ふたご1  「私ができることは花を咲かせることだけです。」

ふたご2  「そうですか。」

ふたご1  「滋賀県の草津川の下流半分が廃川になるそうです。」

ふたご2  「廃川というと、川が廃止になるということなんですか。」

ふたご1  「はいそうです。下流は別の人工の川にうつして、今の川は公園にする予定だとか。」

ふたご2  「川も団体や線路みたいに廃止になるというものなのですねえ。」

ふたご1  「怖い時代ですね。うかうかしているといつ我々も廃止されて廃人になるかもわかりませんからね。」

ふたご2  「それはあんたの心がけひとつですね。」

ふたご1  「山も海も空も廃止されるご時世なわけですよ。」

ふたご2  「空はさすがに廃止はできんでしょう。」

ふたご1  「大都会の空は廃止されて人工の空になっちまった。」

ふたご2  「なんだその安いロックの歌詞みたいのは。」

ふたご1  「ですから日本ももう不況でしょう。国は財政赤字だし。国債の格付けは下がるし。」

ふたご2  「そうですねえ。って、空が廃止できるかという話ですが。」

ふたご1  「そんな状況なのに今ひとつ日本改革への危機感が盛り上がっていないわけですよ。」

ふたご2  「そうですかねえ。」

ふたご1  「たとえば、さまざまな問題を抱えてそのことでみんな頭がいっぱいになっていてもですね。」

ふたご2  「はい。」

ふたご1  「外にでて、空を見上げて「うわあいい天気。何かいいことあるかも!」と気分転換してしまうのです!危機感なんか吹っ飛んでしまうのです!青い空があるために日本の改革ができないのです!」

ふたご2  「アホッ!」

ふたご1  「ですから現行の希望を与えそうな青空を廃止して、もっと絶望感や危機感のあふれる人工の空を導入するというのはどうでしょうか。」

ふたご2  「…どうでしょうかじゃねえよ。」

ふたご1  「暗くよどんだ空に…ぽっかりと浮かぶたくさんの樹木希林…」

ふたご2  「そんな樹木感を高めてどうする。」

ふたご1  「ソニーが植物原料のウォークマンを作るそうですよ。」

ふたご2  「植物原料というとプラスチックの部分が植物性なのですか。」

ふたご1   「とうもろこしから作ったプラスチックなのだそうです。」

ふたご2  「それは地球にやさしいですね。」

ふたご1  「これでウォークマンをポイ捨てしても分解されて自然に帰っていくから安心なわけです。」

ふたご2  「いやあんまりポイ捨てされるものじゃないでしょうが。ウォークマン。」

ふたご1  「そうですね。もっとポイ捨てされるものを分解されやすい植物性にしたほうがいいと思うのですよ。われわれ日本ポイ捨て推進総同盟としては。」

ふたご2  「即刻解散しろそんな団体。」

ふたご1  「自然環境にやさしいとなれば、我々日本ポイ捨て推進総同盟も、安心してポイ捨てができるというものですよ。」

ふたご2  「そもそもポイ捨てなどするなというのに。」

ふたご1  「何をいうのですか。ポイ捨ては世界各地で愛好されているれっきとしたスポーツですよ。」

ふたご2  「はあ?」

ふたご1  「ポイ捨てはそもそもペルシアに発祥し、ヨーロッパに伝わって全世界に広まり、数多くの名選手を生み出してきました。」

ふたご2  「なんだポイ捨ての名選手って。」

ふたご1  「1618年5月ボヘミアのプラハにおいて、新教徒達が神聖ローマ帝国の皇帝であったオーストリア国王ルドルフ2世の国王参議官であるヴィレーム・フルム・スラヴァタ、ヤロスラフ・ボジタ・マルティニッツ両伯爵と書記官一人を王城の窓から放り投げるというポイ捨ては、今も歴史に残る名ポイ捨てとして知られています。」

ふたご2  「人をポイ捨てすんな。」

ふたご1  「そのうちに転がるものをポイ捨てする一派がうみだしたのが、野球になり、ボーリングになり。」

ふたご2  「ボール投げるのはポイ捨てか。」

ふたご1  「紙切れをポイ捨てする一派は演劇や演芸方面へ。」

ふたご2  「ああ紙吹雪ね。」

ふたご1  「川で鮭を取ってきて、卵を受精させて稚魚になってから川にポイ捨てする一派は北海道の水産試験場に。」

ふたご2  「鮭の放流もポイ捨てか。」

ふたご1  「そんな邪道にそれた奴等に、真のポイ捨てを見せてやりたい!我々日本ポイ捨て推進総同盟はその一心で!」

ふたご2  「おーい、誰かこいつを窓から投げる手伝いしてくれんか。」

 

6月14日、ブラジル大統領選、ルラ氏とセラ氏の一騎打ちへ。


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