、支払い保証事業の適用申請も相次いだ。このため、1997年には掛け金を従来の4倍に引き上げ、適用についても厳しい条件を付けるようになっている。

四半期決算-1

3カ月に1度ずつ売上高や利益などを記載した損益計算書や資産状況を示した貸借対照表といった財務諸表を開示すること。2001年現在、米国では一般的だが、日本で導入しているのは東京証券取引所一部、二部上場企業のうち80社程度にとどまる。直近の業績を速やかに開示することを優先、会計士による正式な監査手続きを経ずに開示する企業が多い。 四半期決算の開示を義務付けているニューヨーク証券取引所への上場などを契機に、日本でも導入企業が相次いでいる。ただ、本決算や中間決算のように統一ルールが存在しないため、開示情報にはばらつきもある。

四半期決算-2

三カ月ごとの売上高、利益のほか、貸借対照表などを取りまとめた決算。一年間を通した状況を示す本決算や前半六カ月を対象にする中間決算に比べ、企業の収益や財務状況の変化を迅速に把握できる。2001年現在、本、中間決算のような統一基準が存在しないうえ、速報性を重視しているため、監査法人の正式な監査を受けずに公表する企業が多い。 適時開示を重視し、四半期決算が一般的な米国に倣い、日本でも作成する上場企業が増加しつつある。

司法制度改革

国民がより利用しやすい司法制度の実現を目指すため、政府は99/07、内閣に司法制度改革審議会を設置、本格的な検討に入った。同審議会は00/05までに18回の審議会を開催。今後8月に集中審議会を開くなど討議を重ね、10月を目処に改革の全体像を示す中間報告をまとめ、2001年夏までに最終報告をとりまとめる予定である。改革の主な論点としては、訴訟コストを削減する方策の1つとして弁護士や裁判官などの法曹人口の増加や、裁判官などの法曹人口の増加や、裁判の迅速化、陪審、参審制度の導入などが検討されている。法律専門家を養成するための新たな仕組みとして、法科大学院(ロースクール)構想なども浮上している。

司法制度改革審議会

国民がより利用しやすい司法制度の実現、国民の司法制度への関与を目指す設置法に基づき、99/07に内閣に設けられた。メンバーは会長の佐藤幸治京大教授、会長代理の竹下守夫駿河台大学長を含め学者が5人。法曹界からは元日弁連会長、元高裁長官、元高検検事長の3人。利用者の立場から主婦連事務局長、連合副会長、企業幹部2人と作家の計13人で構成される。 00/11までに計38回の審議に加え、海外視察や4都市での公聴会も実施した。00/11/20の中間報告を経て、01/06には最終報告をまとめる予定。

司法取引

一般には刑事事件で違反企業などと当局が事前に契約を交わし、捜査協力の見返りに刑罰の免責や軽減を約束する制度で、米国では定着している。00/06現在、日本には制度がないが、組織犯罪に対抗するため導入議論が高まっており、政府の司法制度改革審議会でも、00/07以降、本格検討に入る予定。

私募債

少数特定の投資家を対象に発行する債券。公募債と違って財務内容などの情報開示が簡便な反面、流動性が極めて乏しいといった特徴がある。販売先の投資家の種類や人数によって、生命保険会社などの機関投資家のみに販売するプロ私募と、50人未満の投資家に販売する小人数私募の2種類に分けられる。 97年度の国内発行額は5,553億円。95年度の2,725億円を底に徐々に増えているとはいえ、公募国内普通社債の8兆7,995億円に比べるとはるかに小さな規模にとどまっている。大蔵省は段階的に私募債の自由化を進めてきたが、98/06/19に金融関連通達を全廃した。発行後2年間は転売できないとされていた転売制限も撤廃された。投資家の自由度が飛躍的に増すため、発行が増えるとの見方もある。

私募投信-1

特定少数(2〜49人)の投資家を対象に設定される投資信託のこと。米国などのヘッジファンドが代表的な例で、日本では98/12に解禁される。従来の日本の投資信託は、すべて50人以上に取得を勧誘する公募投信だった。投信は、証券投資信託法に不特定且つ多数のものに取得させることを目的とするものとの規定があり、具体的には証券取引法施行令で50名以上の者と定められていた。私募投信の解禁によって、不特定多数の投資家を対象とするにはリスクが高かったデリバティブ商品を駆使した運用手法でも、投資家の同意が得られれば、ファンドを設立できるようになる。企業年金向けのような特定の運用ニーズを満たす商品も可能になる。

私募投信-2

49人以下の投資家や適格機関投資家と呼ばれる運用のプロから募集する投資信託。投資信託は50人以上の不特定多数を対象とする公募投信しか認められていなかったが、投資家のニーズの広がりに対応して98/12に解禁された。対象者を絞り込んでファンドを設定するため、一般投資家にあまり適さないような運用手法も採用しやすい。複雑なデリバティブ商品を使うものや、極めて高いリターンを狙うものもある。加入員の年齢構成などにばらつきがあり個別に運用方針が異なる年金基金などでの活用が目立つ。年金運用などが中心になると設定、解約の頻度が下がる。この結果、運用コストが抑えられるため、私募投信は公募投信に比べて運用手数料が低めに設定されることが多い。

私募投信-3

特定の投資家向けにオーダーメイドで作る投資信託。98/12に解禁された。不特定多数の投資家を対象とする公募投信との対比で、私募といわれている。投資家数が50人未満でも設定が可能で、商品設計が柔軟にできるのが特徴。金融にさほど詳しくない一般の投資家を販売対象に想定せずに済むため、GTAAの様な金融派生商品を用いた商品での運用も可能になる。投信会社が運用資産の小さい年金基金を複数集め、設定するケースが多い。資産を一括して運用する形になるため、運用コストが下がり、公募投信に比べ運用手数料が低めに設定されていることも少なくない。年金基金のほか、中小の金融機関の購入も活発で、00/04末現在、私募投信の純資産残高は2兆2,600億円に達した。

私募投信-4

適格機関投資家と呼ばれるプロの運用者や合計49人以下の投資家から募集する投資信託。50人以上の不特定多数を対象とする公募投信との対比で私募投信と呼ぶ。98/12に解禁された。投信会社が運用資産の小さい機関投資家や年金基金の資金を集め合同運用する。単独運用よりコストが下がり、公募投信に比べても運用手数料率を低めに設定できる。対象者を絞り込むため一般投資家には理解しづらい運用手法も採用しやすい。農林系や信金などの系統金融機関は資金の一部を系列運用会社に集めて運用を効率化している。証券投資信託協会によると00/05末時点の私募投信残高は2兆3,308億円。

私募投信-5

通常の投資信託のように不特定多数の一般投資家を対象に公募するのではなく、金融機関や企業年金など特定または少数の投資家を対象にして設定する投資信託のこと。1998年末の証券取引法改正で導入された。50人未満の投資家を対象に設定する「少人数私募」と、適格機関投資家向けの「プロ私募」とがある。 私募投信は一般の投資家には理解しにくい高度な運用手法を駆使できる。そのうえ、公募投信に義務付けられている目論見書の作成やファンドの監査義務がないため、信託報酬などを低く抑えることができるとされる。 2001/02末の残高は、合計365件で前年同月比120%増の3兆9,000億円となっている。

私募投信-6

不特定多数の一般投資家を対象に公募するのではなく、金融機関や事業法人など特定または少数の投資家向けに限定した投資信託。1998/12に、銀行などによる投信窓口販売とともに解禁された。 銀行や年金基金など適格機関投資家向けに限定した「プロ私募」と、49人以下の投資家に販売する「少人数私募」がある。関係者が少ないため、オーダーメイドで投資家の要望に細かく対応できるのが特徴。比較的大口の投資家が集まるため、公募投信に比べて手数料が低く設定されることが多い。

私募特別債

株式会社形態の特殊法人が、商法の規程に基づいて私募で発行する債券。2001/05現在で残高があるのは関西国際空港のみ。NTTやJRグループが発行する私募債を含めることもある。財務省は公団や事業団が縁故で発行している債券を広く私募特別債と呼んでいる。しかし、公団や事業団の設立根拠法にはそれぞれ債券発行規定があり、公募、私募の区別はなく、厳密には私募特別債に該当しない。 特殊法人が発行する債券は、一般に特殊債と呼ばれる。通常は政府保証が付かず、縁故で募集しているものを指す。2001年現在、情報開示の義務がなく、格付も取得していないため、特殊法人改革の流れのなか、投資家の人気は低下している。これに対し、2001/04の財政投融資改革に伴って発行される公募債を財投機関債と呼ぶ。

資本注入

経営破綻していない大手銀行などが取引先の大手企業の破綻や不良債権処理の拡大などで過小資本に陥ったり、株価が急落したりする場合に、預金保険機構が株式などを引き受けること。資本を増強することで金融機関の信頼を早期に回復させる効果を狙っている。2002/03現在、公的資金枠として預金保険機構に総額15兆円の危機対応勘定が設けられている。

自民党税制調査会-1

自民党政務調査会に置かれた各部会、調査会のうちの1つ。昭和40年代後半、田中角栄首相時代から首相の諮問機関である政府税制調査会に代わって発言力を強め、2000年現在は毎年度の税制改正について事実上の決定権を握っている。経済政策の政治主導を象徴する存在といえる。 00/06の衆院総選挙後の党人事で、会長に武藤嘉文元外相、小委員長には宮下創平元厚相がそれぞれ就任した。正副会長会議が議論を主導するが、山中貞則最高顧問ら顧問陣が実力者として方向性を決めることが多い。例年は12月から議論を本格化し、年末に税制改正大綱を出す。2000年は株式譲渡益課税などの懸案を話し合うため、日程を大幅に前倒しし、00/09/12に総会を開く。社会保障と地方財源を巡る税制を検討する2つの作業部会も設ける。

自民党税制調査会-2

2001年現在、組織上は自民党政務調査会に設置されている党内機関の一つにすぎないが、重鎮議員が幹部として名を連ね、税制に関して強力な発言力を持つ。例年は、党内の各部会を通じて業界団体や省庁が持ち込む税制改正要望を秋以降に査定し、年末に翌年度の税制改正大綱をまとめている。 首相の諮問機関としては政府税制調査会があるが、政府税調の答申は中長期的な税制のあり方に関する議論が中心。自民党を含めた連立与党の税制協議会の場でも自民税調の意向がほぼ反映されている。ただ、党内の一機関で税制を事実上決めている仕組みには、市場関係者などから批判も出ている。

社外取締役-1

自社以外から登用した取締役。取締役は他の取締役をチェックする義務がある。日本では社外取締役を起用しても取引先企業出身者が多いため、社長などに対し厳しい批判が出ず、経営監視機能が弱いとの批判があった。 2001年現在、外国人持株比率の高い企業を中心に、社外取締役登用に踏み切る企業が増加してきている。ただ、米国と比べ現行の株主代表訴訟では社外取締役の責任が重く、外国からの社外取締役起用が進みにくいとの指摘がある。

社外取締役-2

企業の外部の人材から採用した取締役。日本の大手企業の役員構成は従来、生え抜き社員からの昇進などが中心で、同僚の取締役などを厳しく監視できない面もあった。株主を重視する企業経営の実現に向け、日本でも2001年現在、社外取締役を登用する動きが広がりつつある。社外監視役は取締役の違法行為に目を光らせるのが主な仕事で、社外取締役は他の取締役などの経営判断が妥当かどうかをチェックする。 1980年代の米国では、社外取締役の比率は全取締役の25%程度だった。その後、社外取締役を入れると株主代表訴訟で取締役の責任を軽減できるなどの制度ができたため、2001年現在では外部の比率は75%程度に高まってきているとされる。

社会福祉法人

老人福祉施設や保育所経営などを目的に設立される非営利法人の一つ。2000年現在、全国に約16,000あり、介護保健のサービス事業者として中核的な存在である。財団、社団法人といった民法に基づく様々な公益法人に比べて、都道府県の指導監督権限を強化するなど、一段と公共性を高めているのが特徴。介護保険では、企業は在宅介護サービスに限って直営事業所の開設が認められているが、施設介護事業には社福法人を設立しない限り参入できない。社福法人は税制面の優遇や高率の整備費補助を受け国の手厚い保護の下にあり、経済界では同法人が特養ホームの経営を事実上独占していることへの批判も強い。

社会保険庁

厚生労働省の外局。2001年現在、中小企業従業員が入る政府管掌健康保険を直接運営しているほか、国民年金、厚生年金など旧厚生省所管の公的保険の運営実務を担当する。地方組織としては都道府県単位の社会保険事務局と、その出先機関である社会保険事務所がある。尚、旧労働省が所管していた雇用保険の関連業務は社会保険庁ではなく、都道府県労働局、労働基準監督署、公共職業安定所など旧労働省系の地方組織が受け持っている。

社会保険と労働保険

従業員のために事業所が加入している公的保険。2002年現在、労働保険の雇用保険と労災保険は原則一人でも従業員がいれば加入義務がある。社会保険の厚生年金と医療保険の対象は原則五人以上の事業所。雇用保険は従業員が失業した場合に失業手当を給付し、労災保険は労災事故にあった従業員に療養給付金などを支給する。 保険料は事業主が事業主分と従業員分を算定し、従業員分は給与から天引きして合計額を国に納める。医療保険は大企業が独自に設立する健康保険組合と健康保険組合のない中小企業従業員のために国が運営する政府管掌健康保険の二種類がある。

社会保険方式

加入者から徴収する保険料を主な財源として国が様々なサービスを提供する社会保障制度の枠組。医療、年金、雇用などの社会保障制度がこれにあたり、日本では1961年の国民皆年金皆保険確立で社会保険方式が中核を占めた。逆に社会福祉などは、2000年現在、支出を税金で賄う税方式を採用している。社会保険方式では国民年金に顕著に見られるように、保険料の未納問題などが起きる。経済学者などからは欠点を解消するため、全額税方式への転換を求める声も多い。ただ、税で全てを賄うと生活保護との区別がつかないなどとして社会保険方式を指示する声も多い。

社会保障有識者会議

人口構造の少子、高齢化が加速する中で、豊かな老後を確保するため社会保障制度を総合的に見直すことを目的として、小渕恵三首相が設置した私的懇談会。00/01に初会合を開いた。新しい高齢者像、社会保障の基本的なあり方、給付と負担のあり方、社会保障の財源などが検討事項になっている。会議は首相が主宰し厚相が補佐する。官房長官、蔵相、自治相、経済企画庁長官のほか、民間から経済学者、医療、福祉関係者、経済界、労働界の代表者らが参加している。座長の貝塚啓明中央大学教授は財政論の専門化で年金審議会の委員も務めている。

社債管理会社の不設置債

投資家に代わって債権の元利金回収を担当する社債管理会社を置かずに発行する国内普通社債。商法では管理会社の設置が義務付けられているが、券面が1億円以上で、販売先を機関投資家に限る場合、例外的に設置しなくてもよい。設置債では元利金支払事務を代行する財務代理人を置くが、投資家保護の役割が無く、管理手数料がかからない。企業は社債発行費用が節約できるため、不設置債の発行が主流。97年の普通社債発行総額に占める割合は65.6%に達している。社債の債務不履行がほとんどなかったこともあり、現在、設置債と不設置債で発行条件に差はない。しかし、発行企業の経営破綻が相次ぎ、投資家からは不設置債の利率は設置債よりも高く設定すべきだとの声も出ている。

社債担保証券(CBO)

いったん発行した多数の社債をプールし、これを裏付けに発行する複数の証券のこと。元利払いの優先度に差をつけているため、優先証券では社債を発行する企業本体よりも高い格付を取得できる。企業が単独で社債を発行しづらい環境でも、担保を提供せずに直接金融市場から資金を調達できる。投資家も小額で投資先の分散効果を得られるほか、単独の社債に比べ格下げされにくいなどのメリットがある。国内では、98/12に富士証券が主幹事を務めたワンフォーオールアセットファンディングが第1号案件。後続の起債観測もあり市場の拡大が期待されているが、劣後部分の購入に消極的な国内機関投資家が多く、普及の妨げになっている。

社債のオフバランス化

社債のオフバランス化には従来、債務履行引受契約に基づく債務譲渡、いわゆるデットアサンプションが用いられた。企業がオフバランスする社債の元利払いを代行させることで対象社債をオフバランス化できた。 同手法では発行企業が破綻した場合、対象社債以外の債権者も預託した現金を回収する権利を持つ。そのため、実際には社債が償還されるかどうかは不確実である。 日本公認会計士協会は2000/01に、金融商品会計に関する実務指針を公表。2000年度から、社債を貸借対照表から外すには直接的な債権債務関係の解消が必要となったが、経過措置として実質的ディフェーザンスはオフバランス化が認められた。2001/08現在、経過措置の期限は定められていない。

社債の主幹事

企業や政府機関などの発行体が公募債を発行する際に、発行体と引受契約を締結し、販売を担当する証券会社。発行体と投資家双方のニーズを把握して発行条件の決定につなげる。そのため、主幹事の手腕次第では社債の販売状況も異なる。引受証券会社が複数集まると、引受シンジケート団が組成され、主幹事がシ団を代表して発行体と契約する。主幹事は需要予測を実施した上で発行条件や各シ団への販売責任額を決定する。シ団証券が販売に行き詰まれば、主幹事の責任で引き取ることもある。このため主幹事は販売、引受手数料のほか、幹事手数料を受け取る。主幹事案件の獲得実績は各期ごとにリーグテーブルとしてまとめられ、証券会社の実力を示す一つの指標として用いられる。

社内カンパニー制

社内分社制の一種で、企業が各事業部門をあたかも独立した会社のように分け、事業を運営する仕組み。ヒト、モノ、カネの経営資源を各カンパニーに分配し、独立採算を徹底する。資本を振り分けるだけではなく権限を大幅に委譲するという点で、単純な事業本部制とは異なる。日本ではソニーなどが草分け的な存在。給与水準や人事制度をカンパニーの事業内容に応じた体系に変えられるなど柔軟で迅速な経営が可能になるため、産業界では大企業を中心に経営改革の手法として採用するケースが相次いでいる。これを基に持ち株会社制度に移行する動きも出ている。

社内レート

輸出入企業が予算を組み立てたり、収益見通しを算出する際に設定する円相場。輸出で得る収益や輸入にかかる費用は円相場の変動に左右されることも多いため、企業は採算のとれる独自の社内レートを設定して予算を編成する。輸出企業は実際の為替相場が社内レートよりも円安に振れると、輸出採算が当初の計画よりも向上するため、人件費など製造コストを固定すれば増益になる。逆に円高に振れるようであれば、輸出企業は為替予約(先物のドル売り)を増やして早目に円を買う動きに出るため、円高要因になる。 95年に急激な円高を体験した輸出企業の一部は海外生産比率を高めている。このため、実勢の円相場が社内レートから乖離しても、収益に与える影響は小さくなっているとの指摘もある。

ジャパンプレミアム

邦銀が海外でドル資金を調達する際に、資金の出し手である欧米の銀行が要求する上乗せ金利のこと。元々は第1次石油ショック後、日本の経済力に対する不安から欧米の銀行が邦銀との取引を絞り、プレミアムがついたため名付けられた。 95年の大和銀行の巨額損失事件以降、邦銀への不信からプレミアムが拡大。その後縮小する場面もあったが、98年になって日本長期信用銀行の経営問題が表面化した6月末から、ほぼ一貫して拡大している。 98/11に入ってロンドン市場で、大型金融破綻があった昨年秋並みの水準となる0.935%に達した。根強い邦銀不信に加え、ドルを直接借り入れることが難しくなった邦銀が為替スワップによるドル調達を強めていることが背景にある。

ジャンク債

格付機関の格付が投資適格に満たないか、格付を取得していない債券。格付の高い債券に比べてデフォルトになるリスクが高く、その分高い利回りがつくケースが多いため、ハイイールド債と呼ばれることもある。米国では80年半ばに企業買収資金の調達手段として活発に発行された。デフォルトが相次いだことで急減したものの、景気の回復やデフォルト立を綿密に分析する手法が開発されて再び発行が増えている。99/07現在は、リスクを覚悟している運用資金が流入する市場として定着している。東京都の石原慎太郎知事は中小企業の資金調達を支援するためジャンク債市場の創設を当初検討していたが、より投資家に受け入れられやすいローン担保証券(CLO)の仕組みを使った手法を軸に議論を進めている。

衆院選挙区画定審議会

人口変動に応じて、衆院小選挙区の区割りの見直しを行う政府の審議会。衆院選挙区画定審議会設置法に基づき、細川政権当時の1994年に発足した。区割りの見直しは10年に1度の国勢調査速報値の公表から1年以内に行うことが原則となっている。このほか、画定審設置法では人口の著しい不均衡が生じた場合など、必要に応じて見直し作業を行い、首相に勧告できることも定めている。

住宅供給公社

民間の住宅建設を補完し、分譲住宅などを供給する目的で地方自治体が全額出資して作った特殊法人。00/06現在、各都道府県と9政令指定都市、堺市に計57社ある。個人が毎年一定額を積み立てて、マンションなど集合住宅を購入する制度を柱に1965年から事業がスタートした。 1998年度末までに全公社が販売した分譲住宅は約55万戸、建設した賃貸住宅は約17万戸。1980年代半ば以降は民間マンションや戸建て分譲住宅に押され、公社による分譲住宅の供給個数は激減している。1998年は4,604戸と、民間の優良分譲住宅の15分の1の規模にとどまった。

