後志羊蹄山

標高〜1893m、標高差〜約1500m

 北海道を代表するスーパースキーの山と行ったら、筆頭に挙げられるのがこの山でしょうね。登り5時間、下り20数分と、30度近い斜度の斜面を一気に降れます。6合目ぐらいから上は森林限界で目標物がないので、スピード感覚が麻痺して暴走するかも?。森林限界から下も、ブッシュの少ない疎林なので存分に楽しめます。
 お鉢の中も滑降できます。下に行くほど緩くなるので、直滑降の練習にどうぞ?。

 山の北側から登る比羅夫コースは上部に行くに従い段々急になったり、北向き斜面のため残雪期でもアイスバーンのことも多くてちょっと緊張しする時もあります(危険と言うほどではないですけど)。



真狩側 墓地の沢コース

 その点真狩コースなら斜度も平均的で、上級者でなくても外輪山から滑降できます。とは言っても春山の話、森林限界以上は厳冬期はカチンカチンですのでアイゼン必携です。


 真狩コースは、自然の家から登るコースが一般的ですが、山頂から一気に下るんでしたら,真狩の街の中心部から後志羊蹄山にまっすぐ登っていったところにある,共同墓地から沢を詰める、墓地の沢コースの方がより楽しめます。

 写真左にある、通称デルタ大斜面と呼ばれる、標高1400m〜700m間の、三角形の疎林の大斜面を一気に滑降出来るこのコースはよだれものです。


 まず共同墓地から林道を詰めて行きます。実際の林道は約標高450m付近までと、地図上よりちょっと上まで伸びており、道が不明瞭になったこの当たりで左の沢に向かうとすぐに、小さな砂防ダムがあり、ここを渡渉します。
(この沢は上部でデルタ斜面の右脇を流れるガリーとなり、早めに渡渉しないと深くて越えられなくなります)

 この沢の左の広い沢型(これが墓地の沢)をちょっと行くと、開けた標高500m地点の、三股もどきに着きます(勝手に命名しました)。正確には墓地の沢が二股になり、そのすぐ右にガリーの流末が隣接している地点です。

 真ん中の沢を詰め、あるいは厳冬期など雪崩が警戒される時は、真ん中の沢とガリーの中間の支尾根を伝って、標高700m地点の、デルタ斜面下部に取り付きます。

 ここから標高1400m地点の森林限界まで、ご覧のダイナミックな、しかも風の影響を受けにくい凹状の疎林の、北海道でも指折りの大斜面が広がります。傾斜も滑落するほどきつくないので、中級者でも大丈夫。但しこれだけのオープンな斜面ですから、厳冬期は特に、雪崩の警戒を怠らないで下さい。

 真狩コースの尾根下は特に急で、また雪庇が張り出していてこの下は吹き溜まりなので要注意。また今回も雪庇の下に幅50m程に渡って、雪面の亀裂を確認しています。デルタ斜面を楽しんだ後、ここをトラバースして真狩コースに戻られる方は、特に注意して下さい。

 雪が安定していなければ、登りに使った支尾根をそのまま詰めるのも無難です。ここにもいい感じの疎林の尾根が続いていますので、下降時も楽しめます。

 標高1400mから上は、森林限界となり、厳冬期は氷の世界。またデルタ大斜面より斜度がきつくなりますので、雪が腐り始める4月後半以降にならないと、スキー滑降はかなりシビアになるでしょうが、ここも幅が広く楽しめます。

 ただ9合目付近で斜面が細く急になる箇所がありますので、ここは慎重に。

 このデルタ大斜面の下りの楽しさは、この写真を見て下されば、あえて説明の必要もないでしょう。この高度感がたまりません。

 この大斜面を降りた後も、三ツ股もどきまでは薄い樹林の支尾根や沢を快適に下れ、林道もそこそこ斜度があるので、ほとんど歩くことなくあっという間に登山起点に到着します。
参考データ


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