――Quick USOYA 2000.09.26―――――――――――――――――――――――

今週の内容.........
1. しーもす君と小猫さん
2. 更新情報
3. しーもす君と小猫さん
4. 私の古本自慢
5. しーもす君と小猫さん

1. しーもす君と小猫さん ――――――――――――――――――――――――

小  猫:ふあ...あ...ここはどこ.....?
(一面の花畑に紺碧の空、彼方には川の流れが見える)
小  猫:ん...あれ?寝てたのか....
     しかしこの右手にある割り箸と饐えた脂臭さ、僕は確か、少し前まで
     千駄ヶ谷ホープ軒でラーメンを食べていたような...
しーもす:小猫、そこなる小猫
(白いローブをまとったしーもすが空中から舞い降りる)
小  猫:は?ええと、何でしょうか?
しーもす:小猫よ、ここは死後の世界
小  猫:へ?
しーもす:小猫よ、おまえは死んだのです
小  猫:へ???
しーもす:ほうら、あの川を渡る人々を見てご覧なさい
(三途の川を渡る若い男女の群れ)
しーもす:死後の世界では、皆が壮年の若さを取り戻し....
(若い男女の群れは手に手を取り、微笑みあいながら空中の楼閣へと消えてゆく)
しーもす:千葉ロッテマリーンズファンとして永遠に生き続けるのです
(空中の楼閣は、よく見ると千葉マリーンスタジアム)
小  猫:なんだかよくわかりません
しーもす:天国のロッテは、伊良部も有藤も金やんもいない一味違うロッテ
小  猫:現世のロッテにもその3人はいませんが....
     ところで、本当に僕は死んだのでしょうか?
     僕はただ、ラーメン屋でラーメンを食べていただけのような気がする
     のですが...
しーもす:小猫よ、おまえは千駄ヶ谷ホープ軒でチャーシューめんを食べていた
     ときに
小  猫:食べていたときに?
しーもす:嘘競演が始まったので、死んでしまったです
小  猫:嘘競演が始まると何で僕が死ぬんですか
しーもす:第16回嘘競演のテーマは「死」だからです
小  猫:バカ言っていないで、僕を現世に戻してくださいよ
しーもす:お前は、尽きること無き生命を得、未来永劫ロッテファンとして生き
     たくはないのですか?
小  猫:嘘競演の告知とかロッテとかはどうでもいいですよ。戻してくださいよ
しーもす:それでは仕方がありません。
(小猫、意識が遠ざかる)

2. 更新情報 ――――――――――――――――――――――――――――――

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ています。→ http://www.asahi-net.or.jp/~tf2m-nsd/i-mode/

3. しーもす君と小猫さん ――――――――――――――――――――――――

(小猫、気が付くと千駄ヶ谷ホープ軒のカウンター)
小  猫:は?...チャーシューめんがまだ熱い...あれは夢だったのか
しーもす:どかしましたかあ
小  猫:え!あなたは死後の世界の案内人...
しーもす:ワタシにぽんごスコシね
小  猫:...に似てはいるけれどバイトの外国人ですか。僕、今、何か変なこと
     していませんでしたか
しーもす:へなこと?
小  猫:ラーメンを前にして居眠りしていたとか
しーもす:オキャクサンへなことないよ
小  猫:ううむ、やっぱりあれは気の迷いか
しーもす:ただ、シゴの世界で神様とハナシテただけ
小  猫:十分ヘンじゃないか
(小猫、気が付くと、千駄ヶ谷ホープ軒のカウンターから空中に浮かぶ)
小  猫:うわわわ、空中に浮いている!ラーメンを食べている自分が見える!
(小猫、暗闇に吸い込まれていく)
小  猫:わああああああああああああああああああ

4.  私の古本自慢 『漫才・マンザイ・MANZAI』―――――――――――――

            詰めにくい  http://homepage1.nifty.com/tsume/

 <ザ・ぼんち>
 おさむちゃんでーす,コン!  16
 遭難です。そうなんですか 16
 上,中,並,どれにしますか 18
 淡谷のり子,バキューン! 20
 われわれの打開策を考えよう! 23
 みんな橋幸夫や 24
 おこったぞ! 26
 山びこが先に呼ぶな 26
 ええかげんにせーよ,何人呼んだ 28

