自己保身に汲々....

 さて、”スキー日記”を御覧のとおり、ここしばらく山ネタなし。ネタが切れたので、またうるさいコラム復活?。で、リスク管理についての前回の続きであります(もう忘れました?)。
 ”危険度のある事なんか、はじめからやらなきゃいいじゃん!”と決め込むのも、そりゃー個人の勝手だけど、リスクゼロからは、なにも革新的な事や進歩や利益e.t.c.が生まれないのも現実。今の食卓がこれだけおいしい食材でバラエティーに富んでいるのや、いろんな薬草等から薬が作られている事も、そのおかげ(過去にどれだけの人が腹痛や毒に当たって苦しんだ事やら)。多少のリスクに挑む行動は、好奇心と並んで人が生まれながらにして遺伝子上に持っている本能でもある。

     以前テレビでやっていたけど、第○○遺伝子の○○番目には本当に、好奇心というか、スリルを好む度合いを示す遺伝子配列があるそうで、実際にスカイダイバーとかスタントマンにはこの配列の数が多いそうだ。

 ただし、食うに困らない平和で安全なこの国、幸か不幸かあえてリスクを犯さなくても、あまり生きるには困らない。そのせいか、この国には、誰もリスクを背負おうとしないで逃げる習性が染みついてしまっているらしい。例えば”ほぼうまく行くのが誰の目にも明白で、且つそれによって明るい未来が開けるとしても、ごくわずかの不安材料があるだけで躊躇してして、現状の身の保身に汲々としている”そんな、臆病で常に集団の中にいないと不安なメダカのように。

 おまけに”一部の人がリスクを省みずにどんどん先に進んでしまうと、自分たちが取り残されるのがよほど怖い”からか?、果敢に挑んで失敗した人に対しては、冷たい視線どころか、集団でバッシングする傾向まであるから恐ろしい。

    中島みゆきの唄の一節
      ♪ファイト!戦う君の唄を戦わない奴らが笑うだろう....

 そして”勝てば官軍”の例で言えば、大リーグに挑戦した時の野茂の扱いなんて典型的。リスクを背負って大リーグに挑戦しようとする彼に、スポーツ紙・国民大連合軍でもってケチョンケチョンにバッシングしまくったけど、一度あちらで結果を出そうものなら、手のひらを返したように絶賛の嵐!。スポーツ紙の尻の軽さにも驚いたけど、同じように国民の”軽さ”にも驚いた。
 そんなこの国の集大成と言えるのが、硬直した官僚機構。リスクを犯してでも画期的・斬新な事をしようものなら、周囲の”やめず休まず働かず”の上司・同僚に袋叩きにあってしまうこの組織。そんな事なかれ主義の組織だからこそ規制に関しては、絶対緩和出来ないばかりか、ちょっとでも不安要素があると逆に増やしちゃう。クワウンナイ川の登山規制とかね。実は規制を振りかざして貴方を守るふりして、その実は我が身の保身をしているだけなんだけどね。

 森さんは”教育改革だ”とか言っているけど、こんな誰もリスクを負おうとせずに保身にきゅうきゅうとする国民性では世界に通用する独創的な発想やアイデアを持つ人間なんて育たないわな!。教育改革なんてそれ以前の問題で、日本は今後衰退の一歩をたどるばかりなのが悲しいかな現実。”こんな日本に誰がした!”。

     ”いったいお前は今、何に怒っているんだ?”って?。

       ”今やっているのは、新技術○○○...、つまり誰もやってない事やってるんだから、初めから目標達成度100%でリスクゼロの訳ゃないだろう!。それをちょっとうまくいかないからってよってたかって...ブツブツ....。そんなに自己の保身が大事だったら、最初から新技術になんて手出すな!。だいたいお前らなー、国の偉いさんと地方の現場、一体どっち向いて仕事しとるんじゃい!このドアホ!”(あーすっきりした)

 でもネ、自分の頭で判断せずに、国の要領・要項・指導通りに前例踏襲の仕事さえしていれば、一切リスクを負う事なしに職務を全う出来る、旧ソ連真っ青の社会主義的無責任体制を、より現場に密着したレベルまで権限を委譲して、現場担当者自らに判断させてそのリスクや責任まで負えるような、思い切った地方分権をしない限り、この国の地盤沈下は絶対止まらない!。
 リスク管理の話も段々くどくなって来たのでこれでお終い。で最後に、暗雲立ちこめたこんな国の未来を担う若者へ。
     ”失敗したって失うモノなどなにもない若い頃って言うのは、後になってはじめてわかる凄い”宝物”。転職・プータロー・フリーターと、寄り道・失敗だらけだった当時も、今となっては僕の貴重な財産だもんね!。”

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