漁岳


標高〜1318m
標高差〜約800m

 札幌近郊にありますが、登山道がありませんので夏は沢登り、冬はスキーツアーで登られている山です。

 ダウンヒル指向の方にはちょっと物足りないコースですが、札幌からだと国道453号線が通年開通しているおかげでアプローチが短縮され、とても身近で気軽にスキーでの尾根歩きに行ける山です。とはいっても1300峰ですので、装備は万全に。


 この山のアプローチ上の難点は、駐車場がないことでしょうか。国道453号線は歩道まで広めに除雪してあることが多く、歩道に乗り上げて駐車すればなんとか交通の妨げにならずに停められるでしょうが、3〜4月の天気の良い週末には、20〜30台ほどの駐車車両でごったがえすこともあります。なるべく早めに来ましょう

 また漁岳林道入口から500m程離れたオコタン分岐にも、駐車スペースがあることもあります。ここからも即林道に取り付けますので、路上駐車に抵抗ある方はこちらがお勧めです。


 林道入口からはひたすら林道を1時間程辿ります。5万分の1地図上の林道は、二つ目の左股沢付近で止まっていますが、実際はそれよりもっと奥に伸びています。

 目指すツアー尾根はどこからでも取り付けますが、今回は地図上の林道終点より直線距離で800m程行った、林道がやや下り気味になった地点より左側におれ、細い作業道をちょっと詰めた後、樹林の薄そうな場所を探しながら、ツアー尾根に取り付きました。


 ツアー尾根の下部はなかなかの密林でしたが、標高にして880mポコからは、ダケカンバ等の疎林になり、下りに期待を持たせます。


 標高900mの稜線に到達すると視界が開け、左手には氷結したオコタンペ湖が見えます。

また正面には目指す山頂手前に、白い1160mポコが、遠くに大きく立ちはだかります。
 ここからは稜線が所々急になり、シールワークに気を使いながらの登坂箇所もあります。

 960m付近のポコや、1060m付近の急登は、山頂に向かって右側を、1160mポコは左側を巻きながら登ります。但しいずれもトラバースする斜面は急な疎林ですので、降雪直後は雪崩等に注意して下さい。
 1160mポコを巻くと、正面に大きな漁岳山頂が広がります。写真ではガスではっきりしませんが、大きく適度な斜度の、良い斜面が広がっています。ただ稜線付近はクラストしていますので、スキーアイゼンがあれば便利でしょう。山頂直下はちょっと急なので、右にちょっと巻きながら登ると山頂です。

 この日はあいにくガスでなにも見えませんでしたので、この写真は別の日撮影分です。

 山頂からの下りは、稜線上のクラストが堅ければ、山頂から東側に広がる漁川源頭斜面に向かえば滑りやすいでしょう(但し雪崩には十分注意の事!)。また登りで巻いた幾つかのポコからの下りも、斜面長こそ短いですが楽しめます。

 しかしいかんせんコース全体の平均斜度が緩く、またポコのトラバースを幾度もさせられるので、ちょっと滑ったと思えばまたしばらくは、尾根歩きを要求されます(今回も960mから登山口まで、面倒くさくてずっとヒールは解放したままでした)。山スキーのダウンヒル指向の方にはちょっとかったるいかもしれませんね。

 その反面テレマーク派はその持ち味を生かして、実に快適に尾根歩きと適度なダウンヒルが楽しめて面白いコースだと思います。
参考データ


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