――Quick USOYA 2002.03.26―――――――――――――――――――――――
今週の内容........
1. しーもす君と小猫さん
2. 更新情報
3. 義眼inソウル
4. しーもす君と小猫さん

1. しーもす君と小猫さん ――――――――――――――――――――――――

  (ガクンガクンガクン プシュー)
しーもす:わ!真っ暗になっちゃたよ!
小  猫:エレベータ、止まっちゃいましたね。
しーもす:ひ、非常用インターホン、ど、どこ?

  (ガサゴソ ガサゴソ)
小  猫:ああ‥‥そこ‥‥敏感なんです。性感帯開発は、あとにしませんか?
しーもす:ああ!もう!違うトコ触ってるんなら、そう言ってよ!
小  猫:いえ。どこも触られてません。この緊迫した状況をなごませたく‥‥
しーもす:なごませるのは、あとでいいよ!と、とにかく、非常用連絡ボタン、
     探してよ!
小  猫:ふ、ふ、ふ。私が、この、右の指に、少し力を入れれば、緊急連絡へ
     とつながるのですよ、しーもす君。
しーもす:ボタンの位置、わかってんじゃん!は・や・く、押せえええ!
小  猫:ふ、ふ、ふ。まだ状況をわかっていないですね、しーもす君。この指
     先に力をいれるもいれないも、私のご機嫌ひとつ、ということなんで
     すよ‥‥この漆黒の暗闇の中において、私は支配者なのです、闇の帝
     王なのですよ、ぶわーっはっはっはっは!
しーもす:いいから早く押せよ。

  (プチ)
小  猫:あ。

  (只今 係ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今 係
  ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今‥‥)
小  猫:ああ、短い天下だった‥‥しくしく
しーもす:泣くなよ‥‥また、いい風が吹くときも、あっからサ‥‥
  (只今 係ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今 係
  ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今‥‥)
小  猫:‥‥長い、ですね‥‥。
しーもす:‥‥‥。
  (只今 係ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今 係
  ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今‥‥)
小  猫:‥‥‥。
しーもす:‥‥‥。
  (只今 係ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今 係
  ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今‥‥)
小  猫:‥‥結構、苛立ってます?しーもす君?
しーもす:煽るな!‥‥‥‥イライライラ‥‥‥
  (只今 係ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今 係
  ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今‥‥)
小  猫:だいたい、アクション映画だと、こういう場合、「係の者」ってスポ
     ーツ中継視てるか、居眠りこいてるんですよね。ピザとか喰って。
しーもす:頼むから、逆なでしないでくれよ‥‥イライライラ‥‥
  (只今 係ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今 係
  ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ クダサイ。只今‥‥)
しーもす:ああ!もう!だあああああああああ!
  (只今 係ノ者ニ オ繋ギシマス。シバラク オ待チ)
  (ぐわしゃん!)
  (機械のこげつく臭い)
  (いたたまれないほどの沈黙)
しーもす:‥‥‥。
小  猫:あ。こわしちゃった。しーらないっと。

2. 更新情報 ――――――――――――――――――――――――――――――

■大嘘百貨店FI 
http://member.nifty.ne.jp/sanriki/imode.htm

「早く続きを書きやがれください」
暖かいメールいただきありがとうございます。
死神飼育日記 新作UPしました。

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■【週刊WEBマガジンSAKANAFISH】
http://www.interq.or.jp/ski/sakana/

たいへん静かな日々を送っています。
あのころが嘘のようです。まあひとつお茶でも。

今週の更新情報です。
今週の特集は「ひよすちゃんえにっき」。
かわいらしい少女の日記、なのです。

その他缶詰めまんが果糖水的生活107と
よんこまさん、ふたご対談なども。

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■【Dの嘘】
http://d-uso.com/

 今、巷では、ハンニバル・レクターの書いた人生論
「ハンニバル・レクターの人生論」が大人気。
人は生で食べるのが一番おいしいと力説する本です。

さて、先週の虚偽速報は
【社会】最新水着ショー開催、今年のトレンドはヨロイ
【社会】パリ食中毒コレクション開催
【映画】ディズニー、「眠れる森の美女」をリメイク
です。

      ――――――――――――――――――――――――

■製糖工場の見学中、設備のそばに無造作に置かれた大きな石を見つけ、説明員
の方に「これはサトウキビをすりつぶすために一緒に放り込むのですか」と質問
したところ、「いえ、サトウキビ農家が重さをごまかすために隠したものを取り
除いたのです」と教えられ、また一つ賢くなったやゆよ記念財団。
http://member.nifty.ne.jp/yayuyo/uso/

3. 義眼inソウル ――――――――――――――――――――――

(http://member.nifty.ne.jp/~gun-q/uso/)

