木島平ジャンプ合宿最終日  −1999.6.3−

長野県木島平村にあるジャンプ台において6月1日〜6月3日、
野沢温泉スキークラブ、北野建設スキー部、トーエネックスキー部、近大スキー部の合同ジャンプ合宿が行われた。


6月3日(木)お天気は曇り空
今回私は関越自動車道 塩沢石打ICより、国道17号、353号、117号を経由して木島平村に向かった。平日ということもあり、高速・国道とも渋滞はひとつもなかった。

順調に車を走らせ、9時には木島平村に入ることが出来た。
「予定どうり!」と喜んだのも束の間…ジャンプ台の場所がわからない!標識もない!
前日木島平スキー場のHPより地図を印刷して持参したのだが、全然ちんぷんかんぷん。
仕方なく、道を歩いている方に聞いてみたがそのとうりに行ってもジャンプ台は見えてこない。時間はどんどん過ぎていく。
気持ちは焦るばかりだ。
そんなことを数回繰り返した後、やっとの思いでジャンプ台に到着。
苦労した分、ジャンプ台が目に入ってきたときの嬉しさはひとしおだった。

わかりにくいはずだ、ジャンプ台はゲレンデの中にあったのだ。その道は途中からは舗装もしていないほどだった。
ジャンプ台に到着したのは9:40近くだった。何と私は40分も道に迷っていたのであった。私が方向音痴なのだろうか…

カメラを望遠レンズに替えて、さあ見学。
当たり前ではあるが、選手はもうジャンプを飛んでいる。
木島平のジャンプ台はK65のミディアムヒル、K35のスモールヒル2つがある。
今回はミディアムヒルを使っての練習である。


私が見た今シーズン初めての森選手のジャンプ



私の到着後、何名かの選手が飛び終えた後、
いよいよ森選手の順番が来た。
気合いを入れる掛け声をかけ、スタート。
飛距離はK点をちょっと超えるくらいだったと思う。

「おはよう!」と森選手が声をかけてきた。
「ジャンプの調子はどうですか?」と聞くと
「3日目としてはまずまず」とのことだった。








木島平のジャンプ台にはリフトはない。
選手はジャンプを終えた後、ワゴン車に乗り込み上まで移動をする。
そのあとは自力で階段を使って登っていくことになる。
その為、自分が飛び終ってもすぐに次のジャンプに向かうことが出来ない。
社会人選手すべてが飛び終るまで、ランディングバーンに座ったりして
思い思いに移動を待っていた。

ジャンプを飛び終え移動を待つ間の森選手その1



ジャンプを飛び終え移動を待つ間の森選手その2
この日は計5〜6本ほど飛んだのではないだろうか。
森選手の表情は飛べば飛ぶほど厳しいものになっていったような
気がする。
飛び終えた後、ランディングバーンに座り込み、目を閉じイメージトレーニングをしているようだ。ジャンプの落ちてくる軌道を想像するように手で飛行曲線をイメージしている。
決して今のジャンプが悪いわけではなかったと思う。しかし、今よりもより上を目指す為に、こうして日々頑張っているのだ。
その様子は私がカメラのレンズを向けられないほどにすごい気迫を
感じた。
森選手の今シーズンにかける意気込みを見たような気がする。
ジャンプとジャンプに合間にちょっとお話しを聞くことが出来た時、
hayashi:「厳しい顔をしていましたね」
森選手:「練習中はいつもそんなものだよ」
とのことだった。
しかし私は先シーズンも森選手の練習風景を何度か見ているが、今まで以上に厳しい顔をしていたように感じた。
これは私の思い込みかもしれないが、、、、
雰囲気もだいぶ変ったように感じる。
またひとつシーズンを乗り切って、たくましさを増したのだろうか。


ジャンプが終了し、ジャンプスーツを脱いだ後も森選手はクラウチングのポーズを取ったりしていた。
そんな練習をしながら
森選手:「もう少し何とかしたいんだよね、ジャンプ」
hayashi:「調子わるいっていうわけではないんでしょう?」
森選手:「それは前のシーズンとおなじくらいっていうだけで、去年と同じじゃしょうがないでしょう」
hayashi:「…・・そうですね」
こんな内容の話しをした。(ニュアンスは間違っていないと思う)
この話しは、今日森選手からお話しを聞いた中で一番心に残るものだった。
やはり選手の競技にかける意気込みみたいなものを聞くと、応援する側としてはとても嬉しいものである。
きっとだれもがそうだろう。
河野コーチと高沢選手となにやら今日の練習についてしばらく話し込んだりもしていた。
そして午前の練習を終え、野沢温泉に帰っていった。

クラウチングのポーズを取る森選手の表情
午後の練習は15時から。場所は野沢温泉村に移して行われた。
今日の午後のメニューはランニングの測定だったそうだ。
私は都合で午後の合宿は見学できなかったが、きっと頑張っていたことだろう。



午前の練習終了後、私は野沢温泉にほんの少しだけ立ち寄った。
今シーズンは森選手の地元、野沢温泉村でW杯が開催される。
地元の期待も、ファンの期待も大きいだろう。そのプレッシャーに負けず、表彰台に上がってくれることを願いつつ、
これからも森選手の姿を伝えていきたいと改めて心に思いながら野沢温泉を後にした。