住宅勤務

情報技術を利用して自宅や自宅周辺の小規模オフィスから、企業の仕事に携わる勤務形態。バブル期に東京過密化の対策として職住近接型のサテライトオフィスが注目を集める中、新しい勤務スタイルとして登場してきた経緯がある。

住宅金融公庫-1

国内唯一の住宅専門の政府系金融機関で1950年に設立された。マイホームの新築時やマンション購入時などに、基本的に政府からの借入金により長期、固定、低利で購入資金を融資する。2000年度までに融資対象となった住宅戸数は、戦後建設された住宅の約3割にあたる1,800万戸にのぼる。 商品性の優位により、個人向け住宅ローンにおける住宅金融公庫のシェアは民間金融機関を圧倒している。1999年度の個人向け住宅ローンの新規貸出では約38%で、民間金融機関からは「民業圧迫」との不満が出ている。長期で固定金利を扱うため、一般会計から4,000億円を超える利子補給を受けていることにも批判が集まっており、2001年現在、特殊法人改革の一環として民営化案も浮上している。

住宅金融公庫-2

個人が住宅を取得しやすくするために設立された政府系金融機関。政府から借り入れたお金を元に長期間、低金利で融資する。2001年に小泉純一郎首相は特殊法人改革の一環として、5年以内に廃止する方針を打ち出した。

住宅金融債権管理機構

住専7社の資産を引き継ぐ機関。預金保険機構の全額出資による蔵相認可の株式会社として96/07に発足し、96/10から債権回収に着手した。元日本弁護士連合会会長の中坊公平氏が社長に就き、法務、検察、大蔵、警察、国税の現役OB職員、弁護士や金融界出身者が幅広く参加。悪質な借り手や複雑な案件向けに東京と大阪に特別部局を設け、預金保険機構と協力して回収にあたる。旧住専の大口融資先に対する破産申し立てなど法的措置も駆使して債権回収の過程で生じる2次損失の最小化を目指している。解散予定は平成23年(2011年)。

住宅公庫融資

住宅金融公庫が長期国債の表面利率に連動した金利で貸す長期低利融資。原資は全額、政府出資と資金運用部資金からの借入。新築戸建て住宅、建売住宅、マンションなど個人が取得する住宅のうち床面積が50平方メートル以上の住宅が融資対象。元利金の償還期間は最大35年。 2000年の通常国会で改正住宅公庫法が成立し、これまで償還期間が25年だった木造住宅向け融資も一定の要件を満たせばマンションと同様、最大35年まで償還期間が延長。中古マンション向けも耐久性やバリアフリー化を条件に償還期間が35年まで延びた。

住宅品質確保促進法

社会問題化している欠陥住宅を予防する狙いで、00/04に施行された法律。正式には住宅の品質確保の促進等に関する法律という。住宅の基本構造部分について10年間は業者に保証を義務付ける瑕疵担保責任を定めたことや、任意で住宅を等級評価する住宅性能表示制度の導入が柱だ。性能表示制度は建設省が00/10初旬に評価基準を定め、民間など64の評価機関を指定したことで運用が始まった。新築の戸建て住宅、マンションなどを対象に、構造の安定性や火災時の安全性、劣化対策など9項目を検査して評価する。購入者が1戸当たり10万円強を負担して専門機関の評価を受ければ、客観的に住宅の性能が分かる。各検査項目では建築基準法をクリアする水準を最低ランクと定めている。

住宅ローン債権の証券化

金融機関が期日までに個人から住宅ローン資金の返済を受ける権利を投資家に売却すること。投資家は信託受益権や住宅ローン担保証券(MBS)などの形態で権利を購入し、借り手から元利金の返済を受けて利回りを確保する。金融機関は住宅ローン債権を早期に資金化でき、資産効率を高められる利点がある。証券化には債権を信託銀行に委託して信託受益権を販売する信託方式と、元利金返済を裏付けとして債券を発行するMBS方式などがある。国内での実績は1999年の三和銀行が初めて。2000年現在、米国において特にMBSは国債に次ぐ巨大市場であり、米政府系金融機関は住宅ローン原資の4割強を証券化で調達している。

住宅ローンセンター

住宅ローンの販売を主な目的とした都市銀行や地方銀行の営業拠点。住宅展示場や大都市近郊の住宅造成地などに展開している。住宅販売業者との商談や個人顧客からのローンの相談を受け付ける。店舗内にATM(現金自動預け払い機)を設置するケースもあるが、一般的に預貸業務や法人取引は手がけない。住宅ローンは利益率が高い上、不良債権比率が低い。このため、富士銀行が2000年をめどにローンセンターの居点数を97年の2倍の60ヶ所にする方針を決めるなど、各行は相次いで拡販に乗り出している。顧客の利便性を高め、取引を拡大する目的で、営業時間を延長する動きも広がっている。土・日曜日も営業し、サービスを受け付ける銀行も出始めた。

住宅ローン担保証券

金融機関が保有する住宅ローン債権を信託銀行に一括して信託し、その信託受益権を小口化して投資家に販売する仕組み。金融機関にとっては、返済完了まで何十年もかかる住宅ローン債権を中途時点で現金化することができ、新しい貸出原資を得られる利点がある。 2001年現在、米国では政府系の連邦抵当金庫などが民間金融機関の住宅ローン債権を買い取り、それを担保に保証をつけた証券を投資家に販売する仕組みが一般的。政府系機関による証券化は住宅ローン債権全体の4割以上を占め、民間分も加えれば5割を超す。

集団的自衛権

軍事同盟国が武力攻撃を受けた場合、全同盟国に対する攻撃とみなし、軍事行動を取れる同盟国の権利。NATO条約では、第五条に「加盟国の一カ国あるいは複数国が武力攻撃を受けた場合、全加盟国への攻撃とみなし、兵力の使用を含めた行動を取る」と規定している。2001年現在、国連憲章五十一条でも認められている。 東西冷戦下で、旧ソ連の脅威に対抗するために存在した条項であり、2001/08まで一度も発動例がない。コソボ紛争などでは紛争の平和的解決を目的とした第一条を根拠に軍事介入が行われた。

自由貿易協定-1

特定の国と関税の撤廃やサービス貿易の自由化を約束することで、00/05現在、協定数は世界で100前後に達している。欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)のような地域統合と、二国間協定の2種類がある。日本は世界貿易機関(WTO)を通じて世界全体の自由化を進めることに力点を置いてきたが、地域や二国間での自由化も重視する方針に転じつつある。日本は韓国のほかに、シンガポール、メキシコとも民間レベルなどで自由貿易協定締結の共同研究を進めている。

自由貿易協定-2

FTAのこと。ある特定の二国間、または多国間で関税や数量制限、商慣行の違いなどの貿易障壁を排除し、国際取引を自由化して一つの経済圏を作る取り決め。関税撤廃による輸入価格低下などの消費者メリットがあるうえ、輸出の拡大、投資促進が利点。半面、日本の農業のように競争力の弱い産業が輸入増で打撃を受けるというデメリットもある。 2000年現在のFTAは世界貿易機関(WTO)の原則に基づき他国との貿易の障壁を引き上げないとの条件を課されており、戦前の閉鎖的ブロック経済とは異なる。WTOの次期自由化交渉の開始が遅れる中、海外では利害の一致する国の間で自由化の利益を享受するため、多角的自由化の補完措置として締結に取り組む動きが加速。欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)など、多国間、二国間を合わせ約120のFTAがある。

自由貿易協定-3

国や地域同士が関税や輸入数量制限などの貿易障壁をなくしたり、国内制度の調和を進めたりして、国際的な取引を活発にする取り決めのこと。2000年現在、米国、カナダ、メキシコが結んでいる北米自由貿易協定(NAFTA)をはじめ、世界には約120の協定があると言われる。従来、日本が自由貿易協定と距離を置いてきたのは、協定が閉鎖的な経済圏作りにつながり、世界貿易の円滑な拡大を阻害しかねないと判断してきたためである。しかし、自由貿易協定が貿易投資拡大や構造改革などに役立っている実例が増加してきており、方針を転換することにした。

自由貿易協定-4

Free Trade Agreementの訳語で、特定の国や地域が貿易などの経済活動を活発化させるために締結する協定。関税撤廃だけでなく、投資、サービス、知的財産権、競争、紛争解決など幅広い分野での政策協調策が盛り込まれているケースが多い。 2001年現在、欧州経済共同体(EEC)以来、100件以上のFTAが世界貿易機関(WTO)に通報されている。

重要事項

消費者と業者とが商品の売買やサービスの提供などに関して契約する時に、一般の平均的な消費者にとって契約を結ぶかどうかの判断を左右するような基本的な情報。消費者契約法は業者がこの情報について事実と異なる説明をしたために消費者が誤認をした場合、契約を取り消せるようにすることを目指している。 99/10現在、産業界はどういう情報が重要事項にあたるか内容をできるだけ具体的に示し、法令で明文化して裁量の余地が小さくなるよう求めている。これに対して消費者団体などは、個別の契約に応じて柔軟に解釈できるように、ある程度抽象的にすることが望ましいと主張している。

首相指名選挙

憲法67条の規定により、総選挙直後や内閣総辞職後の国会で、他の案件に優先して行うもので、国会議員の中から衆参両院の議決で指名する。指名は両院とも記名投票で行い、投票総数の過半数を獲得した議員を指名者とする。1回目の投票で過半数を得た議員がいなかった場合は、獲得票数上位2人で決選投票を行う。両院が異なった指名を行った場合は両院協議会を開いて協議するが、それでも意見が一致しなかった場合は、衆院の指名が国会の指名した首相となる。98/07の首相指名選挙では、衆院が小渕恵三自民党総裁、参院が菅直人民主党代表をそれぞれ指名。衆院の優越の原則に基づき小渕自民党総裁が首相に指名された。

酒税の税率構造

2001年現在、酒税はアルコール分1%以上の飲料が課税対象で、メーカーや輸入会社が納める。税額は販売価格に織り込まれるので、税負担は消費者に転嫁される。課税は酒類を10種類に大別したうえ、焼酎やウィスキーなど5種類についてはさらに11品目に分けて税率を設定している。 発泡酒の区分は雑種でビールとは異なる。麦芽比率が50%以上の場合、税率は1キロリットル当たり22万2,000円でビールと同じだが、大半の発泡酒の麦芽比率は25%未満であり、この場合、税率は同10万5,000円と半分以下になっている。

出資金

政府が特殊法人や認可法人の資本金として拠出している財政資金。2001年現在、特殊法人と認可法人向け財政支出の約三割を占める。政府は利益配当請求権や出資金に見合う資産を求めることのできる残余財産分配請求権などを持つ。特殊法人、認可法人は投融資の原資や、研究設備など有形固定資産の取得、研究開発費などに出資金を充当してきた。 投融資や有形固定資産はもちろん、研究開発の結果も将来世代が技術進歩を享受できるとの理由で資産になると期待されていた。しかし2001年現在、法人の中には出資金を単に経常的な赤字の埋め合わせに充てている例が多いと批判が集まっている。毎年支出の是非を審査し、使途が限定されている補助金などに財政支出の形態を変更することによって、無駄な出資を押える効果があるとみられる。

出資法

正式名称は出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律。借り手保護のため法外な高金利に寄る融資を禁止しており、年40.004%を超える利息の契約をすると3年以下の懲役か300万円以下の罰金を科す罰則規定がある。融資に伴い貸金業者に支払う礼金、手数料、調査料なども利息とみなす。金利を規定する法律には利息制限法もある。元本に応じて上限金利を年15〜20%と定めているが、出資法の上限金利を超えない限り罰則はない。99/11現在、貸金業者はこうしたグレーゾーンで金利を自由に設定でき、高金利の温床になっているとの指摘もある。

出資方式の経済協力

円借款や外貨建ての融資と異なり、外国政府との合弁企業や、国際機関と共同で公的企業に投資する経済協力の形態。国際協力銀行が設立される前は旧海外経済協力基金が出資業務を主に担当しており、99/11までに東南アジアや中近東、中国向けなどで計19の案件を手掛けている。途上国の中小企業育成向けとしては、94年にインドネシアの信託基金にアジア開発銀行(ADB)、国際金融公社(IFC)と協調出資した例がある。大蔵省が99/05に発表した新宮沢構想第2弾の中ではアジアの民間企業向け基金への支援を明記している。

出生率

正式には合計特殊出生率という。15〜49歳の女性を対象に、各年齢ごとに生んだ子供の数をその年齢の女性人口で割って出生率をはじき、合計する。一人の女性が一生のうちに何人の子供を生むかを示す。1970年代前半までは2.1程度で安定していたが、1975年に2.0を割り込んだ後、2001年現在まで、ほぼ一貫して低下している。 日本では死亡率や国境を超える人口移動がほぼ一定しているため、将来の人口規模は合計特殊出生率でほぼ決まる。社会保障、人口問題研究所は、2002年現在、最も実現可能性の高い中位推計のほか、予想の下限となる低位推計と上限の高位推計を公表している。

主要国首脳会議

世界経済の持続的な成長、エネルギーなどの経済問題や、地域紛争などの政治、外交問題について先進主要国の首脳が話し合い、協力を目指すため年一回開く会議。フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシアの八カ国と欧州連合(EU)の首脳が参加する。 石油危機後にエネルギー問題や深刻な不況への対応を話し合うためフランスのジスカールデスタン大統領が提唱、1975年に第一回会議をパリ郊外のランブイエで開催した。2000/07に開いた九州、沖縄サミットではグローバル化で生じた新たな問題への対応などをうたった共同宣言「沖縄2000」や朝鮮半島に関する声明、情報技術に関する沖縄憲章などを採択した。

種類株

企業が通常、発行する株式を普通株と呼び、これ以外を種類株と総称する。普通株の株主は株主総会に出席し、取締役を決めたり合併などを決議したりする時に権利を行使する。1株当たり同額の配当を受け取る権利もある。種類株は、こうした株主平等の例外として商法が認めている。

循環型社会-1

天然資源の消費を抑制し、環境への負荷を出きる限り少なくした社会。政府は2000年に成立した循環型社会形成推進基本法に基づき、廃棄物の発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再利用(Recycle)の「3R」を基本に、循環型社会の構築を目指している。 政府は埋立等による廃棄物の最終処分量を1996年度から2010年度までに半減させる目標を立てている。

循環型社会-2

ごみをリサイクルしたり、ごみ発電施設で燃やすなど、社会の中で物質を循環させ、資源の消費を最小限に抑える社会。大量生産、大量消費社会では廃棄物が増え続け、資源も枯渇するとの反省に基づく。2000/05には循環型社会形成推進法が制定され循環型社会の基本的な理念が示された。家電リサイクル法や食品リサイクル法なども定められ、2002年現在、一部製品では再利用が義務付けられている。

省エネ家電

家電製品のエネルギー効率改善を求めた改正省エネルギー法が99/04に施行され、各メーカーは省エネ家電の開発を加速している。最も省エネに優れた製品を基準に改善目標を決めるトップランナー方式の導入で、エアコンなら2004年度に97年度比63%のエネルギー効率改善が必要となる。 99/11現在、日立製作所はエアコンや冷蔵庫などに独自の省エネ技術PAM方式を導入。また、シャープは全家電製品を対象に待機電力を0.1ワット以下に削減する目標を打ち出している。

省エネ法の燃費基準

燃料1リットルあたりの走行距離である燃費を改善するために、政府が省エネ法に基づきメーカーに達成を求めている数値。燃費基準は車両重量ごとに決め、達成年次は2010年度に設定している。例えば重量1,516〜1,766キログラムのガソリン乗用車は、2010年度の出荷者量全体の加重平均で燃費を10.5キロメートル以上にしなくてはならない。基準を下回ったメーカーには政府が勧告を出す。それでも取り組みを進めないメーカーには、社名を公表した上で罰金を科す。

紹介予定派遣

派遣社員が企業で一定期間働いた後、企業と本人が合意すれば、正社員雇用に切り替える仕組み。社員が派遣されている間は労働者派遣法の適用を受けるが、正社員へ採用される過程は職業安定法の職業紹介とみなされるため、二つの呼称を合わせて「紹介予定派遣」と呼ばれる。法改正に伴い、2000/12から解禁された。 2001年現在、派遣期間は3ヶ月から1年が一般的。企業側にとっては、受入期間が試用期間に相当し、社員の適性や能力を見極められる。社員の側は仕事を通じ、職務内容を知ることができる。新卒者の就職率が低迷するなか、人材派遣各社は紹介予定派遣制を使い、大学の新卒者を企業に派遣する新卒派遣に力を入れている。

商業手形

企業が商取引をした時に、その場で現金のやりとりをせずに後日、代金を支払うことを約束する書類。手持ちの現金がなくても売買ができるため、日本では一般的な決済手法として広く普及している。販売不振などで資金繰りが悪化して振り出した手形の支払期日までに資金が確保できなければ、その手形は不渡りとなり、企業の信用力が低下する。原則として不渡りが2回続けば銀行が取引を停止するので、事実上の倒産に追い込まれる。企業は手形を銀行に持ち込んで現金に交換する。この時に、期日までの期間の利子を天引きした金額で銀行が買い取るため、手形の割引と呼ばれる。金融機関は受け入れた手形を全国の手形交換所に持ち寄り、銀行間の決済をする。

証券会社向け検査マニュアル

金融庁の検査官が証券会社に立ち入る際の点検項目を列記した指針。2000年現在、既に銀行など預金取扱金融機関と保険会社向けの検査指針があるが、証券会社特有の点検箇所をもれなく検証するため、金融庁が導入に向けて証券取引等監視委員会と共同で取りまとめ作業を進めている。証券会社検査では資産内容や自己資本規制比率、顧客資産の分別管理状況のほか、法令順守や様々な経営リスクの管理状況をチェックする。従来は財務内容の点検に主眼が置かれていたが、違法な方法による商品販売などが後を絶たないため金融庁は内部管理体制の検証を強化する考えである。マニュアルはリスク制商品の販売、勧誘に対する管理体制や、システム故障時の支援体制などに関する詳細な点検項目が盛り込まれる見通し。01/07以降の検査で適用される予定である。

証券外務員

有価証券の売買や募集などに従事するセールスマンを指す。証券業務に携わる従業員、役員は全て日本証券業協会が行う試験や研修に参加して資格を取ることが必要。証券外務員は取り扱う商品や業務の範囲で証券一種外務員、同二種外務員、投信債券外務員に分かれる。この他銀行、生保を対象とする特別会員外務員がある。ビッグバンに伴い、日本証券業協会は外務員制度を98/12から刷新する。二種外務員に預託証券や会社型投信の取り扱いを認める一方、一種外務員は私募投信や店頭デリバティブなど高度な商品も扱えるようにする。投信債券外務員は新たに試験を実施せず、二種外務員に統合する。銀行の投信窓販解禁に備え、特別会員外務員とほぼ同様の業務ができるようになる見通しだ。

証券化商品

ある資産から生み出されるキャッシュフローを裏付けに発行する債券やコマーシャルペーパー。住宅ローン担保証券(MBS)を起源に米国市場で拡大、2001年現在、欧州や日本でも急増している。裏付けとなる資産によって様々な資産担保証券がある。例としては、多数の社債を裏付けに発行する社債担保証券(CBO)、商業用不動産担保ローン証券(CMBS)、自動車ローンやクレジットカード債権などを裏付けとするものなどである。特にMBSは米国では国債に次ぐ巨大市場に育っている。米政府系金融機関は住宅ローン原資の多くを証券化で市場から調達している。格付が高く市場での売買も活発にされている。米国の財政が改善するに従って米国債の発行額が減少するなか、国債の代替商品として投資家層が広がっている。

証券決済改革-1

有価証券の決済を安全で効率よく、国際的に通用する仕組みに変えるための取り組み。99/08に自民党の債券市場問題小委員会が発表した提言が改革議論の火付け役になった。米国は02/06に、債券、株式、コマーシャルペーパーなどの全証券について、取引の約定成立の翌日に決済を完了させることを目指している。自民党は、米国の動きをにらみ、日本でもほぼ同じ時期に証券の翌日決済を実現するよう提言。00/03現在、株式、社債など商品別に分かれている決済機関を一本化する案を字句に、決済システムの改革案も早急に詰めるよう求めた。提言を受け、日証協が1999年秋から証券市場関係者を中心に実務ルール作りを進めてきた。大蔵省、金融審議会も有識者を中心に法制面の問題点などの整理を進めている。

証券決済改革-2

有価証券の決済を安全で効率良く、国際的に通用する仕組みに買えるための取り組み。99/08に自民党の債券問題小委員会が発表した提言が改革論議の火付け役になった。大蔵省は2002年度を目処に株、債券など全ての有価証券について取引成立の翌日に決済を完了させることを目指している。 00/06現在、有価証券の決済は取引成立から起算して4営業日目に行われているが、取引成立後に市場参加者が破綻すると資金や証券の受渡が出来なくなる恐れがあるため、欧米市場でも翌日決済を目指した動きが進んでいる。

