突撃取材漫画モノクローム
”ペルソナ・ノン・グラータ”
レロンジ大使館の巻
大阪市淀川区南西中島4-12-5にレロンジ共和国の大使館はあります。
ビルの四階だそうです。何だか廊下がねとねとしています。
「ようこそいらっしゃいました。私がレロンジ駐日大使館書記官のドミトリー・チェルニャホフスキーです。」
流暢な日本語である。駐日メキシコ大使は日本語がしゃべれないというのに。
「レロンジ共和国についてご存知でしょうか。」
いいえ。
「レロンジ共和国は、旧ソビエト連邦のベラルーシ共和国から昨年独立した国家です。日本の方にはまだまだ
なじみが薄いかもしれませんが。」
というかまったくです。
「・・・・。」
日本にはどれくらいレロンジの方はいらっしゃるんですか。
「そうですね、われわれ大使館員が大使を含めて5人、そして総領事館、これは兵庫県の三木市にありますが、ここに総領事。あわせて6人です。」
あの、外交官の方しかいないのですか。
「はい。」
では旅行者の方は年にどれくらい。
「去年は・・・いませんねえ。」
いないんですか?
「あっ、でも5年前に一人。」
五年前ですか。じゃあ、貿易とかそんなので。
「貿易はベラルーシを介して行うので直接の関係はないです。」
じゃあ何のために大使館なんて置いてんですか。
「失敬な事を。あなた。ぶちますよ。」
ぶたないでください。すいません。ああこれがレロンジの国旗ですか。
「そうです。黒は帝政ロシアとソビエトの圧政を、白はそれからの開放をあらわしています。」
白と黒だけの国旗って、珍しいですね。
「何が言いたいんじゃわれ。」
あの、チェルニャホフスキーさん?
「白と黒で悪いんかい。なんやねん、色とかぱっぱっとつことったらええんかい。ほならパチンコ屋はどこの国旗やねん。」
おちついてくださいチェルニャホフスキーさん。
「チャルニャホフスキー、怒っちゃうよほんとに。」
いえ、あなたチェルニャホフスキーじゃないんですか。
「でりゃあっしはゃいほあー!!」
こわいですね。レロンジ人は。
レロンジ大使館 大阪市淀川区南西中島4-12-5 極東興業ビル4F |