ふたご1 「いよいよ9月9日は重陽の節供!サンタさん、来てくれるかな?」
ふたご2 「まあ楽しみにしておいてください。」
ふたご1 「ロシアから持ち込まれた大麻が富山県で売りさばかれるという事件がありまして。」
ふたご2 「はい。」
ふたご1 「ロシア人の船長が犯人として捕まったのですが、実はこの犯罪の裏には大掛かりな謎のトリックがあったのです!」
ふたご2 「なんなんですかそれは!」
ふたご1 「実は彼には双子の弟がいたのです!」
ふたご2 「は?」
ふたご1 「裁判長も「犯人が被告かもしくは被告の双子の弟であることは確かであるが、被告を犯人であると確定する合理的な証拠は無い。」として無罪にするしかない有様!」
ふたご2 「…そんなトリック、ミステリーやったら怒られるで。」
ふたご1 「しかしこれはおそろしいことですよ。実社会ではまだまだ双子のトリックは使えるということですよ。このトリックが世界中で使われたら大変なことになりますよ。」
ふたご2 「どこで使うんですか。」
ふたご1 「たとえば拉致事件などがありますね。」
ふたご2 「拉致事件で?」
ふたご1 「実は本人を拉致したのではなく、双子の弟を拉致していたのだ!」
ふたご2 「拉致はしとるやないかっ!」
ふたご1 「だめですか。」
ふたご2 「双子のトリックは、犯人がどっちかわからんようにするために使われるんですから。被害者が双子でもあんまり意味は無いやろ。」
ふたご1 「じゃあ、実は不審船なのではなく、不審船の双子の弟の不審船だったのだ!」
ふたご2 「やっぱり不審船やないかいっ!」
ふたご1 「実は犯罪というのは良識の双子の弟なのかもしれませんね…。」
ふたご2 「きれいにまとめたつもりになるな。」
ふたご1 「シンガポールでは10本入り煙草の販売が禁止されるそうですよ。」
ふたご2 「なんでまたですか。」
ふたご1 「10本入りの煙草は安いので喫煙がはびこる原因となるからです。」
ふたご2 「なるほど。」
ふたご1 「どうせなら10万本単位とかで売ればなかなか買える人もいなくなりますね。」
ふたご2 「まあそりゃそうですが。」
ふたご1 「しかしまあ禁煙というのはけっこう国家にとって重要な政策になっていくのですよ。」
ふたご2 「なぜですか。たばこは税金がかけられるから禁煙は困るんじゃないですか。」
ふたご1 「それは一面的な見方です。いいですか。21世紀の国庫支出で最も割合が増大すると見られているのは医療保険費です。たばこで健康を害する人が増えれば医療保険費の支払いも増えて国は困るのですよ。」
ふたご2 「なるほどそれはそうですね。」
ふたご1 「健康で働く人が多ければ税金は増えますし。たばこ農家の無いシンガポールではたばこ農家を保護する必要もないですからね。」
ふたご2 「なるほど。」
ふたご1 「つまりこれからは国が本腰を入れて禁煙運動をおしすすめるということですよ。」
ふたご2 「入れますか、本腰。」
ふたご1 「たばこの中にタールやニコチンのかわりに本腰を入れるわけではありませんよ。」
ふたご2 「知ってます。」
ふたご1 「つまり国ならではの力を生かして、国民にたばこを自発的に止めさせようという壮大で婉曲的な計画です。」
ふたご2 「自発的にやめさせるってどうやるんですか。」
ふたご1 「たとえば、公共放送などで国の国定公園の自然をあつかった番組を放送します。ですが、この番組はただの番組ではありません。この番組には秘密のサブリミナルメッセージが隠されているのです!」
ふたご2 「サブリミナルメッセージ!それじゃ政府がたばこをやめたくなるように、国民を洗脳しようとするのですか!」
ふたご1 「そのとおり!一見平和でおだやかに見える自然の映像に、国民をたばこの害毒から救おうとする政府の魔の手が隠されているのです!」
ふたご2 「いったいどんなサブリミナルメッセージなんですか!」
ふたご1 「かぶとむしです!」
ふたご2 「は。」
ふたご1 「そんなわけでみんなたばこを吸わずにクヌギの樹液を吸うようになりつつあるのです!」
ふたご2 「つつあるかっ!」
9月6日、マディソン郡の橋、燃える。(2002年9月3日)