証券決済の短縮

証券取引の売買契約の成立から実際に代金を受け渡しするまでに必要な期間を短くすること。日本では00/01現在、売買契約が成立した日(約定日)の3営業日後に決済している。政府自民党や金融業界は決済期間を2002年度中に約定日の翌営業日に短縮する方向で準備を進めている。取引相手の倒産など決済までの間に発生する可能性があるリスクを軽減するのが狙い。投資家が安心して市場に参加できる環境を整える目的もある。米国は02/06に翌営業日決済に移行する計画。決済期間短縮の流れを受け、欧米では約定から決済までの過程に手作業が入らない完全自動化の実現に向けた取り組みが本格化している。システム対応としては2000年問題後の最重要課題と位置付けられている。

証券資金決済

株式や投資信託など有価証券を買った代金を決済すること。原則として証券会社の口座にある資金の範囲内で決済するが、1日の取引を合算して代金が不足する場合、投資家は決済日までに銀行口座などから証券口座に振り込むか、証券会社に代金を持ち込まなければならない。

証券市場等活性化対策

2001/02/09に自民、公明、保守の与党三党が中間報告としてまとめた株価対策。株価が低迷したまま3月決算期末を迎えると、銀行に多額の含み損が発生し、金融不安が再燃しかねないというのが対策策定のきっかけ。自己株式の取得、保有を自由化する金庫株の解禁、投資単位の引き下げ(単位株の小口化)に必要な法整備を2001年国会で処理することや、企業が保有不動産の再評価益を会計上の自己資本に参入できる土地評価法の期限を2001/03から1年延長することが骨子。禁固株解禁を巡ってはインサイダー取引規制や株価操縦防止策を整備する。証券税制の見直しと自社株を主運用対象にする企業年金(ESOP)の検討、確定拠出年金の2001年国会中の成立も盛り込まれている。

証券税制

株式など証券投資を巡る税制の総称。2001/03現在、政府・自民党の株価対策では、特に個人投資家に関する税制の見直しが論議されている。過去にも個人税制の問題は政策論議で度々話題になってきたが、他の所得との兼ね合いから進展はなかった。 個人税制の焦点の一つは株式売却益課税。申告分離課税制度では26%が課税される。預貯金は20%なので、証券界には不公平感が根強い。もっとも現時点では売却代金の1.05%を源泉徴収する源泉分離課税方式も選択できるため、むしろ欧米に比べて優遇されているとの主張もある。 二つ目は配当の二重課税。個人が配当を受け取った段階で課税すると法人税との二段階で課税される問題である。配当控除として一部は調整されているが、全面的な調整を求める声も根強い。

証券税制の見直し

ビッグバンに向けた証券税制の見直しでは有価証券取引税や取引所税の軽減・廃止が焦点。政府税制調査会の金融課税小委員会は97/12/03に総会へ提出する中間報告で軽減・廃止の方向を明示する。早ければ98年度税制改正で結論が出る。株式市場や景気の活性化へ、政財界には撤廃を求める声が多い。ただ、97年度予算で有取税は3,510億円が見込まれる。大幅な税収減を割ける為、大蔵省は株式譲渡益課税強化を主張。申告分離課税へ一本化する案が浮上している。現在、株式・転換社債などで個人投資家の譲渡益は源泉分離課税との選択性。源泉分離では譲渡益を売却代金の5.25%と見なし、その20%を徴収する。譲渡益の一律26%を徴収する申告分離に比べ少ない負担ですむ場合が多く、選択性は税制の公平性を歪めるとの指摘がある。

証券市場の手数料自由化

日本証券業協会は98/02/18に店頭株の売買手数料や外国株の取り次ぎ手数料など19種類の規定撤廃を発表した。98/04/01から施行される。かつて手数料は取引所が約定代金によって定めた料率に従う固定制だった。上場株に関する自由化は、94/04に売買代金10億円超、98/04に5千万円超と大口取り引きから進んでいる。店頭株では、日本証券業協会の公正慣習規則によって取引所の定める額以内と上限のみ決まっていた。 97年から中堅・外国証券などで店頭株の売買手数料を割り引く動きが出始めた。今後は顧客獲得のため、手数料詫び期を売り物にするディスカウントブローカーの出現が予想されるほか、情報サービスを充実させて手数料を割高にするなど、手数料に各社の戦略が反映しそうだ。

証券取引の電子化

年金資産を株式などで運用するうえで、全ての作業をコンピュータで処理すること。00/02現在、多くの金融機関が売買の運用指図や取引報告書を手書きし、ファクスなどで送っている。運用指図や取引報告書を照らし合わせて約定情報を管理する信託銀行では、ファクスが1日に1,000枚規模で届くため、膨大な手作業処理に追われている。約定処理などを電子化すれば、手作業から発生するミスを防ぐことができる。また情報の処理スピードも格段に速まるため、顧客に正確な運用結果を迅速に報告できる。政府金融界は2002年度中に、証券取引の約定から決済までにかかる期間を現行の3分の1に短縮する計画。それには証券取引の電子化が不可欠で、金融機関はシステム整備を求められている。

証券の翌日決済

有価証券の決済を取引の約定成立の翌日に完了させること。00/05現在は、売買契約の成立日から3営業日後に決済しているが、米国では02/06に株式、債券、コマーシャルペーパーなど全証券について翌日決済への以降を目指している。売買契約の成立から代金の受渡までの期間を短縮し証券取引を安全で効率よくするのが狙い。米国の動きをにらみ、日本では自民党がほぼ同時期に翌日決済を実現するよう提言。日本証券業協会を中心に実務ルール作りを進めている。機関投資家が証券の翌日決済に対応するには、Straight Through Processing(STP)と呼ばれるシステム導入が不可欠。人手を介さずにコンピュータで有価証券の取引を一貫処理するしくみで、生命保険会社、信託銀行などがシステム構築を急いでいる。

証券保管振替機構-1

投資家の株券保管を合理化するために設立され、91年から業務を始めた。証券会社など機構参加者が株券を同機構に預けた場合、株の売り買いを口座振替だけで済ませることが出来る。欧米で同様の制度を使い慣れている外国投資家に加え、信託銀行など国内勢にも利用が広がっており、参加者は現在284にのぼる。同機構が保管している株券も98/05末で877億株と97/03末に比べ40%増加した。企業間の株式の持ち合いが急速に崩壊する中、放出された株式が市場で流通しはじめており、これが預託株券増の背景にあるようだ。保管手数料収入が増加した同機構は98/03期で累積損失を一掃した。このため従来は5億株まで1日23銭/1単位だった保管手数料を98/04から同16銭に引き下げた。

証券保管振替機構-2

株券の保管振替業務を主な業務とする財団法人。同機構に株券が預託されていれば、株式の売買に伴う決済時には株主の移動は口座を振り替えるだけで済む利点がある。事務コストの軽減につながるため、証券会社も保振機構への株券預託を積極的に勧めるようになった。保管振替制度の対象になる有価証券は株券のほかに、転換社債、国債、普通社債、新株引受権付社債(ワラント債)があるが、実際に保振機構が保管できるのは上場株式、店頭株式と日経300投信に限られる。転換社債などに対象範囲を広げるべきだと言う指摘も多い。 90年代を通じて株券保管に伴う手数料を下げたことで、株券の保管残高は99/11現在、1,200億株に達した。ただ預託比率は発行済株式数の3割強にとどまる。

商工ローン

不動産など物的担保の代わりに保証人を設定するため、固定資産を持たず、銀行などの金融機関からの借入が難しい企業を中心に需要が拡大してきた。商工ローン、消費者金融の上限金利を定めるのは出資法で、99/11現在は年40.004%。これとは別に上限を年20.002%とする利息制限法もあるが罰則規定はない。商工ローン各社の貸出金利はおおむね20%を上回る。大手でも手数料などを含めた実質ベースで30%前後とされる。商工ローンではあらかじめ融資の極度額を根保証として設定するケースが多いが、融資実行時点の説明が不十分として、当初の融資額を上回る金額の返済を求められた保証人との間でトラブルが頻発。脅迫まがいの取りたても指摘され、99/10末には日栄の元社員が逮捕されるなど社会問題になっている。

上場インデックスファンド

証券取引所に上場しているインデックス連動型の投資信託で、英名はExchange Traded Fund(ETF)。通常のインデックス投信と同様、分散投資の効果があり長期保有しやすいのが特徴。取引コストを抑制できるメリットもある。一般の投資信託と違い上場しているため、株式のように取引時間中いつでも売買できる。米国では空売りして現物株のヘッジに使うことも多い。年金基金やヘッジファンドのほか個人も活発に取引している。アメリカン証券取引所(AMEX)のほか、カナダや欧州、香港の市場に約500億ドル相当が上場されている。00/05現在、日本では日経300株価指数を対象にしたETFが唯一、大阪証券取引所に上場しているが、低調な取引状況が続いている。

上場審査基準

上場を目指す企業を審査する証券取引所の基準。審査項目は上場する株式の数、株主の数、株主資本、利益の総額など多岐にわたり、経営成績や財務状態を詳細にチェックする。東京証券取引所の場合、相対的に基準が高いこともあって、企業が実際に上場の準備に入ってから5年以上かかるケースが多い。店頭市場の場合は赤字でも株式公開が可能など公開の基準が緩い。日本証券業協会は98年に入り、店頭株式市場の流通市場を中心とした改革も実施した。大阪証券取引所も経常損益が赤字でも営業損益が黒字なら上場できる新市場の創設などを発表している。

使用総資本利益率

企業の税引き利益を現預金や在庫、設備、土地など総資産で割って算出するもので、経営の効率性や収益力を総合的に示す。低率だと株主から預かったり、銀行から借りた資金を有効に活用していないことになる。比率を上げるには利益を増やすとともに、非効率な資産を削る必要がある。コマツや富士写真フィルムはこの比率の改善を経営目標に掲げている。継続的に統計のある過去23年間を振り替えると、ピークは80年度の2.23%。その後は1%台での低迷が続き、80年代後半のバブル期に2%台を一時的に回復したが、90年代に入ると、バブル期に非効率な資産を膨らませた反動で水準は再び低下した。

譲渡性預金の発行期間制限撤廃

大蔵省は98/04に、規制緩和の一環で譲渡性預金(CD)の発行期間制限を撤廃した。従来の規定では、CDの発行期間は2週間以上5年以内と定められていた。銀行の資金調達手段を一段と多様化するのが期間制限撤廃の狙いだ。 CDは銀行間取引のコールなどに比べると発行の手間がかかる。しかしコールなど銀行間市場は金融システム不安がくすぶっていることもあり、多くの投資家から直接資金を調達できるCDでの調達ニーズは高い。 98/04以降、銀行は期間制限が撤廃された2週間未満のCDを積極的に発行している。特に5月以降の金融市場は、金融緩和観測と信用リスク不安による金利上昇懸念が交錯しており、先行きの不透明感から1〜2週間物のCD発行が増えている。

証人喚問-1

憲法62条が衆参両院それぞれに認めている国政調査権を行使するための強制的手段。任意の出頭による参考人招致と違い、議員証言法により出頭や証言を義務付けられている。 正当な理由なしに出頭を拒否した場合には1年以下の禁固または10万円以下の罰金、更に虚偽の証言をした場合には、3カ月から10年の懲役が科せられる。 2002年現在、政治家や企業の不祥事を解明するために開くケースが多い。最近では2001/02/28の参院予算委員会でケーエスデー中小企業経営者福祉事業団事件に関連し、参院議員を辞職した村上正邦前自民党参院議員会長に対して行われた。1998/10の改正議員証言法でテレビ中継が認められている。

証人喚問-2

疑惑や不祥事を解明するため憲法62条の規定に基づき、国会が強制的に当事者に証言を求める場。1998年の法改正でテレビ中継が解禁された。 正当な理由なしに出頭を拒んだり証言しなかったりした場合は罰則があり、虚偽の陳述をした場合は偽証罪で告発されることもある。ただ刑事訴追の恐れがある場合は証言を拒むことができる。

消費税-1

89/04に導入された間接税。全ての商品、サービス取引に課税するのが原則だが、埋葬料や火葬料、入学金などは非課税。税率は当初3%だったが、97/04に5%(内、1%は地方消費税)に引き上げられた。1999年度予算で福祉目的化され、与党三党の連立合意に福祉目的税に改める方針が盛り込まれている。消費税収は2000年度予算ベースの国、地方合計で約12兆4,000億円。国の約9兆9,000億円のうち約3割は地方交付税として地方の財源となり、残りの約6億9,000億円が基礎年金、老人医療、介護など社会福祉財源として使われている。

消費税-2

商品の購入やサービスの利用にかかる税金のこと。89/04に税率3%で導入され、97/04からは税率が5%に引き上げられた。政府税制調査会は00/07にまとめた中期答申で税率の引き上げを示唆。通産省は国庫に入るはずの消費税が事業者の手元に残ることを防ぐインボイス(税額明記の伝票)の導入を求めている。英国やドイツなど日本の消費税に相当する付加価値税を導入している西欧諸国では、消費者向けに税金を含めた総額表示をするのが一般的。欧州連合が消費者保護に関する指令の中で総額表示を求め、各国も法令で税込価格の明記を促している。

消費税の益税問題

消費者が払った消費税の一部が納税されずに事業者の手元に残ってしまうこと。2002年現在、中小、零細事業者の事務負担などに配慮し、年間売上高を基準に消費税の納税を免除したり、仕入を売上の一定比率として簡単に計算、納税できる簡易課税制度が設けられているが、これらの制度を使うと、事業者は消費税の一部を収益として自分の懐に入れることができると指摘されている。

商品取引所法

国内の商品取引所の組織や営業形態だけでなく、取引を仲介する商品取引会社の禁止行為まで商品取引全般を規程した法律。第二次世界大戦後に証券取引と商品取引が完全分離され、証券取引法と別に1950年に制定された。国内では2000年現在、同法下で7商品取引所が運営されている。大小合わせて20回以上の改正を繰り返しており、1998年の法改正では新規上場の手続簡素化や商品取引会社の手数料自由化などが盛り込まれた。ただ上場商品に関しては一環して物品に限る規定が残っている。

商法改正

1899年に00/04現在の商法が施行されて以来、今までに20回以上改正された。1950年の大改正では、株主の権利の拡大や資金調達機能の強化、取締役の責任の強化などが盛り込まれた。株式会社制度の全面的な見直しはこれ以来されていない。その後は1974年の監査制度の強化や、1981年の株主総会の強化、1990年の最低資本金制度の導入など、その時々の需要にこたえる形で改正作業が断片的に続いてきた。最近ではストックオプション制度を導入する改正が議員立法で行われた。

情報化投資

企業が業務効率化や営業力向上などを目的にオフィスや向上に導入する情報機器やソフトウェアへの投資のこと。具体的には、@コンピュータや周辺機器などの有形固定資産、Aソフト開発費などの費用処理されない無形固定資産、B機器やソフトのリース費用、C備品として費用処理されるパソコンや事務機器などに分かれる。

情報化保険

コンピュータや情報ネットワークの機能が正常に働かないことで生じる損失を補償する保険。代表商品のコンピュータ総合保険は、機器の物的損害や磁気テープなどの再製作費用、業務停止に伴なう損失など、原則として偶発事故による一切の損害に保険金を支払う。 84年に起きた東京世田谷の電話ケーブル火災事故では日本電信電話(当時の電電公社)に対して損害賠償請求訴訟が起こされたことをきっかけに、90年にネットワーク中断保険が発売された。コンピュータウィルスの感染による損害などを補償する新型商品も登場している。情報化の進展で今後も需要の増加が見込まれ、損保各社は商品開発やネットワークの保安に関するコンサルティング業務の充実に取り組んでいる。

情報処理技術者試験

ソフトウェア技術者の育成を目的に1969年に設けられた国家試験。1999年度末までに542万人が受験し、85万人が合格している。多くの企業が合格者に一時金を与えたり、給与査定に反映したりするなど、IT分野の能力を問う試験として定着している。タイやフィリピン、韓国などアジア各国の関心も高い。通産省はITの変化が急速になっていることなどを受け、2001年度から試験制度を改める。ハッカー対策など情報セキュリティに関する試験を新設するほか、第一種試験はソフトウェア開発技術者試験、第二種試験は基本情報技術者試験に改称する。

正味収入保険料-1

損害保険会社が保険本業から得る収入のことで、一般企業の売上高に当たる。契約者から受け取った保険料をもとに、契約の一部を他社に移転する再保険取引などの影響を除いて算出する。上場損保14社の98年度決算によると、正味収入保険料は合計で前年度比で4.5ポイント減少した。97年度の同0.6ポイント減から一段と落ち込み、戦後初めて14社全社で前年度を割り込んだ。景気の低迷で販売不振が続いていることに加え、保険料設定の自由化に伴い価格競争が本格化したことが響いた。 99/07現在の低金利下では収入の目減りを資産運用収益で埋め合わせることが難しい上、事業費の圧縮などの合理化策にも限界がある。今後、経営体力の強化を狙って提携や合併など業界再編が加速する可能性がある。

正味収入保険料-2

一般企業の売上高に相当し、損害保険会社の経営規模を示す主要指標になっている。損保会社が顧客から受け取った保険料収入の合計額を、他の保険会社に契約の一部を移転する再保険取引などによる増減分を修正して算出する。上場損保14社合計の98年度の正味収入保険料は6兆3,000億円と、前年同期比で4.5%減少。景気低迷による販売不振と、保険料設定の自由化で価格競争が激化したことが重なり、戦後初めて全社が前年割れした。99年度は商品開発力や販売力で差がつき、増収と減収の会社との間で二極化の傾向が鮮明になっている。

正味収入保険料-3

損害保険会社の売上規模を示す代表的な指標。保険料収入に、再保険取引で受け取る保険料と支払う保険料を加減するほか、積立保険の保険料のうち将来の満期金に回す部分を控除して算出する。上場損保14社の00/03期の正味収入保険料は合計で6兆2,500億円で、前期比0.8%の減少。東京海上火災保険など4社は増収に転じた。減少幅は縮小しているものの、3年連続の減収となった。一般企業の売上高と異なり、保険リスクを他社に移転する再保険取引の規模が大きく反映するのが特徴。再保険会社に移す契約量を減らすか、海外の保険会社などから引き受ける再保険を多くすれば、一時的に正味収入保険料は大きくなる。ただ、台風など大規模な自然災害が起きると一気に保険金の支払が膨らみ、財務体質の悪化を招く要因にもなる。

剰余金

決算のバランスシート上で資本金や準備金などと並び自己資本を構成する項目の一つ不良債権処理など予想外の損失が発生した場合には、取り崩して損失の穴埋めに充当できる。その厚さが企業の財務余力を示す目安になる。 剰余金は普通株や優先株の配当原資でもある。大手銀行の多くは1998年と1999年に、公的資金による資本注入を受けた。国に優先株を引き受けてもらう形で取り入れた銀行が大半である。 2001年度からは時価会計が導入されるため、保有する有価証券の含み損益の6割を剰余金に加減される。時価評価した場合の損益の4割は、税法上控除されるためである。剰余金が底をついて優先株の配当金が支払えなくなれば、国に議決権が発生して経営に直接関与できるようになる。

職業紹介業

求職者と求人企業を登録して、職や人材を斡旋する事業で、労相の許可が必要。99/12施行の改正職業安定法で、斡旋できる業種が港湾運送、建設業以外の全分野に広がり、2000年現在、新規参入が相次いでいる。許可を受けた事業所は00/03末時点で4,200にのぼる。求人誌や求人広告のように、求人、求職情報を提供するだけで斡旋を行わなければ職業紹介にあたらない。

食品リサイクル法

正式名称は食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律。小売、外食、食品加工メーカーなど食品を扱う全ての事業者を対象に、生ごみのリサイクル促進と排出削減を義務付けている。00/05末に成立し、01/04に施行する予定。 2000年現在、製造、流通、消費の各段階で、売れ残りや食べ残しなどの食品廃棄物は年間2000万トン程度が排出されており、一般廃棄物全体の3割を占めている。このうち事業者が排出しているのは940万トン。スーパーやコンビニエンスストアなどで賞味期限が切れたり、品質が劣化したりした食材は、多くが埋立や焼却の形で処分されている。農水省は新法施行で肥料や飼料として畑作や畜産に再利用する仕組みの構築を目指している。

所信表明演説

首相が当面の政策運営や重点課題などを説明するため、衆参両院本会議で行う演説。新たに就任した首相が新内閣を発足させた際に行うほか、臨時国会の冒頭で行うことが多い。通常国会の冒頭で首相が行う施政方針演説と異なり、蔵相の財政演説、外相の外交演説、企画庁長官の経済演説を伴わない。施政方針演説と同様、国会法70条に基づいて慣例として行われているもので、法令で義務付けられているものではない。新内閣発足後何日以内に行うなどの規定もなく、国会の会期途中で行うこともある。

所得税の課税最低限

所得税は収入が一定水準以下の低所得者層には課税されず、その課税と非課税を分ける年収水準のこと。99/12現在は夫婦子2人の標準的なサラリーマン世帯(内1人は16歳未満、1人は16歳以上23歳未満)で382万円、夫婦子1人のサラリーマン世帯(16歳未満)で285万7,000円となっている。所得税は年収から基礎控除などの各種控除を差し引いた所得金額に税率を掛けて算定する。控除の合計が年収を上回れば所得金額がゼロになり、税金がかからなくなる。課税最低限は各種控除の合計額と同じで、控除を縮小すると課税最低限も下がり、所得税を負担する世帯が増加することになる。

