第12代閻魔王竹宗(1926-1942)
11代の急死により摂政ゴルカルの後見に
より2歳で即位。ゴルカルの専制政治の傀儡となる。後の13代閻魔王寧宗のクーデターにより廃位。

地獄。それはおそろしいところ。
そんな認識ももはや過去のことです。
いまやミレニアムの時代です。
地獄もすっかり様変わりしました。
考え方を変えなければ地獄に墜ちた時に
困りますね。
これを見て新しい地獄観を身につけ
精進してくださいませ。
地獄。それはおそろしいところ。
違います。
地獄。それはものすごく恐ろしいところです。
さあlet's go!
   

二番目に楽な地獄
この地獄に墜ちたものはまず最初に
「この先に地獄の中で二番目に楽な地獄がある。
ただし、制限時間以内にたどり着けない場合は
二番目にきびしい地獄に墜とす。」
と、宣告されます。そこで制限時間以内に
みんな地獄にたどり着かなければならないので
地獄に向かって突っ走ります。
しかし、地獄への順路はかつての九龍城と大阪駅地下街とマスクメロンの網目を足して西村知美で割ったような
複雑さな上、実はゴールの地獄はありません。
実体のない地獄を追い求めて未来永劫さまよいつづけなければ
なりません。このことが本当の地獄なのです。
しかし、気付けばこの上なく楽な地獄です。


   

地獄どすえ

気候は夏はくそ蒸し暑く、冬はくそ寒いですが、
すんでいる人はみんなとても暖かい人です。
家に訪ねていっても暖かくむかえてくれます。
そしてお茶漬けまですすめてくれます。
それを頂いてからはなぜかまわりの人が
冷たくなったような気がしましたが。
ここに墜ちてからずいぶんたちますが、
まだまだこの地獄のものとして認めてくれません。
きっと努力が足りないのでしょう。
もっともっとがんばるつもりです。
何しろここは地獄の中心、閻魔大王様のお膝元ですから。
閻魔様は今は少しお出かけになっておられますが、
そのうちお帰りになりますよって。


   

地獄もどき

まわりはいたって普通の日常で特に何もありません。
普通の生活がおくれます。
しかし、通りすがりの人たちに
「地獄で大変ですねえ。」
「苦しいでしょうががんばってください。」
と、応援され、毎日毎日大量の応援のファンレターが届き、
メールもたくさんです。
これは何とかしてファンの期待にこたえなければ
ならないと、包丁やライターなど手近なものでとりあえず
オリジナルの地獄を作ってちょっと苦しい目に
あってみます。
そうするとまたファンレターが山ほど届きます。
この期待にこたえなければならないとまた次の地獄作りに
チャレンジしなければなりません。
こうして地獄作りを続けた結果、重要無形文化財、いわゆる
人間国宝に認定されることもあります。
そうしてやっと地獄作りの真髄がわかってくるのです。
――人生は重き荷を背負いて長き道を行くが如し。
   急ぐべからず――
もう死んでますけどね。

   

地獄サンプラザ

地獄の方がよく待ち合わせ先に利用されます。
血の池地獄や針山地獄などの有名スポットとのアクセスも便利で、墜ちたばかりの人や極楽や天国からの観光客などでいつもごった返しています。
そうした地獄初心者を狙った犯行が最近多発しているので
地獄に墜ちられる際は次のことに注意してください。

1.白装束はできるだけ避ける
地獄では白装束の方は死んだばかりだと判断され、
それを目印にした初心者目当ての詐欺や窃盗が
多発しています。
地獄に落ちそうだと思ったら白装束はさけ、
ジャージや海藻類で作ったスーツが望ましいですが、
どうしても白装束にしたい方はペイズリーなどの模様入りに
してください。

2.アルコールを取らない
地獄には結構蚊がいます。
アルコールをとると体温が上昇し、また代謝が活発になり
呼吸量が増え、二酸化炭素が大量に出てきます。
蚊は空気中の二酸化炭素を探知して人を見つけます。
つまりアルコールを摂ると蚊がたくさんよってきます。
死ぬ際には急性アルコール中毒や慢性肝硬変などの
死因はできるだけ避け、息子などの墓参りの際は
「親父の好きだった酒だよ…。思う存分飲みな…。」
などと、墓石にかけてもらうのはさけましょう。

3.ケチャップに気をつける
ケチャップ好きですか?ナポリタンやホットドッグは
好きですか?
地獄でもホットドッグは売っていますが、その場合の
ケチャップはたいてい赤鬼です。
かぶりついたりしてトラブルにならないよう注意して
ください。
「天然ケチャップ使用」の看板の店では
ケチャップ部分をできるだけ避けて食べてください。

   


地獄で握手を求められても
うかつに応じないでください。
鬼の場合があります。角に注意。

いかがですか?
これでいつ地獄に墜ちても安心ですね。
今年は日本と地獄の修好5000年ということで
「地獄における日本年」のキャンペーンが
行われており、日本の方はたいへん歓迎されます。
さあ、let's地獄!

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