ふたご1 「やさしく私を包みこんでくれる…広島の風。」

ふたご2 「オタフクソース風味かね。」

ふたご1 「ロシアで行われた調査によると、旧ソ連時代の
独裁者、スターリンについて、 53%が肯定的な
役割を果たしたと評価されているそうですよ。 」

ふたご2 「在世中は粛清粛清で一千万にのぼる被害者を
出したりしたスターリンですがねえ。」

ふたご1

「不況になると過去の偉大な時代を思い出す
ものなのですよ。 」

ふたご2 「そういうものですか。」

ふたご1 「例えば洗濯機の調子が悪くなると、前の洗濯機は
よかった、前の洗濯機を使ってた時代に戻りたい。
そう思うでしょう? 」

ふたご2 「今の洗濯機の調子よかった時代に戻りたいですが。」

ふたご1 「現実が悪いと、人は未来志向と過去志向に別れます。
未来志向は想像力がないとイメージできないですからね。
だから過去をイメージするのが楽だということで、不況下の
ロシアの方々はスターリン時代を懐かしんでいるわけですよ。 」

ふたご2 「そんなこというとロシアの53%の回答者は気分悪くしますよ。 」

ふたご1 「いやまあ、それが普通ですよ。未来志向な思考は、この私の
ような…ごく限られた…一部の人間の特権ですからね…。」

ふたご2 「ほう、とするとあなたは想像力にあふれたごく一部な人間だと。」

ふたご1 「ふっ…そう呼ぶ…人もいるな…。 」

ふたご2 「じゃあ、この不況だ不況だといわれて夢も希望もないような
この日本の未来を、その未来志向あふれる想像力で、
予測してもらいましょうか。 」

ふたご1 「フッ…まかせておきたまえ。…ごく一部の人間は現状を
正確に分析し、そこから未来への展望を見出すことも
できるのさ…。 」

ふたご2 「だから何なんだその口調。」

ふたご1

「まず、1年以内に、佐藤総理が実現するね。 」

ふたご2 「佐藤総理?佐藤姓で有名な政治家いましたっけ。」

ふたご1

「1972年に退陣した佐藤栄作総理以来、31年ぶり2度目の
佐藤姓の総理大臣ですよ。」

ふたご2 「いや、そんなことはいいですが。何で佐藤さんが総理大臣に。」

ふたご1 「フッ…決まってるじゃないですか…。政局は日々流転し、
国際情勢は日々激動する…そんな時代で、勝利のカギと
なるもの…それは… 」

ふたご2 「それは?」

ふたご1 「情報ですよ。情報をいち早く集積し、それを生かす…
それこそがこの時代の総理大臣となるのにふさわしい、
人材なのですよ… 」

ふたご2 「はあ、そんな情報通の佐藤さんがいましたか。」

ふたご1 「フッ…少しでも多くの情報をいち早く耳に入れるために必要な
資質を持った佐藤がいるのですよ…。 言いましょうか?その
資質を聞けばあなたにもすぐ分かるはずですよ…。 」

ふたご2 「はあ、ではその資質とはいったいなんなんですか。」

ふたご1 「フッ…ずばり、耳が大きいことですよ…。 」

ふたご2 「佐藤藍子かっ!」

ふたご1 「「えっ、私が総理?」佐藤藍子も思わずアンビリバボー! 」

ふたご2 「やかましい!」

ふたご1 「あと、アラブ諸国との協調と、ロシアのスターリン回顧の
風潮に賛意を示す意味で、ヒゲを生やしてもらえば完璧だね。 」

ふたご2 「だねじゃねえ。」

ふたご1 「「イーメックス」という会社が、人工筋肉に応用できる、人間の筋肉の
100倍以上の力が出せる伸縮可能な素材の開発に成功したそうですよ。 」

ふたご2 「ほほう。 」

ふたご1 「これで、人類の力を越えた人型ロボットの製作も
可能になるわけですよ。 」

ふたご2 「ロボットの力って言うのはモーターの力で出せばいいんじゃ
ないですか。 」

ふたご1 「あのですね、人間の筋肉も電気で動いてるんですよ。
しかし、同じ電力で動くモーターに比べて、筋肉のほうが
より大きな仕事ができることが多いわけなんですよ。 」

ふたご2

「そういえばそうですね。」

ふたご1 「ですからこの素材を使えば、より少ない電力で大きな仕事の
できるロボットが作れるということなんです 。 」

ふたご2 「なるほどそれはすばらしいねえ。」

ふたご1 「ですからすごい力になりますよ。アイボも。」

ふたご2 「アイボにそんな力もたせてどうする。」

ふたご1 「例えば冬ですよ。 」

ふたご2 「冬に?」

ふたご1 「冬に着せられた洋服を、全身の筋肉を怒張させることにより、
びりびりにひきちぎるアイボ!」

ふたご2 「そんなことしてどうする!」

ふたご1 「あと、飼い犬が飼主の権威を認めず、散歩の時に飼主を
引っ張り、気に入らないことがあれば飼主に襲いかかると
いう、権勢症候群の再現も夢じゃないですよ!」

ふたご2 「だからしてどうする!」       

3月7日、そんな中、スターリンのひ孫ビサリオン・ジュガシビリさん、米国へ亡命。
 

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