ひろし&Kayoの全日本コンバインド観戦記 in Nayoro


名寄のななかまどの木

名寄には、ななかまどの木が多く植えられています。雪景色に赤い実がきれいでした。


名寄市は小さな街である。しかし、冬のジャンプシーズンの幕はここ名寄市で切って落とされる。
ピヤシリジャンプ大会(29回)、吉田杯ジャンプ大会(14回)。
そして、荻原健司、森敏らW杯を転戦しているトップの選手も出場する全日本コンバインド大会である。
私たちは、12月19日(土)、20日(日)の2日間にわたって開催された、第17回全日本コンバインド大会を観戦した。  

12月19日(土)Jumping

競技開始予定時刻は9時半。気合十分の私達は、8時半すぎにピヤシリシャンツェにタクシーで到着した。


真剣な表情でワックスをかける森選手
天候は薄曇、ときおり雪がちらつく空模様。白馬などの立派なジャンプ台と比べるとピヤシリシャンツェ(ノーマルヒル、K=86m)は規模は小さい。
村のジャンプ台といった感じだ。

競技開始時刻が近くなり、観客はようやく30人くらいになった。
私達は上下スキーウエアで完全防寒体制。
それなのに、街中で見かけるような普通のコートを来ている女の子たちのファンに驚いてしまった。

ジャンプのスタートリストが観客・関係者に配られる。
少年の部(高校生)66人、 成年の部82人合計148人。
大竹太志選手145番目、富井彦選手146番目、荻原健司選手147番目、
そして148番目、ラストスタートが森 敏選手である。

阿部コーチの姿を見つけた。
hayashiさん手製の真っ赤な大うちわを持っている。
W杯をJapan Teamと共に転戦している大うちわである。

プレハブの本部・選手控え室の前にテントが張られ、
ゴーゴーとストーブがうなりをあげている。
そんな中で、選手たちは箱の上でジャンプの飛び出しの練習をしたり、
スキーのワックスかけをしている。
森敏選手、荻原健司選手も真剣な表情でスキーのワックスかけをしていた。

ワックスがけをしている荻原健司選手からは、
なんとなく近寄りがたいオーラが放たれていました。

その中でなぜか、雪印の富井彦選手は非常にリラックスした感じで、ファンの女の子に気軽に声をかけていたのが印象的でした。
「富井君、大丈夫かいな・・・。」などと思ったのだが・・・。

ジャンプの一回目、気温はそれほど低くなく、湿った雪だったようである。
雪温はマイナス4℃という発表があった。
私達はブレーキングゾーン横で、ジャンプを終えて戻ってくる選手たちの表情を見ていた。

テントでは、地元ボランティアによる豚汁のサービスがあった。
冷えた体が温まり、ありがたかった。

W杯遠征組のジャンプ一回目
  飛距離(得点) 順位
荻原健司 56.0m(42.0) 58位
大竹太志 63.5m(64.5) 30位
森  敏 71.0m(77.5) 12位
富井 彦 77.0m(94.0) 2位
2本目ジャンプ

森選手2本目のジャンプ
2本目ジャンプでは、ランディングバーン脇の階段を着地地点近くまで上っていった 。(たぶん関係者以外は立ち入り禁止区域) 。
バーンをはさんで向こう側は、審判団が並んで、着地点判定の札を挙げている。 

ここからは、アプローチ〜カンテから飛び出す選手の姿は観ることができないので、いきなりV字ジャンプ飛型となって目の前に現れ、滑りさってしまう。 
風を切る音、選手の叫び声が聞こえる。大概の選手は何かしら叫びながら降りてくるようだ。すごい迫力。
ジャンプの醍醐味を初めて実感することができた。 

ここで私は飛んでくる選手の写真を撮ろうとカメラを構えますが、速すぎてタイミングがとれず、なかなかシャッターを切ることができませんでした。

一応撮れたのが、この写真。森選手2回目のジャンプです。

荻原健司選手は棄権。2回目は飛びませんでした。非常に残念だ。荻原健司選手の棄権は選手生活で初めてのことだそうです。

富井彦選手は2回目のジャンプで83mの最長不倒をマークし、得点202.5点でトップに立った。

明日は、クロスカントリー。
森くんの追い上げに期待したい。

おまけ:〜ひろし&Kayoのクロスカント リースキー体験〜

Jumpが終わったその日の午後、私たちは明日のクロスカントリー競技会場となる「健康の森クロスカントリーコース」に行った。

ここでは、スキーなど一式を無料でレンタルしてくれ、自由にコースを滑ることができる。
私たちはクロカンスキーは何度か挑戦したことがあるが、裏に溝が刻んでいない競技用スキーを扱うのは初めての経験だった。
前後に滑ってしまうので、どうしてもバタバタしてしまう。

