――Quick USOYA 2003.09.09 ―――――――――――――――――――――

0.障害復旧のお知らせ

9月1日ごろから発生しておりました嘘屋本舗や嘘競演サイトなどへの
接続ができないという事態は無事解消されました。
これもひとえに皆様とあの方とこの方のおかげでございます。
ご迷惑をおかけしました。


今週の内容........
1. 「しーもす君と小猫さん」(担当:不滅の放蕩)
2.  更新情報と募集(やゆよ記念財団/Dの嘘/週刊WEBマガジンSAKANAFISH)
3.  何が悲しうて英国在住日記 by まき・とうこ
4. NY移民街ぶらり旅 おやおや光さんどちらへ by光デパート 
5. 「しーもす君と小猫さん」


1. しーもす君と小猫さん―――――――――――――――――――――――――――


しーもす:ふああああ・・・
小猫  :眠そうだね。
しーもす:ここんとこ、どうも不眠症気味で・・・
小猫  :それは困ったね。何か試してみたら?
しーもす:こんなとき、庶民たちはどうしておるのかね。
小猫  :なんだよ、急に偉そうになって。
しーもす:実は今まで君には隠してきたんだが、余は上流階級の出なのだよ。
小猫  :余は・・・って。う〜ん知らなかったなあ。
しーもす:まあよい。で、眠れない時、庶民はどうするのじゃ?
小猫  :普通は羊を数えたりしますけどねえ。
しーもす:ふむ羊か。してどのように?
小猫  :羊が1匹、羊が2匹・・・・
しーもす:ふはははは、所詮は庶民、たわいもない。
小猫  :あんたねえ、ちょっと憎々しいですよ。
しーもす:いやいやこれは失礼、なぜ羊を数えるのに1頭2頭ではなく1匹2匹なん
でしょうね。
小猫  :う〜ん、そういえば1頭2頭が正しいかも。
しーもす:頭だったり匹だったり羽だったり尾だったり、ああもう考え出すとまた眠
れない!
小猫  :逆効果でしたか。ところで上流階級の出ってのは本当なの?
しーもす:もちろん。子供の頃はお付きの人達が私を優しく寝かしつけてくれたもの
です。
小猫  :お付きの人ですか。どんな?
しーもす:乳母、召使い、執事が、それはもうたいへんな人数でした。
小猫  :で、どうやって眠っていたの?その頃のことを思い出せば眠れるかも。
しーもす:執事が1匹、執事が2匹・・・
小猫  :眠れるかよ!




2.更新情報そして募集 ――――――――――――――――――――――



■【やゆよ記念財団】
久しぶりに自分のHPを読んでみたら、けっこう面白かったです。
みなさんも新鮮な気分で一つどう? 写真部追加しました。
http://member.nifty.ne.jp/yayuyo/uso/


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■【Dの嘘】
http://www.d-uso.to/
というやゆよさんの言を信じて自分のホームページを読み返してみたら、
リンク切れを発見しました。なるほど良いことがあるものです。
どうですかみなさんも。リンク切れを発見したらご連絡ください。

【工業】大泉もずく公園で新型自動車お披露目
【科学】カイコが経営を考える=生物学の常識を破る
【スポーツ】タイソン、Blasterワームと対戦か=米紙報道


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■【週刊WEBマガジンSAKANAFISH】
http://www.sakanafish.com/
9月です。9月9日は重陽の節句。

節句節句節句節句節句節句節句節句節句節句節句節句節句節句。
「なんで蛍ってすぐ死んでしまうん?」
見たことはありません。

今週の特集は
「襟裳川ミステリ文庫・これはシャーロック・ホームズの
パロディではありませんシリーズ」です。
あるとかないとかもういいではないですか。幸せならば。

さらにいえば柔の道まんが果糖水的生活153やふたご対談
などあります。


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嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。

地道に何か企画ができつつありますという話もあるようなないような形に
なってきました。気長におまちください。


3. 何が悲しうて英国在住日記 そのに。――――――――――――――――――


英国に来て、しみじみとわかったのは、英人は英語をしゃべるということでした。
「のぁにあたりめーのことほざいとんじゃこのハゲ!」
とやさしくおたしなめになる前に、どうぞ話をお聞きください。

義務教育時代、英語授業には、道端のミミズの轢死体に払うくらいの注意しか注
意を払っていませんでした。なので、いざ英国移住となったとき、そのツケとバチと
がトイチの雪ダルマ式で年度末に一気に返ってきたかのような気分を大いに味わい
ました。

