――QuickUSOYA2003.09.23―――――――――――――――――――――

今週の内容........
1.「しーもす君と小猫さん」(担当:まき・とうこ)
2.更新情報と募集(週刊WEBマガジンSAKANAFISH)
3. 玄界灘男の「お仕事できたかな?」
5.「しーもす君と小猫さん」


1.しーもす君と小猫さん―――――――――――――――――――――――――――



小 猫 :もうじき10月か。
しーもす:10月がめぐりくるたび、人はふとそれまで過ごしてきた9か月と、残り
     の3か月について深く、深あく考える。
小 猫 :でもすぐに忘れる。
しーもす:君は選択のきく健忘症という便利な病にかかっているからな。
小 猫 :そんなもんかかってませんよ。
しーもす:ほら忘れている。
小 猫 :……… えー、
しーもす:さて天高く馬肥ゆる秋ですね。
小 猫 :酢豆腐は目黒にかぎりますね。
しーもす:棚の上のぼたもちは甘いですね。
小 猫 :隣の洗濯機は水が多いですね。
しーもす:はい?
小 猫 :近くにぼく御用達のコインランドリーがあってね。
しーもす:御用達だけど洗濯は自分でするわけですね。
小 猫 :そこが水節約タイプの、横のフタを開けて入れる洗濯機なんだよ。
しーもす:映画なんかで見るあの機械か。
小 猫 :あの洗濯機は人生の縮図だ。
しーもす:わけのわからないことを断言してますがそらまた何故。
小 猫 :我々は汗水たらして労働し、賃金を得、それを投じて結局贖うものは、
     30cm四方の空間をぐるぐる上下する自分のぱんつをじーと見つめる30
     分間である。
しーもす:回るぱんつなのか君の縮図は。
小 猫 :そして隣の空間では、他人の靴下とかぱんつとかがぐるぐる回るのを見
     せつけられる。
しーもす:人のぱんつが回るのをじろじろ見るのはやめた方が。
小 猫 :でもきれいなおねえさんのぱんつが回っているのが見えると、人生って
     素晴らしいなあと。
しーもす:結局君の人生はおねえさんのぱんつ次第なのですね。
小 猫 :で、「隣の洗濯機の水は多い。」
しーもす:だからなんだそれは。
小 猫 :いや例えば3番の機械を使うだろ、どうも洗う水の出が少ないんだよ、
     アワたたなくて全然洗えてる気がしないんだよ、思わずドライクリーニ
     ング用の機械かと思うくらいだよ。で、ふと見ると、隣をおばちゃんが使っ
     てる4番機は、景気よく水がざばざば入ってるんだよ、いかにも「洗濯
     してまーす!」といわんばかりに気持ちよさげに。なんかすごいくやし
     いわけよ、ね? 同じお金払ってんだから。だから次は絶対4番で洗っ
     てみせます二度と水には不自由しませんって、スカーレット・オハラみ
     たいに固く決意するわけ、そして次には朝早く行くんだよ、開店と同時
     に4番をしがみつくように確保してさ、もううきうきしながら洗濯もん
     放りこんで、洗剤入れてお金入れて、んで前に座ってもみ手せんばかり
     にさあこい!とか待ち構えるわけよ、するとやっぱり水が全然出てこな
     いんだよ。洗えてないんだよ。またドライクリーニング状態になってる
     んだよ。んだよそら、あにぐるぐる回ってんじゃいこのハゲ!とかキカ
     イどつきながらふと見ると、隣にこないだのおばちゃんが来てていつの
     間にか3番をまわしてて、よく見ると3番なのに水がざばざば入ってん
     だよ。なんだそら!話が違う!金返せ!オレはやり直しを要求する!自
     己批判せよ!立て万国の労働者あ!