そうこうしているうちに、なんとJapan Teamが調整にやってきたのである。

荻原健司選手が地元の子供達にサインをしてあげている。
「荻原選手、頑張ってください」と無邪気な歓声が聞こえる。
ここでも荻原健司選手に声をかけ損ねてしまった。間近に遭遇し、声をかける絶好のチャンスだったのに・・・、
どうも健司さんからは何かしらオーラが発せられているようだ。

板を抱えて休憩しに行くと、ちょうど練習に出ようとしていた森選手に会った。
われわれを見て「そんなとこで何やってんの?」と声をかけてきた。
「クロカンやっているんです」Kayoが答えたが、とてもそうは見えなかったのかもしれない。
でも、私たちがただの追っかけとは違う、ってところをアピールできたかな・・・。

森選手は、会場内のトラックをバタバタ歩いている私たちの脇を、軽々と走り去って外のコースへといってしまった。
荻原健司選手もすごいスピードで滑っていってしまった。

私たちがコースの管理事務所ロビーに戻ってみると、ロビーでJapanの選手たちが着替えている。
Japanの選手なのにこんなところで着替えるのか・・・、と思った。
富井 彦くんが荷物を置いているそのベンチの下に僕らの荷物があるんだけどなあ。

森選手、荻原選手らを間近に見ることができたし、クロカンスキーも一応できたし、 まあ満足。
事務所にレンタルスキーを返却しに行くと、「取材好適地」と書いた地図が置いてあった。
プレスに用意されたものだが、一枚分けてくれた。準備万端だ。 明日の観戦ポイントは、スタート直後にある上り坂に決めた。

 

12月20日(日) Cross Country Ski(5km×3)

クロスカントリー会場へも9時頃には到着。

スタートリストをもらい、スタート時刻を確認。

ジャンプ得点とスタート時刻差
順位 名前 スタート時刻 ジャンプ得点
1 富井 彦 - 202.5
16 森 敏 4:42 155.5
26 大竹太志 7:09 131.0

森選手もウォーミングアップをしている。「頑張ってください」とあいさつすると、リラックスしたように答えてくれた。
会場の隅に、雪の温度を測ったり、緩い傾斜を滑っては記録をとっている数人の人達を見かけた。ワックスのテストをしているのである。

森選手の力走

スタート時刻は10時18分。
スタートまでに昨日チェックしておいた応援ポイントに向かう。
スタート直後にある上り坂である。
苦しい上り坂で、森選手を応援してやるぜ。

この地点には、チーム・オフィシャルや取材陣が数人と
われわれだけ、一般の観客はいなかったようだ。

スタート時刻が過ぎ、富井 彦選手が走り去っていく。
しばらくして森選手が登ってくる。

「頑張れ!、森くん!」と応援。

森くんは前を行く選手にどんどん追いつき、果敢に攻める
走りを見せている。
速い!速い!

森選手の力走(その2)

森選手の力走(3)

富井選手はジャンプのリードをさらに広げ、余裕でゴールイン。
森くんは順位を15位から4位に大幅に上げた。
日本代表Aチームとしての存在を大いにアピールするような走りで、クロカンはこの日1位の成績だった

試合後、しばらくして、森選手が控え室から出てきた。
「森さん、お疲れ様でした。」とkayoが言う。
「また応援に来ますね。第2ステージも頑張ってください。」といって、会場を後にした。

全日本コンバインド成績
総合順位 名前 所属 ジャンプ 順位 距離 順位
1 富井 彦 雪印 202.5 1 45'09"4 4
2 目時慎一 東洋実業グループ 180.5 6 45'11"8 5
3 中村幸志 東洋実業グループ 190.0 4 46'53"0 15
4 森 敏 野沢温泉スキーク 155.5 15 44'24"1 1
5 山田和由 トーエネック 155.5 15 44'28"2 2
6 上野 隆 東京美装 196.5 3 48'38"2 31

あとがき

名寄での全日本コンバインド大会を観戦し、観戦記 in Nayoro をまとめてみました。
観戦記を書こうと、始めたのが2月でしたので、もうだいぶ忘れてしまい、細かいところは定かではありません。

この大会では、荻原健司選手の途中棄権といった思いもよらない事態もありましたが、 森くんはじめ、全日本Aチームの
活躍を直に見ることができてよかったと思っております。
特に森くんのクロカンの追い上げは、W杯を転戦しているJapanの選手はちょっと違うなぁという感じを受けました。
素晴らしかったです。

森くんにはW杯の表彰台目指して頑張って欲しいです。

観戦メモ