所得税の税率

個人が1月1日から12月31日までの一年間に得た所得にかかる税金の税率のこと。2002/01現在、利子所得など源泉分離課税の対象となる所得についてはそれぞれ税率が決まっているが、一般的に給与所得など課税総所得にかかる税率を指す。税負担の公平性に配慮し、所得が多いほど税率も高くなる累進課税を適用している。 2002/01現在、所得税率は、10、20、30、37%の四段階で、個人住民税を合わせた最高税率は50%となっている。1999年度の税制改正で所得税、住民税の最高税率は15ポイント引き下げられた。また「恒久的減税」として、25万円を限度に所得税額に対し20%の定率減税が毎年実施されている。

書面交付義務

商品やサービスを提供する業者が消費者と契約を結ぶ際に、契約内容を記載した書面を消費者に渡す義務のこと。取引関連法には書面交付義務が盛り込まれている。例えば訪問販売方では前払方式で通信販売をする場合、消費者からの契約申込への承諾通知を業者が書面でしなければならない仕組み。インターネットを通じた取引の利点は間単で迅速にできるという点。書面による交付を別途、義務付ければ、その特性を失いかねない。

書面による取次

銀行が株式など有価証券の売買注文を書面で受け付け、証券会社に取り次ぐ業務のこと。銀行法や証券取引法は銀行がこの業務をすることを認めているが、大蔵省が政府指導で禁止してきた。ただ、99/09現在、信託銀行に関しては例外扱いで認められている。書面による取次の手数料は、東京証券取引所のルールで株式売買委託手数料のうち20%の割戻しを信託銀行が証券会社から受けられることが決まっている。同様のルールは他の証券取引所にもある。ただ、このルールは99/10/01の株式売買委託手数料の完全自由化にあわせて撤廃される。信託銀行は年金試算を企業年金基金などから受託した債に、その一部を株式などで運用している。そこから発生する書面取次手数料は大手信託で年間数十億円規模にもなり、収益源の1つとなっている。

ショートスクイーズ

債券市場で、品薄銘柄の大部分を買い占め利益を狙う手法。例えば、先物決済用の受け渡し適格銘柄を債券レポ(現金担保付き債券貸借取引)市場などで集めるとともに、債券先物を買っておく。売り方が受け渡す現物債が無いため、先物を買い戻せば、スクイーズを仕掛けた側は値上がり益を得られる。日本の10年国債先物の受け渡し適格銘柄は残存期間が7〜11年の債券に限られ通常は残存が7年に最も近い国債が最割安銘柄となる。現在の中心限月である98/12月物の最割安銘柄は現存額が約2兆円と少なく、スクイーズの可能性が指摘されている。違約金を支払えば売り方が買い方に債券を渡さなくてもよいフェイルの導入や、国債の発行を3ヶ月に1度にして1銘柄あたりの発行額を増やすことによる流動性の向上など、制度改革を求める声が出ている。

新規株式公開-1

企業が証券取引所に上場したり、店頭登録する際に、新規に株式を発行して投資家から資金を募集することを指す。公開時に既存の大株主が保有株を売却する売出を同時に実施することも多いが、公募株と売出株は同じ価格で販売される。Initial Public Offering(IPO)とも呼ぶ。 2000年現在、東京証券取引所のマザーズやナスダックジャパンなど新興企業向け新市場が本格稼動したことで、新規公開企業数は増加傾向にある。2000年上半期には合計71社が新規に株式公開し、うち55社が公募と売出を同時に実施した。

新規株式公開-2

企業が証券取引所に上場したり店頭登録したりする際、新規に株式を発行して投資家から資金を調達すること。Initial Public Offering(IPO)とも呼ぶ。公開時にオーナー経営者やベンチャーキャピタルなど既存の大株主が保有株を売却する売出しを同時に実施することも多いが、公募株と売出株は同じ価格で販売される。 2001年現在、東京証券取引所のマザーズやナスダックジャパンなど新興企業向け新市場が本格稼動したことで、新規公開企業数は急増している。IPOの引受はリスクが高い半面、既存公開企業の引受より手数料率が高く、証券会社にとっては高収益が見込める分野である。

新規財源債

政府が財源不足を補うため新たに発行する国債。2001年度の発行額は約28兆円だった。 財務省がまとめた財政の中期展望によれば、2002年度には新規財源債を約33兆円発行しなければならない。2001年現在、小泉純一郎首相はこの新規財源債の発行額を30兆円に抑えることを目標にしている。 国債には新規財源債のほか、過去の国債の借換のために発行する借換債、財投機関に貸し付ける資金を調達するために発行する財投債がある。2001年度の国際全体の発行額は約131兆円となる。

信金の相互援助制度

全国に410ある信用金庫の系統金融機関、全国信用金庫連合会(全信連)を主体にした信金の経営支援制度のこと。相互扶助という信金の経営理念から生まれた制度で、全信連による経営コンサルティングのほか、全信連と各信金が共同で拠出した基金からの資金援助などが中核となっている。信金業界では、業界のイメージを保つため、経営が悪化した信金を大蔵省による業務停止命令を受ける前に別の信金に吸収合併させてきた。こうした処理を資金援助などを通じて業界をあげて支援してきた。全信連は今後も経営破綻した信金の業界内処理を継続する考え。しかし、援助基金への拠出金の負担増大を懸念する一部の信金からは業界内処理はもはや限界との声も出始めた。

新興企業向け株式市場-1

企業規模の比較的小さいベンチャー企業の株式公開を主な対象とする市場。従来、こうした市場は日本証券業協会が運営する店頭市場しかなかったが、1999/11に東証マザーズ、2000/05に大証ナスダックジャパン市場が開設された。 上場の基準はいずれも東証一、二部に比べて緩く、赤字や債務超過の企業でも成長性さえあれば公開が可能な市場もある。2001/04現在、店頭、ナスダックジャパンは幅広い業種の銘柄を集めており、マザーズは情報通信関連や巨額の初期投資を必要とするインフラ型企業を主な対象としている。 ベンチャー企業の公開意欲の高まりに対応し、札幌証券取引所の「アンビシャス」や福岡証券取引所の「Qボード」など、地方の取引所も新市場を設置したが、上場企業はほとんど出ていない。

新興企業向け株式市場-2

比較的小規模なベンチャー企業の株式公開を主な対象とする市場。1999/11に東証マザーズ、2000/05に大証ナスダックジャパン市場が開設され、2002年現在、1963年発足の店頭(ジャスダック)市場を合わせた主要三市場がある。 将来の成長が期待できれば、赤字企業や設立後間もない会社でも株式を公開できるのが特徴。2002年現在、ジャスダックとナスダックジャパンには小売や製造業など従来型産業を含めた幅広い業種の企業が上場している。マザーズは情報通信関連やWOWOWなど巨額の初期投資を必要とする企業の上場が目立つ。

人工血液

血液を代替する人工物の総称。ケガや手術時の緊急輸血などに使う。血液には様々な種類の細胞が含まれており、2002年現在、酸素を運搬する赤血球、出血を止める血小板、ウイルスなど異物を除去する免疫グロブリンの三分野で開発が進んでいる。

人材派遣

2002年現在、企業への派遣を希望する人材をあらかじめ登録しておき、労働力を求める企業の条件に合う人材を期間限定で送り込む「一般労働者派遣」が主流となっている。派遣会社は派遣先企業から料金を徴収し、派遣者に給与を支払う。1986年施行の労働派遣法の規定に基づき、厚生労働大臣の許可が必要。許可を受けた事業所は、2002/05/01時点で7,347となっている。 総務省の2001/08の調査によると、派遣者数は約45万人で、役員を除く雇用者に占める割合は約0.9%となっている。派遣会社の売上高合計に基づく一般労働者派遣の市場規模は、2000年度で前年度比19%増の1兆2,847億円となっている。1999/12の規制緩和で対象業務が一部を除き自由化された。

人材派遣の規制緩和

労働者派遣法に基づく人材派遣制度の自由化のこと。1999/12施行の改正労働者派遣法は、それまでOA機器操作など26の業務に限定していた派遣対象を拡大し、一部の業務を除き原則自由化した。2001/06現在、従来の26業務での派遣期間は最長3年まで認めているが、販売、営業職など新たに解禁した業務の派遣期間は最長1年にとどまっている。 派遣業務の対象外とされたのは、港湾運送、建設、医療関係、製造業、弁護士などで、人材派遣業界からは製造業への派遣解禁を求める声が多い。2000/12には規制緩和の第二段として、派遣期間を事実上の試用期間とし、将来の正社員への採用に道を開く紹介予定派遣制度が解禁された。

人事委員会

地方公務員の給与や勤務条件などを決める行政機関。99/10現在、都道府県と政令指定都市、東京23区が設置しており、それ以外の市では公平委員会を設けている。年1回の人事委員会勧告では、給与改定や勤務時間など労働条件の改善を盛り込み、知事、市長と議長らに対して報告する。給与改定は国家公務員の給与改定についての人事院勧告や、各地の民間企業の旧水準などを勘案して勧告する。もともとは民間より低い公務員の給与水準を民間並みに近づける狙いがある。。ただ、近年は自治体の財政難に加え、民間企業も給与を削減しており、勧告を受けた知事らが完全実施をしない例も目立つ。

シンジケート団

一般的には、複数の金融機関が集まって融資をしたり国債を引き受けたりする時の連合を指す。シ団に入る金融機関の募り方には、市場で多くの銀行に参加を求めるゼネラルシンジケーション方式と、少数に対して個別に参加を依頼するクラブディール方式とがある。

シンジケートローン

複数の金融機関が一定の貸出条件で資金を取りまとめ、同一の貸出契約書に基づいた融資をすること。市場での銀行間取引金利を基準に融資金利を設定、参加金融機関を公募し、融資団を結成する。従来の協調融資と異なり、企業の取引行以外の銀行も参加できる。中心は中長期の貸出だが、運転資金のような短期資金を融資融資する案件も出てきた。企業が最も有利な条件を提示した銀行を幹事行として指名。金利は市場の実勢レートに利鞘を乗せて決める。幹事校は複数の金融機関に条件を提示して参加を募り、融資をまとめ、手数料も獲得する。欧米では単独の銀行で対応できない多額の資金需要に対応する手法として一般的。国内でも自己資本比率規制で資産を増やせない都銀などがリスク分散できるとして取り組み始めている。

新設住宅着工戸数

新築住宅の完成時に建築主が都道府県知事に対して提出しなければならない建築工事届の受理数を合計し、国土交通省が毎月発表する。利用関係別では持ち家に該当する注文戸建住宅、賃貸アパートなどに代表される貸家、マンションや分譲戸建住宅などを含む分譲住宅、給与住宅の四種類に分かれる。

信託勘定

貸付信託や金銭信託など信託銀行が顧客から受託した信託財産を処理する経理上の勘定のこと。信託銀行は信託法で、信託により集めた財産と自前の財産を分別管理することが義務付けられている。信託財産の運用状況などは信託勘定で把握できる仕組みになっている。信託勘定と別に、信託銀行は都市銀行のような銀行業務を営むための銀行勘定も持っている。銀行勘定には資産や負債、損益など銀行業務の状況などが反映されす。信託財産として集めた資金の一部は貸出に回っている。貸付信託がその代表例である。ただ、融資先の経営が悪化すると銀行勘定では引当金を積んで健全性の確保に動くが、信託勘定には引当制度がない。99/12現在、信託勘定は銀行勘定に比べ不良債権処理が遅れているとの指摘が出ている。

信託業務の規制緩和

99/09現在、金融制度改革の焦点の1つとなっている。大蔵省は52年以来、都市銀行などの信託兼営を原則禁止、兼営を認める大和銀行も、貸付信託を対象業務から外してきた。政策を転換したのが、93年。都銀や長期信用銀行、証券会社などが子会社を設立して信託業務に参入することを解禁した。ただし、この時点では取り扱える業務には制限があった。 93年以降、特定金銭信託(特金)や貸付信託などの業務が順次解禁されてきた。99/10には年金信託と年金特金が解禁され、信託子会社も専業信託並みの業務が扱えるようになる予定。ただ、最近は都銀と信託銀行が共同店舗を設立したり、都銀の傘下に入る専業信託も出てきており、子会社方式による規制緩和策は歴史的な役割を終えたとの指摘もある。金融審議会は都銀などの信託兼営について議論を開始する予定である。

信託財産

財産の所有者が一定目的に従って財産管理、処分を依頼する信託制度が信託法で認められている。受託者に引き渡す財産を信託財産といい、法律によって金銭、株券などの有価証券、動産、土地や建物といった不動産などに限られている。投信、投資顧問会社は個人や事業法人、年金基金などから集めた資金を運用する際に実際の財産を信託銀行に預け、運用指図だけをする。投信や年金特定金銭信託(年金特金)といいた信託商品を通じて委託し、配当金の入出金、決済などは信託銀行に任せる。

信託再編

2001年現在、金融再編を主導してきた大手都市銀行が総合金融サービスを提供するうえで親密な信託銀行の連携は最大の焦点である。各行が重視する富裕層との取引では、遺言信託や不動産仲介などの信託商品が取引のきっかけになるほか、上場を目指す中小企業の囲い込みには証券代行が近道となるためである。 信託再編の最初のきっかけは、1994年秋の旧三菱銀行による日本信託銀行の子会社化である。その後、1999年に富士銀行が安田信託銀行を子会社化するとともに、第一勧業銀行との共同出資で設立した2001年現在のみずほ信託銀行に、年金など法人向け信託業務を譲渡した。

信託受益権-1

信託銀行に資産を譲渡した際に、譲渡した資産から生み出される収益と元本を受け取ることができる権利。信託銀行を使った資産の証券化では、投資家は信託銀行が発行する信託受益権証書を購入する形をとる。貸出債権やリース債権など、様々な債権の証券化で信託受益権方式は広く利用されている。特別目的会社(SPC)方式に比べて事務手続きが簡単で、コストが抑えられるのが利点。一方、信託受益権を他の投資家に譲渡する場合は通常、信託銀行の了解が必要となるため、SPC方式よりも流動性が劣る。 00/03現在では、不動産の証券化に頻繁に利用されている。不動産を一旦信託銀行に譲渡し、信託受益権を購入する形をとれば、登録免許税など投資家の税負担が大きく抑えられるためである。

信託受益権-2

信託銀行に債権などの資産を信託し、その資産から生まれる収益と元本を受け取ることができる権利。信託受益権方式を使った債権流動化は、信託銀行が小口化して発行する信託受益権証書を投資家が購入する形をとる。信託受益権の裏付けとなる債権は貸出債権のほか、リース、割賦債権、カード債権など種類が多い。債権流動化には信託受益権方式のほかに、特定目的会社を使って資産担保証券を発行する手法もある。信託受益権方式はSPC方式に比べ事務手続が簡単で発行コストを低く抑えられる利点がある一方、流動性が低いという難点もある。

親任式と認証式

国会で指名を受けた首相は、皇居での親任式を経て、初めて首相となる。親任式に先立ち、衆院議長が国会で新首相を指名した旨を天皇陛下に内奏。親任式では前任の首相が新首相に官記(辞令書)を手渡し、新首相が正式に就任する。親任式には参院議長と内閣総務官も侍立する。 続いて行われる閣僚の認証式では、閣僚が一人ずつ入室。新首相が官記を手渡し、各閣僚は「国務相」に就任する。 首相はこの後、首相官邸で各国務相に「財務相」、「外相」などの補職辞令を交付する。初閣議を開いた後、官邸玄関ホールの階段で恒例の写真撮影を行う。 2001/01の中央省庁再編を機に、副大臣と官房副長官にも認証式を行うことになった。

人民元切上論

中国当局は1990年代後半から2001年現在まで、通貨人民元の対ドルレートを1ドル8.3元前後の狭い範囲での変動に抑えている。これに対し、中国が近年、輸出や外資導入額を急速に拡大してきたことから「人民元は中国経済の実力に比べて過小評価されている」として、元の為替レート切上を求める声が日本や米国、アジア諸国などで浮上している。 中国当局は、人民元がドル以外の主要貿易相手国通貨に対しては上昇してきたと指摘、実効レートは切り上がっていると反論している。この背景には、1997年のアジア通貨危機で東南アジアや韓国などの通過がドルに対して急落し、日本円やユーロの対ドル相場も下落傾向を続けてきたことがある。

信用状-1

貿易取引において銀行が取引先企業の依頼を受けて発行する証書。英文の頭文字を取ってLCと略されることが多い。取引先企業の信用力を銀行が保証する証書で、国債貿易取引には必要不可欠である。国際貿易取引では、輸出企業が製品などを輸出してから実際に代金が支払われるまでの間に、輸入元の企業が支払不能となるリスクも生じる。この場合、輸入企業の信用状を発行した銀行が輸出企業に対して代金などの支払いを肩代わりすることになる。国によっては銀行の信用力が高くなく、地元銀行が発行する輸入信用状が認められないケースもある。欧州復興開発銀行(EBRD)の貿易促進プログラムは、信用状を発行する地元銀行にEBRDが保証を付けることで、信用状の国際的な信用力を補完する狙いがある。

信用状-2

貿易取引で銀行が企業の依頼を受け、手数料を取って発行、その企業の信用力を保証する証書。Letter of Creditの頭文字を取り、「L/C」と呼ばれる。 メーカーや商社などが製品を輸出してから実際に代金が支払われるまでの間に、輸入企業が倒産するなどのリスクがある。この場合、輸入企業の信用状を発行した銀行が輸出企業に代金の支払いを肩代わりする。

信用情報

企業の信用力を判断するための情報のこと。売上高や利益水準のほか、銀行からの借入額など有利子負債の状況などの財務データを指す。銀行はこうした情報に基づいて審査を実施、企業の破綻確率などを算出したうえで、融資を実行するかどうか判断する。日本の銀行は不動産担保を前提に融資を実行してきた。しかし、00/02現在、中小企業向け取引を拡大する狙いから、不動産担保には頼らずに融資するケースが増加している。信用情報で企業の破綻リスクを詳細に分析し、それに見合った貸出金利を設定する動きが出始めている。

信用取引-1

投資家が委託保証金を証券会社に担保として預託し、買付資金、売付株券を借りて売買し、一定の期限内に決済する取引。証券会社が投資家に信用を供与する意味から信用取引と呼ばれる。信用取引を使うと自己資金を上回る投資や株価下落のリスクを回避できる。一般的に証券会社は投資家から信用取引の売買注文を受けると、自らの資金、株券や資金が不足する場合は、日本証券金融などの証券金融会社から借りる。これが貸借取引で、99/10現在、融資金利は0.7%、貸株金利はゼロ。投資家が信用取引を開始するには、証券会社に担保である委託保証金を積むことを要求される。信用取引は現物取引に比べてリスクが大きく、資金的に余裕のない投資家を制限している。

信用取引-2

主に個人投資家が証券会社から資金や株券を借りて取引する制度。手持ちの自己資金に比べ大きな取引が可能になるため、相場の読みが当たれば大きな収益を期待できるが、読みが外れれば損失も膨らむ。投資家は委託保証金を証券会社に担保として預託し、株券などを借り入れる。6ヶ月以内に決済する必要がある。99/10には証券会社が投資家に貸し付ける金利も自由化された。証券会社は資金や株券が足りない場合、証券金融会社から借り入れる例も多い。相場上昇で値上がり期待のある銘柄を信用で買う動きが活発になり、00/03/03現在で、東証、大証、名証の信用買い残は4兆9,000億円強に達した。特に情報通新株の買い残が急増、株価下落に伴う信用買いの見切売りが荒っぽい値動きを招く恐れもある。

信用取引-3

投資家が証券会社から買付資金や売り付ける株券を借りて売買すること。51/06にスタートした。実際に保有する資金より大きな金額で取引できるが、リスクも大きい。取引するには、証券会社に一定の委託保証金を差し入れる必要がある。委託保証金は、現金だけでなく株や公社債と言った代用有価証券でも認められる。信用取引で買った株が下がったり空売りしていた銘柄が急騰したりして損失が拡大し、担保に入れた委託保証金の比率が一定基準より低くなると、投資家は証券会社から追加担保の差し入れを求められる。主な取引の対象は、証券会社が証券金融会社から株を借りることができる貸借銘柄。投機色が強まった場合は証券取引所が取引の手法や基準を規制する場合がある。

信用取引-4

投資家が証券会社から資金や株券を借りて株取引する制度。投資家は取引額の三割以上を委託保証金として証券会社に預託する必要がある。株主数など一定の要件を満たした銘柄は貸借銘柄として認められ、証券金融会社から証券会社が株券や資金を調達できる。2000年末現在、東京証券取引所の貸借銘柄は1,328となっている。 制度信用と一般信用に二分類され、制度信用は品貸料や決済期限は証券取引所が決めた基準で適用される。一般信用は投資家と顧客の間で自由に品貸料や期限を決められ、逆日歩など予想外のコスト増要因を嫌う投資家などに利用が広がっている。

信用取引-5

証券会社から借りた資金や株券を利用した株式の売買取引のこと。2002年現在、この取引を行うためには証券会社に専用の口座を開設する必要がある。担保として差し入れる委託保証金は売買代金よりも少額にとどまるため、自己資金を上回る規模の取引を手掛けられる半面、相場の動きを読み誤ると、多額の損失を被る場合もある。 信用取引を利用すると株式相場が下落している局面でも利益の確保を狙うことができる。簡単な例として、A社の株券を借りて1株100円で売却したとする。その後、A社株が70円まで値下がりしたところで買い戻せば、投資家は売値と買値の差額である30円を利益とすることができる。