     と、そういう状態を的確に表現した格言だ。

しーもす:読みにくいから格言として成立しないと思う。
小 猫 :特許申請しようかと。
しーもす:却下されます。
小 猫 :特許料で大もうけだよ。
しーもす:その予定はありません。
小 猫 :そしてぼくは強大な経済的基盤を後ろ盾に参議院選挙に出馬して政界を
     制覇し、返す刀でNHK海老原と読売渡辺を蹴落としメディアをも牛耳って、
     ついには日本を裏表から操る光と闇の両権力をこの手中におさめるのだ。
しーもす:それより洗濯機を買う方が先だと思います。





2.更新情報そして募集 ――――――――――――――――――――――


■【週刊WEBマガジンSAKANAFISH】
http://www.sakanafish.com/
9月です。9月9日は重陽の節句。

チョーヨンピルなどという言葉があります。
あることがわかったら忘れてください。

今週の特集は
「らくちんまんが・フライムジーク」です。
楽々といいながら自分の首を絞むることとなります。

さらにいえば台風まんが果糖水的生活154や
ふたご対談などあります。


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嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。

地道に何か企画ができつつありますという話もあるようなないような形に
なってきました。気長におまちください。



3. 玄界灘男の「お仕事できたかな?」―――――――――――――――――――――

第3回「さらばバイト先、僕は手に職をつけたよ。」


居心地のいいアルバイト先にも波風が立つ日がやってきました。創業者一族が関西の乗
っ取り屋に会社をとられてしまったのです。ここはひとつお世話になったバイト先を守
ろうという気持ちはかけらすらない私は、すぐに乗っ取り会社の会長に気に入られ、よ
く「玄界くん、君はよお働くなあ、これ、少ないけど何かの足しにせい。」と封筒を貰
いました。もちろん現金です。現ナマです。忠誠心を売るに足る金額です。
たまにしかこない会長が毎日顔を合わせる支店長よりもいっぱいお金をくれるのですか
ら、「会長=いい人、支店長(創業者の子ども)=ダメ人間」という図式は簡単に描け
るのです。しかし、この会長が言った一言で「あ、こらいかん。」という状況が来るのです。
曰く「玄界くん、大学なんぞ辞めてうちに来んか?」前前からYさんから「あの会長は
やくざやで。」と言われていた僕には「お金をいっぱいくれるよいおじさん」が「修羅
の道への案内人」に変貌するように感じたのです。
約2年半勤めたバイト先を僕はこうして辞めることとなりました。そうです、表向きは
「学業に専念する」ということですが、「やくざはいや。」ということだけで必死こいてにげたのです。
しかし、この間に僕は一生役立つ技術を身に付けました。いわゆる「開錠技術」平たく
言えば当時は犯罪とは無縁だった「ピッキング技術」です。あまり詳しく語るとまずい
ので言いませんが、よくドラマなんかで「ちょっとヘアピンを貸してくれ。」「ガチャ
ガチャ。」「ピ〜ン。」「開いた。」なんてやってますが、あんなのはまず嘘だと思っ
てください。あれは「ばね錠」といって、江戸時代の蔵の錠や自転車の錠でしか見ない
錠前です。あんなのを一般家庭で使うなんてことは皆無です。番頭さんと丁稚どんを地
でいっている家でしたらありえるのでしょうが。また、なんかのドラマでやっていたの
ですが、「鍵穴にレジンキャストを流し込んで、硬化したら鍵が複製されていた。」な
どと言うのも片腹痛い話です。それでできるのは「鍵がかかっている状態の鍵穴」の複
製に過ぎません。ピッキングで肝心なのは「シリンダー錠のかぎやまを合わせ」て「回
転できる状態」にするということなのです。多分何の役にも立たない知識ですね。とに
かくこのバイトでは「技術」「道具」だけは手元に残りました。
余談ですが、社会人になってから「僕金庫開けられますよ。」「またそんな嘘を。」
「いや、嘘じゃないですって。」「じゃああけて見せい!」
「はい。ガチャガチャ、ガコン。はい、開きました。」ってのをやってから、
「玄界くんは油断がならない。」というありがたくない評判を頂いてしまいました。
「才は身を滅ぼす。」です。
現在は「ピッキングの道具」を持ち歩いているだけで罪になってしまうそうです。バイ
ト時代に使っていた道具は、今道具箱の中で多分こないであろう復活の日を待ち望んで
いるのかもしれません。

