自作スキートレーサー

 私の金具にはスキーブレーキが付いています。またオフピステスキーヤーも、ゲレンデ金具のままで深雪を滑っているようです。がしかし、深雪ではスキーブレーキだけでは、外れた板が雪に潜ってしまい紛失する恐れがあります。深雪の山中でスキーを紛失すると、それだけで即遭難に繋がります。

 また従来の短い普通の流れ止めで派手に転ぶと、下手すると流れ止めを一発でぶち切ったり(スキーブレーキなしの板の流れ止めが切れたら止まらないので余計大変!)、滑落中に外れたスキーがあばれてぶつかってしまい、幾度も青タンこさえたり(エッジがあるので怖い怖い!)しました。

 かと言って流れ止めを長くすると、滑っている最中流れ止めがエッジやブッシュに引っかかっるばかりか、場合によっては滑落中、板が反動を付けてスキーヤーに飛んでくる危険性もあるそうです(もっと怖い!)。

 ショップにはスキートレーサーなるもの(早い話が、板の雪崩紐みたいなもの)も売っていますが、市販品だと3000円程と高かった。またボードに使うリーシュコードも流用出来そうだけどまだ試していません。で、貧乏臭い私の常、この度あり合わせの材料で自作スキートレーサーを作りました。

     注1〜これはスキーブレーキの付いた板に装着することを対象としています。外れる事も前提としていますので、間違ってもブレーキ無しの板には付けないで下さい。

     注2〜そんなに派手に転ぶ方でなければ、このスキートレーサーより、市販の短い流れ止めの方が、解放した後のリカバリーが楽で良いかと思います。



 構造はいたってシンプル。使った材料は、マジックテープを縫いつけた目立つ色のナイロンテープ・目立つ色のひも・小ナスカンです。ナスカンはビンディングのヒールピースに、ナイロンテープはマジックテープで足首に装着します(よくスキーを買ったら付いてくる伸縮性のあるスキーベルトは、強度不足で却下)。紐は一本2〜3m程度。これ位あれば足りるでしょう。

 使い方としては、まず紐を蛇腹状(アコーディオン状)に束ねます。この時決してループにしてはいけません。紐が伸びる時団子になってからまってしまいます(下降時のザイル投げと同じ原理)。



 次に束ねた紐の中央を、ナイロンテープでご覧の通り一結び。その後テープを足首なり膝下なりにマジックテープで装着し、ナスカンをヒールピースに止めて完了。もしマジックテープの接着力が強すぎて、絶対剥がれない状態であれば、合わせ目をちょっと斜めに交差させて張れば大丈夫です。ただマジックテープが剥がれ易すぎると、今度は紐が伸び切りませんのでご注意を。

 藪こぎのあまりにひどい場合は、紐が引っかかる恐れもありますが、登り時は付ける必要なし。下り時に引っかかる場合には、その上にスパッツで覆ってしまいましょう。


 さて転倒時、ビンディングが解放するとスキーが流れます(私の場合は体が前に飛んでいきます)。するとまず蛇腹状に束ねてある紐が、するすると伸びます(幾度も実証済み)。それでも伸びきって、万一スキーが反動で戻ってくるような衝撃が加われば、次にマジックテープが剥がれてナイロンテープが外れます。
(まあ深雪ならテープが外れなくても、転倒時に板が反動を付けてスキーヤーに飛んでくる危険性はあまりないでしょうけど)。

 もし板が流れたら紐を辿り、またもっとひどい転倒をしてナイロンテープが外れても、雪の上で目印になるテープなり紐なりを探し、それをを辿っていくと、深雪に潜ったスキーを容易に探索する事が出来ます。早い話が、スキーの雪崩紐。流れ止めなしの場合、後で捜索出来るなんらかの方法は絶対必要です。

 その後どうするかって?。ブッシュのないオープンバーンだと、そのまま紐とテープを引きずったまま滑走可能ですが、ブッシュのある場合は面倒くさいけど、また紐を束ねて最初から。また束ねるのが面倒な時はスパッツの中に適当に押し込んで置きましょう。格安自作品のため、この点はご了承下さいませ。


 あと、板が潜らないような雪質の場合は、極端な斜度やアイスバーンでなければ、スキーブレーキだけでも結構止まりますし、発見も容易。最初から付ける必要もないし、付けて解放した後も、紐をたぐり寄せるのが面倒なので、その時は外してスキーブレーキだけでも大丈夫。スキー側の固定がナスカンなので、状況に応じて付け外しして下さいませ。 
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