何のことかおわかりだろうか。ヒント,右の数字は頁数である。

これ,実は『漫才・マンザイ・MANZAI』(花王名人劇場編 講談社 1981)と
いう本の目次の一部である。この本は漫才ブーム絶頂期の人気コンビのネタ
をそのまま収録したものである。載っているのは全10組。

ところがこの本,漫才を本にするという未経験の仕事を手がけた編集者が,
他の分野の本の方法論を転用してしまったのか,あちこちで無理が来ている。
上に引用した箇所はその最たるもので,なんと,漫才を細かく分割し,小見
出しを付けているのである。当り前だがこの目次,全く使いようがない。ザ・
ぼんちが淡谷のり子についてどのように述べているかを検索する読者という
のもいないだろう。

本文もまた何とも不器用である。

 ホープ:(ホープ,歩きながらゴムをはなす。ゴムがあたってピース倒れ
る。痛がるピース)
 ホープ:(ピース,むりやりゴムをくわえさせられる。ホープ,ゴムをもっ
て走る。ピース,それを追いかける)
 ホープ:(ピースにゴムをくわえさせる。ホープ,逆にゴムを離されてゴ
ムパンチをあびる)
 (ゆーとぴあ/p.80-81)

一所懸命に舞台上の芸人の様子を伝えようという努力はわかるが,これでは
まるで「桜の園」のト書きだ。かと思えば,このような箇所もある。

 まさと:ということは,犯人は殺しに行く前に,もうすでに煙草屋さんに
寄って,煙草を買っていた。
 おさむ:そうなんですよ。
 まさと:そのあと,この事件はどうなりました? 
(ザ・ぼんち/p.36)

こちらは何の注釈もなし。どう見ても普通の合槌である。もしもビデオとい
うものが消滅してこの文章だけが残ったら,後世の芸能史家は,なぜ1980年
頃「そうなんですよ」が大流行語になったのか,さぞ頭を悩ますことだろう。

 のりお:みんなにね,うぐいすぼうやって呼ばれてました。
 よしお:うぐいすいうたら,きれいでかわいいやつ。ほんな一声鳴いても
らいましょうね。
 のりお:ホーホケキョ!
 よしお:これ,なんとかならんか,しゃーけど,ほんまに。
(西川のりお・上方よしお/p.105)

私はこれを読んだ人が,西川のりおという漫才師は,小鳥の物真似が得意で,
本当にうぐいすそっくりの声が出せたのだと誤解するのではないかと心配する。

後書きは澤田隆治(同番組プロデューサー),発行は講談社,装丁・イラスト
は山藤章二,当時,ブーム便乗本もあったが,この本は正統中の正統,どこも
怪しいところがない。私の買った本には扉裏に澤田氏のサインがあったが,毛
筆の立派な字である。しかし,その正統性がかえっていけなかったのかもしれ
ない。この本,漫才を紙上で再現して読者を笑わそうというには,あまりにも
「本」でありすぎたのだろう。見せて聴かせる笑いと,読ませる笑いの間にあ
る溝をまざまざと示す一冊だ。

5. しーもす君と小猫さん ――――――――――――――――――――――――

(一面の花畑に紺碧の空、彼方には川の流れが見える)
小  猫:ん?また戻ってきた....いったいどうなっているの?
しーもす:小猫、そこなる小猫
(白いローブをまとったしーもすが空中から舞い降りる)
しーもす:嘘競演のURLを告知し忘れていた
     http://village.infoweb.ne.jp/~fwba0050/usokyo/
     に今すぐおとずれるのだ
小  猫:そんなことで人を二度も殺さないでくださいよ
しーもす:千駄ヶ谷ホープ軒こそは、現世と死後の世界の接点
小  猫:もう、いったいどういうことなのか、説明してくださいよ!
しーもす:ごめなさい、わたしにぽんごスコシ

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