――Quick USOYA 2000.05.23―――――――――――――――――――――――

今週の内容.........
1. しーもす君と小猫さん
2. 錦之介通信REMIX
3. しーもす君と小猫さん

1. しーもす君と小猫さん ――――――――――――――――――――――――

しーもす:「へえー」というのは,どういう意味の言葉だ?
小 猫 :驚きを含んだ詠嘆,というところかな。軽い驚きが多いがね。
しーもす:そうだね。では,隣の空き地に囲いができて,驚いて詠嘆する状況と
     はどんな状況だ?
小 猫 :どういうことだい?
しーもす:不自然だとは思わないか。「隣の空き地に囲いができた」という事実
     を告げられて,驚いて詠嘆する人物とは。
小 猫 :確かに囲いぐらいで驚くというのはおかしいね。
しーもす:それもあるが,「となり」というのは何のとなりだ。
小 猫 :そりゃ言うまでもなく,第1の話者の・・・そうか!この二人は同じ
     部屋に住んでいるんだ!
しーもす:そう,別の場所に住んでいるなら,「私の家のとなりに」というに違
     いない。何の注釈もなく「となり」と言っているということは,「隣」
     は二人の両方にとって「隣」であるということだ。
小 猫 :確かに不自然だ。ある空き地に囲いができたら,隣の家の住人はすぐ
     に気付くはず。一人の住人がもう一人の住人にその事実を伝え,驚く
     という状況は想像しにくい。
しーもす:やっとわかったね。この異常な状況が。
小 猫 :いったいどう考えればいいのだ。なぜ隣の空き地のことを同居人に聞
     いて驚くのだ。
しーもす:驚いている方の人物は,隣に囲いができたことを知り得ない状況にあ
     ったわけだ。
小 猫 :例えば,ずっと家の中で仕事をしている人物か。
しーもす:いや,隣家の話題になるほどの囲いなら,かなりの大工事を必要とし
     たはず。いくら家にいるとはいえ,完成するまで騒音などに気付かな
     かったとは考えにくい。
小 猫 :目が見えなかった可能性は。
しーもす:それも同じ。目の見えない人は聴覚が敏感なものだ。
小 猫 :座敷牢に入れられていた?
しーもす:座敷牢に入れられている人物に,隣の囲いのことを伝えるか?
小 猫 :では,隣というのが数km先なのかもしれない。それなら住んでいて
     も囲いの建設に気がつかないことはありうる。
しーもす:それもないな。数km先にあるのが家なら,それが隣であることも可
     能だが,それが空き地なら,「隣」と自分の間にあるのは何だ?
小 猫 :うーむ・・・・。

2.錦之介通信REMIX ―――――――――――――――――――――――――――

錦之介通信REMIX24 なぜそんなBGMの巻
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光デパート@大嘘百貨店
http://village.infoweb.ne.jp/~fwba0050/index.htm
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ここ5年ほどだろうか、都内にインド料理屋が急激に増えたような気がする。
イタリア料理店ほどではないが、日本人の食生活に着実に食い込んでいるのは確
かなようだ。

最近は自宅でスパイスを調合してカレーを作ることが多くなったので回数は減っ
たが、それでも外食でインド料理屋を選ぶ機会は多い。タンドゥーリで焼いたナ
ンの味だけは、家庭ではいかんともしがたいためだ。

インド料理屋で不思議なのは、かなりの確率で、「ああ、インド料理屋ね」BG
Mが流されていることだ。
「ああ、インド料理屋ね」BGM。
「イヤ〜ヲォォウウェンユア〜〜〜イ」薄い鉄板をビヨヨンと震わせたような、
甲高い女性の声が延々と響き渡るあの曲。

なぜ、インド料理屋はあのBGMなのか。

インド料理屋より不思議なのは、大型電器店だ。
なぜ、大型電器店は揃いも揃って、自前のテーマ曲を持ちたがるのか。
しかも、いずれも「趣味は悪いが妙に脳裏に焼き付く」曲ばかりだ。

