――QuickUSOYA2003.10.07―――――――――――――――――――――

今週の内容........
0. 新規加盟店のご案内
1.「しーもす君と小猫さん」(担当:s.バレット)
2. 更新情報と募集(Lankin' A Go! Go!/週刊WEBマガジンSAKANAFISH)
3. 何が悲しうて英国在住日記 by まき・とうこ
4.「しーもす君と小猫さん」

0. 新規加盟店のご案内

10月より新規加盟店に
気楽院さん
【埼京震学舎暫定HP】
http://member.nifty.ne.jp/saikyo-shingakusya/
じょーしゅさん
【ことだまの城】
http://www5b.biglobe.ne.jp/~telsuz/
そして執筆人に
みりんさんをお迎えいたしました。
皆様なにとぞお楽しみにしていてくださいませ。


1.しーもす君と小猫さん―――――――――――――――――――――――――――


しーもす:ごきげんよう。
小  猫:ごきげんよう。
女  神:バクシーシ、バクシーシ。
しーもす:ところで知ってました?聞いた話によると、こねこちゃんの首をビニ
     ルの紐でぎゅっと〆ると、グンカンドリの一種が発する求愛の歌に酷
     似した断末魔の声をあげて逝くそうですよ。
小  猫:初っ端から何の脈絡もない上に、極めて電波な嘘をつかないでくださ
     い。
女  神:バクシーシ、バクシーシ。
しーもす:僕はその美しくも儚いであろう声が、とても聞きたいのです。とても
     聞きたいのです。そんなわけで 殺させて下さい 君のこと。字余り。
     とても聞きたいのです。
小  猫:はっはー、なるほど。………………すいません、頭でも打ちましたか。
しーもす:畜生の分際で皮肉を口にしますか君。小賢しいマネなどせず、おとな
     しくこれを首に巻いて、あ、それギュギュギュのギューーーッ。
小  猫:ゲゲゲのゲェーーーーーーッ。
しーもす:ギュギュギュのギューーーッ。
小  猫:ゲゲゲのゲェーーーーーーッ。
女  神:バクシーシ、バクシーシ。
しーもす:ギュギュギュのギューーーッ。
小  猫:ゲゲゲのゲェーーーーーーッ………………(プチッ!)げはっ。ぜぇ
     ーぜぇー、はぁはぁ………
しーもす:あらー未遂。
小  猫:“あらー”じゃねえだろ。もしも、通りすがりのシザーハンズが通り
     すがっていなかったら、どうなっていたことか。それに、さっきから
     ウロチョロと、この小汚い小娘は何者ですか。
女  神:バクシーシ、バクシーシ。
しーもす:はあ。彼女は女神さまですが。
小  猫:…………はぁ?
しーもす:だ・か・ら、女神です。愛と奇跡の女神さま。
小  猫:い、いそがないとっ119番、119番……って、このアマっこ、何
     時の間に私の財布をポッケから抜き取ってやがる。
しーもす:彼女がいなければ私は、背に負った罪の十字架から、逃れ得ないので
     す。
小  猫:逃げられた……ふーむ、君。なにか事情があるようですね。
しーもす:よく聞いてくれました。これは昔むかしのお話です。強く優しきみん
     な漁師・しーもすさんは、ある日浜辺で子どもらに嬲られていた亀を
     助けたのです。すると亀はいいました。「お礼に竜宮城へ招待しまし
     ょう」。
小  猫:どっかで聞いた話だな。
しーもす:亀に連れられて竜宮城へ来て見れば、タイやヒラメの舞い踊り。うま
     い酒にうまい肴、そして乙姫とのめくるめく肉欲の夜。
小  猫:しかし、出会いと別れは常に一対。
しーもす:その通り。姫は分かれ際に私に玉手箱をわたしてこう言いました。
     「この蓋を絶対に開けてはなりませんよ」と。しかしその玉手箱、私
     は好奇心から、ついつい開けてしまいました。すると、ああ!なんと
     いうことでしょう!!
小  猫:立ち昇る真っ白い煙、あっという間におじいさんに。
しーもす:いいえ、ぶばばばばどっかーんっっ!!!!!!!!!!!!
小  猫:ば、爆発ぅ?
しーもす:まさか開けてはならぬ玉手箱の正体が、太陽光感知式の戦術核ブービ
     ートラップだったとは露知らず……
小  猫:なんぢゃそら。
しーもす:二兆人死にました。




