ク ラ シ カ ル
クラシカル用スキーのアーチベンド部は、普通両足に均等に体重を掛けていると接地していません。但し、スキーを後ろに強くキックする際には、アーチベンド部も荷重を受けて雪面に接地し、グリップして前に進みます。キックした後は両足荷重になるのでグリップゾーンは雪面から浮き、抵抗無く滑るわけです。スキーが短いとグリップゾーンが接地しやすく抵抗が大きいので,身長+30cm位の長さがいいかな?。体重がある人はもっと長めの板にしましょう。とは言ってもあまり長すぎると登坂時にテールが邪魔になりますけど。
グリップゾーンの範囲としては、フロアの上でスキーに両脚加重で乗り、スキーの裏が浮いている範囲が目安だそうです。だれか他の人に,スキーの下に葉書でも差して貰い、浮いている範囲をマークして貰うと良いでしょう。
ビンディングもクラシカル用がありまして、後ろに強く高く蹴り上げられるよう,かかとがより上がりやすく出来てます。ただ一般の歩くスキーヤーなら,そんなにスキーを蹴り上げることもない(私も含めて出来ない?)ので、スケーティング用のビンディングでも十分使えます。
シューズもクラシカル用は、強くキック出来るよう,ソールがフレキシブルになっています。
ワックステクは言葉で書くと簡単ですが、粉雪なのにベタ雪用のグリップワックスを塗ると、スキーの裏に雪が団子のように張り付いて、全然進みません。かといって粉雪用のグリップワックスだと雪が湿るとグリップしなくて、後ろにキックしても前に進まないというデリケートな代物です。
でもワックスの選択がばっちり合うと、とても爽快に滑れますし、なにしろスケーティングと違って、圧雪車で整地してない所でも、自分で踏跡さえ付ければどこでもコースになります。レースでなければ、時々グリップ具合を確かめながら、グリップワックスを塗り直したり、スクレーパーで剥がしたりして調整すればいいのでして、あまり難しく考える必要はありません。
歩くスキーのワックスタイプも,基本的にはクラシカルなので上記と同じです。ただラッセルしやすいよう板の幅が広めでトップベンド(スキーの先の曲がり)も大きめです。また滑走性能より登坂性能が重要なのでアーチベンド部が柔らかく、グリップゾーンが接地しやすくなってます。
スケーティングよりはストックに頼った滑りをしないので、昔は立ったとき脇の下位の長さがちょうど良いと言われてましたが,最近はスケーティングの影響で長くなり、身長の85%の長さが目安とされているそうです。
ス ケ ー テ ィ ン グ
スケーティングの板の特徴としては、グリップゾーンの必要がないのでアーチベンドがクラシカル程硬くなく,スケーティング時にテールを踏み難いようクラシカルより短め(身長+20cm位かな?)が使いやすいです。
別にスケーティング専用の板である必要はありません。クラシカル用の板でも、長ささえスケーティングに適していれば,使用していていっこうに差し支えありません。かえって、たまに歩くスキー程度をするのであれば,多少短くて滑走性能が悪くても大した問題ではないし、両方楽しめて便利です。ビンディングもスケーティング用で歩くスキーなら十分使えます。
なにせスケーティングは、圧雪車で機械整地した所でなければ滑れない、ある意味で特殊なスキーであると言えます。いわばゲレンデクロカンスキー?。
滑走スピードが速い分グライドワックス(滑るワックス)に関してはこれまたデリケートで、雪質にあったワックスの選択が重要になります。とは言っても、タイムにすると思ったほどは影響ないようですが、体感的に滑らないワックスだととても遅く感じ,疲れます。面倒でもホットワックスを是非覚えましょう。
シューズもスケーティング用はエッジングがし易いよう足首まで深くなっていますし、クラシカルのように強くキックする必要がない(キックというよりかは,かかとを押し出すように踏み出す)ので,ハードソールで曲がらなく出来ています。とは言ってもクラシカル用のフレキシブルで浅いシューズでスケーティングがやり難いかというとそうでもなく、湧別85kmも以前は私もクラシカルシューズで完走してました。しいていえばハードソールの方が,かかとを上げた後の板の戻りが素速くなっていますので,ちょっと疲れ難いかなといった程度でしょう。
ストックワークは、クラシカル以上に重要になります。推進力を得るために長めとなり、基本的なストックのサイズは、身長の90%の長さが目安とされています。でも長すぎると肩に負担になりますので、自分の腕力に応じた長さに調節しましょう。今あるストックを長くする事は出来ませんが、詰めることならショップで簡単に出来ます。
スケーティングは板を脚力で推進するテクニックが重要なポイントで、いくらストックワークといっても脚力にはかないません。またテクニックのウエイトが大きいと言うことは、体力がなくても練習すれば速くなれるということです。正直言って私は体力には自信がありません。マラソンなんぞは全然速く走れません。でも雪国生まれの雪国育ち、スキーにはちょっと自信があります。アルペンもクロカンも,滑らせるテクは共通点があり、お陰で体力がなくてもそこそこのスピードでゴール出来る訳です。(自分の体力と比較しての話ですよ)
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