ふたご1  「晴れときどきたかじんというのは赤川次郎原作で井筒和幸監督の映画「晴れ、ときどき殺人」がもとになっているのですか?」

ふたご2  「その問いには誰も答えてはくれないだろう。」

ふたご1  「いやゴールデンウィークですよ。」

ふたご2  「そうですなあ。」

ふたご1  「そんなゴールデンウィークを満喫している小鳥さんの話題ですよ。」

ふたご2  「しているのか鳥が。」

ふたご1  「アメリカコガラという鳥は、オス同士でメスへの求愛のため鳴き声をくらべあうのですね。で、メスはつがいのオスが負けた場合に不倫に走る可能性は、つがいのオスが優秀だった場合ほど高いそうです。で、つがいのオスが普通だった場合はそんなに動じないと。」

ふたご2  「はあなるほど。人間社会にも通じるものがありますね。」

ふたご1  「最初から過度の期待を人にしていると、一度期待がはずれた場合に大きく落胆して絶望してしまうのですね。」

ふたご2  「なるほど。」

ふたご1  「ミスタードーナツにしてもそうです。」

ふたご2  「なぜミスタードーナツが。」

ふたご1  「みんなお客が買ってくれるだろうと思って大量のドーナツを作ってみても、期待していたほどお客さんが買わないのでは、店長もがっかりです。支社長もがっかりです。」

ふたご2  「そりゃがっかりではすまないな。」

ふたご1  「そこでミスタードーナツでは売れなかった廃棄ドーナツを集めて家畜のエサにするそうです。」

ふたご2  「なるほどリサイクル。」

ふたご1  「これが発想の転換ですね。最初からお客さんに食べてもらおうと思っていて食べてもらえないとがっかりしますが、最初から動物のエサとして作ったのであれば、「動物に食べてもらおうと思って作ったものを、人まで食べてくれるなんて!」と思って感激ひとしおです。」

ふたご2  「食べる人間側としては複雑な心境ですが。」

ふたご1  「そのドーナツを食べた家畜の肉を人間が食べる。つまり最初から家畜に食べさせようと思うことにより、これまでよりはるかに多くの人々に、間接的ではありますが、ドーナツを食べさせることができるのです!これこそ、よけいな期待を捨てることにより、かえってもっと大きな物をつかみ取れるというものではありませんか!」

ふたご2  「そういうものではないとおもうが。」

ふたご1  「人々よ!夢や希望を捨てよ!」

ふたご2  「何を呼びかけているのだ。」

ふたご1  「で、その捨てた夢や希望を回収して牛に食べさせることにより、間接的に多くの人々が希望を!まあなんて素敵な世の中!」

ふたご2  「夢や希望じゃ腹もふくれんだろう、牛も。」

ふたご1  「ゴールデンゴールデンといいますが、中国にも黄金週が5月1日から7日までできたそうですよ。」

ふたご2  「日本よりも大型ですねえ。」

ふたご1   「ゴールデンウィークの本場の日本としてはなんとかして中国に勝たなければなりませんね。」

ふたご2  「じゃあ思いっきり長くしてみますか。」

ふたご1  「あのですね、そのすぐ長さで勝負しようという根性が間違っているのですよ。休みにとって必要なのは長さではありません!」

ふたご2  「では、内容を充実させるためになにか助成でもしたらどうでしょう。」

ふたご1  「あのですね、そのすぐ中身が大切だと思っている根性が間違っているのですよ。休みにとって必要なのは中身ではありません!」

ふたご2  「長さでも中身でもないとしたらなんなんですか、本当に必要なものとは!」

ふたご1  「それは休み以外の普通の日です!」

ふたご2  「ふ、普通?」

ふたご1  「昔から工芸や美術で金を引き立てるためには「黒」が使われてきました。まわりのものが金と反対の黒や赤ならば、金の輝きはなお引き出されるのです!」

ふたご2  「それで?」

ふたご1  「まず、ゴールデンウィーク以外の日には人々が常に足に足かせと鉄球をつけた鎖をつけてもらい、陰鬱な表情になってもらいます。そして人々をそねみ、ねたみ、ひがみ、裏切りと密告で包まれた世の中にするのです。」

ふたご2  「で?」

ふたご1  「そうまさに普段の日々が暗黒週間になるのです!そうすることによりゴールデンウィークはいっそう引き立てられ、輝きを増すのです!」

ふたご2  「いくら増されても普段が暗黒ではなあ。」

ふたご1  「京都の法住寺で、「後白河法皇第八百十一回御忌法要」が行われたそうです。そしてモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」などのクラシック音楽を奉納したそうです。」

ふたご2  「後白河法皇というと平安末期から鎌倉時代にかけての人でしょう。そんな人にクラシックを奉納してもどうなのでしょうか。」

ふたご1  「そうですよね。後白河法皇は「今様」と呼ばれる歌謡を好んだといいますから、クラシックみたいな古典ではなくてもっと今のものを奉納した方がいいのでは無いのでしょうか。」

ふたご2  「いや、それは当時の「今」であって現代の「今」じゃないですから。」

ふたご1  「後白河法皇はたいへんな歌好きで一晩中歌っていることもしばしば、翌日の昼になっても歌っていたり、のどから血が出ても歌うのをやめなかったといいます。」

ふたご2  「すごい根性だなあ。」

ふたご1  「…まあ、口パクだったそうですが。」

ふたご2  「そんな意味のないことをするかっ!」


5月4日、以前こちらで紹介しましたイラクのフセイン大統領原作の舞台「ザビバと王様」、初日を迎える。


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