<前回まで: 10年程前、ヨーロッパ出張を自腹で行くことになった義眼は、大
韓航空格安チケットを入手し、行き帰りにそれぞれソウルで一泊ずつすることに
した。『どうせ乗り換えのための一泊なのだから、テキトーに泊まる所探せばい
いや』と思っていたのが運のツキ。空港にはボロボロのバンが迎えにきて、アヤ
しい格好をしたおにいちゃんに連れて行かれるハメに。>

 こわばった笑いを顔に張り付かせたまま、私はバンに乗り込んだ。おにいちゃ
んはサングラスをかけ、ガムをくちゃくちゃ言わせながら、乱暴な運転で高速道
路に入っていく。と思ったら、あっという間に高速を降り、バンは下町っぽい街
に入っていった。小さな工場や商店が狭い路地にひしめき、歩いている人や自転
車に乗った人が道に溢れている。その中をバンは高速道路とさして変わらないよ
うなスピードで、クラクションを鳴らしながら、傍若無人に進んでいく。

 私は、バンの中のものすごい揺れに、シートにしがみつきながら、

「頼むから事故らないでくれええっ!」

と脳内絶叫していた。この後数年後、アメリカで韓国人の友人から聞いたのだが、
韓国人の(特にソウルでの)運転は、LAの平均的運転マナーに比べるとかなり荒
っぽいそうだ。LAの運転マナーでさえ、「極悪」と感じていた私にとって、この
ときの韓国での運転初体験は、やはりショックだったのだ。

やがて、ガンッッ!という音とともに、突然車が止まった。おにいちゃんが振り
向いて言う。

「ヒヤア」

「え?」

「ヒヤア、ホテエル」

あ、ああ、”Here, Hotel”ね・・・ そうか、着いたのか。

と思って降りると、バンの前にハンドルのねじまがった自転車が転がっていた。
車が停まった時の衝撃はこれだったらしい。誰の自転車だか知らないが、おにい
ちゃんは別に気にしている様子もなかった。

ところで、車を降りたはいいが、目の前にホテルらしき建物が見当たらない。周
りは場末の繁華街といった感じのところで、食い物やスナックが入った雑居ビル
がほとんどで、環境は悪そうだ。

そのときだった。おにいちゃんが、汚いビルの入り口で私を呼んでいる。そのビ
ルの入り口の上にはPlaza Hotelのロゴが・・・ 入り口にはいちおうカウンタ
ーらしきものがあって、中年のおばちゃんが、とうもろこしをかじりながら、テ
レビを見ていた。料金は前金だという。日本円かドルで払ってくれといわれた。

インチキ臭さ全開なビルながらも、一応ホテルの体をなしているらしく、領収書
もくれた。狭い階段を上がって部屋に通された。大して広くも新しくもない部屋
だが、一応シャワールームと窓がついていて、ベッドもダブルサイズだ。やれや
れ、どうなることかと思ったが、一応まともな宿泊場所ではあるようだ。僕はた
め息をついてベッドに座りこんだ。

と、そのとき、あることに気付いた。部屋のカーテンが妙にケバケバしいピンク
色だったのだ。で、ベッドがダブルサイズ・・・ 洗面所には歯ブラシが2本。
枕もとにはティッシュボックスが・・・そしてその横にあるのは・・・ コ、コ
ンドーム・・・

あわわわわ!!ラブホテルじゃないかああああっ!(続く)

4. しーもす君と小猫さん ――――――――――――――――――――――――

しーもす:‥‥‥。
小  猫:‥‥‥。
しーもす:‥‥‥静か、だね‥‥‥。
小  猫:‥‥‥緊急連絡インターホンを、あなたが、そのコブシで破壊しちゃ
     ったからじゃないですか‥‥‥。
しーもす:‥‥‥。

  (沈黙)

しーもす:ずいぶん、経ったんじゃない?
小  猫:ええ。だいぶ。まだ、救助の音が、しませんね‥‥。

  (沈黙)

しーもす:ねえ。救助が来るまで、なんか、話そうよ。真っ暗だし。
小  猫:閉所恐怖症や暗所恐怖症が、パニック症候群に陥る医療統計データの
     話題、なんて、どうです?WHOのおととしのデータなんですけど。
しーもす:わざと、選んでっだろ?そんな会話、日常でしないって。
小  猫:ビルメンテナンス会社の杜撰な人事管理で、警備員未配置の実情が話
     題にあがっている、という時事ネタあたりでも、しましょうか?
しーもす:あくまで、なごませる気がないね、小猫さん‥‥。
小  猫:そう話すクチ話すクチから人の話題を否定する態度は、よくないです
     よ、しーもす君。「興味のない話題は見くだす」その幼稚な態度。よ
     くないなあ。
しーもす:‥‥た・の・む・か・ら!頼むから、この状況下で、ケンカ売るの、
     やめてくんない?
小  猫:では、とっておきの楽しい話を。ゆうべ私が見た夢のハナシを、ご披
     露しましょう!こいつあ、ケッサクですよお!むふふふふ。
しーもす:小猫さんにとっては、傑作だろうけどね。別に、いいです、ボク‥‥。

