レースのスタートで思うこと

 私はシーズンに何回かレースに参加しますが、いつもその時感じることがあります。”スタート時のラッシュ、なんとかならないものかなあ”と。そこで近年は、スタート時のラッシュのひどい大会は極力さけ、マイペースで楽しめるローカル大会好きになりました。

 実際コース幅を、何千人がスタート後渋滞しないような幅で整備することは、土地の制約上絶対不可能なのは、重々承知していますし、大会関係者の、開催するまでの裏方での大変なご苦労を考えると、このようなことを書くのは大変心苦しいのです。

 しかし実際に、前後の人同士が、”おれのポール踏むんじゃねー!”、”おまえこそじゃまだ!どけ!”とかと罵りあっていたり、隣同士もつれ合って転び、”おまえが悪い”とお互い怒鳴り合っていたりするのを見るに付け、同じ参加者として気持ちが暗くなります。最初から喧嘩するのが目的で参加する人などいるはずもなく、皆楽しむために来ています。上記のような喧噪は、確かにマナーで解決可能な点も多いですが、ある程度以上のラッシュとなると、相手への気配りだけでは解決不可能です。これがいやでレースから離れた人も少なくないと思います。

 理論上では、先頭から最後尾まで、スピード順でスタートすれば、渋滞は発生しないはずなのですが、実際は遅い人速い人が団子のように入り乱れてスタートすることが、一番の問題点ではないかと思います。己の実力を鑑みて、スタート位置を選ぶ等すれば、これもある程度マナーで解決しそうなものですが、スタート地点に早く行きすぎるとがらがらで並ぶ位置が前過ぎ、逆に行くのが遅過ぎると逆にびっしりで並べるところがなく、後ろ過ぎるなど、これにもやはり限界があると思います。

 素人の思いつきで申し訳ないのですが、幾つか提案があるので、気を悪くせずに読んで頂けたら幸いです。


1.スタート順をあらかじめ前年度の結果により、ゼッケン番号を振り、スタート順序を指定する。
     例えば、申し込み時に前年のタイムなり順位なりを記入し(あるいは他のメジャーな大会のリザルトでもよし)、申し込み締め切り後、速さ順にゼッケン番号を振って、スタート時にゼッケン順に並ばせてからスタートする方法です。

     これでは”リピーターにえこひいきし、実績のない人には不公平だ!”と言う意見もあるでしょう。でもこれは、スキーのアルペン競技や、バイク・車のレースでは常識なのです。実績のない選手は、最初は条件の不利な最後尾からスタートし、徐々に上位へのし上がっていくのが、ごく当たり前の世界であり、これがかえって励みにもなるのですから。

     但し大会関係者にとっては、事前の事務手続きが煩雑になるのが欠点です。

2.あらかじめクラス分けしてからスタートさせる。
     例えば50kmの大会なら
      Aクラス〜制限タイム4時間以内
      Bクラス〜制限タイム5.5時間以内
      Cクラス〜関門に引っかからない限りOK
      (このタイムはあくまで仮の例ですが)

    などと、あらかじめクラス分けして、申し込み時に参加者が自分で選択し、場合によっては各クラスに時間差を設けてスタート。そして制限タイムをオーバーするようであれば失格か、タイム加算等のペナルティーが課せられるような仕組みです。

     この場合でも”ペナルティーや失格なぞ強権発動だ!”と言う方もいるかも知れません。でも、参加することに意義があるという人は一番下のクラスを選べば良いだけでして、自分の実力をよく知っている人のみ上のクラスを選ぶという自己責任の、範疇に収まるのではないかと思います。

     但しこの場合も大会関係者にとっては、今度は事後の事務手続きが煩雑になるのが欠点です(特に各クラスに時間差を設けてスタートした場合)。


 上記のいずれの案も、お恥ずかしいことに素人が絵に書いた餅であって、実際実現するには色々と改良点が必要でしょう。またどっちに転んでも、大会関係者にとっては事務手続きが煩雑になるという欠点もあります。面倒くさい作業が増えるくらいならこのままでも良いじゃないかと言う意見もあるでしょう。

 ただ私が危機感を抱いていることとして、大会の参加者数は、私が始めた8年前と比べ、どの大会でも伸び悩んでいます。そして参加選手の平均年齢は、確実に高齢化してきているのも間違いありません。このままではクロスカントリーレースと言う、長年築き上げてきた一つのウインタースポーツ文化が衰退しかねない状況なのです。

 そうしないためにも今のうちから、遅い人も速い人も気持ちよく参加出来るような下地作りをし、参加する選手層を厚くすることが必要なのでは?と考える今日この頃でした。 (シリアスな話で済みませんでした。適当に読み流して下さいませ。)


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