9月5日(日)晴れ

午前:ジャンプ

野沢温泉はとってもいいお天気だった。
昨日とはうってかわっての青空!日差しもとっても強い。
しかしシャンツェに吹く風はもうすっかり秋のものになっていた。

この日は昨日のメンバーに加え、全日本Jrの選手も2名加わっての練習だった。

<2日目の森選手のジャンプ>
1本目、風はよい。テレマークもばっちり決まった。
この日は前日に比べて風がちょっと強めだったように感じだ。
2本目に向かう森選手を見つめていると、ちょっとしたことに気が付いた。
森選手はジャンプ台へ上がるとき、いつも誰よりも先に階段を上がって行くのだ。
野沢のジャンプ台にはリフトが設置されていない。
その為、選手は飛び終えた後ジャンプの板と共にワゴン車にのって上がっていく。
そして途中からは、歩いて階段を上っていくのだ。
この階段を一歩一歩登っていく間、選手はどんなことを考えているのだろうか?
ジャンプ台につき2本目はゲートをちょっと上げたようだ。
森選手が飛び出す。失敗…「あー!」と叫ぶ。
75mくらいのところへ落ちてしまった。残念。
3本目もゲートは同じ場所を使って飛んだ。2本目よりはいい感じではないだろうか?
飛び終えた選手は昨日よりも私語が少ないようだ。
Jrの選手がいるからなのか、また昨日よりも待ち時間が少ないからなのか…
ちょっと表情も昨日より厳しくなっていたように感じた。
4本目。風が止まった?と思っていたら、選手がジャンプ台に登っていったらまた吹いて来ていた。
飛距離は80m付近。やっぱり納得が行くようなジャンプではない。
また「あー」との叫び声。この日2本目の失敗ジャンプだ。
どうしたのだろう?あまり調子がよいという印象は受けない。昨年の今ごろは絶好調という
感じを受けたのだが…しかし、それは私のような素人から見た印象である。
本当はご本人にしたら、そんなに不調という感じでもないのかもしれない。
5本目、やっと出た!K点越え!!
思わずちょっと控えめに拍手をしてしまった。下から見ていてやっぱり飛距離の出る
ジャンプというのは、ふわっと浮いているような感じがする。これがみたいのだ。
6本目、着地後、ランディングバーンで「うーん…」とうなっている。
飛距離は85mくらいだったろうか?なかなか本人も喜べる快心のジャンプというのは
出来ないものなのだろう。
7本目、86〜87m。しかし・…このジャンプも、ご本人は納得できないようだ。
8本目、この日のラストだ。
河野コーチがコーチャーズBOXから、下にいるJrの引率の先生に「これがラストです」と
大声で伝えていた。
森選手が飛び出す。いいジャンプを!そんな祈りも届かず、75m付近に落ちてしまった。
空中でのバランスがちょっと崩れてしまったようだ。ちょっと残念だった。
この日8本のジャンプを全て飛び終えたのは11:45頃だった。

<8本のジャンプを全て飛び終え、森選手何を思う?>
ノーマルヒルで彼らが練習をしているとき、スモールヒルでは上越の小学生が2人、
ジャンプの練習を行っていた。この子供たちがとってもかわいく、朝も元気に見も知らない私に
「おはようございます!」と元気に挨拶をしてくれた。
「がんばってね!!」と声を掛けると、嬉しそうに「はい」と…
森選手も子供の頃この野沢のスモールヒルで楽しみながらジャンプをやっていたのだろう。
この子供たちの飛距離はまだ10mにも満たない。しかし、小さな体にジャンプの板を背負って
何度も何度も階段を上りジャンプを飛び続ける姿を見ていると、本当に胸を打つものがある。
彼らが大きくなってどんな選手になるか、今からとても楽しみである。
また、この小学生のコーチの方ともいろいろなお話しをさせて頂いた。
その中でこのコーチの方は
「野沢のジャンプ台はソーメンの滑りが悪くってね、ちょっと怖いんだよ」とおっしゃってた。
そういうことがあるのか・…ジャンプ台のソーメンの滑り、そんなことにもジャンプ台によって
くせがあるということを、私は初めて知った。
いろいろなかたとお話しをさせて頂くと、本当に勉強になる。
野沢に行って、この2人の小学生、そして素敵なコーチにお会いできたことをとても嬉しく思っている。
この日の練習を振り返ってみると、前日に比べゲートの高さを変える回数が少なかった。
また失敗ジャンプの数がちょっと多かったようにも感じた。
開幕戦まで残すところちょうど3ヵ月だ。
森選手の今の状態はどうなのであろう?
奮闘記によると「もうちょっと楽しんでもいいかな?」と書いてはあるが、森選手の本当の気持ちは
森選手にしか分からない。今回は森選手に様子を聞くこともしなかったが、大丈夫であろう。
私はそう信じている。