さて、単に自己責任と言ったって、その程度やレベルにはいくつもの段階があるようで、ここでまたしても例をあげて考えてみましょう(ケーススタディー?ナンチッテ!) 例1〜株式投資編
一見すると彼は一方的な被害者に見えなくもないですが、でも老後の資産運用だったら、色々種類を組み合わせて危険分散するなど、他にももっとローリスクな運用方法がある。またリスクを負いたくないのであれば、例え金利は低くても、銀行に預けておけばよろしい。全額投資した目的は”いっちょうこれでハイリターン!”の腹もあったんでしょ?。そんな大事な判断を人に委ねておいて、損したからって訴訟で取り返すなんてお門違い。もしその投資で儲かった暁には、証券会社にお礼として儲けのごく一部でも寄付する心積もりがあったのかい?。 山スキーの場合も、責任のとり方が最悪当事者の命にまで及ぶとは言っても、基本的にはこれと同じ。とは言っても、それだけの”ノウハウも経験もない初心者は山スキーに行くな!”とまでは言っていない。後で述べるけど、情報と安全はお金でも買える時代なのです(と言うより、ただじゃない!)。 判定〜”自己責任レベル1-あんたが悪い!” 例2〜住宅建設編
”衣食住”と、人が生きる上で不可欠な三大要素の一つである”住”を”買わなきゃよい”と済ます訳にはいかない。誰でも彼でも建築士並の知識を持ち合わせている訳でもないし。まして、欠陥住宅の場合は、地震・火事等がひとたび起きれば、購入を判断したお父さん一人にだけでなく、その判断とは関係ない家族やら、たまたまそのお宅にいたお客さんやら、借家の場合は借家人等、広範囲の人命にも影響が及ぶ。 いくら”自己責任”と言ったって、責任が及ぶ範囲が自分だけでなく”善意の第三者”の生命・財産にまで広がる場合、そりゃあーた、”自己”責任とは言えないでしょう。つまり”自己責任”とは、”自分の尻は自分で拭く”事であって、人の不始末の尻拭きまでする事じゃない。私もそこまでむちゃくちゃ言っている訳じゃないので誤解なく。 判定〜”自己責任レベル2-建築会社”も”悪い!” ただここで、建築会社”が”すべて悪い!としなかったのは、この事例の場合、建築会社とは別会社に設計・施工監査を委託するなり、建築中に第三者の施工監査を頼むなり、多少出費はかさむものの、色々方策はあった訳で、”情報・サービス・安全”に応分の負担をしていれば回避出来たのだから、当事者も100%被害者とは言えない。つまり、”情報・サービス・安全”はただじゃない。 ”情報・サービス・安全”を軽視しているか否かは、その国が”チップ”を払う習慣があるかないかでおおよそ分かる。つまり日本では、モノとして形に残らない、”情報・サービス・安全”はただ!の扱い。しかしこれは、”日本の常識・世界の非常識”。以前コラムにも書いたけど、”本当に必要な情報・サービス・安全は、本来苦労したり出費を払ってでも得るもの!”なのだ。 そして”情報・サービス・安全は有料”の例が、プロのガイドを伴った山スキーツアー等。登山靴やザックといった”モノ”には金をかけるけど、”情報・サービス・安全”にはビタ一文払わないのが国民性だったけど、最近リッチな熟年登山者の増加のためかようやく、”山岳ガイド”が職業として成立しだしてきたのは良い兆候。ただちょっと”雨後のたけのこ”状態で、”味噌もくそも一緒”なのが気にかかる。後日触れるけど、なんらかの資格認定等の枠組みが必要。 ”規制は少ない方が良い”立場で言えば、ガイドの資格認定など、先例の”山スキー安全滑走協会(仮称)”の認定制度と、どこが違うのか?と言われそうだが、ここでもまた出てくるのが、責任の及ぶ範囲。責任取りが”善意の第三者”にまで広がる場合、”自己”責任とは言えず、ある程度は規制も必要というのが私のスタンス。つまり私は、なんでもかんでも”あんたが悪い!”と言っているんじゃないんです。 例3〜車のヒッチメンバーについて(ちょっと脱線しますが)
ちなみに私のはちゃんとしたC規格(牽引重量750kg対応)のを、ラダーフレームに溶接して付けている。昨冬後続車におかま掘られたら、ヒッチは無傷なのにラダーフレームが曲がった位だから、頑丈さは折り紙付き。しかし規制緩和以来、街を走る車のヒッチのなかには、補強なしで単にバンパーにボルト止めしたものやら、乗用車のペラペラのボディーにくっつけただけで、走ると上下に揺れる!まがいものまで、大手を振って走っている(違法ではない)。 もしヒッチが壊れて対向車にトレーラーが突っ込んだとしたら、そりゃー一番悪いのは、それを知ってて付けた相手のドライバー。でも、あんなもんに突っ込まれて巻き添えを食った人には、全く落ち度はないのよねー。まして相手のドライバーに支払い能力がなければ、全くのぶつけられ損!、なんの救済もない。
これ以上ケーススタディーを増やしていったら、いつになっても終わらないどころか、書いている当方もいい加減疲れたので結論。一言で言えば”自己責任”とは結局、”自分の尻位、自分で拭け!但し人の尻まで拭かせんな!”て事につきるかな?。 3話連続のコラムもこれにて終了と思いきや、これだけ書いても、まだ私は書き足りません?!。またしても続く(もお、いいって!か?)。
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