信用取引残高

株式の信用取引で決済されずに残っている金額。買い残高を信用買い残、売り残高を信用売り残と呼ぶ。東京証券取引所は東京、大阪、名古屋三市場の毎週末の信用取引残高合計を翌火曜日に速報値、同木曜日に確報値で発表している。信用買い残が増えるということは、株価の先高を期待している投資家が増えていることを示す。逆に、売り残の増加は、弱気派の台頭を意味する。ただ、買い残は決済期日が近づくにつれ、売り圧力に変わり、株価の波乱要因に変わる。売り残はその逆になる。東証が99/01/05に発表した98/12/30申し込み現在の信用買い残は8,838億円と、年末ベースで76年末の8,836億円以来の低水準。信用買い残の減少は相場下落の影響で、個人投資家の株離れが主因と見られている。

信用取引の評価損益率

信用取引の買い方がどの程度の含み損益を抱えているかを示す。信用で株を買っている全ての投資家の含み損、含み益をその買付代金で割って算出する。東京証券取引所が毎週木曜日に発表する信用取引現在高から概算できる。含み益が出ると利食う投資家が多いため、未決済の信用買い残は普通含み損を抱えている。含み損は、信用買残−(証券金融会社融資額+証券会社融資額+同一証券会社内食合株数×推定時価) で求める。経験則では評価損益率が3%以下になると、相場に過熱感があり、10%以上になると底入れのシグナルといわれる。98/11現在で、日経平均株価は98/10/09の安値を底に戻しているが、高水準の評価損益率が続いている。98/11/06の評価損益率は17.18%である。

信用保険

債務不履行によって債権者が受ける損害を補填する保険契約。事前に債権者が保険料を支払って損害保険会社と契約する。期日に代金を受け取る権利である売掛債権を保有する企業が相手先の倒産などに備えて活用。割賦販売の代金受取でも利用されている。銀行と損保の連携としては住宅ローンに所得補償保険などを組み合わせた商品が一般的。ローンの利用者がけがなどで住宅ローンを返済できない場合に保険金で賄う仕組みになっている。

信用保証協会

信用保証協会法に基づき、中小企業が金融機関から事業資金を借り入れる際に保証人となって借り入れを容易にすることを目的とした公的機関。国、都道府県、金融機関の出資で、都道府県と大都市を中心に52の協会がある。保証制度は運転資金や事業資金、事業用の車輌ローンなど多岐にわたっている。通産省の調べでは、新たに設置した20兆円の特別枠への申し込みは98/10段階で10万件に迫る勢いで、従来の保証枠への申込金額も前年同期比で15.2%増となっている。98/11現在では景気の低迷を反映して、保証した企業の経営が破綻し、債務を協会が肩代わりする代位弁済も目立っている。

信用リスク-1

貸出資産の返済が滞るリスクのこと。貸出先の財務内容が悪化すればリスクが高まり、財務内容が改善すれば低下する。民間金融機関では企業を信用力に基づいて格付けし貸出金利を決める手法が主流になりつつある。国の信用リスクは財政状況などのほか政治情勢にも左右される。民間銀行は発展途上国政府への融資でもこうしたリスクを反映させた金利を既に適用しており、先進国の公的金融機関が同様の仕組みを導入すれば、新興国の資金調達は信用力に大きく影響されるようになる。

信用リスク-2

融資や金融資本市場での取引で、与信先の企業が収益、財務内容の悪化に伴って契約を履行できなくなる危険性のこと。信用リスクが高いほど、債務不履行や倒産によって保有する債権の元本や利息を回収できない可能性が高まる。銀行などの金融機関は融資先企業を信用リスクの度合いに応じて内部で格付し、貸倒引当金を計上するなど債務不履行のリスクに備えている。この際に必要となるのが信用リスクを定量的に計測し把握するシステムである。引当金の計上など損失への備えだけでなく、銀行が適正な収益を上げるためには、信用リスクの度合いを貸出金の利息などに反映させることが欠かせない。企業も有利な条件で資金を調達するには経営や財務のリストラで信用リスクを低下させる必要がある。

診療報酬-1

医療機関が患者を治療した時に、公的医療保険制度から医療機関に支払われる治療代のこと。2001年現在、虫垂の切除手術であれば、7,470点というように一つ一つの医療行為について点数の形で決められており、1点は10円で換算する。患者を治療すると、検査料、注射料、手術料など受けた処置の点数を合計して算出する。 原則的に2年に一度、物価などを勘案して点数を見直す。次回の改定期は2002年度となっている。点数の見直しだけでなく、投薬や検査などを増やすほど診療報酬も増えていく現行の仕組みを見直し、どのような治療をしても一定の診療報酬しか支払わない定額払い制度の導入拡大も課題となっている。

診療報酬-2

医療機関が投薬、検査、手術など個々の治療行為に対して受け取る診療代金の公定価格のこと。2001年現在、医療機関が検査や投薬の回数を増やすほど報酬も増える「出来高払い」が中心である。単価は物価や人件費などの動向に応じて、定期的に水準を見直している。診療報酬のうち一部は患者が自己負担として医療機関の窓口で支払い、残りは患者が加入している医療保険から医療機関に支払われる。診療報酬の総額が公的医療保険の医療費となる。 薬や医療材料などモノの代金も診療報酬の一部として医療機関に支払われる。モノの代金は公定価格で支払われるが、医療機関は公定価格より安く仕入れるので、その差益も得ている。過去20年間の改定では診療報酬のうち薬などモノの単価を引き下げ、差益は縮小してきた。一方、医師の技術料など診療報酬本体は一貫して引き上げられてきている。

診療報酬の引下

医療費の抑制を目的に、一年間に支払う診療報酬の総額を引き下げること。手術や検査など個々の医療行為についての価格表である診療報酬を原則二年に一度改定する際、改定しない場合に比べどの程度下がるかを示す。2002年度の診療報酬総額は同年度の政府予算を編成する中で1.3%下げることが決まっている。 総額が減れば個々の医療サービスの価格も引き下げられるケースが多くなる。ただ、医療の質を上げるために価格を上げる場合もある。価格を上げた医療サービスの提供が増えたり、流行病があったりすると、診療報酬の総額は予算で決めたほど下がらなかったり、逆に膨らむこともある。

診療報酬明細書

医療機関が診療報酬を請求する際に、患者ごとに診療内容とそれに対応した保険点数を記入したレセプトのこと。特殊法人である社会保険診療報酬支払基金に送付され、内容に問題がないかどうかを審査している。健康保険組合は支払基金に対しレセプト一枚ごとに手数料を支払っている。 レセプトには医師の診療内容や検査、医薬品の処方の状況といったデータが盛り込まれており、内容を詳しく点検すれば不要な検査をしているかどうかといった医療費の無駄を調べられる。基金を通さずに健康保険組合が直接審査できれば医療費支出を削減する作業がしやすくなるほか、基金に支払っている手数料負担を減らすことができるとされる。

森林吸収

京都議定書は、森林樹木などが吸収する二酸化炭素の量をその国の排出削減実績として認める原則を盛り込んでいる。2000年のハーグ会議では、どんな森林を対象にするのか、削減実績に算入する量に上限を設けるかどうかなどを詰める予定だった。日本は削減目標の6%のうち3.7%を森林吸収で賄う計画で、管理された森林だけでなく自然林も吸収源に含め、幅広く削減量として認める案を米国などと共同で提出したが、欧州連合は削減の抜け穴になるとして反対した。議長調停案も算入に厳しい上限を設ける内容で妥協点を見出せなかった。

ストックオプション-1

企業が役員や従業員に、自社株を一定価格で会社から買い取る権利を与える仕組み。株価の上昇時に権利行使して取得し、売却すれば差益が得られる。役員や従業員の意欲を引き出し、業績向上につなげることができる。企業が発行済み株式を取得して権利行使に備える自己株方式と、発行済み株式数の10%を上限に新株を発行する新株方式がある。前者は市場の株式数が減少するため、株価にとって需給改善要因になる。反対に後者は株式数が増加するため、1株利益が減少する可能性がある。自己株方式では企業が予め株式を保有するため、株価の値下がりリスクがある。98/09末の株価急落でCSKの自社株の評価損が6億円強になったほか、大東建託も5億円強に膨らみ、収益を押し下げた企業が相次いだ。

ストックオプション-2

役員や従業員が自社株式をあらかじめ決められた価格で会社から購入する権利。株価上昇時に権利行使し、売却すれば差益が得られる。従業員などに業績向上を株価につなげる動機付けを与えると考えられており、日本企業でも導入が進んでいる。会社が市場から株を集める自己株式取得方式と、新たに株式を発行する新株引受権付与方式がある。自社株ではなく転換社債や、日産自動車が導入する新株引受権付社債(ワラント債)を利用する擬似ストックオプションもある。国内で99/05に導入を決めた企業は京セラなど上場店頭公開合わせて106社。99/06現在、97/05の制度導入から、月間で過去最高となるとともに、制度を実施、もしくは導入した上場公開企業の比率も全体の約7%となった。

ストックオプション-3

あらかじめ決めた価格で自社株を購入できる権利のこと。株価が行使価格よりも高ければ売却益を得ることができるため、業績連動型の報酬形態として日本企業にも広がってきている。2000年度末までに導入方針を発表した企業は全上場企業の約20%にあたる766社に上った。 1997年の商法改正で導入が認められた。@発行済株式をあらかじめ買い付けて権利が行使された際に付与する自己株式方式と、A権利行使のたびに新たに発行した株式を割り当てる新株引受権付与方式がある。前者は流通する株式が多い大企業向き、公社はベンチャー企業に適した形態とされる。

ストリップス債

利付債の元本部分と金利部分を分離し、別々の商品として取引できる債券。元本部分の販売価格は市場実勢を反映して額面から割り引くため割引債の形となり、投資時点で収益を確定できる。金利部分は変動を大きくさせ、小額の元手で多額の収益を確保する機会も生まれる。自民党債券市場問題小委員会は99/05/21に、期間5年の国債などともにストリップス債の発行を提言した。小額の元手で投資できるため、海外投資家の積極参加を促すのに有効な商品と見られるためだ。外国為替等審議会も99/04の答申で、円の国際化を促進するための手段の1つとして提言し、発行の気運が高まっている。米国では10年を超える国債の場合、、3分の1程度がストリップス債になっている。

スプレッドプライシング

普通社債を発行する際、証券会社は投資家に複数の発行条件を提示し需要を探る。発行条件の提示は、表面利率を提示する方法と、国債利回りなど指標金利に対する上乗せ幅(スプレッド)を提示する方法がある。後者をスプレッドプライシングと呼んでいる。表面利率提示による需要予測でも投資家は実際は、指標金利との格差を見る。このため、募集当日の指標金利の変動によって、スプレッドが広がったり縮んだりして、割安感や割高感が出ることがある。スプレッドプライシングならこのリスクは軽減される。関西電力は99/04/01の10年物普通社債(600億円)募集で、電力会社として初めてスプレッドプライシングを採用した。これまでもNTTやトヨタ自動車、日立製作所などが同方式を採用している。

スモールカー-1

エンジン排気量1,000〜1,500ccクラスの車を指す。2001年現在、世界の市場規模は年間600万〜700万台とされ、このうち欧州だけで約400万台を占める。販売価格が割安なほか燃費性能も高いため、今後はアジアの途上国でも販売の中心車種になるものとみられている。 特に中国などでは大都市圏への人口過密に伴う交通渋滞や排ガスによる大気汚染の深刻化を避けるためにも、スモールカーの生産や購入を促進していく必要がある。日米欧の自動車大手にとって途上国でのスモールカー市場で優位性を確立できるかどうかが将来の競争力を左右する。

スモールカー-2

660ccの軽自動車やエンジン排気量1,000ccクラスの小型車を指す。2002年現在、特に日本独自のスモールカー規格である軽自動車は、税金などの維持費用が登録車に比べて安いこともあり、公共交通機関が不便な地方を中心に日常の足として定着。国内の総保有台数に占める軽自動車の割合は約25%にまで達している。

スワップ取引

金融市場で金利や通貨についてお互いの債権と債務を交換する取引。金利や為替の変動リスクを最小限に抑えたり、有利な運用、調達手段を確保したりする狙いがある。変動金利と固定金利を交換するのが金利スワップ取引。例えば金利上昇観測が広がると、銀行から変動金利で資金を借りている企業は利払いが増えかねないため、変動金利を受け取り、固定金利を支払う取引を組む。この結果、銀行への資金の利払いが相殺され、借入金の金利を固定できる。通貨スワップでは円と外貨、又は外貨同士など異なる通貨の債権と債務を交換する。外債を発行する日本企業などが為替リスクを回避するため、外債を実質的に円建債務に置き換える手段として利用している。

生活協同組合

消費生活協同組合法に基づき、消費者が購買組織を作り、共同で商品購入などを行う組合。都道府県単位の地域生協や職場単位の職域生協などがある。2001年現在、日本生活協同組合連合会加盟の611生協の組合員は約2,160万人である。

税効果会計-1

将来の損失に備えた引当金など、会計上はその気の費用として計上しても、無税とされる限度額を超えたりすると、税務上は実際に損失が発生するまで損金と認められない。こうした特殊な収入や費用の発生に伴う税金の増減を期間配分し、決算への影響を少なくしようとする会計処理。税効果を適用した場合、将来支払う税金または還付を繰り延べ税金として資産または負債に計上する。日本では税効果の適用は連結財務諸表上、任意に認められているが、全面適用している会社は少ない。企業会計審議会(蔵相の諮問機関)が98/06に出した意見書では税効果の全面適用の原則が盛り込まれ、国際標準に一歩近づいた。今後は単独決算への適用についても商法との調整を進める必要がある。

税効果会計-2

貸し倒れなど引当金を計上して償却する際、有税か無税かにかかわらず期間収益を適正に表わす会計基準。理論上、その期に支払うべき税金がいくらかを基準に決算書に計上する。銀行などが不良債権を償却する場合、法人税などを払って有税償却し、実際に貸付先が倒産した段階で税金は還付される。導入初年度には、これまで支払った税金のうち、将来還付される見通しの全額をバランスシートの資本の部に繰り入れる。一方、資産の部では同類を繰り延べ税金資産として計上する。

税効果資本

将来戻ってくるはずの税金をあらかじめ資産と見込み、それに見合う分だけ膨らんだ自己資本のこと。例えば銀行が法人税法などで認める水準を超えて貸倒引当金を積んだ場合、超過分は益金とみなされるので、法人税などがかかる。その後、融資先企業の倒産などで損失が確定した時点で、損金となり、納税済みの税金分が実質的に戻る。

政策投資

生命保険会社が団体保険や団体年金契約などを獲得する見返りとして企業の株式を購入、保有する行為。00/04現在、生保は簿価ベースで28兆円の株式を保有する国内最大の株主で、その9割は政策投資株といわれる。生保は政策投資を通じて企業の安定株主となるほか、資金需要に応じて融資もし、鉄鋼、造船、自動車など日本の中核産業の支え役となってきた。しかし、バブル経済の崩壊で株式市場が長期的に低迷し、重厚長大産業の比重が大きい政策投資株の一部は含み損を抱え生保経営を圧迫している。金融ビッグバンの進展で、生保も運用力を強く問われるようになり、収益だけを目的とする純投資の比重を高めている。各社は投資収益率が悪い政策投資株を売却し、高成長の小型株や情報技術(IT)関連株への投資を拡大している。

政策評価

個々の政策の予算支出に対してどれだけの効果を得られるかを客観的に評価すること。費用と効果をそれぞれ数量化して示す費用対効果分析が代表例。民間企業の手法を取り入れた新たな行政手法として80年代以降、英米で広く採用されている新公的経営管理の一環。行政は非効率だとの声に答える狙いがある。立案段階の事前評価と実施後の事後評価に大別できるほか、行政組織による内部評価か第三者による外部評価かと言う実施主体別の区分けもできる。日本では2001/01の中央省庁再編以降、総務省が省庁横断的な政策評価を行うことになっている。

清算機関

株式や債券などの現物、先物を取引した金融機関の決済相手となる機関。清算機関を利用することで金融機関同士が個別に相対で清算するより、決済リスクが低減できるメリットがある。金融機関は多様な市場参加者との決済項目を相殺して、必要な分を清算機関と決済するケースが多い。形態は証券取引所の内部に取り込む場合と、外部に専門機関を置き、証券取引所などの委託を受ける場合がある。東京金融先物取引所に続き、東京証券取引所は99/05に清算機関方式を導入した。決済の債務は取引所が引き取り、市場参加者の決済リスクを軽減した。海外投資家を呼び込む一方、証券の翌日決済に対応する狙いもある。

税収不足と歳入欠陥

税収不足とは、予算編成時の想定税収額よりも実際の税収が少なくなってしまうことをいう。それに対し、歳入欠陥とは税外収入などで穴埋めしても税収不足を埋めきれない場合のことで、国の一般会計は決算上の赤字となる。 歳入欠陥が生じると、一般会計の中の決算調整資金で不足分を埋める。決算調整資金の財源は剰余金や国債整理基金からの繰り入れで賄う。繰り入れた資金は、繰入を実施した年度の翌年度までに返すことになる。

成熟度

制度が成熟した度合いを示す指標で、被保険者数に対する需給権者数の割合、年間給付費と年間掛金との比率、年間給付費に対する積立金の大きさなど、種々の物差しがある。一般に、成熟度が低いほどハイリスクハイリターンの運用が可能であり、高い基金ほど近い将来、相応の給付を行わなければならないのでリスクに対する許容度は小さく、インカムゲインを中心としたローリスクローリターンの運用が必要と考えられる 97/03末の成熟度(受給権者数/被保険者数)は、国民年金25.0%、厚生年金21.0%、国共連(国家公務員共済組合連合会)50.7%、JR151.3%、JT55.0%、NTT103.5%、地方公務員系38.7%、私立学校13.4%、農林27.2%である。

政治倫理審査会

1983年の田中角栄元首相へのロッキード事件一審有罪判決を受け、1985年に衆参両院に設置された。疑惑を受けた議員について審査委員の3分の1以上の申立により、委員の2分の1の議決があった場合に審査を開始することができる。1992年からは議員自身が申し立てた場合にも審査が可能となった。 2001/01現在まででは、1996年に鉄骨加工会社共和からのヤミ献金問題で加藤紘一氏が、1998年に泉井石油商会代表からの資金提供疑惑で山崎拓氏が自ら手続を取り、弁明した例が2例ある。弁明後、問題があったと判断された場合には審査会委員の3分の2の賛成で、登院自粛などの措置を勧告できる。

税制抜本改革

経済や社会の構造変化を踏まえ、所得、法人、資産課税など広い範囲にわたって税体系を見直すこと。原則として年一回実施する年度改正とは別に検討することが多い。歴史的なものとしては、中曽根、竹下両内閣で1987年から1988年にかけて実施した「抜本的税制改革」があり、消費税が創設される一方、所得税負担の累進緩和などが実現した。

製造業の空洞化

製造業の海外生産移管が国内経済に打撃を与えること。製造拠点が海外に移ると国内生産量が減少するだけでなく、雇用や設備投資が海外に移転したり、国内で生産する製品の輸出量が減る。多くの面で国内総生産にマイナスの影響を与えるため、新規産業の育成などの対応策を迫られる。 総務省の労働力調査によると、2001年現在、日本の製造業の就業者数は約1,300万人である。急激な円高に対応するための海外生産拡大や、バブル崩壊後の大幅なリストラが重なり、1990年代から減少傾向が続いている。製造コストの安い中国やアジアへの生産移管が進み、これらの地域からの製品輸入が現在のペースで増加し続ければ、「2005年までに製造業で33万人が職を失う恐れがある」(日本総合研究所)との指摘も出ている。

生損保の相互参入

1989年に始まった保険審議会の保険制度改革論議の柱。1992年の答申で子会社方式による参入が決定した。1996年秋に生命保険会社は損保子会社、損害保険会社は生保子会社の営業を開始した。2001年現在、生保系損保子会社は6社、損保系生保子会社は13社ある。生損保子会社は、営業職員や代理店といった親会社の販売網を通じて、当初は順調に契約を伸ばした。だが、2001年現在、生保系損保子会社が伸び悩んでいる。一般に、損保商品は契約が短期間であるため営業職員の手数料が生保を売る場合に比べて少ない。

生損保融合

生命保険会社と損害保険会社が商品を相互に供給するなど、業態の垣根を超えて連携すること。00/08に第一生命保険は安田火災海上保険との全面提携を発表。第一生命はアメリカンファミリー生命保険ともがん保険の販売で提携したほか、00/09には東京海上火災保険、日動火災海上保険、朝日生命保険が経営統合を前提に新たな保険グループの結成を表明した。生損保融合のきっかけの1つが、2001年に大手生損保に解禁される第三分野商品の販売。がん、医療など生保と損保の協会に当たる保険商品なので、商品の共同開発や既存商品の相互販売で提携しようという機運が高まった。制度面でも、金融当局が00/08中旬に保険会社が他の保険会社の商品の販売を代理することを認め、相互販売が可能になった。