(次回は怒涛のアルバイト編「金持ち出版社、貧乏出版社。」をお送りする予定。)

執筆担当:玄界灘男
【駄嘘!】
http://www2.ocn.ne.jp/~genkai/index.html



4. しーもす君と小猫さん――――――――――――――――――――――――――


小 猫 :ぱんつ洗いとかの家庭機能のアウトソーシングとしてあれは偉大なシス
     テムだ。
しーもす:いいかげん回るぱんつから離れてもっと美しい話をしないか。
小 猫 :では、芸術の秋ですね。
しーもす:そうそう。
小 猫 :例えば税金でまかなわれる公立の美術館を、自分の優雅な趣味のアウト
     ソーシングと考えるのはどうでしょう。
しーもす:それはなかなかいいな。気分が豊かになる。
小 猫 :つまり名画は全部オレのものだ。
しーもす:いやアウトソーシングと自分のものとは微妙に違うと思うが。
小 猫 :実はルーベンスを一枚持ってまして、カーテンかけて貧乏人には見せな
     いようにしてあるんですがね、こないだ貧乏な少年と犬がその前の床で
     凍死したりしてましたなああはははははは。
しーもす:なんて奴だ結局そうなるのか。
小 猫 :コンサートホールももう自分のCD棚の延長。
しーもす:だから微妙に違うというのに。
小 猫 :あ、ストーンズ?彼らはなかなかいいバンドだね。じゃ呼んであげても
     いいよ、僕のホールに。
しーもす:で、チケットぴあに電話かけて、やっとつながったら3階席のてっぺん
     で、米粒大のストーンズを見るのか。自分が呼んだとはとても思えないな。
小 猫 :米粒でもケシ粒でも、やはり人類の古典芸能文化は見ておかねば。
しーもす:人類単位でストーンズは古典芸能なのか。
小 猫 :彼らの楽譜は墨書りんりと縦書きで、「あれこれへれまひれ」とか書か
     れているそうだし。
しーもす:三味線古譜じゃないんだから。
小 猫 :「へれまひれ」でロケンロールできるあたりがさすが伝統の技。
しーもす:♪ひゃ〜てぃひゅふぁ〜くひょ〜ん、とか歌われたらやる気がモリモリ
     抜けてきますね。
小 猫 :ミックは大暴れしているように見えるが、実は暴れる間合いと立ち位置
     とふるまいが毎日ぴたりと同じなんだ。
しーもす:能とか歌舞伎の様式美に通じますね。
小 猫 :チャーリーとロンは黒子が二人ずつついて棒で操っている。
しーもす:かくかくよく動くなあと思ってたがやっぱり浄瑠璃だったんですね。
小 猫 :そしてキースは二人羽織。
しーもす:キースだけ大衆演芸なのか。
小 猫 :「いつもより長くチョーキングしております!」とかブライアン・
     ジョーンズがMCで。
しーもす:んなこと言ってて、知らんぞザリガニ入りの手紙送りつけられても。
小 猫 :大丈夫だ、海老一兄弟のファンはそんなことはしない。
しーもす:……… えー、
小 猫 :ストーンズを絶滅から救おう。ストーンズを多摩川に呼び戻そう。京都
     議定書の骨子に盛りこもう。さらに草の根の一市民としては、走りゆく
     女王様の馬車の前にこの身を投げ出し、「女王陛下!女王陛下!女王陛
     下にお願いでございます!」と握りしめた直訴状を掲げ、それを広げる
     とそこにはしたたるような血書で「ストーンズを特別天然記念物に。さ
     もないと、大家んとこにキースかつぎこんでカンカンノウ踊らせるぜ」
     と赤々と。
しーもす:それより洗濯機を買う方が先だと思います。



執筆担当:まき・とうこ
【The Total Frontal John Cleese】
http://www.btinternet.com/~akko.o/tfjc/
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