ちょっと過激な洋モノビデオ?

  なんか思わせぶりなタイトルですけど、このHPはAdult Only の類ではございませんのでご心配なく(それともがっかりした?)。

 またまた調子に乗ってボードネタ第二弾(今度はちょっと辛口かな?)。まあちゃんとわかっている山ボーダーにはこんな余計な事、あえて言うまでもないんですが(まあいろんなレベルの人がいるもので)。


 昨シーズンに山板をカービングに替えてから、またスキーに興味が沸いて来て(焼け○○に火がついた?。ちと違うか?)、スキーショップにもちょくちょく顔を出すようになりました。でも最近のスキーショップの販売主力はやはりボード。で、大きな量販店へ行けば一日中ボードのビデオを流していますが、これがまた刺激的で凄いのなんのって!。”どうしてこんな所滑るの!?”。
 なにも買いもしないのに10分以上もビデオの前に陣取っていて、店員に煙たがられたりして?(お立ち台かぶりつき状態?)。

 その刺激的且つ過激なビデオは洋モノ。山の中のとんでもない斜度の斜面滑ったり、雪庇から大ジャンプしたり、雪を被った切り株キノコの天然ジャンプ台(キッカーって呼ぶそうな)から飛んでグルグル回ったり。山の中滑ったキャリヤだけならかなりあるけど、こんな所滑ること事態、今までの山スキー常識からは全くの対象外。いやはや凄いもんだ!。

 やはり今時の若者、こういうビデオに触発されるのでしょうねえ。山に入っても、キッカー作ってジャンプごっこしていたり(私が見る限りでは大抵うまく着地出来ずに皆深雪に刺さっているけど)。また山屋の常識では立ち入る事自体とんでもないような斜面にトレースがあったり、雪庇をジャンプして遊んでいたり、etc。まあ呼べばすぐにパトロールや救急車の来るゲレンデ脇ならいざ知らず、山の中ではあまりやらない方が良いんじゃない?。


 例えば雪庇。山屋の常識から言えばこれは、出来れば近寄りたくない嫌な存在(くわばらくわばら(@_@))。でも彼らに言わせれば”自分でわざわざ作らなくても良い天然のキッカー、ラッキー!”となるそうな。でも私も過去に雪庇を踏み抜いたりして怖い目に会ったことも幾度となく。

 以前につぼ足で痩せ尾根歩行中、雪庇間違って踏み抜いた時の事。雪庇の下は深い吹き溜まりで、幸い滑落はしないで済んだけど、見上げると真上の雪庇に丸い天窓がぽっかりと。穴が真上でなかなか這い上がれず、しばらくピッケルで下から突っついて崩しながら悪戦苦闘し、ようやく丸い穴をV字に大きく削り直し。で、はい上がろうと手を掛けた途端、左右の雪庇が横一列にドーンと落下!。幸い規模が小さかったので巻き添えは喰いませんでしたが、雪庇ってお互いがお互いを支え合っている非常に不安定な状態なので、その極一部が崩れただけで力の均衡を失って、雪庇全体が落っこちる事もあるって知っていました?。飛んだ後、上からあれが降ってきてもあたしゃ知りませんよ!(いじわるばあさん風)。

 あと残雪期に、雪庇と地山の間にクラックが発生していて、それが新雪で見えなくてそのクレパスにすっぽり落ちた事もあったっけ。必死になって地山のササにしがみついたけど、あの時も怖かったなあ(あのクレバス、吸いこまれそうな位深かった。あのまま滑り落ちていたら果たしてどこまで落ちていたことやら?)。


 また地形だって、雨で侵食されて出来た日本の山と、氷河で削り取られた欧米の山では、山の形からして全然別物!。周氷河地形(カール)のあちらの山、確かに谷の上部は狭くて急でも、降りるに従ってだんだん緩く広くなるし、また谷底は幅広のU字渓谷状を呈するって、地学の教科書にも書いてあったっけ。

 だからあちらの山では、たとえ谷の上部で滑走中雪崩が発生しても、斜滑降して本流から逃げられたり、また直滑降して発生当初だけでも雪崩より速く滑れれば、斜度がだんだん緩くなって雪崩のスピードが遅くなったりと、まともに巻き込まれるリスクは腕と判断能力次第では低く出来るみたい。

 けれども雨で削られた我が日本の谷、上部では急だけど幅広でオープンな斜面が広がっていますけど、降りれば降りるほど斜面の幅は狭くなり、両岸は切り立って谷は深くなり、おまけにブッシュだってひどくなる。つまりひとたび雪崩が発生したら、どこにも逃げ場所が全くないって事!。あちらの人間があちらの山を平気で滑っているのを見て、こちらの山で真似したって、全然リスクが違うじゃん?。

 山の深雪滑走中に天然のキッカー見つけて、下見もなしにジャンプしても、着地点の純白のふかふかバージンスノーの下にはなにがあるかは分かりませんよ!。もしかしたら切り株や折れた倒木だらけかもしれないし、ハイ松地雷が無数にあるかもね(ねえ、O西さん!)。


 最近のボード、発展途上でこれからまだ技術的にも伸び盛りなせいか元気がいい。しかし危険さもそれと比例して年々増しているような?。またあれだけプロがいること自体も不思議なのだが、でもおそらく過当競争で厳しいであろうあの世界で名声を維持するには(ビッグネームと呼ぶそうな)、他の人が滑ったことがない、人の度肝を抜くような斜面を開拓し続けないと、いつの間にか忘れ去られちゃうのかも?。まるで年々実弾の割合の増えていくロシアンルーレットみたい(最後には実弾率100%でバーン?)。

 ただあまりにトップが先鋭化し過ぎると一般からあまりに乖離してしまい、ニューカマーが引いちゃって集団全体が萎縮しマイナー化する危険性もはらんでます。これが一種の安全弁と言う説もあるけど、これで私の夏の趣味、トライアルもそれで今やマイナーになってしまった。さてボード、果たしてこれから何処まで行くのだろうか?。


 そんな人の心配はさておいて本題の輸入ビデオ、あちらはあちらと割り切った方が賢明?。やはりあの手のちょっと過激な洋モノビデオは、やってることを真似しようなんか考えないで(ひっぱたかれるよ!)、人が寝静まった深夜に一人でこっそり見て楽しむだけにした方が無難なようで(ナンチッテ)。
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