私にとっての山スキーの魅力とは?

 ”なぜわざわざ山スキーに行くのですか?。ゲレンデならもっと楽に、もっとたくさん滑れるのに。”

 その問いに一言で返事するのは難しいのですが、私なりのその魅力の幾つかをご説明しましょう。写真は他のページから持ってきたイメージ画像です(お手軽ですねえ)。


スキーヤーの視点から

1.パウダーの深雪を楽しめる。

     ゲレンデではコースを圧雪しています。また圧雪していないコースは降雪直後はともかく、そのうちこぶだらけの不整地になってしまいます。コース外の圧雪していない所を滑ると言う手もありますが、たいがいコース外は立入禁止、周りの目が気になります。場所によってはニセコのように雪崩の危険のある所もありますし、だいたいせせこましい。

     その点山スキーだと、自分が登った分だけしか滑れませんが、逆に言えば、ゲレンデ管理者や一般スキーヤーの目を気にすることなく、自分で登った分だけパウダーの深雪を楽しめる訳です。


2.ダイナミックな斜面を楽しめる。
     ゲレンデにも、標高差○○○m、全長○kmという規模の大きいスキーコースがありますが、山にはそれ以上のスロープがあります。例えば標高差1500mを一気に滑られるコース(右〜羊締山)、あるいは幅が500m以上もある30度以上の一枚バーン(左〜余市岳南東斜面)、等々。またゲレンデでは大勢の人で込み合っていますが、山では周囲を滑る人に気を使う事なく、それ以上ダイナミックなフィールドを滑ることが出来ます。

3.バラエティーに富んでいる。
     確かにゲレンデにも、幾通りのコース取りが出来ますが、山のフィールドはそれ以上。たとえ同じコースでも、季節・積雪条件・雪質が同じと言うことはまずなく、結構新鮮だったりします。

山屋の視点からですと、

1.歩いて登った山をわざわざ歩かずに下れる。

     私は元々山屋(登山愛好者)なので、かつては四季を問わず多くの山に登ってきました。しかし山スキー滑降の方が山頂を踏むことより楽しみになった今では、せっかく登った山を帰りに歩いて下るのは大変もったいなく感じてしまいます。膝が丈夫でないので下りの衝撃にあまり耐えられないという理由もありますが、最近は滅多に夏山に行くことはなくなりました。


2.新たなルートを開拓出来る。
     夏道通り登っていく夏山とは違い、冬場はブッシュは雪の下、どこでもルートとなり得ます。地図を片手に山肌を眺め、樹林の薄くて滑りやすそうなスロープを探してはそこを開拓する。マニアックと言えば言えないこともありませんが、答えが一つとは限らないバリエーション探しが、やり終えた後の充実感を倍増させてくれます。



しかしすべてが楽しい訳でもなくて

1.自分が登った分だけしか滑れない。

     リフトが使えるゲレンデやへリスキーはともかく、極一般的な山スキーでは、自分が登った分だけしか滑れません。5時間掛かって登り、下りはわずか30分というときもあります。


2.遭難というリスクがある。
     全て管理されたゲレンデとは違い、そこから一歩踏み出せばそこは大自然、冬山の世界です。極端にいえば、無事に帰るも遭難するも、すべて自己責任。”己のミスは、時によっては己の命で償う”という大自然の掟が待っています(ちょっとオーバーですが)。まあそれだけの困難があるからこそ、達成したときあれだけの充実感に満たされる訳ですけど。


3.思い通りのコンディションに恵まれるとは限らない。
     圧雪車等で常に一定に管理されたゲレンデよりは遙かに、山のコンディションはお天気任せ。パウダーを求めに行ったのに、前日の吹雪で雪の表層がクラストのもなか状態だったり雪崩のリスクが高くて引き返したり、下界では天気が良かったのに上では猛吹雪だったとか、列挙にいとまがありません。まあこれが大自然なんですねえ。



 以上、メリット・デメリットを列挙しましたが、デメリットを補って余りある楽しさ・快感が得られる山スキー、当分止められそうにありません。
前のページに戻る