ブリティッシュ・カウンシルの英語学校に事情を話し相談すると、その美しい英人
講師はにっこり微笑み、わたしの襟首をつかむと一番きびしいクラスに放りこみま
した。そこで出発までの半年間、耳から脳汁がにじみ出るまで、足で踏んづけられ
るが如く徹底的に英語を詰めこまれました。

だから完璧とはもちろん言えないにしろ、ある程度は大丈夫だろなと希望的観測を
いだきつつ、成田からひこうきに乗ったりしたのです。JALの外国人スチュワーデス
さんはかなり流暢な日本語を話しますが、そこをあえて

「オノミモのはなニにナサイマすか?」
「ウェル、クダーイハブァグラスオブワーインプリーズ」

そして隣席のおばさまの視線を片頬で意識したりしていました。



それがとんでもねえ大勘違いだったと気づくまでわずか15時間の名声。



ヒースロー空港に降り立ち、さあ街まで行っちゃいましょうかねと、タクシーに乗
りこみました。そして滞在先の住所を告げました。

すると運転手のおじさまは、右手をハンドルにかけたまま上半身で振り向き、
そして

「エペペペペペペペペ」

と言いました。

「あ、あいむそーり?」

と思わず問い返すと、運転手さんは肩をすくめ左手の手のひらを上に向け、

「エペペペペペペペペペペペペ
 ペペペペペペペペペペペペペ
 ペペペペペペペペペペペペペェー」

と言いました。

なんてこった。
と思わず翻訳調のさけびが頭を席捲しました。
重石100kgのタクアン桶のタクアンよりもぎゅうぎゅうの英語漬にされたのに
今目の前の人がしゃべっている言葉がひとことも理解できない。
あの6か月間は一体なんだったんだっ。
次の瞬間世界の関節が外れる音が耳元でガリグリゴレと華やかにとどろき



我にかえったとき、
わたしとスーツケースとは滞在先の路上に放り出されていました。
そして走り去るタクシーをうつろな目で見送りながら、
「すごいぞおエペペの国は本当にあるんだあへへへへへへへ」
と、わたしは呆けたパズーのようにつぶやいていました。


それから少し時間が経ち、エペペ英語の国で、どうやら死なない程度には生きてい
けるようになってきたある日。

わたしは知人の家に行きました。すると知人は留守で、かわりにそのおうちのおば
あさまが、まあおはいんなさい、お茶でも飲んで待ってなさいと、招き入れてくだ
さいました。

しかしやがておばあさまは茶を飲む異国人に天真爛漫な興味を示しはじめました。

(注:ロンドンあたりでは外国人などひとつも珍しくはありませんが、わたしが住
みついたのは、アングロサクソン度がとても高い地方都市でした。)

「あなたどこから来たの」
「ニ、ニポンからき、来たですエペペ」
「どこに住んでるの」
「ババババスで行く5マイル向こうのと隣町へ隣町が隣町の」
「ここで何してるの」
「い今がっこうでえ、エぺぺイゴをなならっているですペペペ」
「ふうーん英語をねえ。そうなのねえ。じゃあこうしましょう。今わたしが英語を
教えてあげましょう」

そして左手を広げると、右手の人さし指で左手の指を順に示しながら、

「いーい?これが、ワン。次が、トゥ。その次が、スリー。わかる?言ってごらん
なさい。ワン。トゥ。スリー。ワン。トゥ」

ああおばあさま。ありがとうございます。
そのおやさしいお心遣い、涙が出てきそうです。
でもね。
わたしいい年したオトナなんです。
ニホンでは働いて一応給料もらってたんです。
来年はここで大学に行くんです。
今のわたしは英語がしゃべれないだけで、バカなんじゃないんです。

しかしそのときのわたしはその思いを言葉にすることすらできず、
なすがままに
「ワン。トゥ。スリー。ワン。トゥ。スリー」
と「そうそう上手ねえ」というおばあさまの賞賛をかみしめつつ、おのれの左手の
指の数をエペペエペペとかぞえているばかりでした。

つづく。

執筆担当:まき・とうこ
【The Total Frontal John Cleese】
http://www.btinternet.com/~akko.o/tfjc/