  (長い長い沈黙)

小  猫:なんか、息苦しく、ないですか?
しーもす:小猫さんが、ヤな話題ばっか、振るからだよ‥‥。
小  猫:ははあん。なるほどお。ハア、ハア。暗闇でのたわいもないおしゃべ
     りごときで、こんなに物理的にも、息苦しくなるもんなんですねえ、
     ゼイゼイ。
しーもす:こ、小猫さんが、そんなこと言うから、な、なんだか、ボクまで、息
     苦しくなって来ちゃったじゃない!ハア、ハア‥‥
小  猫:わははは。ワタシはてっきり、天井の通風口が塞がってるせいだと思
     いましたよ!わーっはっはっはっは!ぜーぜー
しーもす:わあああああ!なんてこったああ!さっきから、気づいてたのおおお?
     ここ、完全気密状態なんじゃん!わあああ!やだあああ!窒息するう
     うう!ハアハア
小  猫:大声を出すんじゃない!酸素が減る!ゼーゼー
しーもす:つ、通風口、とにかく、開けよう!このままじゃ、2人とも、ち、窒
     息死じゃん!ぜえぜえ

  (ガン!ガン!ガン!)
しーもす:だめだよ!なんか、通風口の上に重いモンが乗ってるみたいだ!ハア
     ハア
小  猫:ゼーゼー‥‥しーもす君‥‥もう、私は、ダメだろう‥‥あ、あなた
     だけでも‥‥生き延びて‥‥ほ、ほしい‥‥ハアハア
しーもす:わああああ!小猫さん!この状況で、その要望はすっごく、ムリっぽ
     いってばああ!小猫さあああん!ぜーぜー
小  猫:さ、最後の頼みだ、しーもす君‥‥ハア、ハア‥‥わ、私を、か、肩
     車してくれ‥‥
しーもす:わかった!わかったから、一緒に、助かろうよお!ね、ね!小猫さあ
     あん!よいしょっと、ゼイゼイ
小  猫:うらああああああ!
  (バッコオオオオン)
しーもす:おお!すげえ!コブシでムリヤリ通風口を確保した!‥‥って、こん
     なに苦しむ前に、それやってほしかったよ、ボクあ‥‥しくしく
小  猫:生き残るすべを確保した恩人には、もう少し感謝していただきたいも
     のだな。
しーもす:いきなり横柄になりやがって‥‥わーった、わーった。ありがと!あ
     りがとさん!ね、もう、降ろしていい?重いんだ。また太ったんじゃ
     ない?小猫さん?よいしょ、と。
小  猫:もう少し、鄭重な扱いをしていただきたいものですな、恩人には。
しーもす:わーった、わーったよ!すいません、王様!
小  猫:わかれば、よろしい。わかれば。できれば、「殿」と呼んで頂きたい。
     ところで、しーもす君。今あけた通風口からチラリと見えたのですが
     ‥‥
しーもす:なに?
小  猫:「殿」と呼べと申しつけたハズだが?
しーもす:あーすいませんねえ!と・の!これでよろしう、ございますかあ!け!
     で、何にお気づきあそばれたので、ございますかあ、ああん?と・の?
小  猫:このエレベータ、ワイヤー、切れそうです。
しーもす:え?
  (ブチブチブチ!)
しーもす:わああああああああ!
小  猫:わはははは。落ちてますな。すげえスピードで。わはははははは!
  (ズン!)
しーもす:あ、止まった。
小  猫:なんか、おぼつかない止まりかたですね
  (ものすごい勢いで上昇するエレベータ)
しーもす:どわわわわわあああああああ!
小  猫:わはははは。昇ってますな。すげえスピードで。わはははははは!
ナレーション(故・富山敬氏希望):解説しよう!2人の乗ったエレベータの床
     部で、逃げ場をなくした空気が圧縮され、エレベータを押し上げたの
     だ!いわば、空気銃を縦にしたような状態なワケだ。圧縮空気のエネ
     ルギーはたいへん大きく、コンクリートを破壊することもできるので
     ある!
  (ばびゅん!)
  (高層ビルの屋上から、すごい勢いで飛び出す、黒い箱。)
  (箱の中から聞こえる「あれえええ また来週ううう ばいばいきーん」の
  小さな声2つ。またたく間に、消失点へ消え去る黒い箱。)

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