2.更新情報そして募集 ――――――――――――――――――――――

■【Lankin' A Go! Go!】
http://ca.sakura.ne.jp/~daisy/lanking/

今年のニッポンはプチ天変地異イヤーとうかがっております。
阪神優勝とか阪神優勝とか十勝地震とか阪神ア・リーグ優勝と
か阪神金メダル獲得とか宮城地震とか阪神世界征服とか冷夏と
か。
その末席となりましょうか、なぜかLankin' A Go! Go!なども
更新されております、よろしければ天変地異気分をあなたのパ
ソコンでお手軽に味わってみませんか。



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■【週刊WEBマガジンSAKANAFISH】
http://www.sakanafish.com/
10月です。9月9日は重陽の節句。

10月のうちから重陽の節句のことを考えなくてはいけないとは
どんな世の中でしょうか。誰が責任を取ってくれるのでしょうか。

今月のコロ助の科学質問箱は
「どうしてパンはふくらむの?」です。

今週の特集は
「襟裳川ミステリ文庫・これは・シャーロック・ホームズのパロディでは
ありませんシリーズ」です。


さらにいえば新まんが近代職業婦人図鑑や
ふたご対談などあります。


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嘘関係のサイトの更新情報等、何か告知がありましたら
こちらの更新情報で紹介いたします。
紹介したい方はこちらまでご連絡ください。
q_usoya@yahoo.co.jp
まで。

地道に何か企画ができつつありますという話もあるようなないような形に
なってきました。気長におまちください。

3. 「何が悲しうて英国在住日記」そのさん。 ―――――――――――――――――

 
 
世界中どこに行っても、自国の言葉でほぼ押し通すことができるというのは、
どういう感じなんだろう。たとえばこの人々のように。
と、
わたしは天気のよい日曜日、公園のベンチで華麗なるひなたぼっこなどをした
ためつつ、目の前を右往左往する英人たちを見ながら考えるのであります。
 
日本に外国の人がいたとします。するとおそらくこの人は日本語を話さないで
しょう。仮に話しても片言です。つまりその人はこっちの言うことを理解しな
いかもしれない。なので日本語で何かを伝えるときには、わかりやすく説明し
なければならない。
と、日本的感覚だと、外国人と話すときにはそういうココロがまえになると思
われます。
 
英人はんなことはしません。
なにしろ天下のイギリス英語がうしろだてです。
そして「平等公平であること」を過去数百年追求しつづけてきた人々です。
相手が外国人であろうとなかろうと、態度を変えることはありません。
つまり意志の疎通を図りにくいとき、彼らがとる方法はただひとつ。
まったく同じ文章を、まったく同じスピードで、
しかし「大きな声で」くり返すのです。
 
わたしが例えば銀行に行くと、かつてこういうことがよく起きました。
 
「はろー。すみませんじぶんの口座のことちょとしつもんがあるです」
 
「どのようなことでしょうか?」
 
「えとせんしゅのきんよびに給料入ったね。入ったねが入ってないね。かげも
かたちもないね。でも税金とかローンとかごんごん出ててるね。あたし死ぬよ。
命ないよ。どゆことどゆことどゆこと」
 
「少々お待ちください。(かたかたかた)ああこれはですね、弊社のシステム
のナントカがカントカ致しまして、その結果としてペラペラポラポラ、パラパ
ラピラピラピラなのでございます」
 
「ほえ?」
 
「弊社のシステムのナントカがカントカ致しまして、その結果としてペラペラ
ポラポラ、パラパラピラピラピラなのでございます」
 
「…えー、今、ゆたことひとつもわからないのね。あたち今英語ベンキョ中
なんで、もちっとわかりよく言ってくだちゃい」
 
「なるほど。ではこう言い換えましょう。つまり、(声が大きくなる)弊社の
システムのナントカがカントカ致しましてその結果としてペラペラポラポラポ
ラパラピラピラ」
 
「…あのー、あなた、全然言い換えてないのね。せめてもちっとゆるりと言
ってくだちゃい」
 
「はあ、ですからですねー、要するにー、(同じ速さでさらに大声で)弊社の
システムのナントカがカントカ致しましてその結果としてペラペラポラポラポ
ラパラパラピラピラピラ」
 

この方に、わたしは「聞こえていない」のではなく、ペラとかポラとかいう
「単語の意味がわからない」のでわからないのである、ということをご理解い
ただくまでに多大なる労力と時間とを費やし、しまいには双方ヘトヘトになり
ました。
 
