がんばれ山ボーダー!

 最近は山でもお馴染みになったスノーボーダー。正式にはバックカントリースノーボーダーと呼ぶのでしょうが、どうも長ったらしくて呼びづらい(舌噛みそう)。山のスキーヤーが山スキーヤーなら、山のボーダーだから山ボーダーと、取りあえずここでは呼ばせてもらいます(ちょっとかっこ悪いかな?)。
 実はどうもゲレンデで会うボーダーとは私、ちょっと相性が悪い(もっとも最近私も滅多にゲレンデには行かないけど)。コースの真ん中で座ってたむろしている連中を見ると直前でターンして、”食らえ!パウダー!”とばかりに雪煙を浴びせたくなる今日この頃。またコース境界の立ち入り禁止ロープを平気でくぐって(こっちだってくぐりたいのをグッと堪えているのに!)コース外を滑るのも、ちょっと気に掛かります。(規制に従う事はCOOLじゃないって?。あんまり世の中をなめんじゃねー!)

 また、ゲレンデと山との境目が曖昧な場所(たとえばニセコ・黒岳・旭岳等)だと、軽装どころか全く無装備で登ってくる若者ばかり。下手すると彼らが生まれる前から山でパウダーを滑っている私としては、ちょっと言いたい苦言が幾つもあります(俺もついにそんな年になってしまったか!)。

 でもその点、ちゃんとした山(どういう基準?)で会う山ボーダー達は、装備・マナーもしっかりしていますね。また私も彼らもお互い良い雪・良い斜面を求めて登ってきた仲間同士。”○○の雪付き良かった?””△△は滑った?”と情報交換したり、ラッセルを交互にやったりと共同戦線を取らせてもらったり。また彼らと話してみると皆礼儀正しいし、仲良くさせて貰っています。


 またある雑誌で中山建生氏も言っていたけど、山ボーダーは山屋と違って変な先入観や固定観念にとらわれる事なく、物事をまっすぐ素直に見ているので、こちらも時々”目からウロコ”のように新鮮に感じる時や教えられる事もありますね。例えば”あそこも滑れるんだ!”とか、”そういう方法もあったのか!”とか。まあ結局は、”年寄り山スキーヤー”と”若者山ボーダー”の感性の違いっていう所に落ち着くのかもね。

 かえって彼らの方が、ビーコン・スコップ・GPSなど、逆に山屋より装備・危機管理がしっかりしている点もあるなど、山屋も学ぶべき所もあります。登攀などでは、山ボードより遙かにハイリスクなルンゼや雪田を通過する機会も多いのに、山ボーダーよりビーコン着用率は低いんじゃないかな?。経験や勘に頼りすぎるのもちょっと問題。文明の利器は有効利用しましょう。

    脱線
       実はかく言う私もビーコン持っていません(人の事言えるか!)。だっていつも単独だから、付けていても誰も探してくれないんだもん!(好き好んで一人で登っている訳でもないのだけど)。ついでにもうちょっと安くなると助かるんだけど(言い訳ばっか)。

 ただ悲しいかな、深雪でのボード&スノーシューの機動力は、テレマークは勿論山スキーと比べても、一歩も二歩も劣ります。ラッセルでは、こちらはすり足で前に進むのに対し、あちらは一歩一歩足をよっこいしょと持ち上げてだから、体力の消耗度合いは大違い。また登るときはボード、下るときはスノーシューを背負わなければいけないなど、かさばる荷物だって多い。

 おまけに下りでちょっと傾斜が緩くなってもこちらはすいすい歩けるけど、あちらはトレースがないとなかなか滑りません。尾根滑りなどで、途中トラバースや平坦地があろうものならさあ大変!。

 こちらよりうんと苦労して登ったのに、下りで楽しめる距離・時間は逆にこちらより少ないというこの不公平な現実!。でも彼らは文句も言わずに額に汗して登ってきます。うーん、きょうびの若者は街でうんこ座りしている茶髪連中のように、皆体力なしの根性なしかと思っていたけど(ステレオタイプ?)、なかなか骨があるわい!(だんだん口調が年寄り臭くなってきた!ので、ここでやめておこう。)。


 で、そんな彼ら若者にエール、”がんばれ山ボーダー!”。これで日本の未来も明るい!かな?。
蛇足
     ついでに若者山ボーダーの皆さん、ボードも面白いけど山登りも面白いので、雪のない時期もよろしくね!。きょうびの山屋の年齢構成の逆ピラミッド化を憂う(このままでは衰退の一歩?)、”おじさん山スキーヤーの主張”でした。チャンチャン!。

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