合宿1日目 1999年6月24日(木)雨
起きた瞬間に窓の外を見るとやはり雨。
「今日は駄目か…」そう思いながらも早々に用意をし、白馬に向けて自宅を出発したのが
6時ちょっとまえ。高速に乗ると段々雨も弱まってきた。
し、しかし…碓氷のあたりではかなりの霧が出ていた。
不安は段々募るばかりであったが、長野県に入ると雨は止んでいたのである。
「よしよし」と思いながら、とにかく白馬へ急いだ。
お天気は長野ICを降りたまではよかったのだが、そこからはもうだめであった。
雨は白馬に近づくにつれ強まっていく。日頃の行いが悪かったのであろうか…

9:00頃にジャンプ台に着いたはいいが、やはり練習を始める気配はない。
「こんな天気ではやはりジャンプは無理だろう」そんなことを思いながらも
しばらくこのレポを書き始めていたりした。
「やはり、だめか」とあきらめかけていた頃、雨の中でも飛ぶということになった。

午前 ジャンプ


ジャンプを飛び終えた後の森選手
雨は弱まったり、強くなったりの繰り返し。

そんな中で森・高沢選手両選手はノーマルヒルを3本飛んだ。
飛距離は1本目が85mくらい、2本目3本目はK点ちょっと手前くらいであったようだ。

私は傘を差しながらの見学で、森選手の表情も読み取れなかった。

しかし、着地のちょっと前に「あー!」とか叫んでいた。
自分のイメージどうりのジャンプが出来なかったのだろう。
今年になって初めてのノーマルヒルであるし、気象条件も悪い。

今日のところはノーマルの感覚を取り戻すことが重要であったと思うので、
飛ぶことに意味があったのではないだろうか。

ランディングバーンを滑り降りる森選手

午後 室内練習


<ランニングを行う森選手>
午後も雨は止むことがなかった。

午後の練習は15:15頃から体育館にて行われた。

まずは体育館をランニングし、ウォーミングアップ。
森・高沢両選手がランニングをしている間、河野コーチがマットの準備をしていた。


この間河野コーチと少しお話しをすることが出来た。
「何がそんなに面白いの?」というようなことを聞かれたが、私はうまく言葉で表すことが出来なかった。
なぜそんなにコンバインドに魅せられるかということについては、今までも何度も聞かれたことがある。
しかし、その度にうまく答えられない。競技をやっている人には、きっとわからないのだろう。
ひとりの人間がジャンプとクロスカントリーという相反するものをやってしまう、そういう人への憧れ。
絶対に私にはジャンプなんて出来ない。クロスカントリーだって、あんなふうに滑ることは出来ない。
それをやってしまい、世界の頂点を目指し頑張っている選手をただ応援したいだけなのである。


ランニングが終了し、ストレッチの開始。
ここで河野コーチは選手のストレッチのポーズをデジカメで撮影していた。
その時森選手は河野コーチに向かい「笑顔は?」などと言い、笑いもとっていた。
しかし両選手、ほんとうにからだが柔らかい。
この柔軟な体が彼らのジャンプを支えているのだろう。


<ストレッチの合間に河野コーチと何やら確認を行っている>

<ストレッチを行う森選手>
このストレッチを終え、今度は体育館を斜めに使いダッシュを3本。
(戻って来るときは、歩き)

次に10mダッシュ。これを4本行った。
瞬発力を高める練習だろうか?

<高沢選手と10mダッシュを行う森選手>

<台を使いサッツの練習を行う森選手>
16:05 トレーニングルームへ移動
サッツの練習を始めた。台を前に置き、そこへクラウチングのポースから飛び上がるものだ。
これを5本。
その後バーベルを使った練習に変った。
森選手は45kgを10回で1set。高沢選手は35kgを11〜12回で1set。
これを計5set程行った。
その間にはクラウチングのポーズや、飛んでいるときの手の使い方などを3人で確認をしたりしていた。
特に手の使い方には、かなりこだわっていたように私からは見えた。
午前のジャンプで何か気になった事でもあったのであろうか。

16:50 先程デジカメで撮影したストレッチを河野コーチのPCにて確認しながら、話し合いを行っていた。
話しの内容はまったく聞こえなかったが、、、、

次はパーベルのおもりをほんのちょっと(何kgかは不明)にし、足の筋肉を鍛えるようなトレーニングを行っていた。
テレマークの姿勢の足を思い浮かべてくれたらいいと思う。
10回を1set。これを4setほど行った。
ちょっとおまけ。
ウエストを細くする機械?、ベルトがぶるぶる振動するタイプのものがこのトレーニングルームにあり
河野コーチと森選手は楽しそうにそれを使っていた。
トレーニングルームにある機械なのだから、多分ウエストを細くするものではないのかもしれないが、
私のイメージの中ではあれはそういう機械だと思えてしまったため、かなりおかしい出来事であった。

この後もテレマークの入れ方に付いて、3人で話し合ったり、ストレッチを再度行ったりしていた。
今回の練習を見て、河野コーチの指導はとても科学的に行われているのではないかという印象を受けた。
素人のわたしには、何がどうということがうまく説明できないが、河野コーチのような素晴らしい指導者の元
日々練習を行える森・高沢選手は幸せではないだろうか。
森選手の表情もジャンプの時に比べると、かなりリラックスしているように感じた。
ただ、ちょっと鼻の具合が良くないようで、それだけが心配ではあったが・・・
この日の練習は18:00頃まで続いた。