整備新幹線

1973年に決定した全国新幹線鉄道整備計画に基づいて建設中の新幹線。東北新幹線の盛岡〜新青森、北海道新幹線の新青森〜札幌、北陸新幹線の高崎〜長野〜金沢〜大阪、九州新幹線の博多〜西鹿児島、博多〜長崎の5ルートを指す。東海道新幹線などは含まない。線路の総延長は1,514キロメートルに及び、総工事費は運輸省の1997年の試算で7兆897億円となっている。整備新幹線のうち、2000年時点で開業しているのは北陸新幹線の高崎〜長野の間だけ。北海道と九州長崎ルートを除く各路線で部分的に着工しているが、毎年の財源の裏付けが乏しく、すでに着工した区間の工事の進捗率も2000年現在で約52%にとどまっている。

政府系金融機関-1

政府が出資して設立した金融機関。法律によって業務範囲が規制されており、政府の政策に沿って問う融資を実施する。資金は政府出資や国の資金運用部からの借入で賄っている。主な政府系金融機関7行、金庫の貸付残高は、2000/03末時点で140兆円になる。 民間金融機関では引き受けにくい金融を手掛けているとされているが、一部では民間銀行と競合していると指摘されている。2001/03現在、地域開発プロジェクトの行き詰まりなどで不良債権も増加している。政策投資銀行は経営破綻したそごうグループ向けに融資していたほか、リゾート施設「シーガイア」を運営していたフェニックスリゾートの大口債権者にもなっている。

政府系金融機関-2

政府が全額または一部出資した金融機関で、政策に沿った投融資を手掛ける。融資原資を主に財政投融資から調達するほか、国の一般会計から補助金などを受けて民間金融機関に比べ低い金利で融資している。長期ローンなど民間には難しい分野を扱うのが本来の目的だったが、金融技術の発達などにつれ、2001年現在、「民業圧迫」との批判も高まっている。 過去の特殊法人改革では政府系金融機関の統合が目玉となったケースもある。1999/10には日本開発銀行と北海道東北開発公庫が「日本政策投資銀行」、日本輸出入銀行と海外経済協力基金が「国際協力銀行」、国民金融公庫と環境衛生金融公庫が「国民生活金融公庫」にそれぞれ衣替えしている。

政府短期証券(FB)

税収などが入るまで一時的に生じる財政資金の不足分を補ったり、外国為替市場での円売り介入の元手になる円資金を調達するなど短期的な資金需要を賄うために発行する国債。発行期間は従来3ヶ月物しかなかったが、00/04からはより機動的に資金を調達できる2ヶ月物を発行する。 99/03末までFBは日銀が直接引き受けて政府の資金繰りを助けていたが、短期国債市場の活性化などを目指して99/04からは原則として公募入札による市中消化に移行した。99年度に限り経過措置として日銀による引受も併用できたが、00/04からは公募入札方式に全面移行する。大蔵省は段階的にFBの入札額を増やし、市場からの資金調達を拡大してきている。

政府保証債の政策協力消化

政府保証債の販売を円滑にするため、厚生年金基金や投資顧問会社などに購入を義務づける仕組み。経団連は98/02に自民党に提出した規制緩和要望に撤廃を盛り込むなど、経済界から廃止の要望が強い。政府はこれを受け、98年度から廃止した。たとえば、厚年基金は公的年金代行部分の増加分の内3分の1を政府保証債の購入に充てなければならなかった。政府保証債は96年度、公営企業金融公庫債など2兆9,888億円が発行され、うち3分の1程度が協力消化されていた。今後、引受シンジケート団の販売額が増えるため、円滑な販売を危惧する声がある。98年度は政府保証債の発行が前年度より5,000億円程度減少するため、シンジケート団の負担増は限られるとの指摘もある。

政府保証債地方債の時価評価

金融機関が保有する政府保証債、地方債の時価を算定する場合、残存期間が同程度の公営企業金融公庫債や東京都債の公社債店頭基準気配を本に日本証券業協会が定めた数式で算出した価格を採用している。こうした方法が取られてきたのは、都債、公営公庫債を除く大半の政保債地方債が店頭基準気配表に掲載されていないため。ただ、98/12から、このルールが廃止されるため、地方債、政保債の時価評価の統一の物差しが無くなってしまう現時点では、日証協がすべての政保債、地方債の基準気配を発表するという案や、証券会社が個別に公表する社内時価を算定基準として認める案などが考えられているが、事態はまだ収拾していない。

生保系ベンチャーキャピタル

未公開企業に出資する目的で、1990年代前半に大手生保各社が子会社方式で相次ぎ設立。中堅、中小企業に対する株式投資に加え、融資や経営コンサルティング業務をしている。上場時の値上がり益を狙うほか、企業の成長を後押しし、団体保険など保険契約を獲得する目的もある。生保各社は戦後から高度成長期を通じて企業の額面増資に応じていれば、自動的に含み益が増えていた。しかしバブル崩壊で環境は一変、ピーク時に大手8社ベースで37兆円あった株式含み益は、2001/01現在、10兆円を割り込んでいる。

生保の一般勘定-1

生命保険会社の保険商品は、契約締結時に定めた保険金額が保険期間中一定の定額保険と、実績配当型商品で保険金額が変動する変額保険に分けられる。定期保険や終身保険、団体保険など一般的な生保商品は全て定額保険である。変額保険は86年に商品化されており、導入にあたっては、定額保険と資産を明確に区分けして運用する必要が生じた。変額保険の運用のために新たに設けた勘定を特別勘定とし、定額保険部分の資産を一般勘定と呼ぶことにした。企業年金の運用受け皿商品である団体年金保険にも一般勘定と特別勘定がある。実績配当の特別勘定に対して、一般勘定は企業年金の予定利率と同水準の5.5%の利回りを保証していた。しかし、94年、96年度と引き下げられ、99/02現在は2.5%。運用資産も一般勘定は安定運用を重視し、公社債や貸付を主体にしているが、特別勘定は株式などに積極投資している。

生保の一般勘定-2

生命保険会社が個人保険や企業の団体年金など複数の資産を一つの勘定にまとめて管理し合同運用する仕組み。運用資産の大部分を占める。保険料として預った資産を運用し、顧客に対して元本を保証するのに加え、最低保証利回りを予定利率として約束する。保険契約は期間が長いため、大きな運用リスクを避ける必要がある。生保各社はバブル期に高い予定利率を売り物にした養老保険などを拡販して資産を増やした。00/05現在、長引く超低金利で運用実績が予定利率を下回る逆ザヤが発生、損失負担が経営の重荷となっている。逆ザや縮小に向けて予定利率を段階的に引き下げる一方、顧客ごとの運用資産が大きい団体年金では、元本保証がない代わりに、高利回りを狙って成長株や外貨建て資産などに投資することができる特別勘定での受託を積極化している。

生保の逆ザヤ

生命保険会社が実際に運用する利回りが、契約者に保険加入時に約束した保証利回り(予定利率)を下回ることで生じる。生保大手7社の逆ザヤ総額は、2001/03期で1兆2,700億円に達する。 生保は戦後ほぼ一貫して予定利率を4%に設定していたが、「儲けすぎ」批判や簡易保険への対抗から、1985年に最高6%台まで引き上げた。1990年代の超低金利の長期化で運用利回りが悪化する一方、予定利率の引き下げは遅れたとされる。

生保の財務健全性指標

契約者から受け取った保険料を運用する生命保険会社が、株式相場の暴落など予測を超える事態が起きても、契約者に約束通り保険金や年金を支払う力をどれだけ蓄積しているかを示す指標。保険金支払余力比率と呼ばれる。200%以上が健全性の目安で、下回ると金融当局が経営改善を命じる早期是正措置を発動する。 生保が抱える資産運用のリスクや、伝染病などで保険金支払が急増するリスクなどを数量化したものを分母とし、こうしたリスクに備える自己資本や準備金などを分子に算出する。資産運用のリスクが膨らめば比率は下がる。さらに、2001/03末から算出基準を厳格化し、上場株式だけでなく未上場株式、外国証券などの含み損益も反映するよう改めた。

生保の団体年金

企業の厚生年金基金や税制適格年金の年金資金を受託運用する生保の主力商品の一つ。一定の予定利率(保証利回り)を設定したうえで運用が好成績な場合に翌年度に配当利回りを上積みする「一般勘定」と、予定利率なしに生保の運用成績をそのまま反映する「特別勘定」とに分かれる。 団体年金の予定利率は1994年度まで5.5%に設定していたが、その後、低金利の長期化を受けて段階的に引き下げ、1999年度以降は大手7社で1.5%となった。団体年金の予定利率は個人保険と異なり、過去の契約分にも新利率を適用するため資金流出が続いた。2001年現在は、あまりに運用環境が悪いため、低利回りとはいえ、確実に運用利回りを保証する一般勘定が見直されるという皮肉な現象も起きている。

生保の投資顧問子会社

生命保険会社が設立した資産運用のための子会社のこと。親会社が受託した資産について運用助言するほか、親会社から資産の移管を受けたり、企業から年金原資を直接受託したりして運用している。 99/12現在、超低金利が長引く中で、生保にとっては資産運用を専門に手掛ける子会社の重要性が高まっている。日本生命保険が98/07に投資顧問子会社と投信子会社を合併して事業規模を拡大したのをはじめ、各社とも資本を積み増したり、証券会社からトップを招くなどして子会社の体質強化を急いでいる。生保各社は事業規模が拡大するにつれて、取引先ごとに運用方針を変えるなどの機動的な運用が難しくなっており、本体と比べて身軽な資産運用子会社を通じて受託先を広げたい考えである。

生保の特別勘定-1

生命保険会社の運用資産のうち保証利回りがある一般勘定に対し、運用成果をそのまま商品の利回りに反映するのが特別勘定。特別勘定の代表的な保険商品が団体年金保険で、このほか変額保険、変額年金などがある。顧客に最低利回りを約束する一般勘定では株式や外国資産などのリスクを大きく取りにくいが、特別勘定では運用資産の中身を大幅に入れ替えたり、高利回りを目指し運用リスクを積極的に取ることもできる。 2001年現在、生保各社は超低金利が長引くなか、特別勘定を系列の投資顧問と並ぶ資産運用業務の中核に位置付けている。特に信託銀行などと競合する企業年金業務では、保証利回りを固定する一般勘定での受託を手控え、特別勘定での顧客獲得を強化している。

生保の特別勘定-2

生命保険会社の運用資産のうち保証利回り(予定利率)がある一般勘定に対し、運用成果をそのまま商品の利回りに反映するのが特別勘定。一般勘定とは経理上区分して運用する。団体年金や変額保険が代表商品。 2001年現在、低金利や株価低迷が長期化する中で生保各社は、利回りを保証しなければならない一般勘定ではなく、特別勘定での年金資金の取込を狙っているとされる。信託銀行や投資顧問との受託競争は激しく、特別勘定の運用体制をてこ入れしている。 従来は、運用実績が年金資金を委託する際の主な判断基準だったが、生保破綻が相次ぐ中で、格付を重視する傾向も強まっている。これは、破綻時には特別勘定資金も一定割合が削減されるためで、生保業界は特別勘定を全額保護の対象にするよう金融庁に要請している。

生保の年金運用

生命保険会社が厚生年金基金などから年金資金を受託して運用する商品が団体年金保険。一般勘定運用と特別勘定による運用とに分かれる。主力の一般勘定は安定的な利回りを目指すのが特徴で、最低保証利回り(予定利率)を約束する。特別勘定は生保の運用成果が企業年金の運用実績となる。

生保の保有契約高

生命保険会社が引受、保持している有効契約のこと。死亡などの保険事故が発生した場合に生保が支払う責任を負っている保険金額。契約高の増加が保険料収入の増収につながるため、生保各社が最重要の経営指標としており、戦後は一貫して増え続けていた。生保の主な収入源である保険料には、将来の保険金支払に備えた部分と、生保会社の事業経費を賄う部分とが含まれている。既に生保の世帯加入率は飽和状態にある上、超低金利環境下で運用面での大幅な増収も望めないため、保険契約高の減少による保険料収入の減収が生保の経営を悪化させる恐れがある。

生命保険契約者保護機構-1

生命保険会社の破綻に備え、生命保険協会の会員会社全社が参加して、98/12に設立された。破綻生保を救済する会社に資金を援助する。救済会社が現れない場合は、保護機構が破綻生保の保険契約を引き継いで管理する。支援のための財源には、各社が拠出する積立金を充てる。事前積み立て額は最大4,000億円。保険会社が将来の保険金支払のために積み立てている責任準備金の90%を補償するが、経過措置として2001/03までは、一部保険料を除き責任準備金を全額補償、その分の保険契約が保護される。必要な資金が4,000億円を超える破綻の対策は未定。生保協の吉田紘一会長(住友生命保険社長)は破綻が起きた段階で考えざるを得ないとし、大型破綻への対応が今後の課題だ。

生命保険契約者保護機構-2

保険業法に基づき、98/12に設立された生命保険契約者の安全網。国内で営業する全生保が加入する。生保が破綻した場合に、契約者に一定の負担を求めた上で保険契約の受け皿会社に資金援助するほか、受け皿が見つからない時は契約を引き継ぐこともできる。資金援助の財源は加入生保各社の積立金か借入である。保護対象は再保険を除く全保険契約で、生保が保険金支払いのため積み立てる責任準備金の9割を補償する。2001/03末までは個人保険、団体保険などの死亡保険金や入院給付金は全額支払うなどの特例措置があり、借入金に対する政府保証や日銀からの借入が認められている。

生命保険料の非喫煙者割引

たばこを吸わない人は喫煙者より死亡率が低いことに着目、生命保険料を安く設定すること。非喫煙者向けの生保商品は欧米で普及しており、日本でも第百生命保険と米保険大手アメリカンインターナショナルグループ(AIG)系のアリコジャパンが98/02に商品認可を取得した。両者とも定期保険特約の保険料は従来商品に比べて最大約30%安くなる。過去一定期間たばこを吸っておらず、健康状態が優良なことが加入条件。尿検査などで喫煙歴を調べる。景気低迷による新規契約の伸び悩みで、生保各社は保険料割安型の商品を相次ぎ投入している。健康な人を対象にした健康体保険を発売している生保もあり、契約者のリスクの状態に応じて保険料を細かく設定する動きは更に強まっていくとみられる。

整理回収機構-1

1999/04に、旧住宅金融債権管理機構と整理回収銀行が合併して発足した。2001年現在、資本金は2,120億円で預金保険機構が全額出資しており、従業員は約2,400人。初代社長は中坊公平氏である。 不良債権の回収を専門に手掛ける国策会社として誕生。特別調査権を背景に回収を進めるほか、破綻金融機関の経営者の刑事告発なども行う。

整理回収機構-2

破綻した旧住宅金融専門会社の受け皿として設立された旧住宅金融債権管理機構が、整理回収銀行を吸収合併して1999/04に発足。預金保険機構が全額出資している。2001/08現在、破綻した約90の金融機関から不良債権を譲り受け回収してきたほか、金融再生法53条に基づき、健全な金融機関からも不良債権を買い取ってきた。

整理回収機構-3

預金保険機構が全額出資して設立した子会社で、国の関与を間接的に受ける。1999年の設立当初は破綻した金融機関と住宅金融専門会社の資産の整理と回収が主な業務だった。罰則付きの調査権を背景に悪質な借り手からの回収に力を入れてきた経緯がある。 2001/12に成立した改正金融再生法に基づき、不良債権の買取に関する業務が拡大した。再建が可能な企業について合併などの対応策を練るため、弁護士や公認会計士が参加する委員会も設置した。2002年現在、機構が買い取った後、債権の価値が回復せずに損失が発生し、機構の資産だけで穴埋めできない場合は公的資金で肩代わりすることになっている。

整理回収銀行

経営破綻した信用組合の事業を譲り受け、預金の払い戻しや不良債権の回収などの処理を進める銀行。乱脈経営で破綻した旧東京協和、旧安全両信組の処理のため、日銀民間金融機関の共同出資で95/03に設立された東京共同銀行を改組する形で96/08に設立された。譲り受ける事業は預金、貸金、店舗などの債権債務、資産。他に信組職員の一部を再雇用する予定で、組織は本部のほか破綻信組ごとに債権回収などを担当する事業部を設ける。既に共同銀が旧2信組、旧コスモ信組の事業を譲り受けているほか、整理回収銀行に改組後、木津、大阪、山陽、けんみん大和、北九州、田辺などの信組の事業または不良債権の譲渡が決まっている。98/02の預金保険法改正では、一般金融機関が破綻した場合の受け皿銀行としての機能を付与された。

世界国債インデックス

日米欧などの主要国の国債市場の時価総額を基準に全体に占める割合とそれぞれの収益率を算出する指標。ソロモンスミスバーニーなど主要な金融機関が独自の指数を開発している。指数から導かれる収益率などが投資の際の重要な参考指標とされる。インデックスファンドと呼ばれる投資家は指数をベンチマークと位置付け、これに従って国際的な分散投資をする。例えば、ある国債の収益率が高まると、その国債の組入比率が低かったファンドが比率を高める動きにつながる。 1999年当時、海外投資家の多くは日本の長期金利が上昇すると予測していたが、国内の金余り現象により国債市場には大量の資金が流入した。このため、インデックスに忠実な投資家は思うような収益を上げられなかったとの指摘も出ている。

世界貿易機関

英名はWorld Trade Organizationで、WTOと略される。本部はジュネーブ。関税貿易一般協定(GATT)ウルグアイラウンドの最終合意文書に署名した世界130カ国、地域以上の政府、当局の合意を受けて、1995/01に発足した国際機関。モノの貿易だけでなく、サービスや知的所有権を含めた世界貿易を統括する機能を持つ。GATTに比べ国際紛争処理機能を強化している。 ウルグアイラウンドなどで合意した国際貿易に関する取り決めを参加各国、地域が順守するように監視する役割を担う。二年に一回、参加国の閣僚会議を開催するほか、常設の理事会も設けている。

責任準備金-1

生命保険会社が保険契約上の責任を果たすために積み立てるもので、一般に生保の総資産の90%超を占める。積立額は予定利率や契約者の死亡率、生保会社の経費率などについて一定の前提を置いて決めるが、予定利率を高く、死亡率と経費率を低く見込むほど積立額は少なくて済み、保険料も安くなる。 96/04施行の新保険業法で、責任準備金の予定利率や死亡率の標準値を監督当局が告示で定める標準責任準備金制度が導入された。保険会社の健全性の確保と、保険金支払能力の充実が狙い。標準予定利率は国債の応募者利回りを基準に年1回見直すが、制度導入以来年2.75%で据え置かれている。

責任準備金-2

将来支出することになる給付の一部として保有していなければならない金額を、一定の方法により算出した値。換言すれば、採用している財政計画の下で、特定の時点で保有していなければならない額。責任準備金の額の算定は、財政方式と深く関わりがある。制度が継続するという仮定の下では、将来支払うこととなる給付費の予想額の現価から標準額(基金の場合では普通掛金に相当)の収入額の予想額の現価を差し引いて算出される。責任準備金は、毎事業年度末の決算において保有している積立金と対比され、財政運営が計画通りに進行しているかどうかをチェックするのに用いられる。

責任準備金-3

保険会社が将来の保険金支払いに備えて積み立てている保険契約準備金の1つで、保険業法で積立を義務付けられている。保険会社の負債勘定の9割程度を占める。保険会社は保険契約を結ぶ際に、死亡等の支払いリスクをなど通常予想可能なものについては責任準備金の範囲で対応できるとしている。ただ、保険会社は金利や相場変動の激化など資産運用環境の悪化に直面し、責任準備金だけでは全てのリスクを吸収できないのが実情。投資リスクを緩和するため、価格変動準備金を別途積み立てているが、核となる責任準備金自体の積み方の見直しが迫られている。

責任準備金-4

保険会社が将来の保険金や給付金などの支払いに備えて積み立てるお金。保険業法で保険の種類ごとに積立が義務付けられている。積立方式には代表的な例として平準純保険料式、チルメル方式と呼ばれるものがある。最終的な積立額は同じだが、チルメル式の方が最初の積立額が少ない。一般的には生保が平準純保険料式、損保がチルメル式を採用している。2000年現在、金融庁は契約者保護の観点から生損保の共通基準として平準純保険料式の採用を検討している。

責任準備金の積立方式

生命保険会社が将来の保険金の支払い原資として積み立てる方法には平準純保険料式とチルメル式がある。生保会社は96年度決算から採用している方式を開示するようになった。純保険料式は毎年均等額を積み立てるもの。チルメル式は契約初期の積立額を低く抑え、後の保険料収入で穴埋めするもので、新契約の獲得にかかった費用を吸収できない新設会社のために考案され、国内の大手・中堅生保16社のうち6社が採用している。通常は収益基盤の確立に伴い、チルメル方式から純保険料式に移行する。逆に純保険料式からチルメル式に変えれば責任準備金が余り、利益をかさ上げできる。このため、積立方式の変更の有無は生保の財務体力を示す一指標となる。

石油公団-1

1967年に設立された通産省所管の特殊法人。当時の名称は石油開発公団で、1978年に改称された。石油税の税収などをもとでに、日本の石油開発会社が手掛ける石油や天然ガスの探鉱事業を支援するのが主な役割である。事業資金の原則7割を上限に出資や融資をするのが基本的な仕組みで、1999年度末の出融資残高は約1兆300億円。

