金輪はお日様の光を受けてぴかぴかと光っておった。
「こんなきれいなもの、寺のご本尊様のぐらいでしか、みたことがねえのう。」
吾作は、寺のご本尊様のことではっと気がつくことが、あった。
「そうじゃ、これはご本尊様が頭にはめておられる飾りにそっくりじゃ。
けんど、 ここまで大きくは、なかったのう。ちょうどわしの頭と同じ大きさじゃ。
そうじゃ。ぴったりじゃ。」
吾作は金輪を頭にはめてみることにした。
寺の本尊の下には、意味ありげな文字がかかれており、それが後に
埋蔵金伝説のもととなるのだが、もともとはなんとなく吾作のじい様が落書き
したものじゃった。 そのことを吾作はまだ知らないし、知る必要も無いのであった。
もちろんわしもお前もじゃ。
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