合宿3日目 1999年6月26日(土) 曇り
前日の宿泊は山のホテル。
部屋の前はジャンプ台である。朝起きた瞬間からジャンプ台を眺めていられる幸せ。
これは年に何回も味わえる幸せではない。
白馬に来るたびに「白馬に住み着きたい」こう思うのは私だけであろうか・・・
![]() <朝のランニング風景> |
そんなことを思いながら窓の外を眺めていると選手が ランニングに出かけていった。 時計を見ると8:45。 天気も晴れとまでは行かないが、昨日までよりも全然よい。 時間がたつのは本当に早い。 合宿も最終日になってしまった。 |
午前 ジャンプ
| 9:30 森選手は河野コーチと共にリフトに 乗り込みジャンプ台へ向かった。 ジャンプ合宿最終日、昨日一昨日で掴んだジャンプの感覚を より確実なものにして欲しい。 9:40 最終日1本目のジャンプ。 明らかに失敗ジャンプ。飛距離も80mくらいであったと思う。 森選手も飛びながら「あー!」と、叫んでいた。 サッツのタイミングが合わなかったのだろうか。 2本目85mくらい、3本目82mくらい、 4本目K点付近とノーマルヒルを4本飛んだ。 |
![]() <ブレークングトラックにて撮影> |
![]() <リフト乗り場前にて> |
土曜日ということもあり、観光客もかなり多い。 そしてこの日は大学生らしきジャンパーも練習をしていた。 リフト乗り場付近、そしてブレーキングトラックで選手が ジャンプを飛ぶたびに大歓声、そして拍手が湧き起こる。 この日の観光客からの質問。 河野コーチと森選手が一緒にリフトに乗り込んだ後 「あの選手ってたしか有名な選手ですよね?今日は沢山有名な選手が来ているんですか?」 とのこと。「野沢温泉SCの森敏選手です。」とお話ししたところ「あー森選手ですか」と・・・ 本当にちゃんとわかってくれているのだろうか・・・ |
![]() <ラージヒル1本目の森選手> |
![]() <ラージヒルを飛ぶ森選手:スタンドにて撮影> |
| ブレーキングトラックでいろいろ位置を変えながら見学していた私はずっとノーマルヒルを見続けていた。 しかし森選手・高沢選手が上がってこない。 なぜだろう・・・不思議に思っていてふとラージヒルを見ると、何とラージヒルに両選手の姿があった。 この時期にラージヒルを飛ぶの?正直言ってびっくりした。 今回の合宿で今シーズン初めてノーマルヒルを飛び始めたばかりだというのに、もうラージヒルを飛ぶとは 思いもよらなかった。 慌ててラージヒル方面に移動。何とか飛び始める前にジャンプ台の正面までたどり着いた。 森選手のラージヒルというと昨年9月の白馬合宿時の大ジャンプを思い出す。 あのときのジャンプの迫力はものすごかった。もう1度あんなジャンプを見てみたい・・・ ラージヒル1本目。失敗。 P点手前くらいで落ちてしまった。今シーズン初めてのラージヒルであるから仕方ないであろう。 やはりラージヒルを飛ぶのは恐怖心のようなものもあるだろうと思う。 ラージヒル2本目。飛距離は100〜110m。 2本目ということもあり、1本目のジャンプに比べて安定感があったように感じた。 このジャンプを私はスタンドの中段くらいまで登って見た。 やはりブレーキングトラックから見るものとは、まったく迫力は違う。 ジャンプの醍醐味を味わうならやはりスタンドでの観戦が一番なのであろう。 | |
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ここでアクシデントがおこった。 森選手の次に飛んだ選手が転倒をしてしまったのだ。 この日2人目の転倒者だ。 (風が強かったのであろうか?それともシーズン初めだからなのであろうか・・・) 森選手は真っ先に「だいじょうぶか?」とかけより、転倒した選手の体を気遣っていた。 その後、ランディングバーンのソーメンをチェック。 乱れていたものを2人で直し、上で待っている選手にOKのサインを送ったりしていた。 転倒というものは何度見ても、その度に心臓が止まるような思いをする。 そのような時の この冷静沈着な森選手の行動は本当に頼もしく見えた。 |
この日の練習は11:30に終了。ノーマルヒル4本、ラージヒル2本、計6本のジャンプを飛んだ。
まずはラージヒルまで飛ぶことが出来たということでこの日の練習は成功であったのではないかと思う。
練習終了後、森選手は新高輪プリンスホテルで行われるSAJのパーティーへ出席の為
急いで東京へ向かっていった。