石油公団-2

石油の探鉱や備蓄への資金供給を目的に、1967年に石油開発公団として発足した。政府は1970年代に二度の石油ショックを経験した反省から、自主開発油田の開発を推進。石油公団を通じて2兆844億円を投じ、293社の石油開発会社を設立した。その結果、日本の原油輸入量に占める自主開発原油の比率は1999年度で15%に達した。 しかし石油開発はリスクが大きく、設立企業のうち2001/03までに173社が探鉱の不発などの理由で事業終結や清算手続に入っている。その間に融資などが不良債権化したものも多く、事業終結に伴う損失累計は5,875億円に達している。1998年に堀内元通産相が投融資の実態を指摘、問題が表面化した。

ゼロエミッション

企業の工場などから排出される廃棄物について、埋立処分量をゼロにすること。単に一企業のごみゼロ活動にとどまらず、ある産業廃棄物を別の産業の原材料やエネルギーに活用し、再資源化などの新産業を育成して産業全体での廃棄物の極小化を目指している。日本の産業界では、キリンビールとアサヒビールが1998年に全工場でゼロエミッションを達成した。

ゼロ金利

日銀が99/02に導入を決めた金融緩和策。短期金融市場に潤沢に資金を供給することで誘導目標としている無担保コール翌日物金利を限りなく0%に近づけ、市場金利全体の押し下げを狙う。金融機関の資金繰りを支援するとともに、企業の資金調達コストの低下を促す効果がある。日銀はゼロ金利政策解除の条件としてデフレ懸念の払拭が展望できる情勢を挙げている。民間需要が自立的な回復に向かうことが判断の基準となる。00/04の金融経済月報で民間設備投資については緩やかながらも増加に転じていると分析。民需のもう一つの柱である個人消費の動向が焦点になっている。

ゼロ金利政策-1

日銀が99/02の政策委員会金融政策決定会合で決定した金融緩和政策。誘導対象とする無担保コール翌日物金利を0%を目標に引き下げることで金利全般を低下させ、金融市場に必要十分な資金が行きわたる効果を狙っている。日銀は銀行や企業が市場から低コストで潤沢な資金を調達できる環境を整え、景気を下支えする構えだ。 99/09現在、日銀は日々の金融調節で市場が必要とする額より1兆円以上多く供給することで、翌日物金利を実質0%に導いている。しかし、長引く金融緩和にもかかわらず、民間銀行の貸出の伸びは、99/08まで20ヶ月連続で前年同月比マイナスが続き、企業の資金需要は低迷している。

ゼロ金利政策-2

日銀が99/02に導入した金融緩和政策。短期金融市場に潤沢な資金を供給し、代表的な短期金利である無担保コール翌日物金利をゼロ%に誘導するとした。

ゼロ金利政策-3

日銀が誘導対象とする無担保コール翌日物金利を、資金の仲介業者の手数料を除いて実質ゼロ%に引き下げる政策運営。1999/02から約1年半実施された。金融システム不安や長期金利の上昇によるデフレスパイラル(景気後退と物価下落の悪循環)を防ぐのが狙い。

ゼロ金利政策-4

日銀が短期金融市場で誘導目標としている無担保コール翌日物金利を限りなくゼロに近づける金融緩和政策。実際に1999/02〜2000/08まで約1年半の間実施した。金利機能を放棄し、市場に潤沢な資金を供給することで、市場金利全体を押し下げる。 景気を下支えするとともに、金融システムの安定化を保つ効果があり、日銀がゼロ金利政策を実施する場合には、金融市場の資金量を調整する金融調節を利用する。市場に資金需要を大幅に上回る資金を供給することで、翌日物金利を押し下げる。

ゼロクーポン債

表面利率がゼロの割引債のこと。発行価格と満期償還金額との差が利息に相当する。発行する企業などにとっては期中の利払い負担やその手続きが無くなるメリットがある。国内では国債、金融債には発行が多いが、社債では転換社債だけで、普通社債にはまだ例が無い。これは国内税制の不整備が障害になっているとの見方が多い。例えば、国内で発行された割引債については譲渡所得は原則非課税だが、海外で発行するゼロクーポン債は総合課税対象となる。償還差益についても、大倉省令で定められた割引債が原則18%の源泉徴収税を課されるのに対し、社債など他の債券は雑所得として総合課税される。

選挙の公示

解散と任期満了による衆院総選挙と、3年に1度総定数の半数を改選する参院通常選挙の期日を有権者に広く知らせること。憲法第7条では内閣の「助言と承認」に基づく天皇の国事行為の一つと規定しており、地方選挙などの期日を知らせる「告示」とは区別している。内閣が日程を閣議決定したうえで天皇に上奏し、官報に掲載する手続きを取る。 公示日には各候補が立候補の届出をする。届出は比例代表選挙は各政党が中央選管に名簿を一括して提出、選挙区選挙は各候補が都道府県選管で手続きをする。非拘束名簿式の導入で、2001年の参院選から比例代表名簿には当選順位を付けず、候補者個人の得票の多い順に当選が決定される。

全銀協のTIBOR見直し

全国銀行協会連合会(全銀協)による円の指標金利であるTIBOR(東京銀行間取引金利)の算出対象金融期間の全面的な見直し。99/03/31までに決定し、99/07/01より新たに指定した金融期間から聞き取った金利を平均してTIBORとして公表する予定だ。全銀協は98/03の公表時点から年度末ごとの見直しを決めていた。日本長期信用銀行が98/10末に算出対象から外れ、対象は18行から17行に減少。見直し基準は市場での実際の取引量やTIBORの活用状況、金利の情報の提供状況などについてアンケートした上で選定する。 TIBORは実際の海外円市場の取引金利より低い金利が提示されるなど、指標性に対する信頼が揺らいでいた。全銀協は今回の見直しでTIBORの指標性を高めたい考えだ。

全銀システム-1

企業や個人間の送金や給与振込などに伴う銀行間の小口の資金決済を処理するシステム。全国銀行協会の加盟行で作る内国為替運営機構が運営主体。00/06現在、担保を差し入れて直接参加しているのは銀行など156社だが、地域の系統金融機関など2,000社以上が間接的に利用している。1営業日当りの取扱額は約9兆円で、取扱件数は450万件程度。金額は日銀ネットなどに比べて少ないが、膨大な件数を処理しているのが特徴。01/01に担保管理が全銀協に移管された後は、に地銀ではなく取扱額で上位10番手までの金融機関が非常時の流動性供給銀行となって、破綻金融機関の支払不能額を肩代わりする。民間の決済システムにはほかに、外国為替取引に使う外為円決済や手形交換などがある。

全銀システム-2

送金や振込など金融機関間の国内為替取引を処理するシステム。00/11現在、担保を差し入れて直接参加しているのは銀行など154社だが、信用金庫や信用組合、労働金庫など2,147社が各業態の共同システムを通じて間接参加。運営は社団法人資格を持つ東京銀行協会があたっている。日本銀行の当座預金を通して資金決済するため、日銀も客員参加している。1営業日の平均取扱額は約8兆8,000億円で、取扱件数は457万件程度。 1973年に第一次システムが稼動、その後データ量の増大などに対応して、6〜8年ごとに次のシステムに更新してきた。2000年現在の第4次システムは95/11に導入、03/11までに保証期間が切れる。

潜在株式

転換社債やワラントの発行に伴って、将来、発行済み株式に加わる可能性のある株式。発行済み株式数に占める比率を潜在株式比率という。株価が転換価額や行使価格を上回った場合、転換行使が進み、株式の供給圧力が増加し上値を抑える要因になる。このため、投資判断するときは、企業のCB転換価額及び転換率、WBの行使価格及び行使率のチェックが必要である。潜在株式が顕在化すれば、1株当たり利益(EPS)や1株当たり純資産(BPS)などの指標の低下につながる要因となる。95年度以降、企業の決算短信や有価証券報告書には、潜在株式数を発行済み株式数に加えて算出した希薄化後EPSの記載が義務付けられている。

潜在競争力

将来、経済成長を実現する素地がどれぐらい整っているかを示す。算定方法については様々な考え方があるが、日本経済研究センターは、10年後の1人当たり国内総生産(GDP)の増加をもたらす要素を比較することで算出した。教育水準が高いことやインフラが整備されていることなどが潜在競争力を高める。競争力の指標としては、スイス経営開発国際研究所(IMD)が毎年発表しているランキングがよく知られている。47カ国、地域が対象であった2000年のIMDランキングでは1位米国、2位シンガポール、3位フィンランドの順で、日本は17位だった。

潜在成長率-1

労働力、資本設備など生産活動に必要な要素を全て使った場合に達成可能な経済成長率。経済の潜在力を示す指標とされ、技術進歩などによって向上する。実際の経済成長率が潜在成長率を下回ると需要が不足する状態になり、人員や設備の過剰が生じる。米国ではインターネットの普及など情報技術(IT)革命で企業の生産性が向上し潜在成長率が上昇、経済全体の供給余力が高まった結果、需要が増えてもインフレになりにくい体質になったとの見方が多い。日本はバブル崩壊後の設備投資の減少で生産設備が老朽化し、潜在成長率の低下が懸念されている。

潜在成長率-2

インフレを起こさずに持続的な成長を実現できる経済の底力を意味する。生産活動に費やすことのできる労働力や設備といった生産資源の量や、労働生産性の高さなどに左右される。この底力がフルに発揮された場合の理論的な経済成長率を潜在成長率という。 2000年現在、米国ではインフレなき高成長が続いている。情報技術革命で生産性が向上、潜在成長率は従来の2%後半から4%以上に上昇したとの見方が有力。これに対し日本の潜在成長率は、石油危機やバブル崩壊などを経て2%程度まで低下しているといわれている。

全産業活動指数

第三次産業活動指数に鉱工業生産指数や農林水産業生産指数など、第一二次産業の活動指数を加味して、全産業の活動状況を指数化した統計。通産省がまとめ、第三次産業活動指数と同日に公表する。四半期と月次指数を約3ヶ月遅れで公表していたが、99/03分から発表時期を早めた。実質成長率が1.9%と予想外に高い伸びを示した99/1〜3月期の国内総生産(GDP)に対し、事前に発表された1〜3月期の全産業活動指数が前期比1.3%増とGDPの動きと符合していたため、GDPの予測指標として市場関係者の注目を集めるようになった。 99/06分と4〜6月期の発表予定日は99/08/25。9月に発表される4〜6月期の実質GDP成長率に先行するため、市場関係者はその数値に高い関心を持っている。

先日付取引

コール市場で、取引の契約が成立した日以降に資金をやり取りする取引。無担保コール翌日物は契約した当日から取引が始まる翌日物だが、契約の次の日から始まる翌日物をトムネ、契約した2営業日後からの翌日物をスポネと呼ぶ。コール市場では常に資金が不足する業態である都市銀行が無担保コール翌日物で資金を調達する傾向が強い。日銀が2000年末をめどに即時決済を導入するのに合わせ、短期金融市場取引活性化研究会は決済リスクを減らすために、先日付け取引を活用する検討を始めている。先日付け取引は1週間から3ヶ月程度までの期間の長い取引が中心だったが、都銀は徐々にトムネの利用を増やしている。

選択的情報開示の禁止

米証券取引委員会(SEC)が00/10から米国企業に対して適用を始めた情報開示に関する新ルール。正式名称をRegulation For Disclosureという。企業が特定のアナリストだけに経営情報を詳しく説明するなど、機密情報を使って株価形成を有利に進めるのを防ぐのが狙い。企業がアナリストや機関投資家の運用担当者などに対し、株価に影響を与える可能性が大きい未公開情報を伝達した場合は、当該情報を早急に一般にも公表することを義務付けている。

セーフガード-1

輸入急増で国内事業者に深刻な被害が出る場合に実施する措置。関税率を引き上げたり輸入数量を制限したりして、輸入増に歯止めをかける。世界貿易機関が認めている。幅広い品目を対象にした一般セーフガードとウルグアイラウンドの関税化品目に適用する特別セーフガード、繊維製品が対象の繊維セーフガードの三種類がある。 一般セーフガードを発動するには利害関係者の意見聴取を進め、輸入急増によって国内産業が打撃を受けていることを明確に証明する必要がある。こうした手続きを進めているうちに国内産業に回復できなくなるような被害が出ると判断した場合は暫定発動できる。

セーフガード-2

輸入急増で国内の生産者に深刻な被害が出るのを避けるため、政府が関税を引き上げたり輸入枠を設けたりして輸入を一時的に制限する措置。米国は米通商法201条に基づいて発動する。世界貿易機関が認めているルールだが、発動には輸入増と国内生産者の被害にはっきりした因果関係があることが要件となる。

早期是正措置

金融監督当局が金融期間に経営の是正を指導するために発動する措置。透明で公正な行政手法に転換する狙いから、98/04に施行された。金融検査監督が金融監督庁に移管されたこととあわせて、監視型金融行政の柱となっている。是正措置は自己資本比率を基準に段階的に発動される。国際決済銀行(BIS)基準を採用している金融機関は自己資本比率が8%(国内基準機関は4%)を下回った段階から、経営改善計画の作成などが義務付けられる。自己資本比率の維持を優先した結果、貸し渋り現象が起きるなど同措置の導入は金融機関の経営に影響を及ぼしている。99年現在では、発動を受けた第二地銀の破綻が続き、破綻の未然防止策としては十分に機能していないとの批判も出ている。

送金手数料

企業や個人が国内外の取引先などと資金をやり取りする債、送金を担う銀行に支払う手数料のこと。定額の手数料や送金額に応じて増減するリフティングチャージなどに分かれる。資金の移動が国内にとどまる場合など、送金の状況に応じて細かい料金体系が設定されている。ただ、98/04の改正外為法施行前後から、引き下げの方向で手数料を見直す銀行が増えている。企業を中心に値引き要請が強まっている為だ。特に、ドルなど外貨と円の交換を伴わない送金で、外為手数料の代わりに設定していた色彩が濃いリフティングチャージについては、削減の動きが顕著。国内企業どうしの外貨決済の普及などで、料金設定の前提条件が崩れつつあるからだ。

総合規制改革会議

規制改革を推進するため、内閣府設置法に基づき、政令で2001/04に設置した首相の諮問機関。規制のあり方を幅広く調査、審議する役割があり、2001/03に廃止された規制改革委員会の機能を継承している。政府の行政改革推進本部の下に設置した規制改革委員会と比べ、事務局体制が強化されている。 会議の委員は15人で、2001/07までは医療、福祉、保育などの社会的規制を重点分野として検討する。その後は規制改革委員会がまとめた規制改革推進3ヵ年計画の改定作業に着手し、2001/12に意見をまとめ、2002/03に改定計画を閣議決定することになっている。

総合経済対策

政府が景気低迷時に総合経済対策、緊急経済対策などの呼称で実施する包括的な政策。設備投資や個人消費といった民間需要の不振を公的需要で補う目的で、国や地方自治体の公共投資の上積み、減税などによる財政出動が柱になることが多い。経済状況に応じて金融政策や規制緩和なども幅広く盛り込む。バブル崩壊後、主なもので7回にわたり策定している。たいていは財政的な裏付けとなる補正予算の編成を伴う。公共投資や公的融資枠の拡充などを総計した事業規模で政策効果を表す。そのうち、国や地方が実際に財政支出をし、用地費などを除いて需要創出効果を持つ金額を真水と呼ぶこともある。

総合健康保険組合

健康保険組合のうち、同業種の中小企業などが集まって作るのが総合健康保険組合。大企業が単独で作る場合は単一組合と呼んで区別する。2001年現在、単一組合の場合は約700人以上、総合健康保険組合の場合は約3,000人以上の加入が設立の条件となり、全国1,780の健康保険組合のうち総合健康保険組合はその20%を占める。 中小企業は政府管掌健康保険組合に加入する場合が多い。健康保険組合は組合員の実態に応じて自由な運営ができるため、保険料率を低くしたりできる場合が多い。

総合口座

銀行の総合口座は普通預金と定期預金をセットにしたもので、普通預金の残高がゼロになっても組み込まれている定期預金を担保に自動的に融資が受けられる。ためる、借りるの機能が一帯になっている利点があるが、定期預金金利が低くなり、資産を増やす機能が低下している。これに対し、証券会社が98年から取り扱いを開始した証券総合口座は、専用の追加型公社債投資信託(MRF)で資金を運用しながら投信や株式を購入できる資産運用型。しかも給与振り込みが認められて決済機能を持つようになり、利便性が向上している。

相互会社-1

保険会社に特有の企業形態。保険契約者が社員(構成員)となり、社員の中から選ばれた社員総代が定期的に社員総代会を開いて重要事項を決めている。収益の大半を契約者に分配し、株式市場の動向に左右されず長期的な安定経営ができる利点がある。海外では最近、経営の行き詰まりによる資本注入の必要性や、業務拡大や合併などに備え、株式会社を目指す動きが活発になっている。米国ではエクイタブルが92年に株式会社化したほか、最大手プルデンシャルも転換を表明した。日本では手続きが複雑で実績が無い。

相互会社-2

国内生命保険会社の大手中堅16社のうち14社が採用している経営形態。株式会社の構成員が株主なのに対し、相互会社では全ての保険契約者が社員と位置付けられている。最高意思決定機関は社員総代会だが、総代の選出手続きなどが不透明との批判がある。米国では相互会社が株式会社化する場合、契約者に株式を割り当てるのが通例だ。既に米大手のエクイタブルが株式会社に転換し、プルデンシャルも早期転換の方針。日本では生保1社あたり1,000万人台の株主が生まれるため、株主総会の運営などが難しくなる恐れもある。

相互会社-3

保険会社だけに認められている会社形態で、営利法人でも公益法人でもない中間法人と位置付けられる。保険契約者は加入と同時に株式会社の株主に相当する社員となり、配当を受けたり、会社経営に参加する権利(議決権)を得る。2001年現在、生命保険会社の大半が採用している。株式会社が新株発行などで資金を集められるのに対して、相互会社には借入金と同様に返済義務のある基金の増額や劣後ローンしか認められない。他企業との合併が難しいといった問題もある。保険業界の再編を後押しするため、政府は2000年に保険業法を改正し、株式会社に転換する際の具体的なルールを定めた。

相互送金-1

郵便貯金口座から民間金融機関の預金口座、あるいは預金口座から貯金口座への資金の移動を直接指示すること。提携先の現金自動預払機から現金を引き出せるだけのオンライン提携よりも一段と踏み込んだサービスとなる。 00/10現在、サービスを実施しているのはシティバンク、大垣共立、香川、新生の4銀行。一部の都市銀行も実施する方向だったが、郵貯との関係を強化したと見られることを懸念して検討を凍結している。

相互送金-2

郵便貯金口座から民間金融機関の預金口座、又は民間口座から郵貯口座への資金移動を直接指示すること。提携先の現金自動預払機から現金を引き出し、入金するだけのオンライン提携よりも一段と踏み込んだサービスになる。郵貯と民間金融機関は1999/01からATMを相互開放し、それぞれのATMで現金の入出金が可能になった。参加する金融機関も当初の115から2000年後半には2,000を超えた。金融界には郵貯が民間金融機関の経営を圧迫しているとの声が根強い。全国銀行協会などが主張の急先鋒となっており、郵貯との提携がその肥大化につながるとする警戒論は多い。このため、相互送金のように踏み込んだ提携が顧客の利便性向上につながると判断しても実際に踏み切るには時間がかかるとの指摘もある。

総資金利ザヤ(Total Average Interest Rate Spread)

銀行が取り扱う全ての資金の運用利回りと調達利回りの差。銀行の経営実態を示す代表的な指標。運用利回りは貸出金利息や保有有価証券利息配当金、コール手形市場での運用利回りなどを平均して算出、運用利回りは預金利息やコール市場からの借入利息に物件費人件費などを含めて計算する。

相続税-1

相続や遺贈などにより財産を取得した人に課せられる税。2001/03現在、税率は遺産総額から各種控除や軽減措置を適用した後の課税遺産額に応じて、10〜70%の9段階に分かれる。課税最低限は5,000万円の基礎控除に、法定相続人1人につき1,000万円を足した金額。法定相続人が妻と子2人の場合、8,000万円までは非課税となる。 遺産額の算定方法は時価評価を原則としつつ、財産の種類に応じて国税庁の通達で定めている。株式の場合、上場会社では課税時期における証券取引所での終値などを、非公開会社では事業が類似した上場会社の株価を参考にしたり、一株当たり純資産価格を評価額にするケースが多い。

相続税-2

親や配偶者などから財産を相続した時にかかる税金。課税対象には現預金や株券などのほか、動産、不動産などあらゆる資産が含まれる。2001年現在の方法は、財産を取得した時の時価を課税価格とし、9段階の累進税率を掛けて税額を算出するもの。財産を取得した人がそれぞれ納付する。

相続税の延納

相続税は通常、人が亡くなった翌日から10ヶ月以内に納めなければならない。税額が10万円を超え、期限までに納めるのが難しい場合は納付を分割して先延ばしする延納が認められる。延納できる期間は相続財産に占める不動産の割合や種類によって変わる。延納を選択すると、期間中に延納税額を毎年分割して納めるのとは別に、利子税を払う必要がある。ただ、延納税と違い、利子税の支払いは所得税の必要経費として扱われる。延納によっても払いきれないと税務署に認められた場合は、金銭に代わって不動産や有価証券などで納める物納を選択できる。