ふと、これでよいのだろうか。という思いにとらわれるのです。これは21世紀
の先進国としてあるべき態度なのだろうかと。マルチカルチュアリズムとマル
チリンガリズムに否応なく直面せざるを得ない国際大国としての立場に彼らは
気づいているのだろうかと。
わたしはさかんに膝の上にのぼってくる公園の鳩どもをバッタと払い落とし、
「革命だ!」と立ちあがりました。
(英国の鳩は人なつこい。)
外側の立場からこそ見えてくる社会の問題もあるのだ。英語がなんとなく世界
の共通語になりつつあるというぬるい事実を当然のように受け止め、この状況
にすっかりヒヨってしまってよいのか英国人。
 
とその場でフトコロから携帯を取りいだし問うたところ、英友人(男・保守党
支持者)いわく
 
「よいのです。当然です。何故なら我々は戦争に勝ったのですから」
 
ううむこのわたしにしてこの友あり、とつぶやきつつわたしは携帯をしまいま
した。

そして、
つまりこの国では「ほんやくコンニャク」にまつわるほのかな情緒など通用し
ないのであろう。ああドラえもん文化を理解できる人間で本当によかった。と、
ひき続きひなたのベンチで考えたりしていました。


執筆担当:まき・とうこ
【The Total Frontal John Cleese】
http://www.btinternet.com/~akko.o/tfjc/


4. しーもす君と小猫さん――――――――――――――――――――――――――


イラン人:ハッパアルヨー。ハッパアルヨー。サービススルヨー。ワタシ、アヤ
     シクナイヨー。ホントヨー。
女  神:バクシーシ、バクシーシ。
小  猫:なんでもいいが女神さまとやら、人から財布スった挙句、その金を握
     りしめてイラン人プッシャーのもとへ直行するのは勘弁して下さい。 
しーもす:しかし例えラリっていようと、女神さまは女神さまですから。
小  猫:はぁはぁそうですか。で、それで。
しーもす:昔話を続けましょう。愚かな不誠実から二兆人の尊い人命を塵芥とし
     てしまった私は、世の無常を感じ、草庵をあんで山に篭ることにしま
     した。そして、山道で私は罠にかかった一羽のツルに出会ったのです。
小  猫:またか。
しーもす:その晩、私の草庵を一人の女性が尋ねてきて……
小  猫:一夜の宿をお貸し願えませんかと……
しーもす:あなたのために機を織りましょう。だけど、決して……
小  猫:決して中は覗かないで下さいね……覗いたのですか。
しーもす:はい。
小  猫:覗くとそこには、機を織る件のツルの姿がっ。
しーもす:いえ。戸の隙間から見えたのは、土間をビチビチと跳ね回る新鮮な
     カジキマグロの姿だったのです。
小  猫:おい、こら。
しーもす:そう、女の正体はツルなどではなかった。私の追捕の命を受けた竜宮
     直属のびんわん刑事、それこそが彼女の真の姿だったのです。
小  猫:陸へ上がってよく平気でしたね。エラ呼吸さまは。
しーもす:私はその場で拘禁され、再び海の底へと連れて行かれました。ただし
     今度は客人としてではなく、不実の罪を問われた虜囚として。城の奥
     深く、水深3万メートルの深海牢獄へと幽閉され、そこで私は「本当
     のこと」を知る……
小  猫:と、いうと?
しーもす:私は利用されていたのです。
小  猫:穏やかではありませんね。
しーもす:「決して、決して開けてはなりません」その言葉もなにもかも、策略
     だったのです。あなたは御存じですか。当時、魚介類の殿堂・竜宮が
     吾が国と一色即発の緊張状態にあったことを。そんな状況下で私は乙
     姫、亀、シャコやマンボウを中心とする過激派の暴走により計画され
     た戦略級テロの、体(てい)のいい「運び屋」として利用されたので
     すよ。
小  猫:マンボウ、あんな顔して過激派か。
しーもす:奴らはことの真相を知る私を、一生獄舎に幽閉しようとしました。冷
     たい檻の中で私は竜宮を憎んだ。憎んだ。憎んで憎んで憎んで…そし
     て憎悪にかられるあまり、取り返しのつかないことをしてしまった。
     「レッツ・オープン・ザ・パンドラボックスッッ」
小  猫:いろいろ繰り返すな、君も。で、中には何が?将軍さまでも入ってい
     ましたか?
しーもす:いえ、蓋を開けると、中にはぎっしり五木寛之著『生きるヒント』が
     ……
小  猫:………………なにか物悲しいな。
しーもす:五兆人死にました。
小  猫:なんで死ぬのか。
しーもす:全てが終わった後、私は箱の前にくずおれ、慟哭しました。箱から飛
     び出した数々の、少なくとも伊東家の裏技程度にはタメになるだろう
     教訓。それによって竜宮は壊滅したというのに、あとに残ったのは一
     抹の空しさだけでした。
小  猫:まあ確かに、ああいう類の本を読んだあとは、なぜだか妙に空しくな
     りますが。
しーもす:たくさんの人が死んでいった。私の所為で。どうすれば、この罪を償
     えるというのか………………その時です、もう空っぽのはずの箱の底
     から、小さな声が。
小  猫:さきごろ脱・超能力者宣言をしたエスパー清田くんですか?
しーもす:そこにいたのは、今にも泣きそうな顔をした女の子でした。ソレの気
     高さ、時代の悲しみに打ちひしがれる瞳の美しさと、それに耐える強
     さは、私に「彼女は“人”ではないのだ」と確信させるに足るもので
     した。
小  猫:もしかして、それがあの小娘ですか?
しーもす:彼女こそが運命(さだめ)を支配するもの。その目から一滴の清らか
     な涙がこぼれる時、彼女の力は開放され、全ての犠牲者はあたたかい
     光のもとに「甦る」か、刻(とき)の歯車が「逆回転」し、全部なか
     ったことになるか、「円環オチ」か、「夢オチ」へと集束するでしょう。
     まちがいない。
女  神:カレー、カレー。ラッシー、ラッシー。
小  猫:そうはみえないがなぁ。
しーもす:しかし、問題が一つ。
小  猫:なんですか。
しーもす:女神様が……泣きそでなかなか泣かないのです。
小  猫:ふてぶてしそうなツラしてるもんなぁ。
しーもす:それで私は考えました。これはもしかすると、まだ悲劇がたりないの
     では、と。
小  猫:というと、つまり?
しーもす:彼女が泣くにはまだ人が死に足りない。おそらく、君を含めてもうち
     ょっと死んでもらわないと、全部チャラにはならないのです。
小  猫:なに言うとるんですか。問題発言ですよ。
しーもす:“奇跡は自分で起こすもの”です。
小  猫:こらこら。
しーもす:というわけで、どうせすぐに生き返れるのだから、大人しくクイッと
     〆られてくださいよ。あ、それギュギュギュのギューーーッ。
小  猫:あのですね君、本当にそんなことを信じているのですか?バカバカし
     い。こんな小汚いのが泣いたところで何が起こると?ためしに尻の一
     つでも蹴飛ばしてやりましょう。それ、ボイィィン。
女  神:びぇぇぇぇぇぇぇんっ。
しーもす:な、泣いたっ!!
小  猫:見なさい。別にどうといったことはない。
女  神:びぇぇぇぇぇぇぇんっ。
しーもす:……いいえ。

