偉そうに、北海道と東北の山ぐらいしか冬山登山の経験がない私が、いきなり大それたタイトルを掲げてしまい、申し訳ないです。一般論として聞き流して(読み流す?)下さいませ。
山スキー向きの山がとても多い
また本州の山より森林限界がかなり低いことも,山スキーには好都合です。札幌近郊の山でも、森林限界は標高約1200mくらいですし、利尻や知床なら標高600m〜800m足らずでその上は、白一色の世界。ただ吹雪やガスに巻かれると方向を見失いやすいので、それなりの覚悟と読図能力が問われます。
森林限界より下の樹林地帯は,藪山かというとそうでもないです。札幌近郊の山だと人工林(カラ松・樺等)が多くて手こずりますが、大雪・十勝のような、天然林の多い山だと、巨木の疎林が多く、タンネの森の中を縫って滑る気持ちよさはなんともいえません。
また,厳冬期の樹林地帯の雪質は最高。アスピリンスノー(実はアスピリンを見たことがない)と賞されます。実際、自分のスキーのトップが巻き上げる雪煙でむせてしまうこともあります。
ただ、時にはスキーを履いても腰までもぐるラッセルも覚悟して下さい。一人じゃ辛いなあ。
標高はさほど高くないが、気象条件は厳しい。
また本州の山より森林限界がかなり低いこともあって、そこで吹雪やガスに巻かれると,方向を見失って遭難する危険性もありますので,装備は念入りに。
月別の気象状況について。
1,2月は、冬型の気圧配置が長く続き、積雪量は十分になりますが、快晴の山スキーはなかなか難しいでしょう。森林限界以上はアイゼン・ピッケル向きで、スキーで山頂を踏める山は少なくなります。ただ、雪質は最高です。天は二物を与えずといった所でしょうか。
3月に入ると、積雪量もピークを迎えます。移動性高気圧の動き次第で晴れ間も数日続き、タイミングが合えば絶好の山スキー日和となります。ただ、高気圧の後には次の低気圧が待ちかまえてまして、ときおり知床沖で停滞なんぞしますと、1週間ぐらい吹雪かれるということもあります(俗に言う2つ目玉などはこれのことです)。
4月に入ると、天候も安定し、森林限界以上の斜面も徐々に滑れるようになります。ただ山頂と登山口の雪質の差が激しくて。べったりと水を含んだ登山口付近の雪でシールが濡れて、その後山頂の乾燥粉雪がくっついて,スキーの裏が団子になったりとか。また降雨後や気温が一気に上がった時のベタベタの湿雪は、ザラメより滑りが悪く,始末に負えません。
5月に入ると、雪質もザラメ雪と安定し、森林限界以上の斜面も絶好のゲレンデとなります。スーパースキーにもいい季節です。
ただ午後に入ると雪が重くて重くて。また雪崩のリスクも高くなります。早起きは三文の得とは,山スキーにも通用する諺であります。