相続税の最高税率

2000年現在、相続税の税率は各種控除や軽減措置を考慮した後の課税遺産額に応じて9段階に分かれており、課税遺産が20億円超の場合に70%の最高税率がかかる。所得税、住民税合計の50%、欧米諸国30〜60%と比べ高水準との指摘がある。ただ、相続税は法定相続人が妻と子3人で9,000万円まで非課税となるなど非課税枠が大きいこともあり、最高税率の適用を受けるのは年間数件にとどまっている。小渕恵三前首相もかつて最高税率引き下げを指示したが、2000年度税制改正では見送られた。

相対収益型投信

株式投資信託には、運用担当者が自らの判断で積極的に銘柄を選ぶアクティブ運用と特定の株価指数に連動するような投資を目指すパッシブ運用がある。相対収益型投信はアクティブ運用のうち、特定の株価指数を上回る成果を目指す投信。一方、絶対収益型は株価指数動向には関係なく、一定の収益を追求する。相対収益型の場合、ある一定期間に基準価格が上昇しても株価指数がそれを上回る勢いで上がっていれば、運用に成功しているとはいえない。基準価格が下落しても株価指数がそれ以上に下がっていれば、運用目標を達成したことになる。相対収益型の担当者は基準となる株価指数とかけ離れた運用実績になるリスクを抑える傾向がある。

想定元本

デリバティブ取引で、オプション料や支払金利などを算出する際、計算の前提となる元本金額。デリバティブ取引は元本金額が移動しない点が特徴だが、取引量を表わす指標としても使われる。あくまでも取引が想定している元本額を意味するだけで、想定元本だけではリスク料を判別するのは不可能。場合によっては、デリバティブ取引に伴う損失が想定元本の何倍にも膨らんだりする。上場企業は98/03期からデリバティブ取引の完全開示が義務付けられた。例えば、ヤクルト本社の同期の有価証券報告書によると、株価指数スワップ取引の契約額(想定元本)は98/03末で361億円。この取引の評価損益は430億円の赤字であると開示されている。

双方向放送サービス

放送局から家庭への一方通行でしか情報を伝えることができない放送と違い、家庭から放送局へ情報を伝える「上り回線」を使って視聴者の要求する番組やサービスをきめ細かく提供できる。2000年末に始まったBS(放送衛星)デジタル放送や2003年から始まる地上はデジタル放送も双方向機能を売り物にしている。 電波を使った放送で双方向を実現するにはインターネットなどを「上り回線」として併用する必要がある。これに対し光ファイバーなどのブロードバンド(高速、大容量)回線を使った放送は「下り」と「上り」を一本の回線で行える。

贈与税-1

個人間の贈与で現金などの財産を得た場合に、財産を受け取った人が支払う税。親から子への生前贈与などに課税上の制限を設けないと、相続税を逃れるために生前贈与を繰り返すといった抜け道ができる。このため相続税を補完する税制として位置付けられる。個人ではなく法人から贈与を受けた場合は一時所得の扱いとなり、所得税が課税される。 2002年現在、贈与税の課税対象は一年間に贈与された財産の合計。親子間などで通常必要と認められる生活費や教育費、社会通念上、相当とされる範囲の贈答品や香典などは非課税となる。また年間110万円までは基礎控除として非課税。税率は10〜70%の13段階で控除後の課税財産額が増えるにつれ、高い税率を適用する超過累進課税となる。

贈与税-2

個人の間で生前に無償で与えた財産にかける税で、財産を受け取った人が支払う。死亡時の相続税を補完する位置付けとなる。生前贈与を使って相続税負担を免れるのを防ぐため、2002年現在、税負担は相続税に比べて重い。税額は贈与を受けた財産額から基礎控除を差し引いて計算する。 高齢世代に偏る金融資産などを若年、中高年世代に移して経済活性化につなげるため、基礎控除は2001年度税制改正で60万円から110万円に拡大された。同時に、一定の条件を満たす住宅取得資金の贈与の特例として設けていた300万円の非課税枠も550万円に広げた。

贈与税の基礎控除

死亡以外の理由によって個人から個人に財産を贈与すると、受け取った人に贈与税がかかる。ただし取得財産が一定額を超えるまでは課税されない。この金額が基礎控除で、2000年現在は60万円。個人が企業から贈与を受けた場合は、贈与税ではなく所得税がかかる。贈与税額は、1月1日から12月31までの1年間に贈与を受けた財産の総額から基礎控除額を差し引き、残りの額に税率をかけて計算する。贈与税の税率は、相続税に比べて累進率が大きい。相続税の課税を逃れるための生前贈与に歯止めをかけるのが目的である。

組閣

新首相は国会で指名を受けた後、首相官邸に組閣本部を設置して閣僚の選考作業に着手する。選考が終わると直ちに皇居で首相の親任式と閣僚の認証式を行う。親任式では衆参両院議長の立会のもと、天皇陛下が首相を任命する。認証式は陛下の前で首相が閣僚一人一人に辞令を渡し、陛下が認証する。閣僚選びは首相の専権事項で、憲法68条で首相が閣僚を任免すると定めている。自民党政権の場合は首相と幹事長、総務会長、政調会長の党三役に官房長官内定者を加えて選考作業に当たるのが通例だ。

即時審査の無担保ローン

不動産や有価証券などの担保を必要としない融資のこと。申し込みから融資の実行までを1〜2日と従来の4分の1程度に短縮し、顧客の資金需要に機動的に応じることができる。ただ、貸し手にとってはリスクが高まるため、金利水準も10〜15%と高水準になる。 1999年までは消費者金融会社などが強みを持っていた分野だが、収益力の向上を求められた銀行が着目。中小企業の運転資金や個人顧客向けの商品として、2000年になって相次いで取り扱いを開始した。顧客から融資の申し込みを受けると、コンピュータが瞬時に倒産、破産確率を算出し、融資実行の可否を判断する。コンピュータに入力するデータベースを充実させることが審査の精度を上げることにつながる。

ソナー

潜水艦が他の船などの位置を知るために使う水中音波探知機。アクティブソナーとパッシブソナーの二種類がある。アクティブソナーは自ら音波を発信、船体などから跳ね返ってくる反響音を聞き障害物を確認する。パッシブソナーは周囲の発する音を注意深く聞き取ることで、船のエンジン音やスクリュー音がないかを確かめる。アクティブソナーの方が精度は高いが、潜水艦自らが発する音波によって他の船舶に存在を知られてしまう可能性がある。

ソフトダラー

1975年にアメリカは、それまで固定制だった委託手数料立体系の自由化を始め、総合的な金融自由化措置が実施された。開始日が5/1のメーデーだったことから、一連の自由化の動きは、イギリスのビッグバン(1985開始)に対してメーデーと呼ばれている。このメーデーは、アメリカの証券会に非常に大きなインパクトを与えた。手数料体系の自由化に伴って、運用機関との間の交渉によって手数料が決定される仕組みになったため、運用機関から手数料の引き下げ要求が強くなってきたのである。そこで、証券会社は、手数料収入の維持を図るために、売買執行業務の遂行にリサーチ情報の提供という付加価値を付けることによって、高い手数料の請求を正当化しようと試みるようになった。固定手数料率性のもとでは、リサーチ情報の提供は無償のサービスという意味合いが強かったが、メーデー以降、一般的に手数料率の低下が見られるようになると、付加的なサービスの提供を無償で行う余裕はなくなってきた。リサーチ情報などに対して、別途対価が要求されるようになったのである。実際には、付加的サービスへの対価は情報提供料などの名目で明示的に請求されるとは限らず、相変わらず手数料と いう名目のもとで一括して請求されるケースが多かった。このようなケースでは、付加的なサービスに対する対価は手数料の中からソフトダラーで支払われたという表現が用いられる。これに対して、付加的サービスへの対価が手数料とは別に明示的に支払われる場合には、その対価がハードダラーで支払われたと表現される。

ソフトの期間貸し

情報サービス会社が自らのサーバーに各種のソフト商品を蓄積しておき、顧客のニーズに対応してインターネットを通じて自由に貸与する事業。ASP(Application Servis Provider)事業と呼ばれ、98年に米国で本格的に始まった。99/12現在、2001年には日本で約3,000億円、世界で2兆円以上の市場規模になると予想されている。日本では情報サービス専業会社が主に手掛けていた。99/12現在では、富士通など大手情報通信機器メーカーがインターネット関連サービス事業の一環として参入し始めた。パッケージとして販売されてきたソフトの事業モデルを変える起爆剤として注目されている。

ソルベンシーマージン-1

保険会社の財務の健全性を示す尺度の一つで、資産運用リスクや保険契約リスクなどにどの程度対応できるかを表す。危険準備金や有価証券などの含み益などのソルベンシーマージン総額をリスク相当額で割って算出する。94年に導入され、96/04の改正保険業法施行に伴い基準を改定した。現在、再度、基準改定作業を進めており、早ければ97年内にも大蔵省から各生保会社に提示される。その算式に基づき、各社は決算後4ヶ月以内に大蔵省に報告することになっている。

ソルベンシーマージン-2

保険版の自己資本基準。保険会社のリスク対応力を示す指標で支払い余力ともいう。多額の保険金払いや、株価下落など資産価格の大幅な変動による損失に対し、どれだけ支払能力があるかを示す。基金、価格変動準備金など支払余力を分子に、各種リスク相当額の半分を分母に置く。支払余力とリスクが1対1なら200%となり、これを下回るとリスクをカバーできないと見なされる。生保各社は98/03期決算からソルベンシーマージン比率を公表する方針だ。日経平均オプション市場では、98/03末にかけて、一部生保が権利行使価格14,000円のプットを大量に購入した。保有株式の値下がりをヘッジし、ソルベンシーマージン比率の上昇を狙った取引と見られる。

ソルベンシーマージン比率-1

大災害で死者やけが人が増えるなど予測できないリスクに対し、保険会社が保険金を支払う力を備えているかどうかを判断するための指標。資本や各種準備金など支払余力をリスクの合計額で割って求める。200%を下回る保険会社は金融監督庁による早期是正措置の対象になる。生保各社が発表した98年度決算では、全社で同比率が200%を超えた。ただ、債務超過で破綻した東邦生命保険も200%を超えたとの決算案をまとめており、同比率で経営の健全性を測ることの妥当性には疑問がある。支払余力には、貸借対照表上は負債になる劣後ローンなども含まれるため、同比率だけでは債務超過かどうかを判断できない。東邦生命の破綻で、新たな経営指標が必要になる可能性も出てきた。

ソルベンシーマージン比率-2

想定を超える保険事故などに対し、保険会社がどれだけ支払い余力を有するかを示す経営指標。一定の算式ではじいた保険金支払いのリスクを分母、自己資本や引当金などを分子として計算する。比率が高いほど経営の健全性が高いとされ、200%を下回ると業務改善命令など金融当局による行政処分の対象となる。生損保会社の中には、これまで劣後ローンやデリバティブ取引により同比率をかさ上げする事例があった。このため、2000/01現在、大蔵省金融監督庁は自己資本に加算できる同ローンの金額に上限を設けるなど規制を厳しくする方針を決めている。

ソルベンシーマージン比率-3

保険会社の経営の健全性を示す指標。一定の算式ではじいた保険金の支払リスクや資産運用リスクなどを分母に、自己資本や各種引当金などを分子にして算出する。この比率が200%未満になると早期是正措置の適用対象になり、100%未満なら自己資本の充実を求められ、マイナスに陥ると一部業務停止命令が発動される。 99/03期決算で主要生保15社が公表した同比率は304.5〜998.0%で、有価証券の含み損益などによって大きく格差が付いていた。ただ債務超過かどうかを判定する際には負債とみなされる劣後ローンが、同比率では分子に算入できるなど、指標性を疑問視する声もある。

ソルベンシーマージン比率-4

保険会社が保険金を支払う余力を示す指標で、財務の健全性を測る1つの目安。大災害で死者が急に増えたり、運用環境が悪化したりといった予測不能なリスク発生を想定して計算する。保険金支払リスクや資産運用リスクなど、リスク合計額の2分の1を分母とし、分子は自己資本や各種引当金、株式含み益など支払い余力合計額で、双方をパーセントで数値化する。金融当局は99/04から同比率に基づく早期是正措置を導入。200%未満だと業務改善命令など行政処分対象になる。

ソルベンシーマージン比率-5

生命保険会社の健全性を測る指標。生保各社が1998/03期から情報開示を始めた。比率が200%を下回ると金融庁が経営改善を命じる早期是正措置を発動する。銀行の自己資本比率規制と似ているが、相互会社形態で自己資本を持たない保険会社の特殊性を考慮し算出されるよう工夫している。

ソルベンシーマージン比率-6

生命保険会社が保険金を支払う能力を示す経営指標。各種準備金や有価証券含み益などの支払余力(ソルベンシーマージン)の合計額を、運用リスクや大規模な災害で死者が急増するリスクなど様々なリスクの合計額で割って求める。2001年現在、200%を下回ると金融当局が経営改善を命じる早期是正措置を発動する。 現在までに破綻した生命保険の中には、破綻直前の決算でソルベンシーマージン比率が200%を超えていた会社もあり、指標としての信頼性を疑問視する声も出ていた。このため金融庁は2001/03決算期から比率の算出方法を一部改定、規準を厳格にした。

損益分岐点比率

企業が赤字にならないために必要な売上高(損益分岐点売上高)が実際の売上高に対してどの水準にあるかを示す。この比率が低いほど企業の経営体質が身軽になっていると言え、不況に対する抵抗力が強い。一般に製造業の経営を分析するのに適した指標だ。損益分岐点売上高とは人件費や減価償却費など収入の変動に左右されない固定費と同じだけの限界利益(売上高から変動費を差し引いた額)を確保できる収入を指す。これを実際の売上高で割ると損益分岐点比率が算出できる。過去23年間継続してデータのとれる上場製造業の損益分岐点比率は97年度に4年ぶりに悪化、87.39%と前年比で0.32ポイント上昇した。過剰な生産設備を抱えていることが比率を押し上げている。

損害保険の事業費率

損害保険会社が契約者から受け取る保険料の内、営業活動や契約の維持管理などにかかるコストが占める割合。損保の経営効率を判断する上で重要な指標の1つで、事業費率の高止まりは利益を圧迫する。上場損保14社の99/03期決算では、14社中9社で事業費率が前年比で上昇した。自由化で競争が激化する中、各社ともコストの削減を進めたが、分母に当たる保険料収入が減少したことが響いた。大手と中小の差も拡大しており、事業費率が最も低い東京海上火災保険と最も高い大成火災海上保険では8%の開きがある。超低金利が長引き、資産運用で収入減を埋めることが難しいうえ、個社の経営合理化策にも限界がある。今後、事業費率を下げるため、損害調査網の共有などの提携が進む可能性が強い。

損害保険の自由化

損害保険各社が設定する保険料率体系に関する規制緩和のこと。従来、損保各社は特殊法人である自動車保険料率算定会など算定会が定めた保険料率体系を適用していたため、保険料率は横並びだった。1998/07の自由化により、算定会が示す料率体系の順守義務は撤廃された。 料率の自由化に伴い、損保各社は各種の割引制度を創設、価格競争が激化した。競争環境の激化は各社の台所事情を直撃し、1999年秋以降の損保再編を引き起こす要因となった。 2001/04には保険代理店に対する手数料体系も自由化された。2001年現在、保険料と手数料の自由化が完了したことで、損保各社の競争は体力消耗戦の様相を一段と強めており、大手と中堅損保の間の経営体力格差は急速に広がりつつある。

損害保険の収支残率

損害保険会社の正味収入保険料から、保険金の支払額や事業費を差し引いた金額が正味収入保険料全体に占める比率のこと。この比率がマイナスになると、損害保険の本業で利益が出ないを示す。上場損保14社の98年度決算では、全社とも収支残率が前年度比で低下した。景気の低迷で保険料収入が減った上、台風7号など自然災害で保険金支払が増えたことが響いた。もっとも、比較的高い収支残率を維持した会社がある一方で、ほとんど本業で利益が出ない水準に落ち込んだ会社もあり、収支力格差が広がっている。損保業界では価格競争が進み、保険料収入の大幅な伸びを期待しにくい。収支残率の改善に事業の効率化が求められている。今後、提携や合併など業界再編が進む可能性がある。

損害保険の代理店通販

損害保険会社の代理店が損保本社の支援を受けて保険商品を通信販売すること。欧米で普及している自動車保険の通販について、国内損保は販売を多様化し顧客層を広げるため、98年から本格的に代理店通販を始めた。代理店が契約更改期にある顧客にDMを発送、郵送で契約を受け付けるなどの形を取る。既に大手4社をはじめ国内損保の大半が代理店通販の認可を取得、契約条件の変更を受け付ける電話センターの開設など支援体制の整備を進めている。一般に通販は代理店手数料を省略でき、その分保険料を安く出来る。保険料が自由化される98/07以降は、代理店の通販事務を代行することで手数料を値下げするなどの動きが出てくる可能性もある。

損害保険料率算定会

民間損害保険会社で構成する中立機関で、1948/11に設立された。会員損保から集めた保険データを基に保険数理上適正と判断できる保険料率を算定し、その情報を損保各社に提供している。 1996/03まで、損保各社は算定会が出した保険料率を基準にプラスマイナス10%の範囲内で保険料を決める義務があった。規制緩和により、2001/03現在、自身保険の基準料率(独占禁止法の適用を受けず各社が一斉に採用できる料率)、火災保険や傷害保険などの参考料率(損保各社が参考にできるが独禁法の適用を受ける料率)を算定するだけになっている。

損害保険料率の自由化

損害保険各社が設定する保険料体系に関する規制緩和のこと。特殊法人である自動車保険料率算定会など算定会の定める保険料体系を守ってきたが、98/07に順守義務が撤廃された。その後、2年間の経過措置を経て、00/07から各社が個別に独自の保険料率を導入できるよう完全に自由化された。料率の自由化に伴い、損保各社は各種の割引制度を創設し、価格競争が激化。ただ、自由化後も算定会料率を参考に保険料体系を決めている例も多い。 01/04には保険代理店に対する手数料体系も自由化される。保険料と手数料の自由化が完了することで、損保各社の経営体力の格差は一段と鮮明になる見通しである。

損保商品の販売資格

2000年現在、保険業法は、損保商品を販売するには所定の講習を受けたうえで資格試験に合格する必要があると定めている。損保商品を販売する代理店で働く人がこの資格の主な取得者。資格には、@一般特級、A工場特級、B上級、C普通、D初級の5段階があり、等級が上になるほど幅広い専門知識が必要となる。資格なしで販売すると保険業法違反で処罰される。銀行が窓口での保険販売を睨み、行員に取らせているのは初級資格。この資格は保険会社の援助や指導のもとで代理店業務を行うことに向けた修得過程にあると定義されている。資格試験については、窓販を睨んだ銀行員の取得が急増しているため、00/11から月2回のペースで初級資格の臨時試験が実施されている。

損保の金融保証業務-1

損害保険会社が貸倒リスクに応じ、保証料を取って債券の元本と利息の支払を保証する。保険引受時のリスク分析を使い、債券発行会社の資産内容やキャッシュフローを割り出す。投資家は保証した財務格付を見て投資に適しているかどうかを判断する。損保の格付が高いと保証を受けた企業の資金調達コストが軽減する。 00/03現在、シングルAの格付を持ち、資金の調達金利が2%の企業が、トリプルAの損保の保証を受けると金利は1.36%に低下する。損保が保証料として0.4%をとっても、0.24%分のコスト削減効果がある。米金融保証専門のエムアイエーとアムバックが業界第1位と第2位。両社は安田火災海上保険、三井海上火災保険と提携し、日本で本格的な保証業務普及を目指している。

損保の金融保証業務-2

損害保険会社が債務者からの委託を受け、債権者に対して契約上の債務や義務を確実に履行することを保証する業務。融資の返済や社債の償還を保証するほか、デリバティブ取引や資産の証券化にかかわる保証などがある。従来はデリバティブ取引に際して、邦銀の信用力を補完する保証が一般的だったが、2000年現在、資産担保証券市場の拡大や、クレジットデリバティブの発展に伴い、損保が保証の形で企業の信用リスクを直接引き受ける形態が広がっている。

損保の401K戦略

損害保険会社は401Kの導入をきっかけに企業年金分野への進出を狙っており、その武器が保険代理店網である。大企業や中堅企業では、日立製作所グループが系列の日立保険サービスを擁しているように、傘下に保険代理店を持っている場合が多い。損保は従来の損保事業を通じて代理店と太いパイプを持っており、有力な販売経路として活用していく考えである。各社とも401Kの導入時は運用子会社の投資信託のほか、本体でGIC(利率保証契約)型の保険商品を提供する計画。運用子会社では東京海上アセットマネジメント投信が年金基金の顧客調査(格付投資情報センター調べ)で1位になるなど、高い評価を得ている例もある。損保本体は401Kの運営管理機関となり、企業向けから個人などリテール分野まで手掛ける方針である。

損保料率の自由化

損害保険会社の保険料率に関する規制緩和のこと。従来、損保各社は特殊法人である損害保険料率算定会の定める保険料率を順守してきた。98/07にはこの順守義務を撤廃、00/07からは各社が個別に独自の保険料率を設定できるよう完全自由化した。保険料率の自由化を受けて、企業向け火災保険などでは激しい価格競争が始まっている。01/04には損保各社が保険代理店に支払う手数料も自由化される予定で、損保各社の経営体力の格差が一段と鮮明になることが予想されている。

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