ここ数年、巨大リゾートスキー場の経営破綻のニュースやら、スキー場の閉鎖のニュースやらを多く聞くようになってきた。確かに最近はスキー人口も目に見えて減ってきているもんなー。 巨大リゾートの破綻、私個人としては実はこれは大歓迎。だってスノーキャットで踏まれていない広大なパウダー斜面を楽しめるようになるからね。まあそれはさておいても、国立・国定公園周辺のあちこちの高山が虎刈りのように痛ましく刈り込まれたバブルの時代、それがきっかけでそんな環境破壊の片棒を担ぐゲレンデスキーには愛想が尽きた私としては、”ざまあみろ”と言うのが率直な感想。幸いそんな熱に浮かされたような時代はそう長くは続かず、お陰で美瑛富士や羊蹄山等にはゴンドラが敷設されなかったのがせめてもの救い。 またリゾートと呼ばれる豪華過ぎるホテル・施設が林立するのを見て、”金と時間の使い方をなんて知らない国なんだろう”とも感じていた。だいたい、一泊数万円の金をぽんとはたいて長期滞在出来る人種が、果たしてこの国に何人いるだろうか?。で結局、わざわざ遠くに行って、予算の都合上一泊そこらでとんぼ帰りするんじゃ、かえって疲れに行ったようなもの。リゾートとは程遠い”貧困さ”。
ただ不条理な事に、スキー人口の減少のあおりを食って閉鎖されるのは、そんな巨大リゾートじゃなくて、”○○町民スキー場”の類の、小さな地元密着型のローカルゲレンデ。巨大リゾートが増えた事で、相対的にコース規模も設備も劣るローカルゲレンデの集客力は年々弱くなる一方だし、また巨大リゾートが閉鎖するのと比べ、小さなローカルゲレンデが閉鎖されても、経済上のダメージはまるっきり小さいから、周辺もあまり問題視しない。が、大局的にはこっちの方が逆に由々しき問題。 ただでさえ少子化で子供が減っている今日この頃、その上地元密着型のローカルスキー場がなくなると、スキーを覚えようとする子供達のきっかけさえ失ってしまい、スキーを取り巻く環境がますます先細りしてしまいかねないからね。覚えたての小さな子に必要なのは、設備の整った遠くのゲレンデより、例え規模は小さくたって、放課後に歩いて行ける位近くのゲレンデ。質より量って事かな?。
但し、きょうびの子供達のスキー離れとは言ったって、あれだけ動きづらいし重けりゃ多少はしょうがないか?と言うのも率直な感想。私が子供の頃は、スキー靴だって合成皮やゴム製だったから、履いたまま自宅からスロープへ通えたし、金具だってカンダハー等シンプルで板も軽かった。で、スロープ上でも平気で上り下りや平行移動が可能だった。セーフティーリリース?、そんなもん、捻って転びゃー、靴が脱げて勝手にリリースしたがな!?。 それに引き換え今の装備は鉄下駄状態、金具なんか天狗の高下駄みたいで板はずっしり重いし、ブーツに至ってはありゃ足首固定治具?、もはや靴とは言えん!(履いて歩けて初めて靴と呼べる)。当然スロープ上では、例え滑降は得意でも、登りや平行移動はすこぶる苦手で、陸に上がったウミガメ状態。これじゃー、夏場のキャッチボールのように、思い立った時に気軽に遊べるって感じじゃないよなー。 まあ、現代のスキー装備の窮屈さが、スキー離れの原因とまでは決めつけられないけど、でも貴方の回りでこんな声聞こえてきません?。
その点、スノーボーダーは装備が気軽・機能的で羨ましい。例のダブダブウエア着て家の玄関でソフトブーツ履けば、そのままバスに乗ってゲレンデまで行けちゃうし、別にゲレンデのまんまの格好で地下街歩いていても、特に不自然には感じない。(逆に、スキーヤーがゲレンデブーツ履いたまま地下街歩いている様子を想像して見たら?!。) 歩きやすい靴に軽い板、この条件を満たすスキーは現在でも2種類ある。一つは自衛隊用スキー。これはXCレースからパウダー山スキーまでこなす、スーパークロスカントリースキー!(私の理想の形でもある)。但しこれは相当の経験とバランス感覚とテクニックを要するので、とても子供向きとは言えない。 二つ目はテレマークスキー。某HPのコラムじゃないけど、スキー離れ対策の最終手段は、学校のスキー授業にテレマークを採用する事しかないのかな?。カービング板なら以前より短くても安定性が良いし、プラブーツの普及で以前ほどバランス取りも難しくなくなったし(ただ個人的には革靴の方が好みだけど!)。まあ歩き易くて滑り易けりゃ文句なし。
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