                  ゴゴゴゴゴ

小  猫:(ゴゴゴゴゴ)な、なんですか、なんですか。本気でなんか起こるん
     ですか。そんなアホな。
女  神:(ゴゴゴゴゴ)びぇぇぇぇぇぇんっっ。
しーもす:(ゴゴゴゴゴ)これで…………ようやく…………
小  猫:(ゴゴゴゴゴ)何を雰囲気に浸っておるのですかっ。どうにかしなさ
     い。
女  神:(ゴゴゴゴゴ)びぇぇぇぇぇぇんっっ。
しーもす:(ゴゴゴゴゴ)どうにもなりません。それではまた、会いましょう。
     別の世界で。
女  神:(ゴゴゴゴゴ)びぇぇぇぇぇぇんっっ。
小  猫:(ゴゴゴゴゴ)(ゴゴゴゴゴ)(ゴゴゴゴゴ)うわぁぁぁぁ。





             じょわわわわわーーん。ぴかー。





  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
           O 。 
                 , ─ヽ 
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
|__|__|__|_   __((´∀`\ )<…というお話だったとさ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________ 
||__|        | | \´-`) / 丿/ 
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/ 
|__|| 从人人从. | /\__/::::::||| 
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/|| 
────────(~〜ヽ::::::::::::|/        = 完 =












        しーもす博士:…………それからというものの、
              ギリシア悲劇では、神オチと夢オチ
              とメタオチは御法度になったという
              ことじゃ。

        何人かの作家:なんでオレにそういう話を聞かせるの。



執筆担当:s.バレット
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