ふたご1  「今日も、はこぶ、たたかう、ふえる、そしてたべられる。」

ふたご2  「人生にも共通しますねえ。」

ふたご1  「あれがなくなったそうですよ。」

ふたご2  「なにがですか。」

ふたご1  「ベアが。」

ふたご2  「ベアって?」

ふたご1  「春先のニュースで「鉄鋼労組、ベア1%以上を要求」とかあるじゃないですか。」

ふたご2  「ありますねえ。」

ふたご1  「連合はその「ベア」を今回の春闘では使わないそうです。」

ふたご2  「まあ不景気やからねえ。」

ふたご1  「このご時世にそうそうぜいたくはしてられませんからね。珍味なんか食べてる場合じゃないですよ。」

ふたご2  「珍味って何です。」

ふたご1  「「ベア1%以上」というのは給料の1%を「熊の手」で支払うというのだからじゃないですか。」

ふたご2  「どこの世界に給料袋に熊の手が入ってる企業があるか。」

ふたご1  「給料袋というより手袋ですな。」

ふたご2  「うまくない。」

ふたご1  「昔は景気がよくて忙しくて人手不足だったからそんなことができたのです。今は不景気で人手不足なのでかわりに…。」

ふたご2  「かわりに?」

ふたご1  「いらなくなった猫の手が。」

ふたご2  「もう借りんでええんかい。」

ふたご1  「連合、春闘で「キャット5%」を要求!会社側はニャンとも渋い顔!」

ふたご2  「やかましい!」

ふたご1  「狂牛病で牛を恐れる人がたくさんいますが、新事態が発生しました。」

ふたご2  「なんですか」

ふたご1  「豚も恐れなければならない世の中になってしまいました。」

ふたご2  「豚になにかあったんですか。」

ふたご1  「アメリカの科学者達が鼻とひづめが光る豚を開発したそうです。」

ふたご2  「…それのどこが恐ろしいんだ。」

ふたご1  「夜道でむこうから鼻とひづめが光った豚と出会ったら恐ろしいでしょうが。」

ふたご2  「いやそれは確かに恐ろしいけども。」

ふたご1   「エレベーターの中で鼻とひづめが光った豚と乗り合わせてしまったら恐ろしいでしょう?」

ふたご2  「光ってなくてもちょっと恐ろしいなあ。」

ふたご1  「給料の5%がひづめが光った豚の手だったら恐ろしいでしょうね。」

ふたご2  「それは豚足会社の現物支給やね。」

ふたご1  「対テロ法案の採決が行われたそうですが。」

ふたご2  「自民党の野中元幹事長とその弟子の古賀前幹事長が採決前に退席したそうですね。」

ふたご1  「採決を起立投票で行ったことに抗議ということなんですが、どうしてでしょうか先生。」

ふたご2  「野中さん達は「記名投票」を主張してたんです。ところが今回行われたのは起立投票。国会は党派ごとに座ってますから党の決定に反した行動をとろうとすると、みんなの目線がつらいですよね。ところが記名投票だと当面はそんな目にあわないですから造反もしやすいわけですよ。」

ふたご1  「なるほど。それで党内で意見が分かれている民主党の分裂を狙ったのではないかという先生のご高説、確かに承りました。しかしですね先生。もうそんな時代じゃないんですよ。」

ふたご2  「なんだその態度は。」

ふたご1  「いいですか?もう先生の過ごしてきた55年体制はすでに崩壊してるんですよ。いつまで過去の幻想にとらわれているつもりですか。先生、もうそろそろ余生を楽しまれる方向を考えられたらいかがですか?」

ふたご2  「誰やねん俺は。」

ふたご1  「それにくらべると野中先生はやはり違う。あの方は時代の趨勢をよくわかっておられる。政治が国民の衆目を集めるテレビなどのマスメディアの力を考慮に入れなければならないということを見抜いておられるのですよ。」

ふたご2  「だったら起立投票のほうがまだわかりやすいじゃないか。」

ふたご1  「とんでもない。テレビ映えのしないおっさん面が並んだところで国民に伝わると思いますか?もっともっと若い世代のことを野中先生は考えておられるのですよ。テレビ時代の若い世代にむけた記名投票をね!」

ふたご2  「じゃあ野中先生の考えておられる記名投票はどんな記名投票なんだね。」

ふたご1  「壁にスプレーでしゅーっと記名投票。」

ふたご2  「そんな有機溶剤くさい国会は認められん!」

 

10月19日、張学良氏、ハワイで死す。(10月14日)


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