[Weekly e-Mail Magazine for USO Mania]

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[1999.10.05]

This week Contents.........

1. [かいと君と猫八さん]
2. [錦之介通信REMIX]
3. [かいと君と猫八さん]

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1. [かいと君と猫八さん]

「先手:猫八9段 三四歩」
「後手:かいと7段 七二飛車」

アシスタント:「寺澤先生、出だしはいかがでしょうか?」
寺澤7段:「まだわかりませんが、猫八9段は得意の向かい飛車でくるかも
     しれませんね」

「先手:五四銀」
「後手:八一金」

アシスタント:「猫八9段は矢倉のようですね。寺澤先生、かいと7段は
       ...居飛車穴熊の構えでしょうか?」
寺澤7段:「恐らくですが、かいと7段、穴猫狙いではないでしょうか?」
アシスタント:「穴猫?するとかいと7段は...」

「先手:二六銀」
「後手:九九アメリカンショートヘアー」

寺澤7段:「ああ、これは穴猫ですね。かいと7段、珍しいですね」
アシスタント:「するとこの局面からは、...あの猫将棋になるわけ
       ですか?」
寺澤7段:「よくご存知ですね。将棋界の歴史を振り返っても、猫将棋の記録
     はありませんから、これが史上初の猫将棋公式戦となりますね」

「猫八9段:二六猫飛車」

寺澤7段:「ああいけません。猫八9段動揺してますね。猫飛車の出し方を
     間違えています」

「猫八9段:二六四六二六三五猫飛車」

アシスタント:「先生、これは?」
寺澤7段:「猫は1メートルたりとも真っ直ぐ歩くことができませんから、
     飛車にはむかないんですよ」

「かいと7段:三六ふわふわして風で動くもの」

アシスタント:「あっ、[ふわふわして風で動くもの]ですか」
寺澤7段:「そう、[ふわふわして風で動くもの]ですね。厳しいですね」

「猫八9段:四六猫銀」
「猫八9段:四七猫金」
「猫八9段:五八猫ステルス機」
「猫八9段:三八桂猫」

アシスタント:「[ふわふわして風で動くもの]で矢倉が総崩れですね」
寺澤7段:「迷彩を施したステルス駒まで出てきましたね。猫八9段、
     苦しい展開です」

「かいと7段:九七アメリカンショートヘアー」

アシスタント:「ああ、[ふわふわして風で動くもの]につられて穴猫から
     出てきてしまいました。これではブリーディングは無理ですね」
寺澤7段:「かいと7段誤算ですね。さて、どうやって収拾しますか」

「猫八9段:三六深海300メートル トライデント型猫原潜」

寺澤7段:「ああ!いけません猫八9段!今ここでそれを使っては!」
アシスタント:「1955年の新東宝映画、王将一代(伊藤大輔監督) では、
       主人公の坂田三吉(辰巳柳太郎)がSLBMの直撃を受けて
       惜敗していますが..現実に猫原潜を見ることになるとは!」

シュバッ!グオオオオオオオオオオーン

アシスタント:「 発射!発射です寺澤さん!」
寺澤7段:「終わりだ!もう世界は終わりだ!」
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  番組の途中ですが、放送上の都合により、錦之介通信をお送りします
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2. [錦之介通信REMIX]

錦之介通信REMIX9 名前には気を遣おうの巻
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光デパート@大嘘百貨店
http://village.infoweb.ne.jp/~fwba0050/index.htm
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日本には、戒名という不思議な習慣がある。

死人に坊主が「〜悟士」とか名づけるこの習慣、坊主に支払う金の大小

によってランクが上がり下がりしたり、それ以前になぜ坊主ごときに名

前をつけられねばならないのか、と理不尽に思う人は多いだろう。

が、戒名はともかく、死ぬときに改名するというアイディア自体は悪く

ないと思う。

 

生きている人の多くは、自分が死んだときに自分がどう語られるかにつ

いて、あまりに無頓着である。

 

晧晧として時代を生き、颯爽として死んでいった偉人であっても、本名

が

「光デパート」

では哀惜の念も半減しようというものだろう。

それは「ロドリゲス中村」でもまずいし、「阿Q」のように語尾がQで

もまずいはずだ。

 

そして、これから死に行くものが、自分の名前以上に気をつけねばなら

ないのは「病名」だ。

 

24時間風呂で話題になったレジオネラ菌、これに感染した患者の病状

を「在郷軍人病」という。場合によっては死に至る恐ろしい病だ。

ザイ・ゴウ・グン・ジン・ビョウ。実に力強い響きだ。ミリタリー感覚

だ。

恐らく正確に訳せば「退役軍人会病」となるのだろうが、同じ症状なら

かっこいい病名のほうが、タイエキグンジンカイ病よりザイ・ゴウ・グ

ン・ジン・病のほうがよいに決まっている。

訳の正確さよりも語感を優先する、患者の立場に立った、まさに日本語

訳者の慧眼の賜物である。

 

すべからく医学を志すもの、なかんずく死に至る病の研究に邁進するも

のは病名という「言葉」にデリカシーを持つべきであろう。

それは、死者の「死因」として永く語られるものだから。

 

そういう意味で言うと、在郷軍人病は(日本語訳はともかく)、極めて

安易な命名であったと言わざるをえない。

 

レジオネラ菌は嫌気菌である。とあるビルの冷却塔に発生したレジオネ

ラ菌が、空調ダクトを通じてビルじゅうにばらまかれ、たまたまそこで

会合を開いていた「在郷軍人会」の中に多数患者が発生した、というの

が病名の由来である。

 

たまたま、「在郷軍人会」だったからまだよい。これが、新宿コマ劇場

であったならばどうなっていたことだろうか。

「藤あや子新春特別公演女の一生」病となっていたかもしれないではな

いか。

詰め寄せる弔問客の前、喪主たるご婦人が、「うちの主人はこのほど、

藤あや子新春特別公演女の一生病で永眠しました」と語らねばならない

のだ。これほどの悲劇はあるまい。

 

医学者は、病状の特性をよく考え、慎重に病名を決定すべきである。

子供の死亡率が高い病気ならば、「スーパーサイヤ病」と名づけるのは

どうだろう。「スーパーサイヤ病」で死んだ子供は、死してなお病名の

恩恵により、近所の子供たちのヒーローでありつづけるだろう。

 

マスコミに発表された三船敏郎の死因は「全機能不全」であった。

さすが世界のミフネ、死因とはかくありたいものである。

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3. [かいと君と猫八さん]

アシスタント:「ここは爆心地です。たった10分前まで、ここでは猫八9段
       とかいと7段の対戦が行われていましたが、今はその面影すら
       ありません。あたりには、ミサイルからバラ撒かれたまたたび
              が散乱し、見渡す限り一面が惨澹たる状況です...」

寺澤7段:「ううう...」
アシスタント:「寺澤先生!ご無事だったのですね!大丈夫ですか!」
寺澤7段:「うにゃううにゃううにゃううにゃううにゃうん〜〜〜〜」
アシスタント:(寺澤先生......猫?)

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