古くはオノデン、サトー無線から、ヨドバシ・サクラヤ・ビッグカメラの御三家。
新興勢力のソフマップやT・ZONEしかり。

T・ZONEの店に「T・ZONEのテーマ」が流されるようになったのは3年
ほど前からだろうか。はじめて聞いたときにはその悪趣味さに膝が砕けた。
あれは、客に対するいやがらせ以外の何物でもない。
例えば、引越しのサカイが引越し作業に来て、延々と「引越しのサカイ」の歌を
歌ったならば、立派ないやがらせだろう。客は、離れていくに違いない。

だれも、大型電器店のテーマ曲など聞きたくないはずなのに、なぜか大型電気店
は、取り憑かれたかのように延々と店のテーマを流しつづける。
これはいったい、なんなのだ?
 
漫画「ファンシィダンス」では、密教マンダラとパチンコ台の相似性がとりあげ
られた。
マンダラとパチンコ台のデザインだけではない。護摩の煙が立ち込める密教寺院
での宗教儀式と、タバコの煙が立ち込める光と軍艦パーチのパチンコ屋には根本
的な共通点がある。
聴覚と視覚に対し刺激を氾濫させることで、理性の平衡感覚を失わせる。密教寺
院とパチンコ屋は、心への影響力を高める技術を磨く過程で、同じ結論に行き着
いたのである。

大型電気店に溢れる原色のビラとあのBGM。目指すところは、密教寺院やパチ
ンコのような、人の心への技術にちがいない。

           (錦之介通信REMIX25は6月27日号に掲載の予定です)

3. しーもす君と小猫さん ――――――――――――――――――――――――

小 猫 :この会話は地球人の生活をしらない異星人が机上の想像で作り上げた
     ものではないか。
しーもす:いや,そうとも言えないぞ。
小 猫 :どういうことだ。
しーもす:そもそも我々の前提が間違っていたのではないか。「驚いている人物」
     が,空き地を見ることのできない状況にあったわけではなく,「囲い」
     が見えなかったとしたらどうだ。
小 猫 :なるほど! 不可視な囲いか!
しーもす:そう,そこに囲いはあるのだが目には見えない。当然隣からも見えな
     い。しかし第1の人物はそれが囲いであることを知り,第2の人物に
     伝えた。
小 猫 :実際に触ってみるか建造者に聞くかなければ存在は直接には知られな
     いから,伝聞でも不思議はない! しかし工事の騒音はどうだ?
しーもす:騒音に気付いて窓からのぞいても,それが囲いを作っているというこ
     とには気付かないはずだ。見えないんだからね。,
小 猫 :すべての辻褄が合うね。
しーもす:しかも,この仮説によってもう一つの謎も説明できる。
小 猫 :もう一つの謎とは。
しーもす:小猫くんは,コンクリートブロックや木材によって,中が見えないよ
     うにした遮蔽建造物を何と呼ぶ?
小 猫 :何って・・・塀だ!
しーもす:そう,なぜ第1の人物は塀という言葉を使わなかったのか。なぜわざ
     わざ「囲い」などという日常的でないな言葉を使ったのか。
小 猫 :そうか,隣の空き地に出来たものは,「塀」と呼ぶにはふさわしくな
     いものだったわけだ。
しーもす:そう,我々のイメージにある「塀」とはあまりに違いすぎるからね。
小 猫 :いや,待てよ。
しーもす:なんだい。
小 猫 :ではなぜ,第2の人物は「へえ」と言ったんだ?
しーもす:それはだから,驚きを含んだ詠嘆だよ。
小 猫 :いや,そうではなくて・・・。
しーもす:確かに「塀」と「へえ」の音は似ている。が,偶然の一致に過ぎな
     い。それがどうかしたかい?
小 猫 :・・・・。

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