小笠原夢のたび。

 

ー小笠原。Bonin Island。東京から1000q,船で25時間半かかる世界で一番遠い島。ずっとあこがれてたこの地に,ついに旅立つことができた。海に,山に,クジラに,イルカに,夕日に,そして人に魅せられた旅だったー





2月25日(月)
朝早く千葉を出て,総武快速とゆりかもめで竹芝へ向かう。受け付けで乗船券をもらい,出航を待つ。みんな大きな荷物を抱えてた。乗り込む船は「おがさわら丸(通称おが丸)」。さっそく乗り込み,いよいよ出航。デッキに出てみると風が冷たい。船室に戻り,隣り合わせた人と話す。そのうち前の日に眠れなかったためか,いつのまにか眠ってしまった…

起きるとP.M.6:00。もう日も沈んでしまってて夕日を見逃したか…とちょっと後悔。そのあと買い込んだカップ焼きそばを食べて(お湯はタダで使える),シャワーを浴びるとやることがなくなってしまう。船酔いすると困ると思い活字系の暇つぶしは持ってこなかったので寝るしかなく,そのまま寝てしまうのだったzzz。



2月26日(火)
ハイビスカスの花船室の電気がついたので目が覚める。時計はA.M.6:00。今起きてもヒマなので再び寝て,8:00ころに朝飯のカ○リーメイトをかじる。それから顔を洗ったりして窓の外を見ると島が見えてきた。予定よりちょっと早く,11:00頃父島到着!船を下りると,これから泊まるユースのヘルパーさんがプラカードを持って迎えに来てた。荷物を車で運んでもらい,案内されながらユースまで歩く。あっちこっちにハイビスカスが咲いてるし,日差しは暑いくらい。 南に来たんだなぁと実感する。

近くの浜。キレイユースに到着すると,1日のスケジュールについてペアレントのひとしさんから説明があった。麦茶を飲みつつユースの会員証を預けて,おにぎり(2個で300円)買って食べる。4:00にウェザーステーションでクジラの観察会があるので,同じ船で来た人と行くことにし,それまで街をぶらぶらする。ホエールウォッチング協会で教えてもらって,明日のホエールウォッチングで乗る船を決めて予約に行く。それからすぐ近くの浜に行って海の青さにしばし感動。

海に沈む夕日・・・ 時間になったのでウェザーステーションにみんなで歩いていく。けっこう山道がキツかった…。頂上では説明を受けてみんなでクジラを探す。肉眼でもクジラのブロウ(潮吹き)や潜る時のフィン(ちょっとキラっと光る)が見えてドキドキ。そのあとそのまま夕日が沈むのを見る。海に太陽が沈んでくなんて初めて見た!すっごくキレイだった・・・。

ユースに戻って夕飯。「島トマトwith小笠原の塩」とか「グァバ麺」とか小笠原の食べ物が出てきて美味しかった〜。小笠原ユースではくじ引きで皿洗いを決めるんだけど,早速当たってしまった・・・。皿洗いが終わってからミーティング。ひとしさんが島の見どころを教えてくれた。



2月27日(水)
クジラのしっぽ クジラの背中 今日は朝からホエールウォッチング。乗せてもらうのはPAPAYAさんの船"MissPAPAYA"。ウェットスーツと3点セット(マスク,シュノーケル,フィン)を持って船に乗り込む。出航してしばらくするとさっそくブロウ発見!背中やフィンを眺めながら無線の発見情報を頼りにクジラを探していく。そのうちにかなり近くにクジラ発見! なんと船の周りをぐるぐる周ったり浮き上がってきたりで全員大興奮!!
クジラ接近! こんなに近くに




「こんなに近くに来たのはここ2年ない」とは船長の田中さん。とにかくすごい!でかい!



南島に上陸 小型のボート「まんぼう」に乗り換えて,父島の南いたっ!!にある南島に上陸。ここは,さんご礁が隆起してできた「沈水カルスト地形」という世界に2つしかない珍しい,キレイな島。ボートから崖に飛び移るようにして上陸し,歩いていくとまさに「青い海,白い砂浜・・・」の言葉通りの風景。キレイ・・・ここでお昼休憩。ユースで握ってもらったおにぎりもこんな風景で食べるとまた格別。 お昼を食べて南島を散策したあとはいよいよ ドルフィンスイム!南島を出て少しするとイルカ発見!田中さんの「準備して!」の声に慌ててウェットを着て3点セットをつける。「入って!」の合図で船の後ろのステップからダイブ!1回目は思いっきり水を飲んでしまい,潜るどころの騒目が合っちゃった★ぎじゃなかった・・・ライフジャケットを着せられ,2回目。海に入って潜ると・・・いた!!そのあとも何回か海に入って,遊んでくれるヤツと目が合った!!もうドキドキ。船に上がってからも船の周りにいっぱい来てくれて見ることができた。もう言葉ナシ。