4. NY移民街ぶらり旅 おやおや光さんどちらへ―――――――――――――――


NYではある特定の職業をある特定の民族グループが担うことがよくある。
例えば、道路わきや駅のニューススタンドに立つのはインド人だし、ネイルサロンは韓
国人ばかり、ダイナーの支配人はギリシア人。

タクシー運転手は様々な人種で構成されているが、中でも多いのはパキスタン人といわ
れている。
日本では、うまい店はタクシーの運転手に聞けと言われるが、NYでそれをやるとパキ
スタン料理屋に連れて行かれる可能性が高い。

パキスタンはイスラム教の国。従って、パキスタン移民はイスラム的に正しい食べ物、
ハラルフードしか口にしない。
当然ながら、食事場所の選択も限られたものになってしまう。
27stのLex Aveには、そんなタクシー運転手が道路わきに車を止め、食事をとるレスト
ランが固まっている。
インドレストランも軒を連ね、ベジタリアンインド料理専門店や、コッシャー(ユダヤ
ラビ承認)インド料理なんてものもある。

パキスタンとインドとは核兵器をもって睨みあう対立国家。そこからきた移民が、NY
では隣り合わせに寄り添って生きている。
チャイナタウンには中国と対立するベトナム料理屋を多く見かけるし、コリアンタウン
は日本食品でいっぱい。イスラームはスンニ派もシーア派もアトランティックアベニュ
ーに同居だ。
ここNYでは、祖国同士の対立よりも、食も含めた文化の近似度のほうが重要なのかも
しれない。

さて、パキスタン料理とは何かというと、カレー。それではインド料理とどう違うのか
というと・・・すみません私には区別がつきません。
強いて言えば、血抜きを徹底的に行うハラルミートを使うため、パキスタン料理の肉は
パサパサしているような気がする。
一方、インド料理はオイリーでジューシー。どちらかに生まれるならば、インドに生ま
れマハラジャな脂身を身にまといたい。

ただ、インド料理屋とパキスタン料理屋、店の雰囲気は素人目にもあきらかに違う。レ
ジや壁に、コーランから引用したらしい?文字が飾られていれば、そこはパキスタン料
理店。お祈りの時間には、テレビからコーランが流れる。
だが、だれもメッカ方向にお祈りを捧げてないぞ。いいのかイスラーム。
まあ、パキスタン人に律儀にお祈りなんぞされた日には、タクシーの渋滞でマンハッタ
ンが麻痺することは明らかなのだが。


執筆担当:光デパート
【大嘘百貨店】
http://village.infoweb.ne.jp/~fwba0050/index2.htm



5. しーもす君と小猫さん――――――――――――――――――――――――――


しーもす:そうそう、こないだ羊の牧場にいったんだけど。
小猫  :そりゃまた変わったところへ・・・面白かったかい?
しーもす:かわいいよ、羊は。子羊なんて「メエ〜〜」の声が妙に甲高くて。
小猫  :へえ君にも動物を愛でる心があったんだねえ。
しーもす:失礼な。愛羊家として有名な私に向かって。
小猫  :愛羊家って・・・
しーもす:羊を見てると、こう・・・涎が。
小猫  :食う方かいっ。
しーもす:あどけない子羊を眺めながら食べるジンギスカンは、もう最高。
小猫  :鬼か、君は。
しーもす:じゃあ、生簀で泳ぐ魚を眺めながら刺身を食べたことがないとでも?
小猫  :いや、魚はまたちょっと違うんじゃない?
しーもす:生きとし生けるもの、全ては他の命を糧として生きなければなりません。
小猫  :確かにそうだね。
しーもす:生きること、それは罪深いことなのです。
小猫  :はあ。ご、ごめんなさい・・・って急に坊さんみたいになったね。
しーもす:何しろ私は、清貧な聖職者の家の出ですから。
小猫  :さっきと言ってることが違うぞ。
しーもす:さあ、くいあらためるのです、小猫よ。
小猫  :ちょっと待った。自分のことを棚に上げてないか?
しーもす:私ですか?何度もくいあらためましたよ。
小猫  :それがどうして、子羊を眺めながらジンギスカンなのよ?
しーもす:ジンギスカン、食べ放題でしたから。
小猫  :食い改めたのかいっ!
しーもす:ええ、10皿ほど。
小猫  :鬼!





執筆担当:不滅の放蕩
【不滅の放蕩】
http://www.infostage.net/~fumetsu/
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