そのあと兄島の海中公園へ。すでにウェットを脱いでたの天然の水族館で「寒い〜!!」と言いながら海に入ったけど,顔をつけるとそこは天国。まるで水族館?!と思うくらいにたくさんの魚と海底のさんご礁。寒さも忘れて見とれてました。

ユースのほかの人は1日がかりで歩いてジョンビーチ&ジニービーチ(略してジョンジニ)に行ったらしい。超キレイなんだって。それもイイなぁ〜。



2月28日(木)
中央山からの眺め 今日はおが丸で隣だった人と原チャを借りて島を周った。原チャは初めてだったけどなんとか運転できた。最初は小港海岸へ。島の海岸はサンゴが多いから裸足はちょっと危ないんだけど,ここは裸足で泳げる。見てるとシーカヤックが出て行くところ。写真を撮って次の場所へ。次は中央山へ。ふもとに原チャを止めて山頂まで歩いていく。360°見渡せた。ここが一番高いのかと思いきや,父島最高峰は他にあるらしい。さすがに歩いていくのはムリそうな位置。

それから,ユースの誰かがおすすめしてた傘山に登ろうとしたけど,入り口がすごく分かりにくい・・・。1回は通り過ぎちゃって,2回目も迷って,ようやく道らしきものを見つけて登っていくと・・・頂上ではホント綺麗な景色が待ってました。苦労して登ったから喜びもひとしお。景色を独り占めしてる気分になれました。

島の花,ビーデビーデこのあと山道を駆け下りて昼ご飯。えび玉丼,ごちそうさまでした(おごってもらっちった)。腹ごしらえした後は周ってなかった宮之浜,釣浜へ。これで島を制覇かな?原チャを返しておみやげ屋さんをのぞく。はからめ(葉っぱから目が出てくる),ドルフィンサブレ(サークルへのおみやげ用),小笠原の塩&島とうがらしセットwithタコの葉細工のかご(自分用),小ビン?!(砂や貝をつめましょう,ということらしい)を買う。ここで一緒の人と別れてインターネットカフェへ。パッションジュースを飲みながらメールを打ったり,友達のBBSにカキコしたりした。

この日,ユースでは出航日前ということで送迎パーティがあった。島寿司とかその他ごちそうがいっぱい出てきた。私もちょっと早く帰ったので島寿司を握らせてもらった(思ったよりちっちゃく握らないといけないらしい)。みんな歌ったり踊ったり(フラダンスしてくれた)して,私も追いコンでやった持ち歌,「サヨナラバス」をやる。やっぱり芸は普段から精進しておかねば,と痛感。最後にみんなで「切手のない贈り物」を歌ってくれた時は涙が出そうだった。




3月1日(金)
今日はいよいよ出航日。午前中はまだ時間があるのでもう1回ホエール&ドルフィンウォッチングの船に乗る。途中ドルフィンスイムですごく近くにイルカが来てい〜な〜と思って(この日は泳がなかった)いるといきなり潮目が変わってすごい波!!船も揺れてマジでびっくりした。泳いでた人も溺れるんじゃないかと思ったけど,無事でした。この日はクジラ,イルカ,海ガメがいた。マンタもいたらしいけど逃げられた・・・。

たくさんの船が見送りにそしていよいよ出航。「島に残る人にハイビスカスを摘んでもらい,それをおが丸から投げるとまたおがさわらに帰ってこれる」というジンクスのもと,残る人にハイビスカスをもらう。みんなで記念撮影をして船に乗り込む。たくさんの船に見送られておが丸が父島を14:00出航。「いってらっしゃ〜い!」の声がして,自分たちも「いってきま〜す!!」と叫ぶ。見送りの船がだんだん少なくなり,切なくなる・・・最後PAPAYAの船が近づいたところでみんなでハイビスカスを投げる。またおがさわらに帰れますように・・・。

ケータ(婿島)の辺りまではクジラがいるようなのでそのままデッキにいると,ブロウが上がった。クジラにも見送られた? 一度船室に戻って一眠りしたあと,夕日が沈む時間に起き出して夕日が沈むのを見る。さよなら,小笠原・・・・・・




3月2日(土)
デッキの中。 起きて着替えたり顔洗ったりしてるとユースで一緒だった人(みんないっしょに乗ったので席が近い)が「おが丸の中見学できるんだけど行かない?」と誘ってくれたので一緒におが丸探検に向かう。普段入れない内部を見ることができた。計器類がいっぱいあってすごかった。子どもがいたので「船長さんの帽子」が出てきたが,かぶって写真撮ってるのは大人ばっかり・・・

いよいよ東京が近づくとみんなで住所交換(東京湾の中に入ると揺れが少なくなるので書きやすい)。そしてついに旅が終わる時が来た。名残惜しいけど竹芝を後にしてゆりかもめ&総武快速へ。現実社会に戻ってきたのでありました。



「異次元」の言葉がぴったりの,まるで夢のような時間でした。
また,帰ろう。小笠原に。